インタビュー
【PR】祝・「ラグナロクオンライン」20周年,現役運営スタッフ記念座談会。これまでの苦難とこれからのROで実現したいことを聞いた
PC向けMMORPG「ラグナロクオンライン」(以下,RO)が,2022年12月1日でサービス20周年を迎えた。日本でサービスされたMMORPGは数あれど,20年も運営を続けているタイトルは,片手で数えるほどしかなく,ゲーム史に残る偉業と言えるだろう。
さて,これほどの長い期間運営を続けていれば,積もった苦楽やプレイヤーの知らない裏話も少なからず残っているはず。今回は,20周年を迎えたばかりのRO現役運営チームの座談会を企画して,彼らの悲喜こもごもを聞いてみることにした。ただし,実は8周年のときにも4Gamerで同様の企画を行ったことがあり,今回の座談会ではそれから14年ほどの間の出来事などが中心となることはあらかじめお断りしておきたい。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まず皆さんのことよく知っていただけるよう,よろしければRO歴などを含めて自己紹介をお願いします。
栗山知也氏(以下,栗山氏):
栗山です。ゲーム内の施策関連の実装物の作成や監修を担当しています。ちょっと前までは私が直接スクリプトを組んだりとか,NPCのしゃべるセリフを書いたりしていたんですけど,最近は指示を出して,上がってきたものをチェックするなど,複数のコンテンツを監修するような仕事になっています。
4Gamer:
ROでお仕事を始めたのはいつ頃からでしたっけ?
栗山氏:
2013年の6月か7月ぐらいからだったと思いますが,だいぶ経ちましたね……。
中村聡伸氏(以下,中村氏):
栗山は元(RWCの)世界チャンピオンなんですよ。当時,ちゃんと話せる人をイベントでの解説役にしたいと思っていて,栗山が優勝者インタビューでよくしゃべっていたな,と気づいたんです。
(インタビューは)しゃべらされていたというのが正解です(笑)。みんな黙っちゃうので結局じゃあ僕がみたいな。
中村氏:
「あれぐらいしゃべるなら,ステージいけるべ!」と打診してみたらOKの返事があったので,そのまま入社してもらいました。なので,うちがしゃべるチャンピオンを解説者にスカウトという感じですね。
4Gamer:
そんな経緯だったんですね(笑)。中村さんはどうでしたっけ?
中村氏:
私は2008年7月ですね。ちょうどSkuldワールドが始まるときです。入社して2日めに「ちょっとメディアさんに挨拶したいんだよね」と当時の直属の上司に部屋に連れてこられて「えっ,今からインタビューが始まるんですか」と。しかもインタビュー相手から「何してんの?」って言われて(笑)。
4Gamer:
あー(笑)。「ログイン」(LOGiN。アスキーが刊行していたパソコン雑誌)の出身でしたよね。
中村氏:
ええ,ログインで編集をやっていて,そこからガンホーへという経緯です。なので,入社間もなくでもメディアの皆さんとは顔見知りだったんです。
入社前は,βテストのころにROの連載記事で関わっていたんです。その後,2003年に世界大会が開催されて,東京ビッグサイトで日本代表決定戦,のちのRJC(※)が行われたんですが,その感想を聞かれて「解説がなってないですね」と余計なことを言ったのが始まりで。その後「解説をやってみませんか」とステージに誘われて。だから,舞台デビューのほうが入社より早いんですよ。
※RAGNAROK ONLINE Japan Championship。ギルド同士が競うコンテンツ“攻城戦”を使った,日本一のギルドを決める大会
4Gamer:
口は災いのもと……なのかなぁ。その流れを栗山さんが継承したということに?
