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RWC2008“Day2”,タイ代表ギルドが2連覇を果たし世界最強の栄誉を手に!
ベスト4を決める後半戦,アメリカ代表 vs. 韓国代表の試合でスタートした「RWC2008」大会2日目……と言いたいのだが,なぜか1時間遅れでスタートというところが,なんとものんびりしたお国柄だなーとつくづく思った。なにはともあれ,初日に続くRWC2008の様子をお伝えしよう。
●第1試合 アメリカ代表 vs. 韓国代表
ラウンド1が始まると,韓国代表ギルドはアメリカ代表ギルドのハイウィザード,クラウン,プロフェッサーを一気に沈め,完全に体勢の崩れたアメリカをそのまま破ってしまった。試合開始から1分もったかどうかという,あまりに早い展開である。
続くラウンド2,出会い頭から韓国は阿修羅覇凰拳(以下,阿修羅)を連発。MP回復のサイクルがうまいのか,その間隔が異常に短い。アメリカはプロフェッサーが戦闘不能となりランドプロテクターを失うと,韓国ギルドは乱戦にすら持ち込ませず,あっというまに5人を倒した。アメリカギルドはチャンピオンがハイドしたまま生き延びており,せめてもの反撃をと試みたのだが,もちろん試合としては覆しようもなく,韓国の勝利はすでに確定的だ。韓国ギルドはチャンピオンを弄ぶかのように,わざと倒さずに生かしたまましばらく時間が経過。最後には阿修羅でチャンピオンを落とし,2-0のストレートで韓国代表ギルドが勝利した。
試合終了後にはステージ上で,大人気だったアメリカ代表ギルド唯一の女性プレイヤーにわざわざスペシャルインタビューが行われた。何しろ試合開始前から彼女が画面に映るたび,来場者から口笛が飛ぶほどの可愛らしさである。RO歴3年という彼女には,残念ながら同じギルド内にボーイフレンドがいるそうだ。また,韓国選手については,一部メンバーにプロゲーマーが含まれていると紹介されていた。
●第2試合 フランス代表 vs. インドネシア代表
シード権を獲得したインドネシア代表にとって,これが大会初戦となる試合。フランス代表は前日と同じジプシー構成で,インドネシアはチェイサーを含む基本構成である(構成については「大会1日目の記事」を参照してほしい)。
試合開始直後,いきなりフランスはプロフェッサーとハイプリーストが死亡してしまう。解説者は「チャンピオンがまだ生き残っているので,逆転は可能」と言っていたが,やはりランドプロテクターが無いうえに,リカバリー役のハイプリーストもおらず,残ったメンバーが凍結を繰り返してそのままインドネシアに押し切られた。昨日の試合の様子を見た影響なのか,2日目は第1試合,第2試合ともに,両ギルドがとてもアグレッシブな動きをしているように見えた。
続くラウンド2,こちらから見ているかぎりフランスは,とにかくハイプリーストによるリカバリーのタイミングが遅いと感じた。実際,ハイプリーストは後方に控えてストームガストを避けているにも関わらず,凍結したメンバーはなかなか復帰できない。インドネシアはこの状況で,慌てることなく一人ずつKillを稼いでいくという流れに。結局フランスは,最初にプロフェッサーが倒れ,ハイウィザード,クラウン,ジプシーが次々と戦闘不能となり,インドネシアはチームの隊列をほとんど崩さないまま,余裕の勝利を収めたのだ。
●第3試合 フィリピン代表 vs. タイ代表
この試合に勝てば,地元フィリピン代表ギルドは最低でも2位が確定するということで,観客席からはフィリピンコールが上がり,司会者のトークにも熱がこもる。
ラウンド1でフィリピンは,ハイプリースト以外の全員が凍結するも,かなり素早いリカバリで体勢を持ち直すことに成功し,逆にフィリピン側がタイに接近しての乱戦に持ち込んでタイのハイプリースト,プロフェッサーを阿修羅で落とした。
これまでの試合では,プロフェッサーを失ったギルドは圧倒的不利のまま負けていたのだが,タイは前回優勝ギルドだけあってここからが実に粘り強い。逆にフィリピンのクラウンを倒し,さらにチェイサーがフィリピンのパラディンに,対象の装備を強制的に解除するストリップ系スキルを決めて,そのまま戦闘不能へ。
この時点で両ギルドの生存人数はタイ5名,フィリピン3名となっていた。タイのパラディンは絶え間なくプレッシャーを繰り出してHPを削り,阿修羅を叩き込むチャンスを作ろうとする。フィリピンは残ったメンバー全員が凍結するという大ピンチに陥るのだが,プロフェッサーがかろうじてランドプロテクターを張ることに成功し,その場は持ち直した。その後も,タイにとってのチャンスが何度も訪れるのだが,このままいけば勝利が確実なため,余計な動きを控えたのか,ほとんど手を出さないま試合はタイムアップとなり,生存人数でタイが勝利を獲得した。
