企画記事
4Gamer.net&リネージュIIコラボ企画「4G×リネ2研究レポートコンテスト」,各部門グランプリ/佳作受賞者発表!
オーソリティ部門グランプリ受賞作品
「セカンドスローン版 命中率 回避率 仕様」
ニックネーム:bear
私は、リネージュIIにおいて、メインキャラクターとして短剣クラスのキャラクターを操っている。
軽装備の防御力の低さ、あるいはHP量やHP回復速度といった体力の低さを、回避率の高さでカバーし、ターゲットに素早く接近して、クリティカル攻撃の多さと攻撃速度の速さを特徴とするダガーで戦闘を仕掛ける、機動性とギャンブル性の高い職である。回避率は、私が最も重視しているステータスの一つである。
もちろん、リネージュIIのゲームシステム全般においても、命中と回避は、重要な要素であると言えるだろう。物理攻撃が命中するか否かは、攻撃側の命中と、防御側の回避の差によって、確率的に判定されるのであり、攻撃力が高くても命中しなければ、与えるダメージはゼロであるし、防御力が低くても回避すれば、受けるダメージはゼロである。
したがって、ゲームシステムにおいても、アクティブ・パッシブのスキル、スキルエンチャント、ソウルストーンオプション、精錬オプション、防具セット効果、紋様など、キャラクターの命中/回避を向上する手段が、多様に設定されている。
セカンドスローンのアップデート情報の「キャラクター関連変更事項」(http://lineage2.plaync.jp/ot/ct2update_1.aspx)に、「命中/回避の差による命中率の変化の幅が拡大されました。」という、興味深い項目が記されている。そこで、今回の「4G×リネ2研究レポート」として、ファーストスローンPlusからセカンドスローンにかけて、命中/回避差による命中率/回避率の仕様がどのように変わったか調べることにした。
まず、4Gamer.net無料プレイシリアルナンバーを利用して、新規アカウントに攻撃側のキャラクターを作成した。次に、私のメインキャラクターを防御側とし、スキル、装備、タリスマン、サブクラス変更、エキスパーティーズペナルティ等を駆使して、攻撃側キャラクターとの命中/回避差を0〜100まで変化できる環境を整えた。
そして、ステータスの命中と回避が等しい状態から、段階的に回避を高く設定し、攻撃側キャラクターが試行する攻撃の命中率/回避率を測定した。なお、ステータスの数値の表記に、命中率/回避率という項目名が使われているが、数値と確率を混同しやすいので、以降は、ステータスの数値は単に命中/回避と記し、命中率/回避率は確率を示すものとする。
グラフ1 |
攻撃を試行する向きは、防御側キャラクターの正面からと背面からの2パターンで測定した。
各パターンの試行回数は1000回とし、小数点以下第1位までの命中率/回避率を測定した。
上記の測定条件で、ファーストスローン Plus時点の測定結果とグラフを示す。(グラフ1を参照)
グラフのx軸は命中/回避差であり、y軸は命中率(緑)と回避率(青)である。
差0 正面命中率:89.7% 正面回避率:10.3% 背面命中率:98.5% 背面回避率: 1.5%
差5 正面命中率:86.3% 正面回避率:13.7% 背面命中率:98.2% 背面回避率: 1.8%
差10 正面命中率:79.4% 正面回避率:20.6% 背面命中率:97.5% 背面回避率: 2.5%
差15 正面命中率:66.8% 正面回避率:33.2% 背面命中率:87.5% 背面回避率:12.5%
差20 正面命中率:50.1% 正面回避率:49.9% 背面命中率:65.3% 背面回避率:34.7%
差25 正面命中率:29.1% 正面回避率:70.9% 背面命中率:29.5% 背面回避率:70.5%
差30 正面命中率:29.5% 正面回避率:70.5% 背面命中率:30.2% 背面回避率:69.8%
差35 正面命中率:30.3% 正面回避率:69.7% 背面命中率:29.9% 背面回避率:70.1%
差40 正面命中率:29.1% 正面回避率:70.9% 背面命中率:29.5% 背面回避率:70.5%
差45 正面命中率:30.2% 正面回避率:69.8% 背面命中率:29.9% 背面回避率:70.1%
差50 正面命中率:30.1% 正面回避率:69.9% 背面命中率:30.3% 背面回避率:69.7%
差100 正面命中率:29.3% 正面回避率:70.7% 背面命中率:29.5% 背面回避率:70.5%
この結果から、以下のことが言えるだろう。
・命中/回避差25以上の命中率30%が命中率の下限であり、回避率70%が回避率の上限である。
