連載
三國志 Onlineのゲーム世界の中心地「長安」までたどり着き,一人でできる依頼をこなしていたが,しばらくしたらもう手頃な依頼が近場には見あたらなくなってしまった……というのが前回までの話。
引き続き「防御」系の戦闘能力レベルを上げたいのだが,これまでの主要な経験値のもととなっていた依頼がない。厳密にいえば,いくつかあるにはあるのだが,それらはみな「徒党推奨」の依頼であって,適正レベルのものを一人でやるのはちとつらい。であれば仲間を集めればいいのだが,これまでのところそういった募集メッセージが流れているのをほとんど見たことがない。ということは,おそらく多くの人は,それ以外の方法で戦闘能力レベルを上げているのだ。
依頼に関係なく敵キャラクターを倒すだけでも経験値は入る。ゾーンをざっと見回すと,どうもみなその方法で「経験値稼ぎ」をやっているようだ。とりあえず,それにならってみることにした。
適切な強さの敵をずーっと狩り続けるプレイと聞くと,筆者は何年も前のMMORPGを連想する。そういったゲームでは日常のプレイにおいてもグループを組むことがほぼ必須なものとされていたが,「三國志 Online」ではソロプレイも現実的な選択肢の一つとして用意されている。自分の戦闘能力と同じくらいのレベルの敵ならば,ソロで戦って勝つことができる。キャラクターが成長して,初心者ゾーンを脱したあとでもソロプレイは可能だ。
さて,長安の周辺「司隷」でのソロハンティングを始めてみた……のだが,すぐにあることに気が付いた。たぶん,筆者のキャラクターは適切な装備が整っていない。依頼の報酬として入手できたものを身につける以外のことをやってこなかったので,部位によってはだいぶ装備条件レベルが低いものを使っている。これまでは依頼遂行中にピンポイントで戦闘が入ってきていたのであまり気にならなかったが,戦闘自体を目的として連戦しているとけっこうきつい。お金はこれまでほとんど使ってこなかったのであるにはある。だからNPC商人から武器防具を買ってもよいのだが……せっかくだから,ここは一つ自分で「生産」してみることにした。
「三國志 Online」の武器防具には「耐久度」が設定されている。耐久度は武具を使用しているうちに減っていき,0になるとアイテムが使用不能になる。現在のところこの耐久度を回復させる手段はゲーム中に存在しない。新しいものを購入すべきだろう。
「採集」と「生産」を開始するために,まず水鏡村に戻ることにした。村長の「水鏡」先生がこれらの始め方に関する依頼を持っていたのを記憶していたからだ。以前はとりあえず戦ってみたかったので,依頼は受けずにそのままにしておいたのだ。
水鏡先生から始まる生産&採集関連の依頼はシンプルだ。要は自分のキャラクターがどの生産技能と採集技能を習得するのかを,師範NPCに話しかけることで決定すればいい。ここまでゲームを進めてきた人間なら誰でもすんなり終えられる。問題はどれを選択するかだ。三國志 Onlineでは,戦闘能力の種類は武器を持ち替えることで切り替えられるが,生産能力および採集能力はいくつか用意されているものの中から一つずつしか選べない。
生産能力リスト | |
金属武器加工 | 金属製の武器(片手,双手,両手)を作る |
金属防具加工 | 金属製の防具を作る |
木材加工 | 木製の武器(投射,妖術,練丹)および霊符を作る |
皮革加工 | 革製の防具を作る |
布地加工 | 布製の防具を作る |
宝飾加工 | 装飾装備や霊玉を作る |
医食調合 | 薬,食料,染料を作る |
採集能力リスト | |
鉱石採集 | 鉱石等を採集する(主に金属武器・金属防具の材料となる) |
木材採集 | 木材等を採集する(主に木製武器・霊符の材料となる) |
薬草採集 | 植物等を採集する(主に布防具・袋・薬の材料となる) |
発掘 | 古物等を採集する(主に革防具・装飾品・霊玉の材料となる) |
それぞれ一つ好きなものを選べるが,おそらくほとんどの人は「木材加工+木材採集」のように,自分で使うものを自分で集められるような組み合わせにしているだろう。筆者は「防御」技能をメインにするつもりで進めているので,自分の鎧は自分で作れるとよさそうだと考えて,「金属防具作成+鉱石採集」という組み合わせにした。