ラウンド2はお互い猛攻撃ではじまるという,非常にアグレッシブな試合展開に。しかし出会い頭のガンバンテインの掛け合いで,フィリピン側が数名凍結してしまったのが決め手となり,フィリピンのハイウィザード,プロフェッサー,パラディンが死亡。タイもチャンピオン1名を失うが,それ以上は隙を見せることなく,あっという間にフィリピン代表は全滅。2-0でタイ代表ギルドが勝利し,地元フィリピン代表はベスト4で敗れ,3位決定戦に挑むこととなった。
●第4試合 韓国代表 vs. インドネシア代表
先の試合ではフランス代表を相手に,なかなかの戦いっぷりをみせてくれたインドネシア代表ギルド。しかしPvPが盛んなことで知られる韓国で代表の座を射止めたギルドの実力は,それを遥かに上回っていたようだ。
RWC2007のときと変わらない韓国のスピーディな戦闘スタイルで,相手が体勢を整えつつステージ中央に来るところを迎え撃つ。とにかくストームガストとプレッシャーでごり押しし,相手の隊列を崩して乱戦に持ち込む。あとはプレイヤースキルの高いチャンピオンがまずプロフェッサーを餌食にするという戦術だ。インドネシア代表は,プロフェッサー,ハイウィザード,クラウンを失い,わずか65秒で試合終了。韓国があっというまにラウンド1を制した。
ラウンド2では最初に韓国のチェイサーが沈むも,インドネシアはチェイサー,ハイウィザードが戦闘不能に。さらにインドネシアはチャンピオンを失い攻撃面で圧倒的不利となる。韓国ギルドはどのプレイヤーがというよりも,すべてのプレイヤーが実に素晴らしい判断力と完璧な連携を見せてくれた。試合終了間近には,生存数6-3で圧倒的有利となった韓国。プリーストがレックスエーテルナを,クラウンが氷割りに弓を使いだす余裕。2試合ともまさに余裕といった試合運びで,韓国が勝利することとなった。
3位決定戦と決勝戦に入る前に,RWC2008出場者には3時間ほどのブレイクタイム。ステージではLEVEL UP! INTERNATIONALが運営するほかのMMORPGや,オンラインスポーツゲームの国内大会決勝戦が行われたほか,一般来場者によるコスプレ大会,生演奏によるラグナロクオンライン ミニコンサートなど各種イベントが披露された。
1本勝負の3位決定戦はインドネシアが勝利
●フィリピン代表 vs. インドネシア代表
フィリピン代表としては,何とかトップ3には食い込みたいこの3位決定戦。この試合は,これまでの3本勝負2本先取というルールではなく,1回限りで勝負が決まってしまうのだ。しかし,ラウンド1が始まるとほぼ同時に,フィリピンのハイプリーストが戦闘不能になってしまう。試合は乱戦にならず,お互いがランドプロテクターを張った状態で,向かい合ったまま戦闘は続く。フィリピンのパラディンはかなり前へ出た状態で,インドネシア代表ギルドにプレッシャーを与え続け,一度はインドネシア代表のメンバーを全員凍結させたものの,フィリピン代表はこのチャンスを生かせなかった。逆にランドプロテクターの張りなおしに失敗するというミスを犯したのだが,どうにかインドネシアのプロフェッサーを戦闘不能に追い込むことには成功する。これによって,試合の行方がどちら有利に傾くのかが,見えなくなりはじめる。しばしこう着状態が続き,スローな試合展開が続いた後,試合残り時間あと2分というところでインドネシアの猛攻を受け,フィリピンのチャンピオン,パラディン,チェイサーが倒れてしまう。その後残りのメンバーも戦闘不能となり,インドネシアの勝利となった。
せめて地元3位をというプレッシャーからなのか,フィリピンはこれまでの試合を勝ち抜いてきたとは思えないほど,精彩を欠く試合内容であった。
RWC2008決勝戦 柔軟性と対応力の高さを見せ付けた,タイ代表ギルドが世界最強の座に
●タイ代表 vs. 韓国代表
いよいよ世界最強ギルドが決まる,RWC2008決勝戦。ルールは5本勝負の3本先取だ。ラウンド1はお互い距離をとったままの試合となっていたのだが,韓国はアッサリと全滅し敗北する。どう見ても先の試合に比べて動きが格段に鈍く,どうやら1本目で様子見をしていたようである。昨年のRWC2007でも韓国ギルドは,ラウンド1と2ではまったく異なる動きを見せたため,タイ代表にとっては油断はできない。案の定ラウンド2からは,韓国ギルドの猛攻が始まったのだ。とにかくすばやい動きで故意に乱戦に持ち込み,パラディンがプレッシャーを連発。ストームガストは完全にチェイサーに任せっきりで,ハイウィザードはガンバンテインだけに集中するという戦術のようだ。ラウンド2とラウンド3はまったく同じ戦術で韓国ギルドが圧勝。タイは1-2と追い込まれる形となってしまった。
