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大阪突撃!「ストラガーデン」開発者インタビュー
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印刷2004/06/17 16:16

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 大阪突撃!「ストラガーデン」開発者インタビュー - 2004/06/17 16:16


山口 尚氏
ドワンゴ大阪開発部長。ストラガーデンの開発を統括
 5月28日にサービスインしたサミー「ストラガーデン」は,戦闘シーンにコンシューマでのシミュレーションRPG的なシステムを採用し,ある種の戦略性があるのが特徴のMMORPG。パステル調でライトなイメージとは裏腹に,スキル入手の難しさや合成レシピの豊富さ,ソロプレイの難しさなど,コアゲーマー向けの要素も内包しているといえる。
 新しい試みを採用して課金サービスが始まった本作に対しては,MMORPGファンとしていろいろと気になる部分がある。幸いなことに,6月9日に開発部長の山口氏,ゲームディレクターの溝田氏/豊田氏にインタビューを行う機会に恵まれたので,いろいろな疑問や質問をぶつけてみた。


forGamer.net(以下,4G):
 ストラガーデンの特徴は,なんと言っても戦闘シーンにあると思うのですが,このようなシステムを採用されたいきさつを教えてください。

山口氏:
 現在のMMORPG市場は,同じようなシステムを採用しているタイトルが多く,特徴付けがなされていないですよね。そこで,いろいろ考慮した結果,ストラテジックな戦闘システムを採用したらどうかという結論に達しました。

4G:
 ただでさえ時間を占有するMMORPGというゲームにおいては,かなり博打的な試みだと思ってしまうのですが……。

山口氏:
 うん,そうですね。このシステムは,はっきりいってしまうと時代と逆行しています。さらにMMORPGとの融合でどのような結果になるのかもはっきりわからなかったので,開発内部でもいろいろ揉めました。このシステムにする,って決めるまで……うーん,そうですね。大体半年くらいかかってますね。「あの半年でもっといいもの作れたんじゃないかなぁ」と今でも自問自答してしまうこともあります(笑)。

4G:
 あぁ,なるほど。やはり半年もかかったのですね,決断までに。

山口氏:
 ですね。とりあえずこのシステムでやってみようと決まったあとは,ボードゲームのようにボードとコマを用意して,あーでもないこーでもないとシミュレーションを繰り返して現在のシステムになりました。

4G:
 そのボードが非常に気になるのですが(笑)。いまでも残ってます?

山口氏:
 えーと。どこにしまってあったかな……この前捨てちゃったかも(笑)。

一同:
 えーーー!

山口氏:
 ごめん,嘘かも。捨てるはずないと思うんだけどなぁ……(会議室や開発室を探して)あ,あったあった。これです。

4G:
 うわ,本当にボードゲームだ。向かい合ってこれでシステムを詰めてたわけですね。これ使っていたのは大体いつごろですか?

山口氏:
 大体2年前くらいだったかな? いわゆるさっきの"悩みの半年間"ですね。それから半年くらいは,いろいろなアイデアを持ち寄って最もいいシステムになるようにシミュレーションしました。

溝田氏:
 あの時は,紙に行動を書いて,「いっせーのせ」で見せ合って移動やスキル使用などのシミュレーションしたのを覚えています。一人ずつ移動とアクションを行って1ターンという形式も試しましたが,同時移動のほうがより戦略的となるので,最終的に"同時"となりました。
 (ドワンゴの)社長にデモンストレーションするためにシミュレーションしたこともあったのですが,いやもう緊張するのしないの。「ギリギリで負けておかないとダメかな……」とか変なとこに気遣ったりして(笑)。

溝田 英明氏(画面右:左)
ドワンゴ大阪開発部 ゲームディレクタ。ストラガーデンの戦闘システム全般を担当

豊田 高史氏(画面右:右)
ドワンゴ大阪開発部 ゲームディレクタ。ストラガーデンの戦闘AI,演出スクリプト全般を担当


■ゲーム本来とは異なる遊び方への追求

4G:
 接待シミュレーション?(笑) そんな苦労のあったこの戦闘システムですけど,クローズドβテスト,正式サービスを経て,プレイヤーからの反応はどんな感じですか?

