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  • CCP Games
  • 発売日:2012/03/29
  • 価格:月額14.95ドル
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[プレイレポ]「EVE Online」に16年ぶりのTech2主力艦登場。大型拡張「Viridian」の注目コンテンツを解説
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印刷2023/07/07 11:30

プレイレポート

[プレイレポ]「EVE Online」に16年ぶりのTech2主力艦登場。大型拡張「Viridian」の注目コンテンツを解説

 CCP Gamesはサービス中のMMORPG「EVE Online」PC / Mac)で,日本時間2023年6月13日に大型拡張コンテンツである「Viridian」を実装した。
 本稿では,「EVE Online」公式パートナーシッププログラム動画投稿者部門のメンバーであり,宇宙を駆けるプレイヤーの1人でもある筆者(Rist)がアップデートの見どころを解説していく。解説動画も用意しているので,ぜひご覧いただきたい。


 20周年の節目に配信されたViridianのボリュームは膨大だが,とくに注目度の高いコンテンツは大きく3つある。それぞれを詳しく紹介していこう。

  1. Tech2主力艦「ランサー」の実装
  2. プレイヤー建造物のカスタマイズ
  3. コーポレーション機能の充実

  4. 「EVE Online」公式サイト



1. 2007年以来となるTech2主力艦「ランサー」の実装


 Viridianの目玉は,なんと言ってもTech2主力艦「ランサー」の実装だろう。主力艦とは宇宙船のサイズの名称であり,本作に登場する宇宙船の中では3番目の大きさを誇る(要はとてもデカイ船ということだ)。

画像集 No.001のサムネイル画像 / [プレイレポ]「EVE Online」に16年ぶりのTech2主力艦登場。大型拡張「Viridian」の注目コンテンツを解説

 長らく,このカテゴリーにあるTech2の船は超大型輸送船であるジャンプフレイターのみだった。なんと2007年にジャンプフレイターが実装されて以来,久しぶりに登場する艦種である。実に16年ぶりとなるわけで,プレイヤーの注目度が高いのも頷けるだろう。

 ランサーの性能を解説しよう。ランサーはランスと呼ばれる特殊兵装を使用でき,相手にヒットしたときの効果は以下のとおり。

  • 範囲型ワープ妨害
  • スターゲート使用不可
  • ステーションドック不可
  • テザー不可
  • ジャンプドライブ使用不可
  • リモートリペア受領量50%カット

 一度にこれだけのデバフがかかるのだから強烈だ。とくに移動系の妨害効果が多く,攻撃が当たれば足の遅い船はその場から離脱することが厳しくなるだろう。

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 一方でランサーにも弱点がある。
 まず,発射に十数秒の待機時間が必要であり,発射場所には線が引かれるので,足の速い船であれば避けるのは容易だ。攻撃を当てるには,敵のワープ位置を予想して,あらかじめ位置取りを済ませるといった工夫が必要になる。

 そして,船の本体価格がかなり高い。
 「EVE Online」はプレイヤーが価格を決めるため,一定の価格の商品というものは存在しないが,それでも製造原価を調べると10B〜15B(100億〜150億)ISK程度になると予想される。かなり高い船であり,運用しているのが知られると,キルしにくる勢力は多いはずだ。
 それでいて,リモートリペアを受け付けなくなるシージモジュールを起動しないとランスを発射できない。とても慎重な運用が求められるはずで,高級品すぎて実際の戦闘では使えない船になってしまうかどうかは,今後明らかになるだろう。

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 続いて,細かい仕様を見ていこう。
 まず,Lowセクで使用できる点は大きなポイントだろう。ランスと似たような見た目では,タイタンの範囲攻撃DDDが存在するが,こちらはNullセク専用兵器である。ランサーをLowセクで使えるということは,もはやLowセクのスターゲート移動は安心できるものではないということだ。

 とくに影響を受けるのがジャンプフレイターだ。ジャンプフレイターはランサーと同じく,Tech2主力艦の超大型輸送船。価格は10Bを超え,機動性は鈍重である。一度,スターゲートのジャンプを妨げられてしまったら,一方的に撃破されてしまう。ジャンプフレイター乗りにとって,ランサーの存在は恐ろしいことこの上ない。
 輸送船にとって脆弱な瞬間であるHighセクへの荷揚げ作業時,LowセクからHighセクゲートへ移動する瞬間を狙われるだろう。これを防ぐ手立てとしては,スターゲートのオングリッドにシタデルを建てて,一度そこにジャンプするのがいいと思われる。スターゲートの安全を目視で確認し,荷揚げ作業をすると安全を確保しやすい。

 ただし,それには日々激しい戦闘が行われているLowセクにストラクチャを建設しなければならないわけで,それもリスクとなる。やはり,「EVE Online」の世界で安全な生存権を確保するには武力が必要ということだろう。


 次に,ワームホールのジャンプを妨げないという特徴が挙げられる。この種の超高級艦船の使いどころとして,ワームホールが挙げられることは多い。これはワームホールを通過できる船に限りがあり,投入できる戦力が限定されることから,一隻一隻の性能を高める必要があるためだ。
 当然,超高級艦船ランサーをワームホールで使いたいと考えるところだが,残念ながらワームホールのジャンプを妨げる効果がない。ワームホールの住人にとって,この点は残念だろう。

 最後に,ランスを装備している間はクロークを使用できないという特徴もある。これはジャンプフレイター乗りには朗報だ。クロークで待機されて,突然襲われることがないため,きちんとスターゲートのオングリッドの安全を確認すれば,攻撃を回避しやすくなるということだ(それでも,その場でネストルなどを使って素早く換装するという手法がないわけではないが)。ともかく,手軽に不意打ちができるわけではないという点には留意しよう。

