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2008年後半はこんなゲームに要注目。E3に出そうで出なかったタイトル10選
とはいえ,これまた当然っちゃ当然のことながら,出る出るといわれていたけど結局出なかったというゲームも多くある。ここは男らしく,根も葉もない噂を信じた自分がいけなかったのだと大人の対応をしたいところだが,これがもし,あらかじめいろいろと調べ物をして原稿まで用意してあったりすると悔しいったらありゃしないのである。いや,けして筆者がそうだというわけではないのだが,キー!
「E3 Media and Business Summit 2008」記事一覧
7月のE3 SummitとChinaJoyを皮切りに,一年の後半はゲームショウが集中し,4Gamer編集部のかき入れ時であると同時に,寝不足で壁土みたいな顔色になった編集者が続出する愉快な時期でもある。8月にドイツで開催されるGames Convention(GC)や10月の東京ゲームショウ(TGS),そして年末のG★まで,引きも切らないとはことのことで,それに加えて規模は小さいが見逃すことのできないカンファレンスなども多くあり,分かりやすくいうと忙しそうだなあ。
というわけで(?),ここに「E3に出そうで出なかったタイトル10」をまとめてみた。規模縮小が図られたE3にこそ登場しなかったものの,GCやTGSでお目にかかれるのではないかというタイトルだ。2008年内にはリリースされないことが決まっているものや,噂以外には何もないようなタイトルも混じっているが,後半の予習もかねて,お一つどうぞ。ちなみに,洋ゲー中心でなおかつ筆者が比較的独自に選んだものなので,どうもジャンルに偏りがあるように自分でも思えるが,そのへんはぜひご寛恕を。
E3に出そうで出なかったタイトル10(アルファベット順)
■Alan Wake: A Psychological Action Thriller(Microsoft)
Max Payneシリーズで知られるフィンランドのデベロッパ,Remedy Entertainmentが開発中のアクションアドベンチャーが「Alan Wake: A Psychological Action Thriller」だ。最初のアナウンスは2005年のことで,以来,情報がたまに出てくる程度であり,詳細については依然として謎の多いタイトルである。DirectX 10専用タイトルであるため,Windows Vistaのローンチに合わせて登場するのではないかと噂されたが,結局それはなかった。また,Xbox 360版もリリースされることが途中から明らかになっている。
すでに開発も3年以上ということで,Microsoftのプレスカンファレンスぐらいにはムービーでも登場するのではないかと予想していたが,そもそもGames for Windows関連の情報が何もなかったので無理でした。
海辺の街の秋。落ち葉が風に舞う美しい風景の中で繰り広げられるサイコホラーがテーマだが,FPSではなくアクションアドベンチャーであるところがいろいろと興味をかき立てるゲームだ。今のところ,発売予定は2009年のいつか。
■Aliens:Colonial Marines(SEGA)
こちらはあらかじめE3 Summitに登場することが予定されていたものの,直前になって「すいません,間に合いませんでした」とキャンセルされた,なんというか,私の原稿じゃないんだから,という雰囲気のゲーム。アナウンスされたのは2006年の12月で,同時にティザーサイトもオープンしたが,それ以来ずっとティザーサイトのままで,じらしすぎである。タイトルのAlienは,一般名称のエイリアンではなく,H.R.ギーガー氏描くところの映画「Alien」(1979年)に登場したAlien。
開発しているのがBrothers in Armsシリーズや「Borderlands」で最近めきめき頭角を表してきたGearbox Softwareであるというところが最大の注目ポイントだ。Alienを主人公としたゲームとしてはMonolith ProductionsのALIENS vs. PREDATORシリーズが有名だが,Gearbox版Alienはどんな感じなのだろう。対応機種は,PCおよびXbox 360,PLAYSTATION 3の予定。
■Bethesda SoftworksとSplash Damageの新作