これに勝てば韓国代表の優勝が決まるラウンド4が始まるやいなや,会場からはどよめきが沸きあがる。なんとタイ代表ギルドはメンバーの一人を突然ジプシーに変更してきたのである。これまで,RJCはもちろん,RWCでも試合の途中に職業を変えてくるということは一度も見られず,今回のことは実に珍しいケースと言えよう。このタイ代表ギルドのジプシーが放つ,スクリームによるスタン妨害に韓国は動揺したのか,まったく対応しきれないままラウンド4をタイが制した。そして最後となるラウンド5でも,流れは完全にタイに向いているのか,ジプシー構成のタイが韓国を翻弄。ポイント1-2という危機を見事にひっくり返し,タイ代表ギルドが2年連続でRWC2008の覇者となったのだ。
2ゲームを落とし,後がないという状況の中で,慌てずその場で最善の方法を考え出すタイ代表ギルドの冷静さと判断力。そして突然操作する職業を変えてもまったく試合に影響しない,プレイヤースキルの高さには本当に驚かされる。タイ代表は,No.1にふさわしい戦い方を見せてくれた。
この後,ステージ上では1〜3位のギルドへの賞金とエンペリウム型トロフィーの授与が行われ,RWC2008ならびにLEVEL UP! LIVE 2008は終了となった。
タイ代表ギルド ミニインタビュー&RWC2008を振り返って
試合終了後の慌しい中,優勝したタイ代表ギルドのコメントと,RWC2008全体を振り返っての,日本代表ギルドchopからのコメントをもらうことができたので,ここで紹介しておこう。
●勝利者インタビュー
去年も韓国でお会いしましたね。まずは優勝おめでとうございます,今どんな気分ですか?
タイ代表ギルド:
2連覇できましたし,とっても,とってもハッピーでいい気分ですよ(笑)。
4Gamer:
ちなみに,ROをプレイするときは自宅からとネットカフェから,どっちが多いんでしょう?
タイ代表ギルド:
自宅からが多いです。
4Gamer:
すべてのROプレイヤーに,どうやったらあなた達のようにPvPが強くなるのかアドバイスをください。
タイ代表ギルド:
とにかく練習をつむことと,チームメンバー全体の結束が必要です。PvPに参加するチャンスがあったら,絶対に逃さない,これが勝利の秘訣です。
4Gamer:
努力と挑戦が実を結ぶわけですね。ありがとうございました。
●日本代表ギルドchopインタビュー
4Gamer:
みなさん,今回のRWC2008全体への感想を聞かせてください。
日本代表ギルドchop(以下,chop):
これからもっと努力しなければ,と思わされる大会でした。まだまだやるべきことは,たくさんあります。来年もチャンスがあれば全力を尽くしたいです。
chop:
他国のギルドは日本と比べて,ステータス値も戦術もまったく違い,国内でベストなステータス値やスキル配分だと安心していたのが裏目に出ました。もっと慎重に考えるべきでした。
chop:
僕は昨年のRWC2007には参加していませんが,初めて出場してみて,日本ギルドだけ戦術が違うのは明らかでした。世界レベルに達してないなと思いました。
4Gamer:
海外のギルドはどんな戦術を取っていたんですか?
chop:
一番違ったのはパラディンです。パラディンがペコペコに乗ってプレッシャーで押しまくり,チャンピオンが万が一倒れたらあとは持久戦に持ち込むという戦い方でした。
chop:
去年も出場したメンバーが二人もいるので,今年は本気で優勝を狙いたいと思っていました。結果的には1勝も出来ず本当に悔しかったです。タイの,負けてもその場で違う戦術を持ってくる切り返しを見て,実力のあるギルドは違うなと思いました。
chop:
自分達には思いつかない戦い方を考えるギルドが海外にはいて,結構ショックでした。
chop:
試合についてはみんなが先に十分語ってくれたので……フィリピン旅行は楽しかったです(笑)。メンバー同士で笑いあり,リアルな涙ありの旅ができてよかったです。この時間がプライスレス!
4Gamer:
またRWCがどこかで開催されることがあったら皆さんと再会したいですね。ありがとうございました。
2年連続で開催されたRagnarok World Championship。事前の調査ではハイウィザードとチェイサーのツインストームガストで凍結を狙い,チャンピオンが各個撃破という定石の戦い方に見えたのだが,実は細かいステータス値の違い,パラディンの習得スキルといった見えない部分で大きく異っていたようだ。“Day1”で見えたようにジプシー構成を好む国あり,韓国のようにパワーとスピードを重視した戦闘スタイルありと,日本代表ギルドchopのメンバーは世界レベルの戦いを目の当たりにし,次のRJCそしてRWCへの出場を目標に,さらなるスキルアップを誓っていた。次回開催に関する予定はまったく未定だが,そのときが来れば成長した彼らの姿が見られるのではないだろうか。
なお,今週末の「ラグナロクオンライン」ファン感謝祭2008では,RWC2008の報告会も行われる予定なので,さらに詳しい話を知りたいという読者は,ぜひディファ有明(東京)に足を運んでみてほしい。
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