連載
「三國志 Online」は歴史シミュレーションの大御所であるコーエーが開発したMMORPG。名前を見れば一目瞭然だが,同社が得意とするテーマ「三国志」の世界をゲームの舞台としていることが大きな特徴だ。数度にもわたるβテストやプレオープンサービスを経て,つい先日正式リリースされたばかりの「三國志 Online」は,いまもっともホットなMMORPGだといえる。
この三國志 Online,コーエーの看板シリーズである「三國志」の名を冠しているだけのことはあり,かなり本格的な作りのMMORPGになっている。高度な技術を使ってリッチなグラフィックスを実現していたり,グループで冒険することを前提にデザインされたコンテンツが多かったりするところなど,どちらかといえばアジア産のカジュアルなオンラインRPGよりも欧米産のMMORPGに近いテイストである。また,本作ならではの要素も多く用意されているため,「あのコーエーの三國志だから!」という理由で始めてみようと思う人にとっては,ちょっと分かりづらい部分もあるかもしれない。この連載記事では,そんな三國志 Onlineを,新参プレイヤーでもスムースに楽しめるようにサポートしていく予定だ。
また本連載は,同時に三國志 Onlineのプレイレポート記事でもある。ゲームに実装されている個々のフィーチャーは情報サイトや公式サイトなどをチェックすれば書いてあるが,次に遊ぶMMORPGを探しているプレイヤーが知りたいのはそういう細かいデータではなくて,「そのゲームをプレイすることで,いったいどのような体験が得られるのか」だろう。これは実際にやってみなければなかなか分からない。レポートを通じてそういう本作の「手触り」までお伝えできれば幸いだ。
ともあれまずはキャラクター作成である。
三國志 Onlineのキャラクターメイキングでは,まず初めにキャラクターの基本体型を選択する。選べる体型には男性4種類,女性4種類が存在し,つまり男女の選択もここで同時に行うことになる。このように体型の雛形が数種類用意されていて,そこから選んでいくというキャラ作成方法はなかなかユニークだ。
体型が決まったら顔や髪の色など細部を設定していく。ここでは外見のほかキャラクターの「声」も選択する。技を繰り出すときやダメージを受けたとき,さらにエモートコマンドを実行したときなど,自分のキャラクターが声を発する機会は少なくないので,サンプルボイスをしっかりチェックして,自分で聞いて不自然さを感じないものを選ぶことをおすすめする。
そして名前の入力。ここでも注意点がある。それは,同一アカウント内にあるキャラクター間で「姓」が共有されるということだ。二人目三人目のキャラクターを作るつもりならば,そのことも見越して姓をつけたほうがよさそうである。なお,姓は,ほかのプレイヤーと重複しても大丈夫なので,「劉」や「曹」といった三国志世界で有名なものを使うことも可能だ。
ここまで決めたらキャラクターメイキングは終了。ほかのゲームによくある「職業」の選択は三國志 Onlineにはない。では三國志 Onlineには職業がないのかというと,そんなことはない。このゲームでは,手に持つ武器を取り替えることで,職業(に相当するもの)を切り替えることができる。だから一人のキャラクターですべての職業を体験することも可能であり,これはほかではあまり見られないシステムだ。この仕組みがあるため,本作では,ほかのMMORPGに比べると新しいキャラクターを作りたいと思う機会は少くなりそうだ。
さて筆者もキャラクターを作成してみた。こういうときに作るキャラクターは,画面の見栄えを考えて女性キャラクターのほうがいいと編集部からいわれているので,そのおすすめどおりに女性で作成。いろいろなカスタマイズ項目をポチポチといじって試してみると,どのように作ってもそれなりにかわいい/かっこいいキャラクターに仕上がることが分かった。面白い顔のキャラクターも嫌いではないが,今回はあえてプレーンな顔をチョイス。名前をつけてキャラクターは完成した。
キャラクターができあがったらさっそくゲームにログイン……となるところだがちょいとストップ。