・逆に、命中率の上限は99%を上回ることはなく、回避率の下限は1%を下回ることはない。
・命中/回避差の増加に伴い、命中率/回避率の変化幅は、増加関数的に増加する。
(差0から差10の10の差で約10%変化している一方、差20から差25の5の差で約20%も変化している)
・背面攻撃は、正面比30%程度の命中率向上効果があるが、命中/回避差25以上では、その向上効果が無くなるという特性がある。
(その為、背面攻撃の命中/回避差20から命中/回避差25の落ち込みは非常に激しい)
グラフ2 |
また、アップデート前後の命中率/回避率についてもグラフに示す(グラフ3、グラフ4を参照)
グラフ3 |
グラフ4 |
差0 正面命中率:90.6% 正面回避率: 9.4% 背面命中率:98.6% 背面回避率: 1.4%
差5 正面命中率:84.9% 正面回避率:15.1% 背面命中率:98.4% 背面回避率: 1.6%
差10 正面命中率:77.4% 正面回避率:22.6% 背面命中率:98.1% 背面回避率: 1.9%
差15 正面命中率:63.1% 正面回避率:36.9% 背面命中率:85.4% 背面回避率:14.6%
差20 正面命中率:46.0% 正面回避率:54.0% 背面命中率:64.3% 背面回避率:35.7%
差25 正面命中率:29.2% 正面回避率:70.8% 背面命中率:28.0% 背面回避率:72.0%
差30 正面命中率:27.8% 正面回避率:72.2% 背面命中率:27.5% 背面回避率:72.5%
差35 正面命中率:28.8% 正面回避率:71.2% 背面命中率:27.8% 背面回避率:72.2%
差40 正面命中率:28.4% 正面回避率:71.6% 背面命中率:27.9% 背面回避率:72.1%
差45 正面命中率:27.6% 正面回避率:72.4% 背面命中率:28.8% 背面回避率:71.2%
差50 正面命中率:28.9% 正面回避率:71.1% 背面命中率:28.5% 背面回避率:72.1%
差100 正面命中率:27.5% 正面回避率:72.5% 背面命中率:28.0% 背面回避率:72.0%
この結果から、以下のことが言えるだろう。
・全体的に、僅かだが確実に、数パーセントずつ、命中率が減少し、回避率が向上した。
・命中/回避差25以上の命中率下限は28%程度に、回避率上限は72%程度に仕様変更された。
数学的には、数1000回の試行回数の確率測定においては、概ね2%程度の誤差が生じる。
そういう意味では、言わば測定誤差の範囲内に収まってしまう結果であったことは残念だ。
正直に私の感想を言うと、もっと避けるように仕様変更されたのではないかと思っていた。
私がそうあって欲しい故に、過度に期待を掛けていたということになるのかもしれない。
だが、測定誤差を越えて反転するのではなく、概ねでも平均でも同傾向となったことは、僅かだが確実に数パーセントの命中率減少/回避率向上の仕様変更があったからであろう。
以上から、セカンドスローン以降、命中と回避は、ますます重要な要素になったと言えるだろう。
こと通常物理攻撃に限って言えば、回避率が50%あることは、防御力またはHP量が2倍あることと同等の意味を持つ。
セカンドスローン以降の回避率上限の72%では、その換算倍率は3.5倍強にもなる。
冒頭に述べた、防御力や体力の低さを回避でカバーするプレイスタイルが具現化された状態と言えるのではないだろうか。
特に、命中/回避差が25に近づくにつれ、ステータス上の「1」の数値の差が、加速度的に大きな効果をもたらすので、私のような、短剣クラスのキャラクターを操るプレイヤーは、システム上多様に設定されている回避向上の手段を、一つでも多く積み上げ、あくなきディフェンス性能の向上を追求してはいかがだろうか。
反対に、攻撃側のキャラクターから見ると、命中/回避差10のターゲットとの差を5縮めることは、約10%の与ダメージ増加をもたらし、逆に更に5離されることは、20%近い与ダメージ減少をもたらす。
さらに、命中/回避差20のターゲットとの差を5縮めることは、実に30%以上の与ダメージ増加をもたらし、逆に更に5離されることは、実に40%近い与ダメージ減少をもたらすのである。
これは、ターゲットとの命中/回避差によっては、ターゲットにより多くのダメージを与える方法として、命中向上が他の何よりも効果的である場合が、往々にあることを意味するだろう。
多様な命中向上の手段から、自キャラクターに合うものを検討してみてはいかがだろうか。