山口氏:
 "コアゲーマー"と呼ばれる人は北米などの海外には多くいて,どちらかというと日本人はライトゲーマーの割合が多いようです。でも,ゲームに対する情熱というか,のめりこみさは同程度で,それに日本人ならではの数値的な計算式などの解明が加わってくるとすごいの一言です。

4G:
 あぁ,計算式ですね。実は気になります,自分も。

山口氏:
 この前なんか,あるところにプレイヤーが解明した計算式が公開されていたのですが,こちらに残ってる計算式と違っているので「あぁ,間違ってる。まだまだ甘いな」とか思っていたら,実際はこっちの情報が間違っていた,というオチが(笑)。

溝田氏:
 内緒ですが,慌てて検証して直したのは言うまでもありません(笑)。

山口氏:
 そんなこと言うと書かれるぞ……。まぁ,そんな感じで,プレイヤーからの反応は開発のモチベーションの上昇にもなっているので,非常にありがたいですね。でも,プレイヤーの(ゲーム内での)成長が早すぎて,開発側が追いついていないのも事実です。どうやればプレイヤーを楽しませられるのか,いつも考えているところです。

溝田氏:
 プレイヤーの"恐ろしさ"は,ホントに身にしみています。私はボスモンスター担当なので,ボスとの戦いでは一応攻略法を想定して作ってるんですけど,実際には,その攻略よりももっとすごい,より簡単な方法で,プレイヤーがクリアしていっちゃうんです。うれしいやら悲しいやら。

4G:
 やりこむプレイヤーと開発とのいたちごっこみたいですね。

山口氏:
 まったくそんな感じです。あと,ゲーム本来の遊び方とは違う楽しみ方を見つけるプレイヤーも多いですね。せっかくMMORPGなのですから,開発側から細かい遊び方まで押し付けていくのではなく,その提案だけにしたい。その遊び方,楽しみ方はプレイヤー同士で見つけてくださいということです。

4G:
 古き良きUltima Onlineの世界ですね。

山口氏:
 そうですね。あれはシステムが環境だけ作って,あとはプレイヤーがどんどん新しい遊び方を発見していった一番いい例じゃないですかね。ストラガーデンにもそのための仕掛けはいくつも用意してあって,そのうちのいくつかを使ってプレイヤーがいろいろプレイしているみたいです。でもまだ見つかっていないのがありますよ。

4G:
 お,プレイヤーへの挑戦ですね。ちなみに,プレイヤーが見つけた遊び方というのはたとえばどんなものがありましたか?

山口氏:
 一番分かりやすいのは何かな……。ええと,たとえば争奪戦でのファミリアの使い方かな。開発側はファミリアの名前を変えられるという機能だけを実装しておいたんです。そしたら,ファミリアを争奪戦のマップの端っこに置いて,戦況などを知らせる立て看板のような使い方をしているんですよ。これは当初は考え付かなかった使い方ですが,非常にウマイですよね。
 あと,戦闘シーンで自分の移動先を知らせる機能をつけておいたのですが,使い勝手が悪かったらしく,現在ではあまり使われていないようです。

4G:
 別な方法が構築されたんですね。

山口氏:
 ええ。チャットで"8862"とか入力して,ほかのパーティメンバーにどのように動くかを伝えるのが一般的みたいです。これはテンキーの配置に対応させてあって,8なら前進,2なら後退,6なら右に移動といった感じです。ストラの戦闘システムでは移動中にほかのキャラクター/モンスターと衝突するとそこで移動終了となってしまうので,こちらのほうが確かに分かりやすいですね。感心することしきりです。僕らが作ったシステムより,はるかに使い勝手のいいものをどんどん作っていく。
 こういう遊び方がでてきたら,開発側もそれをもっと面白くさせるような機能を追加していきたいですよ。開発側の本音としては,気づかなくてごめんねって感じなんですけどね……。

一同:
 いや,まったく……。



画面右に小さく写っているのが,初期にさまざまなシミュレーションを行うために作ったというボード。段差もつけられているのがわかる


■「"ゲームに必要な機能と判断されたら"反映されます。」(山口氏)

4G:
 ところで開発のみなさんはどのようなキャラでプレイされているのですか?

(一同顔を見合わせてニヤリ)

4G:
 え?(笑)

山口氏:
 会社で仕事として公式に使っているのはそれぞれ知っているのですが,個人的にプレイしているキャラは,みんな非公開です。というより,開発内部でもだれがどのキャラを使っているかさっぱりわかりません(笑)。

4G:
 あら,そうなんですね。IDとPassまで共有化してる編集部とはエラい違いですね(笑)。

山口氏:
 "見せキャラ"は知ってますけどね,本気キャラは誰も人に教えてないんです。スタッフ同士でパーティ組んだことあるかもしれませんねぇ(笑)。プレイしていると,プレイヤー同士でいろいろ話をしていたり,一緒にパーティを組んだときに出た意見を聞いたりするのですが,そのときの意見をまとめて後で感想会で議論しています。そこでゲームに必要だと判断されたら,ゲームに反映させていくと。

