「Commandos 3」や
「Deus Ex:Invisible War」などを公開していたEidos Interactiveのクローズドブースにて,スニークアクションの決定版「Thief」シリーズの最新作がお披露目された。
同シリーズは,2000年に閉鎖したLooking Glass Studiosが開発したもので,その後
Warren Spectorを擁するIon StormがEdos Interactiveの支援を受けて最新作に着手,そして今回,我々の前に姿を現した。
ちなみに本作はシリーズ三作めで,公式サイトなどでは「Thief III」となっているが,E3会場のブースにもプレスリリースにも"III"の文字はナシ。理由をスタッフに聴いたところ,
「新・旧のファンに,妙な偏見なく本作に取り組んでほしいから」とのこと。したがって,製品版発売時には別の名称,例えばサブタイトルなどが付く形になるらしい。
というわけで,早速スタッフのデモプレイを拝んだ後ポチポチと触ってみたが,はっきり言って,
プレイ感覚は過去のThiefシリーズとまったく変わらない。画面中央下段にあるLight Gem(スニークメーター,主人公の姿が光を受けている時には明るくなり,陰に入ると暗くなる)を気にしつつ物陰を移動,もし陰がなければウォーターアローで松明の火を消すなどして暗闇を意図的に作りつつ,のそりのそりと進んでいく。
フィーチャーとして追加された点といえば,壁によじ登って(お世辞にも強靭とはいえない)主人公の逃走経路が確保できるようになった点や,ダガーなどの追加武器によるBackStub(背後攻撃)が可能になった点,あとは主人公であるギャレットの手や足が,プレイ中にチラチラと確認できるように点である(キャラクターの存在感という意味で,これは結構重要かも)。
そんな極めて地味な機能部分のフィーチャーに対して,
グラフィックスは大幅に進化しているといっていいだろう。
担当者に聞いたところ,今作はDeus Exと同じグラフィックスエンジンを塔載しているとのことで,リアルタイムな陰生成が最大のウリとなっている。実際にスタッフは,ぶら下がっているランプを揺らしたり,光を受けて垂れ下がった線などを「ほれほれ」と動かして,正確(というか現実の法則とほぼ同じ)に投影される陰の様子を見せてくれた(詳しくは,追ってUp予定の直撮りムービーでチェックしてみてほしい)。シリーズ通して一貫している光源/陰影へのこだわりが,グラフィックスエンジンの進化によりやっと実現できたという感じなのだ。
本作は,時代に逆行するかのごとくグラフィックスのクオリティアップを最大の特徴としているが,そこは「Thief」。旧作を遊んでいて「これでグラフィックスが良ければなぁ」と思っていた人も少なくないはず。この最新作は,そんな
ユーザーの要望を暗黙のうちに汲み取ったコンセプトで開発されたと考えていい。裏を返せば,それほどにゲームとしての完成度が煮詰まった作品といえるのではないだろうか。
Thief最新作は,XboxとPCで今冬リリースの予定とのことだ。(Gueed)