「The Elder Scrolls IV: Oblivion」「Fallout 3」でぶいぶい言わせているアメリカのデベロッパ/パブリッシャ,Bethesda Softworksと,「Enemy Territory: Quake Wars」を開発したSplash Damageがジョイントしてゲームを開発するという驚くべきニュースが飛び込んできたのは2008年5月のこと。ワシントンDC(Bethesda)とロンドン(Splash Damage)という大西洋を挟んだ街に本拠を置く両社の協業はさすがに想像の埒外で,片やシングルRPG,片やオンラインマルチFPSと,作るゲームの雰囲気もかなり違う。
当然ながら,E3でもっと突っ込んだ発表がありそうなものだが,かなり早い段階で「その件についてのコメントはE3 Summitではない」(Bethesda)と発表されてしまっていた。それでも,せっかくE3に来たんだから(?)と期待したが,思ったとおりコメントはなかったのである。Bethesdaは情報管理に厳しいメーカーであるだけに,ここしばらくは音なしの構えが続きそうだ。
■Beyond Good & Evil 2(Ubisoft Entertainment)
2003年に発売された「Beyond Good & Evil」は,欧米のプレイヤーを中心に熱狂的なファンを獲得したものの売り上げはふるわず,一部で期待されていた続編の開発の話も絶えてなかった。それだけに,2008年5月にパリで開催されたUbisoft Entertainmentのプライベートイベント,“Ubidays”で「Beyond Good & Evil 2」のムービーが公開されたときの盛り上がりはなかなかのもの。前作は,へんてこウサギのアクションゲーム,「Rayman」の作者として有名な,Michael Ancel氏がデザインを手がけたアクションアドベンチャー。プレイヤーは地下組織のジャーナリストとなり,軍の陰謀をあばくため,あちこち出かけてカメラで撮影し,スクープをものにしていくのである。
“2”に関しては,前作で主人公のパートナーを務めたブタをメインにしたティザームービーが公開されただけで詳細は割と不明だったが,E3でもやっぱり不明。Electronic Artsに次いでタイトル数が多かったUbisoftだけに,急ぐことはないと思っているのかもしれない。
■Duke Nukem Forever(3D Realms)
突然ムービーを公開したり,進捗状況を報告したりと,ちゃんとやってるんだかやってないんだかまったく分からない「Duke Nukem Forever」。「Postal 3」も出るし「Duke Nukem Trilogy」も出るしというごく薄弱な理由で期待していたのだが,やはり無理だった。ちなみに,3D RealmsがそもそもE3 Summitに来ていないというのは言いっこなしだ。
■Grand Theft Auto IVのPC版(2K Games)
今のところ公式発表はまったくないPC版の「Grand Theft Auto IV」。従来作である「Grand Theft Auto III」「Grand Theft Auto: Vice City」,そして「Grand Theft Auto: San Andreas」がいずれも約半年遅れでPC版が登場しており,時期的にそろそろ話題にのぼってもいい頃である。とはいえ,「Grand Theft Auto: Liverty City Stories」「Grand Theft Auto: Vice city stories」のいずれもが結局コンシューマ機版だけだったという見逃せない過去もあり,例の「Hot Coffee事件」で,デベロッパのRock StarがPC版に対しておよび腰になっている可能性もある。あっさりダブルミリオンを達成しており,さらにダウンロードコンテンツの制作に忙しいとなると,PC版に手がつくのがずいぶん遅くなってしまうだろう。ああ,気になるなあ。
■Half-Life 2: Episode Three(Valve)
“Episode Three”は,エピソディック形式でリリースされる「Half-Life 2」の続編3部作の完結編。エピソディック形式の利点として挙げられた「素早く制作し安価に提供する」も今は昔。新作なみの時間がかかっているのはどういうこっちゃ? とは思うが,それでも楽しみにしてしまうのがファンの悲しいところ。とほほ。前作「The Orange Box」のリリースが2007年10月と,まだ1年も経っていないため事前の期待は薄かったものの,ムービーの公開ぐらいはしてほしかったかな。
