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AMD,「ATI Catalyst 8.12」を12月10日に公開と予告。GPGPU機能「ATI Stream」の有効化とパフォーマンス向上がトピックに
12月10日にATI Catalyst 8.12を公開し,ATI Streamを利用可能にすると予告するスライド。2009年第1四半期には,ATI Stream対応版のメディアプレイヤーがArcSoftやCyberLinkから登場するとも謳われている |
ATI Streamの概要 |
ATI Catalyst 8.12における最大のトピックは,汎用コンピューティングプラットフォーム「ATI Stream」の新規サポートだ。
ATI Streamは,GPUを汎用コンピューティングに利用する機能で,一言でいえばNVIDIAの「CUDA」に対抗するもの。従来は,ATI RadeonベースのGPGPU(General Purpose GPU,汎用GPU)製品「FireStream」でのみ利用可能になっていたが,ATI Catalyst 8.12により,ATI Radeon HD 4000シリーズのGPUを,GPGPUモードで動作させることができるようになる。従来,FireStreamでしか利用できなかった倍精度64bit浮動小数点演算も,GPGPU動作時に限り,ATI Radeonで利用できるようになるという。
ATI Streamを利用するためには対応アプリケーションが必要だが,ATI Catalyst 8.12には,ATI Stream対応版の「ATI Avivo Video Converter」が付属し,完全無料で,さまざまなビデオ形式の入出力が可能とのこと。対応GPUはATI Radeon HD 4800/4600シリーズとされており,ATI Radeon HD 4500/4300シリーズはサポートされないようだ。
またビデオ周りでは,プログレッシブビデオ表示時のノイズリダクションをサポートし,スライダから“効き具合”を調整できるようになる予定。このほか,気になる3Dゲームタイトルにおけるパフォーマンス向上についても,AMDは下記のとおり予告している。
●ATI Catalyst 8.12におけるパフォーマンス向上予告内容
- 「Crysis」で2〜7%
- 「Crysis Warhead」で2〜3%
- 「デビル メイ クライ4」で1〜6%
- 「Far Cry 2」で,ATI CrossFireX構成時に,「遅いカード」(slower cards)で最大20%。「速いカード」(faster ones)では最大70%
- 「F.E.A.R.」で2〜6%
- 「Left 4 Dead」で2〜4%
- 「ロスト プラネット コロニーズ」で3〜10%(たいていの場合はArea 2で違いが見られる)
- 「Prey」で2〜5%
- 「S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky」で5〜10%。スコアの向上はATI CrossFireX構成時が中心
PCゲーマー的観点からすると,それこそ“GPU Havok”のような,ゲームと関連した話がない以上,現時点でATI Streamそれ自体を評価するのは難しいところ。とはいえ,ATI Catalyst 8.12で複数のゲームタイトルにおけるパフォーマンスの向上が図られる見込みなのは,素直に歓迎すべきだろう。
日本時間だと10日深夜の公開になるはずなので,2008年12月版ATI Catalystを待っていたという人は,スケジュール帳などにメモしておくのをお忘れなく。
- 関連タイトル:
AMD Software
- 関連タイトル:
AMD Stream(旧称:ATI Stream)
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