中村氏:
そうですね(笑)。そのときはまだ社員でもないから,プレイヤーからは謎の人でした。入社後は広報宣伝的なことを始めて,毎週のブログ更新,キャンペーンの実施がメインで,現在はチームのまとめとGravityとの折衝をして,向こうからくる話に「日本ではどうやる? 実装する?」みたいなのを相談するという仕事をしています。もちろん,広報的なところもまだやっているので,4Gamerさんのインタビューにも毎年出ています。
4Gamer:
毎年お世話になっています。では,次に佐藤さんの紹介をお願いします。
佐藤 求氏(以下,佐藤氏):
佐藤です。ガンホーには2012年4月1日に入社して,当時から今に至るまでずっと(バグの)検証一筋です。ROに関しては,入社する前の2007年ぐらいからお仕事をさせていただいていて,その縁で入社したという感じですね。
4Gamer:
検証というと,何人ぐらいでやっているんですか。
佐藤氏:
8人前後です。私自身は最近,管理業務とか,外部スタッフの方に仕事を割り振ったりスケジュールを管理したりといったことが多くなってきました。
中村氏:
それでも検証の腕はトップクラスなので,今回の4次職関連は優先的にお願いしていましたね。
栗山氏:
あれは地獄でした……。
佐藤氏:
ホントにこの人(栗山氏)は作ってくるものが多くて,これぐらいですよって言ってるのに,実際は全然違うボリューム感でいつも困らせてくれます。
栗山氏:
いやいや,見解の相違で,言ったとおりのものを納品していますよ(笑)。
中村氏:
作っていくうちに「こういうものを入れてあげたい」「プレイヤーに親切にしたい」とかがあると,仕様上は変わってないけど,中身が膨らんでいることはよくありますね(笑)。
4Gamer:
では,最後に松尾さん,お願いします。
松尾 望氏(以下,松尾氏):
ゲーム内に実装するデザイン周りをすべて担当していまして,メインは「コスたま」という衣装のくじの賞品を作っています。現在,100弾以上出ている商品で,3弾から私が担当して,ずっと同じメンバーです。
あとはTwitterを使った,最近ではタナトスの記憶の特典をツイートして景品がもらえるというキャンペーンや,デザインコンテスト,イラストコンテストも担当しています。
栗山氏:
アニバーサリー会場で使っている,イベントマップの画像素材もそうですよね。
松尾氏:
そうです! 今回の20周年イベント会場で,雄一郎さんのイラストを使わせていただいて,そのあたりも作らせてもらいました。
中村氏:
もともと韓国で実装されていたマップを使っているので,オリジナルのイラストやスクリーンショットは韓国で用意されたものだったんです。それを彼女が全部日本向けのものに入れ替えてくれたんですよ。
4Gamer:
バナーポールが並んでいて,実際のイベント会場のようになっているのが面白いですよね。視点を変えると裏側も見えますし。
松尾氏:
いろいろな角度から撮影してもらいたくて,今回は視点も大胆に変えられるようにしました。
中村氏:
こういうフレームで撮影するなら,こういうシチュエーションが欲しいし,カメラワークをこうしてほしいと松尾が言ってくれます。また,Web上の見た目も気にしてくれて,「これは見づらいですよね」と指摘してくれるところはすごく助かっています。
4Gamer:
ちなみに,ROのプレイ経験はいかがでしょう。
松尾氏:
SkuldワールドがオープンしたときにVerdandiワールドで始めて,一気にはまりましたね。その後,2011年にあったガンホーフェスティバルの就職セミナーで社員を募集していたとき,そこに応募して入社しました。
中村氏:
以前,オフラインのイベントで就職セミナーをやって,そのときに入ってきたスタッフの1人です。現役でプレイしていて,今のROが分かっている,やる気のある人ということで採用しました。実は山本(※RO運営チームの山本兼寛氏)もその1人なんですよ。
最近はコロナ禍でオフラインイベント自体,あまりできなくなってしまいましたが。
オフラインイベントに世界大会,花火にサンバ。ゲーム外でも時代の最先端(?)を突っ走っていたRO
4Gamer:
ROのオフラインイベントって,どのくらい前からやってましたっけ?
2003年からじゃないですか。当時,ほかで「ゲームの大会を世界規模でリアルでやる」というのはほとんど聞かなかったですし,時代が早すぎたのかもと思います。いまでこそeスポーツだなんだと言いますし,ガンホーでも「パズドラ」などではeスポーツと言ってやってますから。まあ,ROはいろいろなものの先駆けになっているぶん,いろいろな地雷も踏んでますけど(笑)。
一同:(笑)
佐藤氏:
僕はまだガンホーにいなかった頃ですが,花火とかやっていましたよね。
中村氏:
千葉県・栄町の花火大会で,ポリン花火を作って打ち上げましたね。私は取材で行ってたんですが,電車がなくなってしまって,同じく取材で来ていた人の車に同乗して帰りましたね。
松尾氏:
あとは,バスツアーとか。
中村氏:
バスツアーも取材での参加でした(笑)。ポリンのお菓子を作ったり,ゲーム内の世界をモチーフにしたお食事をしたりのあとで,ネットカフェでROをやりましょうという話だったんですけど,ネカフェ側の調子が悪くて,急遽ボーリング大会に変わったんですよね。
4Gamer:
いろいろありましたね……懐かしい。ほかで思い出に残るオフラインイベントってありますか。
中村氏:
私は2009年に日本のパシフィコ横浜で開催したRWCですね。
4Gamer:
日本のギルド“Dekopin”が優勝した大会ですね。
松尾氏:
