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生まれ変わった「HELLGATE」を大量のスクリーンショットとともに紹介。新コンテンツ“拠点防衛戦”のプレイムービーも要注目のオフラインイベント詳報
「HELLGATE」のクローズドβテスト募集受付は10月15日開始!オフラインイベント「評価・改善テスト 結果ご報告会」開催
普段なら第一報の掲載で終わるところだが,本作は過去にさまざまな紆余曲折があったタイトルなので,以前から注目しているような人にとっては,ほかにも数多くの見どころがあった。そこで本稿では,それらの情報をまとめたうえで,詳報として伝えしていこう。
“評価・改善テスト”のフィードバックあれこれ
・「評価・改善テスト」を実施した意図
ゆくゆくは,アジア圏をはじめとしたワールドワイドで展開される予定のHELLGATEだが,それらのベースとなるのは,この日本のバージョンである。言い換えると現在のHELLGATEは,“オンラインゲーム”として見ると完成にはほど遠く,生のニーズを早急に取り入れる必要があった。そこで,プレイに差し支えない最低限の翻訳のみを行い,スピード重視で実施したのが,“評価・改善テスト”である。
中尾氏は2回のテストを振り返った現在の心境を,中途半端なバージョンを公開したことに対する開発者としての後悔が20%,そして,改善点をいち早く見つけられたことに対する達成感が80%と表現。細かなバランス調整作業はもちろん,時間を要する新規コンテンツの開発についても,これらのフィードバックが大きな力添えになったようだ。
その結果,これから行われるCBTの段階では,ある程度完成させた姿を披露できそうである。仮に従来のタイトルのように,いきなりCBTを行うよりも断然よい結果を出せそうだと中尾氏は満足げに語った。
・改善要望が多かった二つの案件
一つはマイキャラのビジュアルに関する要望だ。これを受ける形で,フェイスパターンや髪型などのバリエーションを多数追加。あとで実機で確認してみたが,確かに以前取材したときと比べて数が増えており,“萌え”とまではいかなくても,日本人にも受け入れられやすそうなデザインが増えたように思われた。ちなみに,旧バージョンの洋ゲーチックなフェイスタイプも残されていたので,その筋の人もご安心を。
もう一つ多かったのは,パーティプレイにおけるメリットが少なく,これを何とかしてほしいというもの。この要望に対してHUEは,パーティの人数に応じてモンスターの強さやドロップアイテムのグレードを全体的に調整。さらに,パーティプレイの協力要素を重視するコンテンツとして,“拠点防衛戦”を実装した。
・固有名詞は基本的に“カタカナ表記”で決定
欧米のタイトルをローカライズする際,なにかとつきまとう問題が,「固有名詞をどのように表記するか」である。古くは「Diablo II」の頃から指摘されてきたことだが,とくにマジックアイテムにPrefixやSuffixが絡むと(接頭語/接尾語),スマートに表記することがなかなか難しかったりする。
とりあえず,評価・改善テストのローカライズ初期で行われた“漢字を含む和名”は問題外として,“英語名のまま”と“カタカナ表記”の二つまで絞り込んだという。そして,英語名だと,人によっては読めない場合があるため,最終的にカタカナ表記に決定したという。
英語名とカタカナ名を,プレイヤーが環境設定で切り替えるスタイルについても中尾氏に尋ねてみた。そのような要望も実際にあり,技術的には不可能ではなかったものの,名称を統一しておかないとプレイヤー同士でやりとりする際に混乱が生じかねない,という理由でボツになったそうだ。
・クラスバランスは近接職を上方修正
HELLGATEはRPGにTPS要素をミックスした方向性であるため,先制攻撃が行える遠距離系の職業がなにかと有利になりがちである。これはとくに,パーティプレイ時に顕著に表れていたのだが,この辺りのバランスを全体的に再調整。例えばダッシュ系スキル(スプリント)の使い勝手を良くしたり,相手との距離を瞬時に縮める手段の追加など,近距離職(ブレードマスター/ガーディアン)に対する上方修正が行われている。
また,全職業のスキルに関して,性能や習得レベルの調整はもちろんのこと,スキルそのものの追加や削除も多く行われている。個人的には,旧バージョンのスキルはこの際忘れてしまったほうが手っ取り早そうだと感じた。
・アイテムバインドの仕様について
これは簡単にいうと,一度装備した時点で,そのアイテムがほかのプレイヤーとトレードできなくなるというシステムである(=Bind,紐付け)。「EverQuest II」あたりからメジャーになってきたシステムだが,評価・改善テストでは,これに対する緩和要望が予想外に多かったようだ。