また、複数の装備を揃えて、状況に応じて命中指向の装備に切り替えたり、命中向上のトグルスキルを習得するクラスは、効果的にオンオフを切り替える、といった工夫をするのもいいだろう。
少し変わった工夫として、温泉地帯のアクティブモンスターが掛けてくるサラマンダー病を意図的に数回受けることで、最大で命中が10向上した状態を1時間持続することができる、といった方法も知られている。
更に、検証結果も示す通り、ターゲットを背面から攻撃するという、キャラクター操作のみで実現できる効果も大きいので、プレイ中に、ターゲットの背後に回り込むことを常に意識することを奨める。
以上、さらに重要性を増した命中と回避に関して、考えられる推奨プレイについて書いた。
最後に、仲間、友人、知人、同職・同胞、そして全てのプレイヤーの、よりよいリネージュIIライフを祈念して、また、本企画を開催していただいた運営には感謝の意を表して、本レポートを締めくくりたい。
体験レポート部門グランプリ受賞作品
「厭戦主義者の愉しみ」
ニックネーム:わぁい
リネージュIIも他のMMORPG作品同様「戦うこと」がゲームの中核を成している。モンスター相手か他のプレーヤーが相手かは脇に置くとしても、戦闘抜きでは本作を語れないし、そもそも戦闘をする気がないプレーヤーが本作を遊ぶとは思えない。
しかし、戦うことが全てではない。
王道である戦闘シーンの魅力については他の素晴らしい解説をご覧になって頂くとして、本稿ではリネージュIIに存在する脇道のうち幾つかを紹介し、そこに待つ別の愉しみを提示したいと思う。
<釣り>
アデン城の村にいる釣り場組合員NPC。どの街の組合員も竿を構えて立ってます |
各村にいる「釣り場組合員」というNPCから釣り用のスキルを習い、釣り竿と使い捨てのルアーを買えば誰でも始められる。あとは水辺に行って釣り糸を垂らすだけであり、その手軽さから狩りの合間に釣りを楽しむプレーヤーもいるほどだ。
釣りのシステム自体もシンプルにできている。ルアーを水中に投げ入れ、しばらくすると魚が掛かる。その魚の動きにあわせて「ポンピング」「リーリング」という二つのスキルを使い、魚の体力を消耗させる。制限時間内に体力をゼロにすることができなければ魚は逃げてしまうが、首尾良く行けば釣り上げることができるという具合だ。
釣った魚はそのまま売ることもできるが、解体して素材にすることもできる。魚から得られる素材からは戦闘で役に立つ消耗品やキャラクターを彩る装飾品などを作ることができる。また前述の釣り場組合員に渡して「漁獲の証」というアイテムに交換することもできる。この漁獲の証は持てるアイテム数を増やしたり倉庫に預けられるアイテム数を増やすのに使え、プレーヤー間ではそれなりの価格で取引されている。そのため釣り一本で生計を立てることも不可能ではない。
「じゃ、生まれたての非力なキャラクターで延々釣りを楽しむようなプレイもできるの?」と問われれば、答えは否である。時折モンスターが魚の代わりに釣れることがあり、釣られたモンスターは容赦なく釣り人に襲いかかってくる。逃げ回っていればそのうち消えるが毎度無事に逃げられるとも限らないわけで、せめてそれを撃退できる程度の戦闘力は必要となる。また釣りスキルはキャラクターのレベルに応じた段階までしか修得することができないので「儲かる魚」を釣るためにはある程度のレベルまでキャラクターを育てる必要がある。プロの釣り師になるためには単に魚と戯れているだけではダメなのだ。
とはいえ釣りは低レベルからでも始められ、釣果によって得られる恩恵は高レベルになっても失われることはない。手を出すことに損はない遊びだと言えよう。
釣りを開始したところ。浮きの動きは参考程度に |
モンスターを釣り上げてしまうとこんなことに…… |
<製作>
製作とは文字通りアイテムを作ることである。武器防具など多くのアイテムは「クリエイトアイテム」スキルを持つドワーフ(アルティザン/ウォースミス/マエストロ)のみが製作できるが、前述の釣りによって得られる素材から作られるアイテムはどんな種族でも製作できる。
槍のなかでも最もお手軽なショートスピアを例に取ると、まず材料としてショートスピアの刀身3個・鉄鉱石220個・黒炭110個・スウェード55個が必要となる(ファーストスローン Plus当時)。これらの材料は基本的にモンスターを倒すことで得られる。これとは別にショートスピアの製作図も必要だが、図は一度登録してしまえば無限に使えるのであとは材料さえ揃えてくれば何本でも作ることができる。全ての材料を揃えたら登録済の製作図を選び、あとはワンクリックで完成だ。
