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[G★2009]再出発を迎える「Hellgate:Resurrection」。大型アップデートの舞台として選ばれた“Tokyo”の詳細,そして日本でのサービス展開は?
しかし,さまざまな理由によりHellgateのサービスは短期間で頓挫してしまう。また,それによって大打撃を被ったパブリッシャのHanbit Softも,T3 Entertainmentに買収される結果となった。Hellgateが頓挫した経緯については,当事者によるGDC2009での講演記事に,T3 Entertainmentによる買収については,G★2008でのインタビュー記事で触れているので,詳しくはそちらを見てほしい。
T3 EntertainmentはHellgateのIPを獲得したのち,自社による開発作業を続けてきたが,去る11月中旬に「Hellgate:Resurrection」とタイトル名を変えて再出発することが正式に発表された。また同時に,大型アップデート第1弾として“Hellgate:Tokyo”を開発中であることを明らかにしていた。
まずは新生Hellgateのサービススケジュールに関してだが,現在は新規サーバーの設置に伴うβテストを行っており,これは原稿執筆日いっぱい(12月4日)まで続く見通し。正式なオープン日は12月8日で,この日を持って「Hellgate:Resurrection」は再スタートを迎えることになる。そして12月22日には従来のHellgateでいうところのAbyssアップデートが導入され,同時に課金アイテムが導入される。
それら以上に大きな違いは,ビジネスモデルが“基本プレイ無料+アイテム課金”に変わったことだ。課金アイテムの具体的な内容は教えてくれなかったが,方向性としては「従来のタイトルと比べて突飛な形にはならない」とのこと。
社内の開発体制についても聞いてみた。現在の開発メンバーは,旧Flagship Studiosのメンバーもわずかに残ってはいるものの,ほぼ全員がHanbit(T3?)のスタッフだという。本稿に掲載しているコンセプトアートやプロモーションムービーも,すべてHanbit側で作成したものだ。かつてFlagshipが手がけたソースコードなどの分析は完全に終わっており,現在は既存コンテンツの修正や,新規コンテンツの開発の真っ只中という。
開発会社が変わることでのギャップはないのかと尋ねたところ,むしろ以前よりもやりやすくなっているという。以前は運営(Hanbit)と開発(Flagship)との間で,距離や時差のラグがあったため,コミュニケーションしにくい面があったのだそうだ。Hanbitに一元化された今は,すべての作業がダイレクトに素早く伝わり,開発/運営環境としては大きく改善されているとのこと。
これまでのβテストにおける反響については,想像以上によいとのことである。元々Hellgateは,ゲーム性そのものは高く評価されているタイトルで,弱点であったサービス周りがHanbit主体の運営により改善されたことで,全体的な評価が高くなったとのこと。Hellgateは,MOとMMOをミックスさせた内容だが,今後はコミュニティ部分を強化して,さらにMMOらしさを前面に押し出していきたいと語る。
Tokyoで登場するエリアで現在決まっているのは,“東京,横浜,大阪,長崎”といった都市。エリア間の移動方法は東京メトロ……というわけにはいかず,ワープゲートのようなものを用いる。日本には有名な都市がたくさんあり,それらの風景をぜひともエリアに生かしたかったのだそうだ。
「Hellgate:London」では地下鉄路線が主なステージとなっていたが,Tokyoでは屋外エリアも多く含まれ,ここは大きな違いとなりそうだ。とはいえ,青い空や太陽の光が降り注いだりはせず,どんよりと陰鬱な空気が垂れ込めている。Hellgateらしさを残しつつも,新鮮な気持ちでプレイできそうである。
出現モンスターの強さをはじめとしたバランスは現在調整中だが,従来のActからの続きとして実装されるので,必然的にハイレベル向けのエリアとなりそうである。新エリアやモンスター以外の,たとえば新クラスやレベルキャップ開放,新コンテンツといったものに関しては,現段階ではまだ発表できないとのこと。
わざわざTokyoが選ばれたこともあり,Hellgate:Resurrectionの日本におけるサービス展開はどうなのか? やはり,誰もが気になるのはそこだろう。
それに対する回答だが,現在確実に言えるのは「日本を除くアジア圏」を中心にサービス地域を広げていくことだという。HellgateのIPはT3 Entertainmentが所有しているものの,日本と欧米諸国におけるパブリッシング権に関しては,依然としてバンダイナムコゲームスが所有しているからだという。
もちろんHanbitは,バンダイナムコゲームスと運営権に関する交渉を行っており,広報担当者も「今後良いニュースをお伝えできるかもしれないし,私個人としてもぜひとも日本でサービスしたい」と語るが,現時点ではまだ確定には至っていないようだ。
Hellgateは,これまで紆余曲折はあったものの,このまま埋もれさせるにはあまりにも惜しいタイトルである。従来の弱点を補い,新しい門出を迎えてくれるのであれば,ファンにとってこれ以上の話はないだろう。あとは,日本でのサービスに関して「良いニュース」が発表されることを心待ちにしたい。
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