中尾氏は,この要望に対するゲーム仕様の落しどころに悩んでいる様子で,カンファレンスでは,その導入意図を開発側の立場から説明した。運営期間の長期化に伴いマイキャラの平均レベルは上がっていくが,そこで仮にアイテムバインドがなかった場合,アイテムの取引価格が下落していってしまう。ゆくゆくは捨て値同然で取引されてしまうため,アイテムの価値をある程度のラインで保証するべくアイテムバインドを導入した,というわけだ。
確かにアイテムバインドをなくした場合,メリットよりもデメリットのほうが大きくなるだろう。例えば,用済みになったアイテムは分解後の合成に用いるなど,アイテムのトレードとは別のアプローチによる有効活用に注目したいところ。
・HELLGATEの面白さには絶対の自信アリ
HELLGATEの本質とは,つまるところトレジャーハント(ハック&スラッシュ)に凝縮されているわけだが,この部分に関して中尾氏は絶対の自信をのぞかせていた。この面白さを損なう要望には決して応えられないと断言するほどで,本作の経験者なら共感する人も多いだろう。
ライト/コアとかは関係なく,“ゲーマー”なら,トレジャーハントの面白さに辿り着きさえすれば,長く楽しんでくれる可能性が高いと中尾氏は語る。そのために現在最も必要なのは,トレジャーハントの面白さに到達する前でプレイヤーが離れてしまわないための工夫だ。例えばライト層向けに,ビジュアルの強化,チュートリアルやUIのリニューアルなどを行っている。こういったプレイ環境の改善は今後も積極的に続けていくとのこと。
・カンファレンスではあえて見せなかった部分も
本作の情報を熱心に追い続けているファンであれば,HUEが“ロンドンよりも先”についても着々と準備を進めているのはご存じのことだろう。今回のカンファレンスではあえて見せていない部分もあり,それらに関しては時期がくればきちんと紹介するとのことだ。
パーティプレイによる協力要素が秘訣の“拠点防衛戦”
イベント当日は,一般来場客も交えてこのコンテンツの体験イベントが行われ,中尾氏の解説も行われた。なかなか分かりやすい解説だったので,本稿ではその際を録画したムービーを丸ごとご覧いただきたい(※一部40秒ほど収録抜け部分あり)。
インスタンスの内部では,十字路に4本のピラーがあり,それらを目掛けてモンスターがわらわらと押し寄せてくる。プレイヤー達の目的は,モンスターを迎撃し,ピラーを20分間死守すること。
ゲームの開始直後はゾンビなどの雑魚モンスターが大半で,強力なキャラなら範囲系のスキルで一網打尽にできる。しかし時間が経つにつれ,ひときわ巨大なレアモンスターなども登場したり,そもそも敵の数が数百体規模まで膨れ上がり,大混戦は必至となる。しまいにはリスポーンキルを食らったりするほど戦いは激化する。詳しいゲーム内容については,ムービーをとくとご覧あれ。
HUEでは,このようなCO-OPコンテンツなど,本編以外にさまざまな遊び方のできる要素をいろいろ準備しているようだ。隠し玉はたっぷりあるようで,今後の発表に期待したい。
CBTで追加されるという新ダンジョンシステムについても少し聞いてみたのだが,パーティ単位で潜る非常に深いダンジョンでレベル1からでも利用できるものとのこと。HELLGATEのシステムでやるRogueやDiabloといった雰囲気のものになりそうで,こちらにもかなり期待できそうだ。
最後に個人的な感想になるが,カンファレンスにおける中尾氏からは,HELLGATEに対する確固たる自信を感じ,オンラインゲームの運営プロデューサーとして,非常に“地に足が着いている”印象を受けた。実際,これまで行ってきた評価・改善テストは狙い通りの結果を出しつつあり,今後の展開に関してもかなり戦略的に考えているようだ。
ユーザーとの距離感に関しても,フィードバックを積極的に獲得し,βテストよりも前にこのようなオフラインイベントを行うなど,大分気を使っているように見える。イベントに参加した一般来場客の多くが,HELLGATEへの期待を高めていたのではないだろうか。
HUEの“新作”オンラインRPG「HELLGATE」は,10月15日からクローズドβテストの募集受付が行われる予定だ。旧バージョンHELLGATEのプレイ経験の有無に関係なく,オンラインRPGファンは注目しておいて損はないタイトルだと思うので,4Gamerでの続報にも注目してほしい。
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