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[GC 2006#35]ロシアの1C Companyが開発中の「Theatre of War」は戦車マニアにも嬉しいこだわりのRTS
GC 2006も2日目となり,一般客の入場が始まったため観客数が跳ね上がった。人ごみをかき分けて行う取材より,静かな環境で話を聞けるこういったスタイルのほうが,個人的にはありがたいというのが本音である。
40種類のミッションと五つのキャンペーンから構成されるTheatre of Warの特徴は,なにより「史実に忠実」であること。Kar.98kライフルの射程距離やI号戦車の正面装甲厚など,小さな図書館なら作れてしまうほどに,ゲームに登場する事物の資料を徹底的に調べ上げたそうである。まさにロシア的忍耐力と呼べるのではないだろうか。違うかもしれないが。
我々に見せてくれたのは,ドイツ軍の戦車中隊が国境を越え,陣地にこもるポーランド軍部隊と戦うシーンだ。RTSではあるが,「資源の開発」や「生産」といった要素を取り去って純粋に戦略を楽しめる,最近ちょっと流行のスタイルである。
ちなみに,戦車のダメージモデルの設定もなかなかのもの。砲弾の貫徹力や彼我の距離,命中角度などから正確にダメージを判定し,結果を表示するのである。命中により,正面に小穴が開き,エンジンからは煙を吹き出し擱座するII号戦車。戦車兵2名が戦死。だが,戦車はまだ使用可能だ。この場合再び戦列に復帰させることが可能で,後方から戦車操縦のスキルの高い兵士が自動的に駆けつけて搭乗する。
とはいえ,なかなか進捗しない戦いに業を煮やした指揮官は,「空軍支援」を要求。それに応じたドイツ空軍爆撃機が地平線に姿を現すと,やがてポーランド軍陣地に爆弾の雨を降らせ,ついにミッションクリアである。
印象としては,戦車だけでなく各種兵器のディテールの細かさが際立つ。II号戦車など,細かい型番まで識別できるほど描きこまれているし,「IL-2 シュトルモヴィク」シリーズを手がける同社だけに,爆撃機のみならず,投下する爆弾までディテール豊かだ。良く手入れされたポーランドの農園地帯も美しく,グラフィックスはかなりハイレベルといえる。
また,ズームアップして兵士に近寄ると,実にさまざまなアニメーションを見せてくれる。二人の兵士が息を合わせて野砲の向きを変えるときなど,彼らの掛け声まで聞こえてきそうだ。
美しく緻密なグラフィックスと,徹底的に調べられたディテール(戦車のエンジン音まで実物から録音したとのこと),そして操作しやすそうなユーザーインタフェースなど,なかなかの仕上がりを見せるこのTheatre of War。発売は2006年9月もしくは10月が予定されている(松本隆一)
- 関連タイトル:
シアター・オブ・ウォー
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