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[COMPUTEX]外付けグラフィックスボックス「GUS」が発売されないのはなぜなのか。MSIの担当者に聞いてみた
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印刷2012/06/06 11:23

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[COMPUTEX]外付けグラフィックスボックス「GUS」が発売されないのはなぜなのか。MSIの担当者に聞いてみた

MSIでコンポーネント製品(≒PCパーツ系)のプロジェクトを担当するKiner Liu氏
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]外付けグラフィックスボックス「GUS」が発売されないのはなぜなのか。MSIの担当者に聞いてみた
 2012年6月4日の記事でお伝えしたとおり,COMPUTEX TAIPEI 2012開幕前日に開催されたIntelのイベントで,MSI製外付けグラフィックスボックス「GUS」(Graphics Upgrade Solution)のデモが行われた。
 Thunderbolt接続となったGUSは,Ultrabookおよび大画面テレビと接続され,問題なく動作していたのだが,2010年にExpressCard接続モデルとして発表され約2年。果たして今回のGUSは発売されるのかどうか,気になりだした人も少なくないのではなかろうか。

 今回4Gamerでは,GUSを担当しているKiner Liu(キナ―・リウ)氏に現状を聞くことができたので,ここにまとめてみたい。


目下最大の課題はThunderboltの普及状況と価格

最新世代のGUSはノートPCに映像を戻せる


GUS
画像集#003のサムネイル/[COMPUTEX]外付けグラフィックスボックス「GUS」が発売されないのはなぜなのか。MSIの担当者に聞いてみた
 「ExpressCard接続となる初期GUSの発売を取りやめたのは,ExpressCardという規格自体が下火になったからだ」とLiu氏は振り返る。氏によると,目下,Thunderbolt接続版GUS発売に向けた最大の課題となっているのは,Thunderboltという規格自体の普及状況,そして,Thunderbolt関連コンポーネントの価格だそうだ。

 Macという例外を除き,Thunderboltの普及はようやく始まったばかり。GUSがターゲットとするノートPCだと,搭載製品は数えられるほどだ。「その状況で市場投入しても,利用できる環境が限られてしまう」(Liu氏)。
 また,Thunderboltコントローラとチップの価格も大きなハードルとなる。当時,ExpressCard接続版GUSの想定売価を129ドルとしていた氏によれば,「現状,Thunderboltは,コントローラのコストが15ドル,ケーブルのコストが20〜25ドルと高くつく。当然のことながら,このままでは当初の予定価格を大幅に超えてしまう」とのことである。

画像集#004のサムネイル/[COMPUTEX]外付けグラフィックスボックス「GUS」が発売されないのはなぜなのか。MSIの担当者に聞いてみた
 もしこのまま量産に入るとしたらいつ頃発売できそうかという筆者の問いには「おそらく8月」と回答し,製品としてはほぼ完成していることを示唆していたLiu氏。しかし,課題の大きさを考えると,向こう数か月で状況が劇的に好転するとは考えにくい。現実的には,まだ半年,1年という時間がかかるのではないだろうか。

MSIブースで展示されていたGUSは,Radeon HD 7850カード「R7850 Twin Frozr」を搭載していた
画像集#007のサムネイル/[COMPUTEX]外付けグラフィックスボックス「GUS」が発売されないのはなぜなのか。MSIの担当者に聞いてみた
 なお,COMPUTEX TAIPEI 2012のMSIブースで展示されていたGUSは「Radeon HD 7850」カードを搭載していたが,なぜAMD製GPUを採用しているのかについては,Liu氏の口から面白い話が聞けた。いわく「最新世代のGUSは,AMDからMSIに提供される特別版グラフィックスドライバを利用することで,レンダリング結果をノートPCへThunderbolt経由で戻せるようになっている。外部ディスプレイは不要だ」。

GUSの内部。PCI Express x16スロットの近くに,ヒートシンクの貼られたThunderboltコントローラが置かれている
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 ブースで展示されていたのはMac用のファームウェアが書き込まれた個体で,この状態だとPCと接続しても外部ディスプレイが必要になってしまうそうだが,PC用ファームウェアが書き込まれたGUSの場合,Thunderbolt搭載のノートPCと接続すれば,基本的にはPC側の特別な対応なしに,GPU側でのレンダリング結果をノートPC側に搭載されるグラフィックス機能統合型CPUのフレームバッファへ送り込めるとのこと。Thunderbolt経由なので,物理的な遅延がやや気になるところではあるものの,GUSのあるところに必ず外部ディスプレイがあるとは限らないわけで,そんな状況下でも外部GPUを利用できるようにするアイデアはアリだろう。

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 というわけで,GUSの登場時期に関してあまりポジティブな話はなかった一方,MSIは依然としてGUSに本気であり,将来的な登場の可能性はまだ十分に期待が持てるとまとめていいのではなかろうか。Thunderboltインタフェースが普及し,Ultrabookの多くで採用されるようになった頃に颯爽と登場してくることを楽しみに待ちたい。

エムエスアイコンピュータージャパン公式Webサイト

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