プレイレポート
満を持しての登場か,「Soul of the Ultimate Nation」の先行プレイレポート
ようやく日本でのサービス開始が発表された本作。果たしてその内容は待たされた時間に見合うものなのだろうか? |
とはいっても周知の通り,SUNは2006年に韓国で期待の新世代MMORPGとしてデビューを果たしている。4Gamerでも,韓国でのプレオープンβテストに参加したときの記事を掲載しているので,キャラクター作成などの詳細は,そちらを参照してほしい。本稿では,ゲームの概要を簡潔にまとめつつ,テストプレイのインプレッションをお伝えする。
操作は,移動も戦闘も実にオーソドックスなので,まず迷うことはないだろう |
目にしたテキストは決して多くないのだが,翻訳に不自然な点は見られなかった。あからさまな誤訳は,プレイ継続のモチベーション低下につながることもあるので,評価したい点だ |
SUNの操作方法は,極めてオーソドックスなマウスクリックタイプだ。移動にW/A/S/Dキーまたはマウス,およびスキルの発動をはじめとする各操作にショートカットキーを使用。戦闘は,ターゲットをクリックするかスキルキーを押すとスタートする。
作成できるプレイヤーキャラクターは,以下の4クラスで性別は固定だ。
●バーサーカー(性別:男)
近接攻撃職で,オフェンスまたはディフェンススキルに特化している
●エレメンタリスト(性別:女)
魔法職で,攻撃魔法または回復魔法スキルが得意
●ドラゴンナイト(性別:男)
近接攻撃職で,魔法または攻撃スキルに特化。魔法に特化させていくと,スキルで竜人に変身可能
●ヴァルキリー(性別:女)
ボウガンを使った遠距離攻撃職。ボウガンの使用または召喚/サポートスキルに特化
キャラクターの成長方法はレベル制で,レベルアップするたびに得られるボーナスポイントを5種のステータス,および各クラス固有スキルの熟練度に割り振っていく。しかし,特化させたいスキルの系統によって必要なステータスが決まっているため,成長に関しての選択の幅は,それほどないといえるだろう。
一方の全クラス共通のスキルは,レベルアップ時に得られるスキルポイントを消費して習得する。各スキルには10段階のレベルがあり,必要条件を満たせばレベルアップ可能だ。
武器は,各クラスとも攻撃が速い軽量タイプと攻撃力が高い重量タイプの2種類があり,それぞれ専用スキルが用意されている。また,武器/防具の強化については「ランクアップ」と「エンチャント」と呼ばれるものがある。前者は5段階,後者は15段階まで強化可能で,特定の段階で強化に失敗すると,そのアイテムは失われてしまう。
NPCの口調もそれぞれの個性に合わせたものになっているようで,自然に感じられた。だが雪原で半裸なのは…… |
レベルアップで得られたボーナスポイントを攻撃系スキルの熟練度に全部振ってみた。スタッフに聞いたところ,へたにバランスよく振ろうとすると,中途半端になってしまうそうだ |
スキルの習得とレベルアップには,スキルポイントを消費する。またスキルの習得には該当する熟練度が,使用には該当する武器が必要だ |
防具をある段階まで強化すると,光り輝くエフェクトが発生する。韓国産のMMORPGではお馴染みの仕様だろう |
キモとなるMO形式の「バトルゾーン」
バトルゾーン作成モード。バトルゾーンの種類,参加人数や参加可能クラスなどを設定できる。ミッションの場合は,最低参加人数が決まっているものもあるようだ |
本作のキモとなるのが,バトルゾーンの存在だろう。これは,いわゆるMO形式の専用ロビーでプライベートルームを作成し,参加者を募るもので,「ミッションバトルゾーン」「ハンティングバトルゾーン」「PvPバトルゾーン」が用意される予定だ。
今回プレイしたのはミッションバトルゾーンで,その中でも連続クエストを一通りプレイしたあとの締めとなるもの。連続クエスト中に登場した複数のミッションを一つにまとめた内容で,実に1時間前後休憩なしで進行するという,遊びごたえたっぷりなものだった。