普通ならばここからゲームに入ってクエストの流れの中で自分がはじめに成長させる武器系統(≒戦闘時の役割≒職業)を決めていく。だが本連載では,ゲーム内で悩むよりもログイン前のこの段階でどれか一つの武器系統を自分の心の中で選んでしまうことをおすすめする。三國志 Onlineに用意されている武器系統は以下の六つだ。
最初に伸ばす能力をどれにするかだが,多くの人にとって最も分かりやすいのは「防御」もしくは「攻撃」だろう。どちらもオーソドックスな接近戦闘タイプであり,基本的には“敵に近づいて攻撃する”というシンプルな戦い方で進めていける。序盤にいくつかレベルが上がることで覚えるスキルに,ソロプレイですぐに役立てられるものが多いというのもいい。
逆に初心者が最初にメインで伸ばす能力として選ばないほうがよさそうなのは「練丹」だ。練丹を伸ばすだけでは攻撃関連の技能をほとんど覚えないので,序盤のソロでの戦闘が少し難しいものになるからである。
どうしても魔法系をやりたいという人は別に止めないが,このゲームでは,あとでいくらでも変更できるので,ここでは慣れるまでは近接戦闘型をおすすめしておきたい。
そして筆者だが,今回は片手具+盾を装備して防御技能をまずはじめに伸ばしていくことにした。選んだ理由は,もともとこういったゲームをプレイするときには「タンク」的な役割を担うクラスを選ぶことが多くて,またその役割が嫌いではないから。またタンク役は比較的グループに誘われやすい……かもしれないと予想するから,というのもある。とはいえ三國志 Onlineでは「まったく浮気せずにひとつの戦闘技能だけを伸ばしていく」というスタイルでプレイする人はおそらく少数派で,多くはいくつかの技能をいっしょに(メインとサブ,みたいな感じで)伸ばしていくことになる。その過程でメインとサブが引っくり返ることだって珍しくはないだろう。いつかそうなるかもしれない。いまは“とりあえず”片手具と盾を持ってみたというだけだ。この段階ではその程度の軽い気持ちで決めてかまわない。本作は,一度クラスを決めたらまったく変更がきかないゲームとは違うのである。
ゲームにログインすると,キャラクターは荊州の「水鏡村」に降り立つ。すると目の前に,頭上に“閉じた竹簡”を浮かべたおじいさん(水鏡)がいるので話しかけよう。この閉じた竹簡は「このNPCがプレイヤーに対する“依頼”を持っている」ということを示している。
会話を交わすと水鏡先生はいくつかの依頼を持っていることが分かる。「はじめに」という依頼を皮切りに,すすめられるままにどんどん受けて進めていくといい。水鏡先生がいうように,依頼名のあとに“初心者用”と付いているものをすべてやってみるのがおすすめだ。
初心者用の依頼のうちの一つ「戦闘の道」は,6人いる各戦闘技能の師範に話を聞いて回るというもの。師範は,その位置から門をくぐって坂を下りたあたりに立っている。頭上に依頼の目標であることを示す“開いた竹簡”が出ているのですぐに見つかるはずだ。
この6人の師範はそれぞれの戦闘技能に関する説明をしてくれて,技能を一つと,さらにその技能を使うために必要な武器をくれる。本来はここで最初に伸ばす武器系統を検討するのだが,本稿においては先ほどすでに決めているので,6人すべてに話を聞いたら門の側にいる武将“徐庶”のところに行く。徐庶は,ここでは“戦闘総師範”とも呼ばれている。
ここで総師範は気に入った武器を装備するようにすすめてくるので,所持品(Iキー)と装備情報(Cキー)を開き,決めた武器系統に該当する武器を装備して再び話しかける。
すると今度は技能を実装するように指示される。技能一覧(Vキー)を開こう。技能名がクリーム色の文字で表示されているものが現在装備中の武器で使用可能な技能だ。それらをすべてドラッグ&ドロップでホットバースロットに並べていこう。こうしておけば以降はこのスロットをクリックする(あるいは該当の数字キーを押す)だけで技能が使用できる。
再び徐庶に話しかけると,装備中の武器にフィットした防具を一式もらえる。このとき防具は自動的に装備される。そのまま会話をすすめるとこの依頼は終了して金と経験が入手できる。
これで戦いに赴く準備は整った。とりあえず残った依頼を終わらせたら,次はいよいよ村の外に出かけて初めての戦闘を行う依頼を……となるわけだが,今回はここまで。では,また次週。
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