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[E3 2005#157]ピーター・モリニューが送るハリウッド映画産業シム「Movies」
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印刷2005/05/23 22:33

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[E3 2005#157]ピーター・モリニューが送るハリウッド映画産業シム「Movies」

 ハリウッド映画産業のシミュレーションと,題材が一風変わった本作は,あの「ポピュラス」などの制作者として知られるピーター・モリニュー氏の最新作。奇抜なアイデアで不思議なゲームを作ることでも有名な同氏だが,このThe Movies(以下、Movies)も,これまでのタイトルに負けず劣らずかなり"変わった"ゲームといえるだろう。
 Moviesは,映画産業の聖地であるハリウッドを舞台にしたシミュレーションゲーム。プレイヤーは1920年代に設立された映画会社の運営を手がけることになり,以後100年間に渡って映画産業の興亡に関与していくという内容だ。

 さて,すでにいろいろなゲームショウで出展され,大枠の情報は出揃った感のある本作だが,今回のE3では,ゲーム中の俳優達の"演技を指導する"インタフェースや収録された映像を編集していくインタフェース周りのデモンストレーションが主に行われていた。



 本作における最大の特徴といえば,とにもかくにも「実際に映画が作れてしまう」という部分。とはいえ,それが小難しい操作であってはエデュケーションソフトとしてはともかく,"ゲーム"としては失敗になってしまう。そのため本作では映像の作成自体はかなりの簡便化が図られており,ストーリーやセット,モーションなどはあらかじめ用意された細かいパーツ単位のものを使い,プレイヤーはそれらを"組み合わせていく"形になる。
 面白いのは,演技する俳優たちの行動結果をスライドバー一つでリアルタイムに変化させていけるところで,例えば,一対一のカンフーアクションシーンを撮影中の場合,画面の下に表示されるバーを操作することで,片方がもう片方を一方的にやっつけるシーンにできたり,あるいは互角の戦いが繰り広げられるシーンにできたりする。スライドバーを左右させることで,押されながらも最後に大逆転! といったシーンが簡単に作れてしまうのは,非常に面白い試み。3Dキャラクターを使った映像作成というと,昔マイクロソフトが販売していた「3D Movie Maker」などを連想してしまうが,インタフェースの洗練度やゲーム的な面白味という部分を見る限りでは,Moviesはより多くの人に楽しめる内容になりそうだ。

 ゲーム中で作った映像を任意のムービーファイルに変換して保存できるのも見逃せない特徴の一つ。つまりは自分で作ったムービーを互いに見せ合えるワケで,その用途が,単なるゲームには留まらない広がりを見せる可能性すらある。本作では,キャラクターの容姿や衣装などを自由に設定することもでき,またそれらユーザーが作ったデータをやり取りするサービス(ゲームサーバー)も用意される。
 本作はシングル用の経営シムをベースとした作品ではあるが,ちょっと見方を変えれば,ユーザーコミュニティをベースとしたオンラインゲーム的な楽しさを持つ作品ということもできる。実際,わざわざデータの仲介サーバーなどを用意する意向を示しているのは,開発元であるLionhead社(ピーター・モリニュー氏)が,コミュニティの中で相互に刺激し/刺激されながら楽しまれていく形を,志向していることの現れといえるだろう。
 一人でじっくり楽しめる経営シミュレーションゲームとしての面白さと,ユーザーによって育まれる+αの面白さ。Moviesは,その二つの面白さを内包する希有な作品であるかもしれない。期待して待ちたいところだ。ちなみに発売は2005年の秋が予定されている。(TAITAI)

  • 関連タイトル:

    The Movies 日本語版

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