とはいえ,随所に仕掛けられたトラップを解除し,待ち伏せするモンスターを返り討ちにし,途中に配置された中ボスを倒しながら進む過程は「いかにもRPG」といった感じで,かなり楽しめた。また今回はスタッフが操作する高レベルキャラにサポートしてもらったため,最後に待ち受ける大ボスも無事に(それでも数回蘇生してもらったが……)倒し,大きな達成感を得られた。これが同レベル帯のプレイヤー同士で必要な装備と消費アイテムを準備し,入念な打ち合わせを重ねたうえでの結果だったなら,さらに上の達成感を得られたことだろう。
バトルゾーンの待機画面。設定した条件にマッチしたプレイヤーがエントリーし,「Ready」ボタンをクリックするとスタートできる |
ミッションを開始すると,導入ストーリーが表示される。些細な要素といえばそれまでだが,なかなか盛り上がる演出だ |
要所に配置されている中ボス。中には護衛を召喚するヤツもいて,一筋縄ではいかない |
筆者は今回のテストプレイを体験するまで,SUNにはあまりいい印象を抱いていなかった。2005年後半に韓国で期待のMMORPG「BIG3」の一つとして騒がれたものの,2006年になり,蓋を開けてみたらコンテンツの量および練り込み不足で一気に失速したという経緯を知っていたからだ。2007年10月にゲームオンが日本におけるSUNの独占ライセンス契約を締結したというニュースを聞いたときも,昨今の日本市場における新規MMORPGが苦戦している状況も手伝って,「何をいまさら……」と思ったことを正直に告白しておこう。
しかしながら韓国での正式サービス開始から1年以上経った本作は,良い意味で予想を裏切ってくれた。今回プレイできた内容に限っていうなら,演出やテキストの翻訳といった点も含め,かなり洗練されており,完成度は最近の新規MMORPGの中ではトップクラスといっていいかもしれない。
トラップを発見。これは4本の柱を定められた順番通りにクリックするというもので,失敗すると門番のモンスターと戦うハメになる |
トラップを首尾よく解除したと思ったら,新たな中ボスが! 不用意に突っ込むとパーティが全滅する可能性があるので,雑魚を1匹ずつおびき寄せてみる |
一方で,懸念がないわけでもない。例えば今回はチュートリアルを体験した後,いきなりレベル25のキャラクターでプレイできたので筆者の印象はよかったが,一から始めて同じ感想を抱くとは限らない。ミッションバトルゾーンの存在を知らずにプレイした場合,キャラクター作成からチュートリアルの段階で「やっぱりクリック&お使いゲームかよ」と判断してしまい,それ以上プレイしなくなる可能性は否定できないだろう。本作のキモとなる部分に到達せずに,途中でやめてしまう人がでないようなバランス調整に期待したいところだ。
とはいえ,今回のテストプレイでSUNが筆者の期待するオンラインゲームリストの一つに加わったことは事実だ。その期待が現実となるか,それとも……となってしまうかどうかについては,今後実施されるであろうβテストと正式サービスを通じて確認していきたい。
中ボスを倒してポータルを抜けると,間髪入れずに次のミッション内クエストが発生。全制覇するには,気合を入れて臨もう |
あからさまに怪しい木を発見。クリックすると……,何が起きるかは,実際にプレイしてみてのお楽しみだ |
さらなる中ボスの前に張られた結界。こんなに連続してプレイするハメになると思ってなかった筆者は,そろそろ疲れてきている |
途中経過を省略して,ミッションの大ボスと対面。筆者のヴァルキリーだと2回殴られただけで瀕死になってしまうほど強力な存在だった |
- 関連タイトル:
Soul of the Ultimate Nation
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