［GC 2007＃046］手ぶりで詠唱，剣の振りでコンボ。「Age of Conan」の斬新な戦闘方法

　「Age of Conan: Hyborian Adventures」（以下，Age of Conan）は，MMORPG「Anarchy Online」を成功させた実績を持つノルウェーのデベロッパ Funcomが，現在開発中の作品だ。ジャンルはシングルプレイRPGとMMOゲームのハイブリッドとされているが，大枠においてはMMORPGだと思っていて問題はなさそうだ。

　4Gamerではゲームショウに出展されるたびに，あるいは新情報が入るたびに記事を掲載してきたので，原作の話やDirectX10対応の話はそちらに譲るとして，この記事ではこれまで掲載されてこなかったより具体的な要素や，今回のGC取材で得られた新情報をなどをいくつかまとめてお伝えしよう。

　まずは登場クラスについて。本作でプレイヤーはまず「コモナー」（Commoner）としてゲームを開始し，レベル5になったときにSoldier，Priest，Rogue，Mageという四つのアーキタイプの中から一つを選ぶ。さらにレベルが20に達したときに，クラスを選択するようになっている。現在公式サイトでは14のクラスが紹介されているが，今回直接Funcomのスタッフに確認したところ，クラスはこれですべてだとのことだった。



■Soldier
ヘビーアーマーを着た重戦士。防御的なスタンスと攻撃的なスタンスを切り替えることが可能。タンクもしくはダメージディーラーとして振る舞える。

・Guardian
スタンダードな重戦士。片手持ちの剣，片手持ち鈍器，ポールアーム，シールドを装備可能。敵に被ダメージ増加のデバフをかけられる。

・Conqueror
回避能力に長けた重戦士。剣と鈍器は両手持ちも片手持ちも装備できる。二刀流が可能。「叫び」によるグループバフが可能。

・Dark Templar
アンホーリーマジックを使用可能な重戦士。敵の生命力を吸い取って味方に分け与えることが可能。片手持ち剣，片手持ち鈍器，シールドを装備できる。

■Priest
ヒーラー。治療能力に加えて，それぞれが個性的な攻撃方法を持つ。防御装備は基本的にライトアーマー。

・Druid of the Storm
自然系ヒーラーその1。治療能力に加えて，天候を操り，嵐や雷の魔法で敵を攻撃する能力を持つ。

・Priest of Mitra
信仰系ヒーラーその1。ヒール，ダイレクトダメージ，クラウドコントロール，そしてバフと多芸なタイプ。

・Scion of Set
信仰系ヒーラーその2。蛇の神Setのパワーで敵に毒の攻撃を加えたり，味方全体をヒールしたり，強化したりできる。

・Bear Shaman
自然系ヒーラーその2。治療に加えて，熊の力を自分に宿らせて肉体を強化する。両手持ち剣と両手持ち鈍器が使える。Priestアーキタイプとしては唯一ミディアムアーマーを装備できる。

■Rogue
攻撃を得意とする戦士。防御装備としてはミディアムアーマーを着用可能で，基本的にダメージディーラーとなる。

・Barbarian
腕力で敵にダメージを与える。剣と鈍器は両手持ちも片手持ちも装備でき，二刀流も使える。ダーティなトリックによるアーマーデバフ，ダメージデバフ，スネアなどが可能。

・Ranger
弓/クロスボウで遠距離から敵にダメージを与える。狙撃やDoT，ノックダウンなど豊富な遠距離攻撃スキルを誇る。片手持ちの剣と鈍器を使用可能。

・Assassin
力よりも技を駆使して敵にダメージを与える。ダガーの二刀流が使える。アンホーリーマジックもしくは毒を使ったダメージの増強が可能。

■Mage
魔法使い。防御装備としてはライトアーマーまでで，基本的にダメージディーラーとなる。

・Demonologist
悪魔の力を利用する魔法使い その1。デーモンのペットを使役できる。炎と電撃によるダイレクトダメージと，キャスティング能力のショートバフが使用可能。

・Necromancer
死霊の力を利用する魔法使い その1。アンデッドのペットを使役できる。氷とアンホーリーのダイレクトダメージとライフタップが使用可能。

・Lich
死霊の力を利用する魔法使い その2。アンデッドへの変身で肉体を強化できる。両手持ち剣と両手持ち鈍器の使用が可能。

・Herald of Xotli
悪魔の力を利用する魔法使い その1。デーモンへの変身による肉体強化が可能。両手持ち剣と両手持ち鈍器が使える。

これらのクラスに属するキャラクター達を使って，Age of Conanではダイナミックな戦闘が楽しめる。



　本作にはユニークな戦闘関連システムがいくつか用意されている。その一つは「multi-point melee system」と呼ばれるものだ。Age of Conanのメレーコンバット（白兵戦）は，よく見かけるオートアタックを軸としたものではなく，アクションゲームのようにプレイヤーが自分で一振り一振り剣を振るっていくものになる。具体的にはホットキーに最大六つの“振る方向”を割り当て，そのキーを押すことで設定どおりに武器を振るということ。今回のブース展示では3方向へと振れるようにセッティングされていたが，これはいきなり6方向だと難しいからというのが，理由だそうだ。

　そしてこれらの振り抜きを利用してコンボが出せるのも重要なポイントだ。ここでいうコンボとは，いわば“技”のこと。一般的なMMORPGで技を使うときと同じく，ホットキーでコンボを指定し，決まったタイミングと順番で武器を振ることでコンボは発動する。武器を振る順番とタイミングは，画面下部中央に表示されているインジケータの光に合わせる形だ。なお，コンボ指定後に武器の振り方を間違ったときには失敗となる。

　では魔法の場合はどうなるか。こちらも同様で，ホットキーには“手ぶり”をセットしておき，使用する魔法を指定したのち，決まった順番で手ぶりを行うことで魔法を発動させる。手ぶりが所定のようにできなかった場合には，こちらも失敗する。また，弓などの遠隔攻撃も，このような方法で行うそうだ。



　もう一つ，戦闘面で気になる要素といえば「player-made battle formations」だ。グループでのプレイ時にグループリーダーはさまざまなフォーメーションを指定できる。フォーメーションを指定すると，戦闘時には地面の上にマーカーが表示されるようになる。そして，グループメンバー達がそのマーカーの位置まで自分で移動して隊形を完成させると，グループバフがかかったり，能力にボーナスが得られたりするという。

　どちらの仕組みもプレイヤーに新たな思考とアクションを要求する，斬新なシステムといえる。次にヒットするMMORPGの最有力候補の一つと目されている本作。発売時期は2008年3月と，またまた延びてしまったが，より良いゲームのためと我慢しよう。妥協のないクオリティのゲームが完成することを，ファンとしては切に願う次第だ。（ライター：星原昭典）