豊田氏:
 ファンサイトなんかもほとんど見に行くようにしています。

4G:
 それってつまり,プレイヤーもゲーム内で意見をいい続けてるとそれがゲームに反映されやすいということですか?(笑)

山口氏:
 うーん,言い切るのは怖いな。我々の耳にそれが入って,それが"ゲームに必要な機能と判断されたら"反映されます。という感じで。いやもう,あまりにも多くの意見を聞いてるので,一体どれからやろうかな,と。

■戦闘システムへのこだわりを楽しさへどのように繋げていくかの難しさ

4G:
 ではこの辺でちょっと真面目な(?)話題に。さっきもちょっと触れましたけど,ストラガーデンは戦闘に特徴がありますよね。でもその戦闘時間が長すぎて,それが逆に初心者に対してのハードルを高くしているのではないかと思うのですが,そのあたりはそれぞれの担当として,どうお考えですか?

山口氏:
 MMORPGというゲームの特性上戦闘は欠かせなく,またゲームのプレイ時間に対しての比率も当然長くなりますよね。なので,戦闘が面白くないからゲームも面白くないという評価は受けたくなかったので,注力している部分ではあります。
 戦闘時間については,インタフェースなどの操作性面での改善という手段があるとは思うのですが,いろいろな要素を考慮して現状の仕様となっているので,なにか一つ変更するといままでの機能が使えなくなってしまう可能性があります。インタフェース面では現状が一番BESTだと思うので,そのほかの部分での改良を加えていく必要はありますね。

溝田氏:
 戦闘シーンについては,序盤に出現するモンスターを倒しやすくするとか,最初から使えるスキルの数を増やしたりすることで,初心者が遊びやすくなるようにしました。できれば,序盤はぼーっと遊んでいても勝てる程度で,後半になるにつれてどんどんと複雑になってって勝ちづらくなるというのがいいですね。
 でも,戦闘開始したら1クリックだけで,あとはぼーっと画面を見ているという戦闘にはしたくないんです。戦闘シーンで,どうやってプレイヤーをびっくりさせていけるかを考えていますよ。

豊田氏:
 モンスターの動きを決めるAIスクリプトの部分は,いまでもずっといじくり回してますし,おそらく今後もずっと続けて改善させていくと思います。そこがどんどん優秀になって,賢くさせたり逆に単純にしたりというように,ファジィさをだしていって,初めてゲームに触れる初心者に優しくしていければと思っています。
 ストラの戦闘時間はほかのMMORPGと比べて長いので,きちんとシステムを組まないと粗が出てしまいます。しかしターン性を採用していることで,いろいろなアイデアを形にできる余裕があるのが,逆によかったところともいえます。

4G:
 確かにリアルタイム制戦闘システムであれやこれやって新機能をつけるのは大変ですもんね。ちなみに余裕とはいったいどのような?

豊田氏:
 余裕を持たせるというのは,一つの目的だけを実行する機能ではなく,いろいろな場面にでも対応できる余地を含めておくということです。
 スクリプトの開発エンジン自体をいろいろと対応できるように作成してあったのですが,最初は,サーバー負荷を考えてあまり複雑なのは組み込んでいませんでした。しかし,あまり負荷に影響がないようだったので,より複雑なAIを作成して実装していく予定です。スクリプトコマンド自体もどんどん追加していますので,モンスター専用の変わったスキルも入れて,戦闘のメリハリをつけていきたいですね。

溝田氏:
 スキルの取得は全体的に少し難しくしてあるので,どんなスキルでも,ある程度は"使える"ようにしておきたいですね。ボスモンスター戦でも,ただ倒すだけではなく,たとえばパズルを解く,全員が生き残る,誰かを守るなどのいろいろな勝利目標のバリエーションを増やしていって,面白さを出していければと思います。



開発ツールを少し見せてもらったところ。オブジェクト配置が簡単に行えるなど,使いやすくしてあるという


■アップデートで楽しさを継続して提供

4G:
 なるほど,戦闘面での改善はすでに始まっているし,これからどんどんよくなっていくということですね。しかしですね,"あまりサーバー負荷がない"というのは,もしかしてプレイヤー数が少ないということでしょうか。いや,ぶっちゃけてしまうと,プレイしていても人がちょっと少ないかな,と感じるのですが,これはどのあたりに原因があると思いますか?