まずは材料を集める。三國志 Onlineの採集は,フィールド上にある特定の採集ポイントに行き,そこで技能を使うことで行える。鉱石採集の場合はフィールドにときおり岩が露出しているポイントがあるので,そこで行う。キラキラとした光のエフェクトが出ていたら,そこが採集ポイントだ。
水鏡村を出てすぐのところに採集ポイントを発見した。すでにほかの人が何人か採集を行っていたのですぐに分かった。しばらくやっていると2種類の材料がある程度たまったので,これを持って,鍛冶仕事のできる村の溶鉱炉がある場所まで戻る。
そして生産のインタフェースを開き,鉱石を精錬していく。生産はミニゲームなどにはなっておらず,材料を持って作りたいものを指定すれば数秒後には完成する。100回までなら自動的に加工できるので,大量生産も苦にならない。
やはり,初めはレベルが上がりやすいようで,どんどん生産能力レベルが上がっていく。手持ちの鉱石を全部精錬したところでレシピをチェックすると,とりあえず簡単な手甲や脚甲を作るには違う種類の鉱石も必要なようだ。さっきの場所では採れなかったので,きっと違う場所にあるのだろう。では違うポイントを探してみよう……と,いった具合にどんどん生産を進めていった。
さらに生産を進めていき,この原稿を書いている時点では筆者のキャラクターの生産能力レベルは30程度になっている。ここまで進めてみて分かったことがいろいろあるので,それらをここにまとめておく。
生産能力レベル10程度までは,「生産」と「採取」の組み合わせが適切であれば,自分で採った材料だけで中間材料から完成品まですべてが作成可能だ。ただなかなか必要な素材の採集場所が見つからない場合もあるので,このあたりは各人のポリシーにもよるが,インターネット上の情報を利用してみるのも有用だと感じた。また,どんなものを作りたいときにどんなものが必要かは,(これもポリシー次第だが)三國志 Onlineレシピ帳を利用して調べるのもよいだろう。
レベル10を超えると,ほかの採集能力を使わないと採れない素材や,ほかの生産能力を持つプレイヤーが作成する中間材料がないと作成できないものが現れ始める。そういったものは基本的にはほかのプレイヤーから買うといい。だが,入手方法がそれしかないわけではなく,NPCの材料&加工品販売商人から買うという選択肢も用意されている。しかし,NPCが販売している材料は,プレイヤー間相場の数倍以上の値段で売られている。もっとも,必要なものを売っているプレイヤーが常にいるとは限らないし,ほんの数個必要なだけなので多少高くてもまあいいや,という状況もあるので,NPCが売っている素材を使う機会も少なくない。中にはNPC商人から買うしかない材料もある。
1回の生産で得られる生産経験値の量は,難しいものを作ったときほど多いが,たとえ簡単なものでも,レベルが上がったからといって生産経験値が入らなくなるということはないようだ。つまり三國志 Onlineの生産では,多くの材料を用意して,それで基本的なモノをずーっと作り続けることでもレベルアップは可能だ。また,自分でとれる材料だけで育てていくことも不可能ではない。
最終生産品(防具作成なら鎧,武器作成なら武器など)を作り上げた場合,そのアイテムには「等級」が設定される。等級が高いものほど基本性能にプラスされる補正の値の合計が大きい。筆者が作成できたものの中では等級「5」がもっとも高かった。NPC商人が売っている装備品は基本的に等級1なので,やはりアイテムは基本的にプレイヤーキャラクターから買ったほうがいいようだ。また最終生産品には,そのアイテムを作ったプレイヤーの「銘」が入れられる。
「霊符」とは木材を加工して作る妖力のこもったお札のこと。攻撃系の妖術が込められているものが多い。「食料」は,常に食べていなければいけないといった類のものではなく,自分や味方を回復したり強化したりできるもので,ファンタジー系ゲームでいうところのポーションに近いものだ。これらを使用する際には,「簡易アイテム」スロットを利用すると,必要なときに素早い操作が行える。
