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[GC 2005#26]D&Dライセンス初のRTS,「Dragonshard」
中世ヨーロッパをモチーフにしたRPGで何度も利用されてきた「Forgotten Realms」のユニバースから離れ,公式ルールブック第3版になった後に元締めのWizards of the Coastによって生み出されたEbberonキャンペーンを採用しているのも特筆に値する。
ストーリーは,まだエルフが一つの種族だった古代に設定され,世界の文明が偉大な魔法の力によって創造されていた頃の話になる。突然の大異変によって魔法のバランスが崩れ,都市が地下へと埋没。Evilアライメントのサブ種族"ドロウ"がエルフから派生した時代を,テーブルトークと同じKeith Baker(キース・ベイカー)氏が描いているのだ。
アメリカでは9月20日の発売が発表されており,D&Dシリーズの人気の根強いドイツなどヨーロッパ圏が続く。すでに8月上旬にシングルプレイヤー専用のデモもリリースされており,今回展示されたものも同じデモだと思われる。
Ring of Stormsと呼ばれる,エルフの首都といえる大きな街があった場所が舞台だ。
Dragonshardがユニークなのは,各ミッションに二つのマップが用意されていること。2004年にElectronic Artsからリリースされた「Army of Exigo」を思い出す人もいるかもしれないが,本作の場合は,RTSを行う地上マップと,従来のRPGに見られるダンジョン探索を楽しむための地下マップという性格付けがなされている。このように二つの異なる遊び方を分けて考えることで,RPGとのハイブリッドRTSの代表格「Warcraft III」とも一線を画した作風になっているのである。
デモはリザード種族でプレイできるようになっており,キープと呼ばれる地上の中心は巨大なメスドラゴンの巣になっている。ここで資源開発を行い,新たなユニットや施設を生み出していくのである。
地上から地下へはいくつかのトンネルが存在し,これを使ってユニットの補充もできる。地下のパーティから地上へのフィードバックは,ヒーローキャラクターを中心とするパーティが,モンスターを倒すことでゴールドを得たり,ヒーローキャラクターがレベルアップすることで施設のグレードを向上したりできるという形になっていた。地上に登場するRTSライクなモンスターユニットとは異なり,地下の古代都市の残骸にはアンデッド系のモンスターがはびこっており,大きく派手なものが多くてグロテスクな容貌が,ロールプレイング的な感覚を演出していた。
Dragonshardは,非常に大作感のあるしっかりとした作品に仕上がりそうだ。日本でのリリースの話はまだ聞こえてこないものの,遊んでみたいRTSであるのは間違いない。(奥谷海人)
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