RWCと言えば,2012年のパブリックビューイングで,中村が画面越しに号泣しているのを見て,ちょっともらい泣きしたのを思い出します。
4Gamer:
新宿でしたっけ。
中村氏:
そうです。パブリックビューイングは新宿でやっていて,我々は韓国の会場だったので,そこに生放送ブースを作って解説していたんです。新宿の会場では美味しく食べられるROモチーフの料理が大量に作られていたので,うらやましかった(笑)。試合の後半,優勝した瞬間に感極まっちゃって,ロクにしゃべれなかったんだけど,アレみんなに見られていたんだ。
松尾氏:
見てました! パブリックビューイングの会場もいい雰囲気でしたね。
4Gamer:
栗山さんにとっての印象的なオフラインイベントはいかがでしょう。プレイヤーとして,ガンホー社員としての両方あると思うのですが。
栗山氏:
比較が難しいですけれど,2015年のRJC2015が一番強く印象に残っていますね。2014年には先輩とRJCの準備をしていましたが,2015年はその先輩が退社してしまって一人でやらなくてはならなくて,もう大変で……。
4Gamer:
プレイヤーで参加していたほうが楽だったのでは(笑)。もちろん,練習は大変だと思いますけれど。
栗山氏:
そうですね。練習する時間を確保したり,深夜まで反省会をしたり,あとは勝ち負けがあるので精神的な部分はキツいところもありますが,参加する側はもっと楽しいですね(笑)。運営するほうは,やっぱり楽しいよりも大変ですが,最後に楽しさが詰まっているというか,達成感があって。終わったあとで「やってよかった。またやりたい」と。
4Gamer:
佐藤さんは,思い出に残るオフラインイベントなどはありますか。(検証という)仕事内容的には,あまり関わっていないかなという気もするのですが。
佐藤氏:
いえ,裏方としてオフラインイベントに参加した経験はあります。でも,昔はやりたくないな,面倒くさいなと思っていたし,マニュアルも洗練されてないので行き当たりばったりで「なんだこれ!」という感じでした。でも,思い返せばすごく貴重な体験をしたと思っています。いまは逆に,またやってみたいという気持ちがありますね。
中村氏:
いいの,(やってみたいと)言っちゃって?
佐藤氏:
え,いいです。やりたいです。
栗山氏:
ぜひ,担当お願いします。
一同:(笑)
佐藤氏:
忘れられないのは,ファン感謝祭2013のときの“血涙事件”ですね。
4Gamer:
ありましたねぇ……。
佐藤氏:
感謝祭で販売していたクジの景品に,ギロチンクロスの武器「ブラッディティアーズ(血涙)」が入っていたので皆さん喜んでくれたのですが,その次のメンテナンスで「(スキルの)ローリングカッターを修正します」と。いい武器が手に入ったのに,それを活かすスキルが大幅な下方修正をされる形になってしまって,あのときは本当に申しわけないことになりました。
4Gamer:
クジで手に入れた人にとっては,それは残念ですよね。
中村氏:
そういう経緯があるので,基本的には下方修正はしたくないんです。どうしても避けられない,韓国でそういう仕様になってしまいましたという場合を除き,基本的に下方修正ではない方向で考えています。
ハードコーディング(※設定がプログラムのコードに直接書き込まれたもの)だと,こちら(日本の運営)で調整がきかないんです。だから,日本で調整できるように,設定の部分は外部ファイルで調整できるようにしたいという交渉をしたりしました。その結果,日本と韓国で仕様は違いますが,それぞれのプレイヤーさんが楽しめるWin-Winのような形になってきています。
中村氏:
10年ちょっと前だと,そもそも日本と韓国とで遊び方が違うことを認識してもらうのも大変だったんですよ。攻城戦なんかまるで違っていて,日本はメテオストームだの,ストームガストだのを同じマップで使い続けて敵ギルドを寄せ付けない。それを1時間でも2時間でもやり続けるんですけど,韓国では砦をトコトコと歩いて遭遇したら倒すみたいな感じで。
4Gamer:
日本で言うところの,レーサーギルドみたいなプレイですね。
中村氏:
そういった違いから,ストームガストで同じ場所に大量のオブジェクトが発生するという状況を説明しても,韓国の開発に理解してもらえなくて。「なんでそこでサーバーが落ちるの?」「どうして問題が出るの?」という部分を,佐藤が自分でプレイして動画で撮影して出していました。もっとも,当時はまだネット回線が強くないこともあって,動画を送るのにも手間がかかるし,開発と共有できるドロップボックスといったものもなくて……メールに動画を添付できないし,どうやって相手に渡すかからして大変でした。
佐藤氏:
今はチャットツールを使ってリアルタイムで配信できるので,本当に伝えやすくなりましたね。
栗山氏:
当時はパブリッシャ(ガンホー)に開示されていない情報が多かったので,パブリッシャ側も開発(Gravity)が欲しい情報を出せないということもあるんです。動画を送るところまでいっても,それがどういう状況で,言語も違うから何を言っているのかも分からない。そもそもサーバーの設定値がどうなっているのかも不明で,まったく情報が伝わらなかったんです。
4Gamer:
海外系ゲームの運営が,どこも苦労してきた部分ですね……。
栗山氏:
ええ。現在は,開示される情報も増えましたし,こちらから調査に必要な情報や,動作の原理が把握できる的確な情報を渡せるようになったので改善されています。
4Gamer:
それが20年という安定した運営にもつながっていそうですね。松尾さんの印象に残ったオフラインイベントは,先ほどの中村さんが泣いたイベントということに?