より強い武器・防具でも必要な材料が増えるだけで勝手は変わらない。ただし52レベル以上のキャラクターが使えるBグレード装備からは、製作時に材料だけではなく製作図も消費する。そのため自分のキャラクターで初めてそのアイテムを作る場合は登録用に1枚、製作用に1枚の合計2枚の製作図が必要となるので注意したい。
ショートスピアーを作ろうと製作図を開いたところ。材料が全くありません |
ギランの街にある製作露店。<工房>の表示を出しているキャラクターは全部そうです |
製作に関しては個人工房を開いて製作依頼を受けることもできる。これは自分が登録している図を提示し、他のプレーヤーから手数料を取って製作するというものである。消費される材料やBグレード以上の図は製作を依頼する側のプレーヤーのアイテム欄にあればよく、完成したアイテムは自動的に製作依頼者の手元に入るようになっており、「ギラン城の村」などの大きな街ではこういった個人工房の露店がよく見られる。
事前登録が必要な製作図はモンスターから手に入れる必要があるし、また高いグレードのアイテムを製作するためにはキャラクターのレベルを上げて上位の製作スキルを覚える必要があるため、物作りといえども戦闘とは無縁でいられない。そのため個人工房の製作手数料だけで楽隠居するには相応の努力と忍耐が必要とされるが、それを乗り越えた先には新たな喜びが待っている……かもしれない。
<ギャンブル>
宝くじ販売人。顔立ちはおそろしくダンディ |
モンスターレースは「フローラン村」の南にある「モンスターレース場」で開催されており、各村のゲートキーパーから無料で往復することができる。レース場内を走るモンスターのうちどれが1位になるかを予想して的中させると配当金が支払われるというものであり、単勝方式の競馬と同じである。
宝くじは各村の「宝くじ販売人」NPCから購入することができる。1〜20のうち好きな数字を五つ選び、そのうち幾つ当たったかで当選額が変わるロト形式を取っている。抽選時間は毎週土曜日の19時で当選番号はチャットウインドウに表示される他、宝くじ販売人を通して当選額共々確認することができる。
モンスターレース場。一番右にいるのはミミックです。走ります |
もっとも、残念なことにこれらのギャンブルを楽しんでいるのは一部の好事家のみとなっている。モンスターレースは20分に1回の開催であるため待機時間の方が長く、宝くじはその売上から当選金が分配されるため購入者の少ない現状では旨味が少ない。私的ギャンブルは細々と行われているのかもしれないが街中でよく見かけるというものでもない。このようにギャンブルは死滅の危機にあるが、これらも本作を構成する要素の一つ。一度は触れてみることをお薦めする。
<観光>
トリを務めるのは観光、リネージュIIの舞台となるアデン大陸をぐるーっと見て回ることである。
「最後の最後になって何を芸のないことを」とお思いの方もいらっしゃることだろう。しかし、ことリネージュIIに関するかぎり観光は立派にゲームを楽しむ要素である。スタート地点である各種族の村にしてもそれぞれ特徴があり、細部まで作り込まれている。そこから街道沿いにブラブラ歩くだけでも様々な景色が目に飛び込んでくる。
個人的なお気に入りはシュチュッツガルト領各地の雪景色とフェアリーの谷だが、気軽に行けるという意味では「幻想の島」もお薦めだ。幻想の島は各村のゲートキーパーから無料で移動できる、モンスターのいない純然たる観光地である。宙に浮かぶ飛行船、ジャングルに潜む古代遺跡、華やかなパレード……とファンタジー色たっぷりなものが多いが、断崖絶壁の脇に不気味に佇む洋館を落としてはならない。どこかのサスペンスドラマに登場しそうなその場に行けば、名俳優もかくやの演技をしたくなること請け合いである。
シュチュッツガルドの雪山を見上げたところ。ちらちら雪も舞っています |
幻想の島にて。この付近は猫のオブジェだらけです |
グラフィックに力を入れた本作だけのことはあり、どこを歩こうが見所は満載である。狩りに疲れたときにボーッとそのあたりを眺めても、また新たな発見があるかもしれない。
以上、大きく4項目に分けてそれぞれ簡単に解説してみたものの、脇道はこれだけに留まるものではない。プレーヤーの数だけ遊び方があり、どう楽しもうが自由である。
無料体験アカウントもあり、初心者支援も充実して気軽に始めやすくなったリネージュII。まだ遊んだことのない方も一度アデン大陸に足を向けてはいかがだろうか。そこでは色々な愉しみがあなたを待っているのだから。
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リネージュ2
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