山口氏:
 ストラのスタートは,実際,あまりよくありません。それは,現状では認めざるを得ないことですね。でもそれって裏を返すと,"同じ国に属しているプレイヤーのほとんどが知り合い"という,独特のフレンドリーなコミュニティとなっているという,思わぬメリットも出ているのです。
 MMORPGはゲーム内とゲーム外の双方のコミュニティで成立するものだと思っていて,実際,それを前提としてゲームシステムを作っていました。しかし,クローズドβテストでアップデートを頻繁に行った結果,ファンサイトを作る人たちが"落ち着いたら更新しよう"という流れになってしまったんです。それで,コミュニティが分断してしまい,また新しいファンサイトも生まれづらくなってしまった。ここは我々にとって大きな誤算でした。すれ違いとはちょっと違いますが,ボタンの掛け違いというイメージでしょうか。
 これからじわじわと盛り上げていって,気がついたら人が増えていたという状態に持っていきたいですね。

4G:
 正式サービス後には国ごとのファンサイトがいくつか新しくできてきているようなので,これから発展していくゲームという感じでしょうか。……ということは,ゲームのアップデート回数を減らしていく方向に動いていくと?

山口氏:
 ゲームには"もっとも旬なとき"があり,どのMMOでも大体それをを2〜3年と設定してアップデートスケジュールを組んでいると思います。どんなMMOでもそうですが,最初に世に出した時点ですでにかなりの要素が"予定"として組まれてるんですよね。ストラガーデンも,その例に漏れません。
 ここで問題になるのは,"我々が一番面白いと思う要素"をどこに持っていくかということですね。いきなりそれを出しちゃうのも,なんだかさびしいし息切れするかもしれない。じゃあ,っていうんで後ろに持っていきたいのですが,そのアイデアはプレイヤーからの意見と融合することでどんどん良いものへと変化していきます。そんなこんなで,最初からどのようなアップデートを行っていくかを公表しづらいという苦悩がありますね。

4G:
 そうですね,MMORPGの制作の人に付きまとう悩ましい問題ですね。

山口氏:
 MMOはスタンドアロンゲームと違って,世に出した状態が完成ではありません。それを前提でゲームを作っているというわけではないのですが,やはり世に出した後でいろいろと足りないものも出てきます。例えば,もっと便利な機能があったらいいとか,ちょっと改良すればもっと面白くなるのにとかアイデアが出てきちゃうんです。MMORPGならアップデートという形ですぐに変更できるので,そこが面白さともジレンマともいえますね。まぁ人はそれを泥沼と呼ぶんですけど(笑)。

4G:
 一プレイヤーとしてみると,アップデートで新しい要素が追加されるというのは非常に嬉しいんですけど,開発側はいろいろ苦労してるんですよね。

山口氏:
 きつい部分も多いですけど,面白いですよ。6月はいろいろな細かい部分のアップデートを週1回くらいの頻度で行っていく予定です。その後は,数字の修正ではなく,ミニクエストを中心としていろいろな機能を増やしていこうと考えています。
 クエストは,報酬をどのようにするかですごく悩んだりすることもありますが,がんばって追加していこうと思っています。

4G:
 報酬はゲームバランスに直結する部分なので,結構綿密に慎重に決定する必要がありますしね。

山口氏:
 そうなんですよ。まぁクリア時間や難度で,ある程度の絞込みはできますが,いろいろなバランスを考慮しないとダメなので。スキルにするとか,消費アイテムにするとか。

4G:
 ミニクエストっていくつくらい予定されてるんですか?

山口氏:
 ストラガーデンが続く限りアップデートしていく予定なので分かりません。

4G:
 永遠に追加され続けるということですか?

山口氏:
 そうですね。ストラガーデンはそういうことのやりやすいシステムで作ってあるので,息の続く限り追加していこうと思ってます。もうほとんど全社員総出で作ってるんですけど,一番面白いの作るのは,ここにいる溝田かなぁ。でもこいつの作るクエストは,めちゃめちゃ面白いんですけどバグだらけなのが難点です(笑)。

4G:
 でもバグが少ないけどまったく面白くないクエストよりはいいですよねぇ。

溝田:
 慰めてくださってありがとうございます(笑)。

4G:
 (笑)。ところでWorld of Warcraftのクエストは,プレイヤーが報酬を選べるシステムなんですけが,そんな感じの選択式にすれば,報酬(=ゲームバランスとの兼ね合い)で悩むといのは解消されるんじゃないでしょうか。

山口氏:
 うーん,確かにそういうシステムも考えたんですけど,個人的にあまり好きじゃないんですよ。できれば,それがプレイヤーに受け入れられて,一般的にならなければいいなとさえ思ってます(笑)。