松尾氏:
それもありますけれど,個人的にはカラオケボックスを使った2015年の全国ツアー「13thアニバーサリーアイテムを作ろう!」ですね。
佐藤氏:
プレイヤーさんと一緒にアイテムを企画するってやつだっけ?
中村氏:
京都を皮切りに,札幌,東京,福岡,仙台とめぐり,その5か所でアイテムのアイデアを募集して,その場で性能を決める……ってやつだったっけか。
松尾氏:
それです!
中村氏:
それで性能が決まったら,合いそうなイラストを今度はWebで募集して,完成したものを13周年のパッケージアイテムとして販売したんだよね。
松尾氏:
私はあまりプレイヤーさんの前に姿を現すことはないんですけれど,福岡のイベントに参加させてもらって,初めて近くでプレイヤーさんと話をしたり,様子を見たりして,貴重な体験をさせてもらったのが印象的でした。カラオケボックスでオフラインイベントというのも,初めてで面白かったです。
中村氏:
あのイベントは,カラオケボックスのJOYSOUNDさんにご協力いただいたんですよね。各地のカラオケボックスを予約して,前日に機材一式を送って,当日に我々が駆けつけてセッティングしていました。
松尾氏:
プレイヤーさんが数人いるテーブルに運営チームが1人付いて,困っていたらアドバイスしたり,「そんなのいいね!」と言ったり,密なやりとりができる斬新なイベントだったと思います。
それまでRJCとか大会場のオフラインイベントは参加していたんですけど,本当にプレイヤーさんとの距離が近くて,個人的にとても印象に残っています。
中村氏:
手作り感が満載でしたからね。あのときは私が荷造りを毎回していました。来ていただいたプレイヤーさんに記念品を贈呈したいと,缶バッジを作ったり,エントリーしたプレイヤーさん全員分の名刺や名札を作ったり……懐かしいなぁ。
松尾氏:
中村さんが1人で作っていましたよね?
4Gamer:
え,誰も手伝ってくれなかったんですか。
中村氏:
私だけの楽しみに決まっているじゃないですか! と強がってみる(笑)。
栗山氏:
でも,こういうイベントで苦しくなって手が足りなくなってくると,突然,Rocca(※)が現れてササッと終わらせてくれるんですよ。
※ROイベントでお馴染みのRoccaさん。当時ROのマーケティングを担当していた(現在はROを含む運営タイトルのPM)
4Gamer:
童話の妖精さんみたいですね(笑)。
栗山氏:
オフラインイベントって,おそらく皆さんが思っている以上に,やらなきゃいけないこと,とくに書類周りの業務が本当にたくさん発生するんですね。そういうのをRoccaが「私がやっといてあげる」とガリガリッって削ってくれるおかげで,皆さんに楽しいイベントがお届けできたんです。
4Gamer:
なるほど。いろいろ懐かしい話もありますが,ここしばらくはオフラインイベントそのものができませんでした。コロナ禍が去ったら,またオフラインイベントをやる予定,もしくは可能性はありますか。
中村氏:
さっき佐藤が言ったとおり,やりたいという気持ちはあります。先ほどのカラオケボックスじゃないですけど,なにかミニマムでもできることがあるなら,やっていいのかなと思っています。
佐藤氏:
栗山さんは,RJCをやりたいんじゃないですか?
栗山氏:
そりゃもう,やりたいよ!