「霊玉」は装飾品生産者の手によって作られるもので,装備品の強化に使われる。原稿執筆の時点では,ゲーム内にはまだ腰帯や首飾りといった装飾品にとりつける霊玉しか存在しないようだが,武器や防具にも取り付けるための加工キャパシティはすでに設定されているようなので,武具用の霊玉も遠くない未来に追加されるのかもしれない。
完成品や材料の売り買いの中心地となっているのは,三国すべてのプレイヤーが集う都「長安」だ。長安はたいていインスタンスがいくつか生成されているが,売り買いが目的のプレイヤーは1番のインスタンスに集まっている。とくに賑わうのは銭荘の前。完成品の武器や防具,装飾品などの売り買いはここがメインだ。銭荘前から西のほうに抜けると生産施設がいくつか集まっている場所がある。材料系の売り買いはこちら寄りの場所がなんとなくメインとなっている。
三國志 Onlineでは自分自身を売り子状態にできる。その状態にも2種類あって,一つが「展示販売」状態,もう一つが「自動販売」状態だ。展示販売状態では,売りたい品物とその希望価格をほかのプレイヤーに公開できる。購入希望者がいた場合は直接チャットで交渉したあとに「取引」の機能を使ってお金と物品をやり取りする。自動販売では,自分自身をまるで商人NPCのような状態にできる。物品の受け渡しは自動で行われるので“売り子状態で放置”も可能だ。
実際に見ていると,人気があるのは気負わず簡単に売り買いができる自動販売だ。ほとんどの人がこの設定でキャラクターを長安に立たせたままにしている。“夜にその日のプレイを終えたら販売品をセットして自分はPCから離れる”というのが,やはり定番のパターンとなっているようで,買い物をするのであればその時間の長安を訪れたほうが,ほしいものが見つかる確率は高そうだ。
さて,水鏡村で生産修行を始めた筆者のキャラクターは,その後,しばらく採掘と加工を繰り返すことで,最終的にそれなりの防具一式を自分で作り上げることに成功した。等級も悪くない。ただ,防具扱いだろうと勝手に予想していた「盾」については,どうも武器職人の生産物であるようで自作できなかった。片手用の武器も作れないが,これはしょうがない。両方とも買い求めることにした。
他方,生産作業の合間に「戦術(両手武器)」のレベルも少し上げてみた。材料を求めてフィールドを移動するのに,足が速くなる戦術系の技能「疾駆」がほしかったからだ(第一講参照)。荊州あたりの依頼はもうあらかた終えてしまっているので,適当な敵キャラクターを倒すことで上げていった。戦術の戦闘能力はレベル1からスタートになるが,防御がすでにレベル15近くあり,防具はそちらにあったグレードのものが装備できるし,体力や気力もその水準まで増えているので,自身の戦術レベルよりもやや強めの敵を相手にすることが可能だった。そのため思っていたより簡単に目的の戦術レベル8に達し,疾駆を覚えることができた。
装備も整って少し強くなった。足も速くなった。それでは司隷に戻って,メインの防御レベルを上げるために,適正なレベルの敵を狩ることにしよう……,というところで,また次週。
【徐庶】と天才軍師として非常に有名な【諸葛亮】は旧知の間柄だ。現在【諸葛亮】は蜀の国にいるが,その弟の【諸葛均】は水鏡村の隣の伏龍村に住んでいる。【徐庶】のくれる『伏龍の弟へ』は彼を訪ねる依頼だ。【諸葛亮】は人々から「伏龍」とも呼ばれており(臥龍と表記される場合もある),伏龍村はかつて近くに【諸葛亮】の庵があったことからそう呼ばれている。【諸葛均】は,兄の【諸葛亮】のような天下に名のとどろく傑物ではなく,三國志 Onlineでは荊州で人々とともにつつましく暮らしているようだ。
また伏龍村には【王粲】もいる。【王粲】は当時を代表する7人の文人「建安七士」の一人で,魏に仕えた人物。彼がくれる依頼『建安七士,登場!』は,彼が落とした荷物を拾ってくるという内容。荷物の中には【曹操】を讃える詩がたくさん入っているという。この依頼を達成すると,彼は報酬として「王粲の水墨画」というアイテムをくれる。ただし,これは単なる珍品アイテムで,装備したりどこかに飾ったりはできない。
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