4G:
 筋金入りですね。まぁ編集部内でも賛否両論でしたし,難しいところだと思います。

山口氏:
 そういうユーザーに対して重要な意味を持つ部分のデザインを放棄しちゃいかんと思うんですよね,やっぱり。



戦闘だけでなく,合成やキャラクターのモーションなどいろいろな要素が詰め込まれているストラガーデン。新しい遊び方を見つけられるような仕掛けが多数用意されているとのこと


■ストラガーデンの海外展開とローカライズ手法

4G:
 ちょっと話は変わりますが,海外へ進出する日本のMMORPGが多くなってきていますが,ストラガーデンの海外展開は方向性など決まっているのでしょうか? というか,決まってるんですよね? きっと。

山口氏:
 ええ,中国,台湾,香港への進出はほぼ決定していて,韓国は現在検討中です。……って,これって話しちゃっていいんですか?(高橋氏に向かって)

フロムネットワークス高橋氏:
 んーと,いいんじゃない? うん,たぶん平気平気。

一同:
 適当だなぁ(笑)

4G:
 じゃあ,遠慮なく書いちゃいますね。海外バージョンでは,それぞれローカライズをしていくと思いますが,ゲーム内容もまったく同じとなるのでしょうか?

山口氏:
 いいえ,国ごとの土壌というものがありますので,さすがに日本と同じというわけにはいきません。でも,ストラのゲーム的な基本部分,例えば戦闘システムとか,マップという部分の変更は行いません。経験値テーブルのバランス変更くらいにする予定です。

4G:
 やはり,そのまま海外に持っていくというのではなく,ゲーム自体のローカライズもするということですね。

山口氏:
 そうです。例えば,我々のリサーチでは,台湾のゲーマーは日本と層が似ているんです。中学生や高校生などの比較的若い年齢層がコアとなっていて,短期間に集中的に遊ぶというのが一般的のようです。支払いもプリペイドカードで簡単にって感じですね。その層をはずさないようなローカライズをしていく予定です。

4G:
 台湾と日本のゲーマー層が似ているというのは非常に面白いですね。最後に,今のプレイヤーと,これから始めようと思っている人へなにか一言アピールをお願いします。

(一同譲り合い)

溝田氏:
 じゃあ僕言っちゃっていいですかね……。戦闘部分は,対モンスター,対人を問わず力を入れてます。スクリプトもどんどんアップグレードしてますし,対人バランスもいまなお延々とさらなる調整を図ってます。見かけはほのぼのですけど,ぜひ対人戦をしてみてください。Duel大会などで気軽にDuelをしてみれば,新しい面白さが発見できると思います。

豊田氏:
 そうですね。キャラクターを強くするのがモンスター戦だとすれば,プレイヤーを強くするのがDuelです。……って,こんなコメントでいいですか?

山口氏:
 いい感じのまとめなので問題なし(笑)。

溝田氏:
 レベル差の補正も結構強めにしてあって,レベル20の人でも戦い方次第で,レベル60の人にも勝てるようにしてありますし。スキル自慢も結構面白いのでぜひDuelってください。

4G:
 Duelで勝てるように鍛えておきます(笑)。本日はどうもありがとうございました。



 今回のインタビュー前,βテストのころなどに本作をプレイしたときには,序盤のゲームバランス,移動スピードの遅さ,戦闘フィールドのパターンが少ないという部分であまり楽しんでプレイできなかったというのが正直なところ。中盤以降でクエストに絡んだボスモンスター戦ができるようになれば,本作の独特の戦闘システムの面白さが感じられるとは思うが,いかんせんそこまでの道のりは長い。
 今年度後半にサービスを開始する予定のMMORPGには,序盤から中盤にかけての部分に非常に注力しているタイトルが多い。これは月額課金というビジネスモデルで成り立っている部分が多いため,そのゲームが持つ"本来の面白さが体験できるまでプレイヤーを繋ぎとめておきたい"ということから生まれたものだろう。
 本作は,序盤のゲームバランスから見ても,中盤以降の面白い要素を体験できる前に中断してしまう人が多かったのではないだろうか。しかし今回のインタビューで,"ストラガーデンがプレイヤーと一体となって発展していく途上"だということ,また山口氏の発言にもあったように,ゲーム内外で連携したコミュニティ形成への努力という部分ががはっきりとした。これらがうまくゲームに取り入れられていけば,大きく盛り上がりを見せていけるのではないだろうか。今後に期待したい。

「ストラガーデン」の当サイトの情報一覧は,「こちら」

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開発室の様子。インタビュー終了後に覗かせてもらったのだが,ちょうどメンテナンスが終了した後ということもあって,人が少なかった(昼食にいったとのことだ)

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