4Gamer:
山本さんもRJCを開催したいでしょうね。
栗山氏:
そうですね。最近はYggdrasillワールドの施策を担当していますが,そこで5vs.5の対戦コンテンツを作って,少しずつ(大会開催の)外堀は埋まってきている感じはありますね。
中村氏:
本当は20周年記念にオフラインイベントをやりたいという話もあったんです。神田明神で成人式とかやりたかったんですけど,時勢的にちょっと厳しいかなということで見送りました。生配信で何かをやるという案もありましたが。
そう言えば,いまでこそ情報の発信はブログになっていますが,ROが生放送を始めたのも相当に早かったよね……確か,最初にやったのがUstreamだったかな。
「ラグナロクオンライン」公式ブログ
4Gamer:
ああ,そんなサービスもありました。
中村氏:
3次職を実装するときに,Ustreamで29時間生放送をやりましたね。成功を祈って千羽鶴を折ったり,屋久島に実装必勝祈願をしに行ったりと,謎企画で盛り上げていました。
栗山氏:
逆にそういうプロモーションをする体力というか,気力があったってことですよね。
中村氏:
うん。あと,言い方が悪いけど突っ走る人が多かったから(笑)。
佐藤氏:
この業界にいる人はそういう人が多いというか,そうでないとやってられないみたいな(笑)。
中村氏:
「いろいろやってみようぜ!」で,とりあえずやってみてね。結果,失敗して怒られるんだけど,その経験はいまに活かされていると思います。
松尾氏:
昔は景品にしいたけとかもありましたね。今回の魔法陣も,しいたけの担当者じゃないかという噂が出ていましたよね。
栗山氏:
いや,その通りなんだけどね(笑)。
中村氏:
しいたけ,イベリコ豚,アサイーなどがありましたね。ブラジリスの実装時に上位10名にはパッケージ,11〜20位にはアサイーエナジーが当たるタイムアタックキャンペーンを企画したんです。クエストクリア時のメッセージのセリフ入力と一緒に一言意気込みを書いてもらうんですが,そこで「アサイーだけは当たりたくないです!」という人が11位に入ったことがあって。
一同:(笑)
4Gamer:
それ,フラグを立てただけじゃないですかね(笑)
中村氏:
もちろん公正な判断の結果だったんですけど。当時はタイムアタックでしたが,いまはスコアアタックになり,Twitter企画として松尾にやってもらっています。
松尾氏:
それらに比べると,MVPカードはまともな景品になりましたね(笑)。面白みはなくなったかもしれませんが。
中村氏:
でも,ここ何年かのリアルグッズに関しては,ちゃんと欲しい人が応募してくれるようになりました。去年のバランスボールもそうですし。
4Gamer:
今年のグッズは,なぜ魔法陣のカーペットになったんですか。
中村氏:
なんとなく「ROっぽいもので,見栄えの良いものない?」という話をしていて,「リアル魔法陣ってのがあってですね」と。あれは,お値打ちモノでしたね。
4Gamer:
2種類ありましたよね。ブラックライトで光るカーペットと,人が上に立てる魔法陣のライトでしたか。
松尾氏:
ライトのほうは30kgぐらいあるんですよ。
中村氏:
その重さになるくらいに剛性がないと,乗ると割れちゃうんですよ。それから,梱包時は150cm×150cmという大きさになるので,玄関に入らない可能性も。
4Gamer:
十分に何かおかしな景品という気がするのですが(笑)。
中村氏:
いやいや,コスプレ撮影とかには映えると思いますよ。コスプレと言えば,オフラインイベントでコスプレイヤーさんが,多い時には100人ぐらい参加してくれて1回のステージではみんな乗り切れないということもありましたね。そういう意味では,いろんな楽しみ方をしていただけているな,と。
佐藤氏:
あ,コスプレと言えばサンバ(※)ですよ!
※浅草サンバカーニバル「ガンホーアミーゴス」
松尾氏:
10周年のときでしたっけ,社員もコスプレして参加したのは。
中村氏:
RO10周年で,2012年からだったかな。1回めがROメインで,そのとき私は生放送枠でした。
佐藤氏:
1人で残っていたんでしたっけ?
中村氏:
1回めはホテルから生中継です,と涼しい部屋にいられると思ったら,放送機材を入れるんでホテルの窓全開で超暑いという酷い仕打ちでした。
一同:(笑)
中村氏:
ニコ生でサンバの配信をしますとなったんですけど,カメラ機材が熱で止まるので,全力でカメラを冷やしながら撮影する強行軍でした。
松尾氏:
最初はプレイヤーさんのコスプレもいたので,一緒にダンスの練習もしましたね。
中村氏:
一般のプレイヤーさんから参加者を募集して……いま見たら昔すぎてページがなくなっていましたね。いや,しかし,こうして振り返ってみると,だいたいのところに首を突っ込んでいますね(笑)。
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