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2.プレイヤーステーションの外観カスタマイズ機能の追加


 「EVE Online」にはプレイヤーが建設可能なステーションやスターゲートがある。今回のアップデートにより,それらの外観を変更できるようになった。

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 外観の模様は変更できないが,3か所の色(プライマリーカラー,セカンダリカラー,詳細カラー)を変更できる。それぞれを96色から選べるので,バリエーションはとても多い。

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 外観を変更するには,コーポレーション用エバーマークという通貨を支払う必要がある。
 これまでのエバーマークは個人用であり,プレイヤーは専用ミッションをこなして稼ぐことができた。自分の船の外観をカスタマイズするための通貨だったが,今回のアップデートによりシタデルの外観にも使用できるようになった。コーポレーションに所属していれば,個人で稼いだエバーマークと同額がコーポレーションのウォレットにも付与されるというシステムなので,自分のエバーマーク収入に影響は出ない。その点は安心してほしい。

 なお,注意したいのは,シタデルのカスタマイズ権は買いきりではなく月額制であるという点だ。適用期間は30日,90日,180日から選択できる。まとめて買うほうがお得になり,またシタデルのサイズが大きくなるほど,必要となるエバーマークも多くなる点に留意してほしい。
 非常に高額が必要なので,個人の力だけで外観をカスタマイズするのはかなり大変だろう。しかし,コーポレーションメンバーの活動の成果を集めて,自分たちの拠点をより華やかに彩るのは,ある種の一体感を感じさせてくれるはずだ。


3.コーポレーション機能の拡充


 今回のアップデートではコーポレーション機能が拡充され,LP(ロイヤルティポイント)を税金として集められるようになった。従来の税金はISKのみだったが,LPが追加となった形だ。これにより,組織運営の幅が広がったと言える。

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 新要素の企業プロジェクトも見逃せない。これはメンバーに共通の目標を設定して,誰がどれだけの目標を達成したかを記録する機能だ。目標の種類は以下の5つである。

  • 資源の採掘
  •  資源タイプと星系を指定できる。特定のNullセク星系で採掘を奨励することで,星系のインダストリアル係数を上げることができるだろう。採掘をコーポレーションで奨励するのに使える。

  • 非カプセラを撃破
  •  星系を指定でき,NPCを撃破した数をカウントできる。これもまた,Nullセクの軍事指数上げの奨励に使える。

  • 配送
  •  特定のアイテムを納品するプロジェクト。これを使えば,ステーションを運営するための燃料ブロックを運ぶのを手伝ってもらうことで報奨金を出したり,コーポレーション全体で生産するアイテムの資源収集に協力してもらったりすることもできる。

  • カプセラにダメージを与える
  •  PvPを奨励するなら,プレイヤーに与えたダメージ総数をカウントするこの項目も面白い。月間ランキングなどで表彰制度を作れば,コーポレーションメンバーのPvP意識を高められるかもしれない。

  • 手動
  •  運営者が直接数値を入力して,何らかの進捗を表示させることも可能。たとえば,組織全体で集めている寄付金の総額を報告する,といったような使い方ができそうだ。「EVE Online」は自由なサンドボックスゲームであり,組織運営者が独自の運用の仕方を考えるのも面白い。

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 このほかにも,細かいアップデートが盛りだくさんだ。既存艦船の性能調整,細かい税金の仕組みの変更,グラフィックスの改善などもあり,近年でもとくに大きなアップデートであることは間違いない。まだ「EVE Online」をプレイしていない人も,今は休止している人も,この機会に新たな世界へ足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

「Viridian」パッチノート(英語)



Creative Director,Bergur Finnbogason氏からメッセージ


 最後に,「EVE Online」のCreative Directorを務めるBergur Finnbogason氏から届いたメッセージを掲載する。20周年の節目に配信されたViridianについて,そして21年目以降の抱負が綴られているので,ぜひ目を通してほしい。

■大型拡張「Viridian」について

 大型拡張「Viridian」では,プレイヤーがゲームを自分のものだと感じられるように,より多くのコントロールとパワーを与えることに注力したいと考えました。そのために,プレイヤーが企業メンバーの目標を作成する方法を増やしたり,ニューエデンで何かをしたり活動したりすることでしか手に入らない通貨を使って,プレイヤーが自分の周囲をブランド化できるようにしたりしています。プレイヤーに社会集団に貢献する方法を与えることで,より大きな目的意識と帰属意識を与えることが我々の望みです。
 そして,自分のグループの色に塗られた環境で自分のグループのための活動を行うことで,組織に対する誇りが生まれ,うまくいけばライバルに恐怖心を抱かせるでしょう。

■21年目以降の抱負

 20周年を迎えたことは記念碑的な偉業です。20年前,私たちが初めて世に出たときに,誰もこのような成功を望むことはできなかったと思います。2003年の世界はまったく異なる場所でした。当時の最小スペックを見ると,56.6kbitのモデムとWindows XPがあれば良かったのです。
 その後,私たちは20年の間に,EVE体験を定義するコアDNAを保持しながら,何度もゲームの再開発を試みてきました。ここ数年,私たちは大きな前進を遂げ,忘れ去られたシステムを一掃し,第3の10年に自信を持って臨むことができるだけでなく,その先の未来にもつながるツールを構築してきました。
 「EVE Online」の開発者としての私たちの目標は,EVEユニバースが私たちよりも長生きし,永遠に続くことです。

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