ちなみに,E3 Summitの会場には「Into the PIXEL」と名付けられたアートワーク展示があり,その中にEpisode Threeを描いたらしい展示もあった。バール(のようなもの)を持った男がアドバイザー(のようなもの)と対峙しているという図柄だが,これがゲームとどう関係あるのは分からない。
■Mafia II(2K Games)
昨年(2007年),ドイツのライプツィヒで開催されたGames Convention 2007で電撃的に発表された「Mafia II」。以来,情報はそれなりに出ているものの,今回のE3 Summitではとくに何もなくて残念。「Grand Theft Auto IV」と異なりPC版がアナウンスされているため,楽しみにしているクライムゲーム好きPCゲーマーも多いはずだ。前作も遅れに遅れただけに,発売日に関して過剰な期待はできないが,2009年のリリースが予定されている。
■Need for Speed: Undercover(Electronic Arts)
Electronic Artsの年末恒例ともいえるNeed for Speedシリーズだが,2008年の新作として「Need for Speed: Undercover」が用意されている。新作発表に関して,E3 Summitで最もがんばったメーカーではないかと個人的に思うEAだが,Undercoverに関してはブース,プライベートルームいずれも展示なしという状況だった。
純粋なレースゲームに転換を図った前作「Need for Speed: ProStreet」の実績がEAの予想を下回ったことから,最新作では“原点回帰”をテーマにしている。内容は今一つ分からないが,ふたたび多数のパトカーを引き連れてのあり得ない疾走が楽しめるのだろう。また,Undercoverのほかにもう一本のNFSシリーズ作が作られていることも明らかになっている。
■Splinter Cell: Conviction(Ubisoft Entertainment)
中年スーパースパイ,サム・フィッシャーを主人公としたSplinter Cellシリーズの最新作「Splinter Cell: Conviction」は,まさにスニーク状態。何度も中止の噂が飛び交い,そのつどUbisoftから否定というより,「いやまあ,やってないこともない」的なコメントが出されてきたように記憶している。期待作をズラリと並べられる今年のUbisoftにとって,「急ぐことなく,いいものを作ろう」というスタンスなのだろうと期待したい。最新の情報では2009年にリリースされる予定となっている。
■(番外)Diablo III(Blizzard)
もともとActivisionが参加していないE3 Summit 2008なので,「出そうで出なかった」などというと怒られちゃいそうだが,それでもなんとなく期待せずにはいられない「Diablo III」。苦労してなんとかActivisionのプレスカンファレンスに潜り込んだというのに,影も形もなくて,残念である。本作については,2008年8月3日からカリフォルニアで開催される予定のイベント,“Blizzcon 2008”でさらなる情報が提供される予定である。まあ,id Softwareの「Wolfenstein」(制作はRaven Softwareだが)や,ジェームズ・ボンドものの「James Bond 007: Quantum of Solace」などを観られたことでヨシとしよう。
上にリストアップしたもの以外,「Bioshock 2」や「Operation Flashpoint 2: Dragon Rising」など,まだまだ注目作/期待作は多い。昨年のFPSラッシュを受け,アクション/FPSジャンルの新作こそ少なめだが,そのぶん,ほかのジャンルががんばっているという雰囲気もある。
さあ,もうすぐやってくるGCで上記のタイトルは見られるのだろうか。ぜひお楽しみに。ではまた。
- 関連タイトル:
アラン ウェイク 日本語版
- 関連タイトル:
The Elder Scrolls IV: Oblivion
- 関連タイトル:
Beyond Good and Evil 2
- 関連タイトル:
Duke Nukem Forever
- 関連タイトル:
ハーフライフ 2
- 関連タイトル:
Mafia II 日本語版
- 関連タイトル:
ニード・フォー・スピード アンダーカバー
- 関連タイトル:
Tom Clancy's Splinter Cell: Conviction
- 関連タイトル:
Diablo III
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