連載
新連載「PCゲームを持ち出そう!」,第1回はNDS用「Age of Empires:The Age of Kings」を紹介
今回紹介するのは,ニンテンドーDS/ニンテンドーDS Lite(以下,NDS)用の「Age of Empires: The Age of Kings」。4Gamer読者にもお馴染みの大ヒットRTS,Age of Empires(以下,AoE)シリーズをNDS向けにアレンジしたもので,北米地域で2006年2月に発売されたタイトルだ。
残念ながら日本国内では正規に販売されておらず,海外ゲームを取り扱う販売店で並行輸入品を購入するなどの方法で入手可能。ソフト自体は英語版だが,編集部で試した限りでは,国内版のNDSでも動作した。ただし後述するように,本作には致命的なバグがあることが分かっているので,購入するときには十分注意してほしい。
AoEを知らない人のために一応説明しておくと,本シリーズは古代/中世の世界や,15世紀以降のアメリカを舞台に,さまざまな文明(国家)の興亡を描く歴史ストラテジー。リアルタイム制が採用されており,戦況は刻一刻と変化するので,迅速な判断と操作が要求される。
なお4Gamerでは,PC版「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III」のレビュー記事を掲載しているので,AoEに関心を抱いた人は参考にしてみよう。
■NDS版には五つの文明が登場
本作の舞台となっているのは古代から中世までの世界で,「Britons」「Franks」「Mongols」「Sarcens」「Japanese」の五つの文明が登場する。
シングルプレイモードには,文明ごとに用意されたストーリーに沿って進めていく「Campaign Mode」と,あらかじめ用意された数種類のマップを用い,AIが操作する文明と競い合う「Empire Map - Single Scenario」の二つのモードがある。
本作に登場するユニットは,大きく分けて「Infantry」「Ranged」「Cavalry」「Siege」「Support」の五つの種類がある。それぞれのタイプに含まれるユニットの数は,以下のとおりだ。割とキチンと種類は整っている。
・Infantry……13種類
・Ranged……14種類
・Cavalry……12種類
・Siege……9種類
・Support……3種類
さて,この連載では,紹介するゲームがPC版と比べてどのくらいアレンジされているかを独断と偏見で判定し,「再現度」として示していく。
この値が100%だと,さまざまな面でPC版との違いがないことを意味し,逆に0%だと,PC版の面影もないほど大幅にアレンジされていることを意味するわけだ。決して,そのソフトの良さ,面白さに直結するものではない点に注意してほしい。
■NDS版の再現度は……30%
RTSでは,パッと見で戦況を大局的に把握し,迅速に判断することが求められる。しかし,携帯ゲーム機の画面サイズでは一度に表示できる情報量が限られており,RTSというジャンルに向いているとはいいづらい。また,ボタンの数が,PCのキーボードに比べれば圧倒的に少ないことも,携帯ゲーム機用のRTSを作るうえで難しい部分ではないだろうか。
その点,画面が二つあり,タッチペンという入力方式が採用されたNDSは,これまでの携帯ゲーム機と比べて,RTSとの親和性は高いほうだといえる。
そこで開発者は,リアルタイム制を保ったままNDS版を開発するのではなく,あえてシステムを変更し,NDSの特性を生かしたターン制ストラテジーとすることを選んだのだろう。
では,インタフェースはどうなっているかというと,基本的に下画面(タッチスクリーン)にはマップが,上画面にはユニットやテレイン(地勢)などに関する情報が表示される。
登場するユニットはそれぞれ,ユニット内の兵士の人数を示す「Health」,一度のターンで移動可能な距離を示す「Move Points」,攻撃力を示す「Attack Strength」などの属性値を持っており,ユニットをタッチペンでタップすることで,そのユニットに関する情報を上画面で確認できるわけだ。
システムやプレイ感覚としては,当然ながらRTSであるPC版とはまったく異なる。マップは18×18のマスに分割されており,例えるなら,大戦略シリーズを遊んでいるような気分だ。
とはいえ,ターン制のシステムにAoEのエッセンスが程よくミックスされているので,AoEに慣れ親しんでいる人なら,そのルールやゲームの流れをすぐに覚えられるはず。ルールは比較的シンプルなので,逆にAoEを知らなくても,すぐに楽しめるようになるだろう。
ちなみに本作では,最大4人でのマルチプレイも可能だ。マルチプレイを行う方法は二つあり,一つめは,ターンごとに1台のNDS本体を回しながら進めていく「Hot-Seat」モード。そして二つめは,NDSのワイヤレス通信機能による「Wireless Link」モードだ。
Hot-Seatモードは当然ながら,Wireless Linkモードでも,ほかのプレイヤーがコマンドを入力している間は何もできず,待っている必要がある。
■AoEのエッセンスをシンプルにまとめた良作
■しかし致命的なバグも……
ゲームシステムに違いこそあれ,ゲームのポイントはPC版と同様。つまり,戦いを有利に進めるためには,いかに早く自分の文明を発展させ,軍備を整えるかが鍵となる。
とはいえ,ターン制を採用しているNDS版では,時間を気にすることなく,じっくりと考えながらゲームを進められる。ストラテジーは好きだけど,RTSはテンポが速すぎて苦手だという人も楽しめそうだ。
しかし非常に残念なことに,本作には致命的なバグが報告されている。それは,Campaignモードで「Options」メニューから「Save」を選択すると,なんとそれ以降ゲーム自体が起動できなくなってしまうというもの。
このバグが解消されたバージョンは,編集部が本作を入手した2007年6月中旬の時点では発売されていないため,その方法でセーブしないように注意するしかないのだ。
なお,上記の手順はバグ予防のために公開したものだ。万が一上記の操作を行い,ゲームが起動しなくなっても4Gamer編集部では一切の責任を負いかねるので,絶対に確認しないでほしい。(山)
■NDS用「Age of Empires: The Age of Kings」
再現度:30%
Age of Empires: The Age of Kings
対応機種:ニンテンドーDS/ニンテンドーDS Lite
メーカー:Majesco
発売日:2006年2月14日
価格:19.99ドル
公式サイト:http://www.ageofempiresds.com/
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- 関連タイトル:
マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III
- 関連タイトル:
Microsoft Age of Empires III(Macintosh)
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