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大きくバグフィックスの進んだ「Catalyst 11.12」と,Radeon HD 7000サポートの加わった「Catalyst 12.1 Preview」がほぼ同時リリース
「Display Driver」のバージョンは,Catalyst 11.12が8.92,Catalyst 12.1 Previewが8.93.1。Catalyst 12.1は,「Catalyst 11.11c Performance Driver」(以下,Cataltyst 11.11c)に加え,Catalyst 11.12の内容もすべて含んだものになっているとのことで,AMDは「すべてのゲーマーに(導入を)強く推奨する」と呼びかけている。一方,Catalyst 11.12には,Catalyst 11.11cのアップデートが含まれていないという。
さて,そんな2つのドライバパッケージだが,今回大きなトピックとなるのが,Catalyst 12.1のinfファイルに,未発表となる次世代GPU「Radeon HD 7000」シリーズの言及がある点だ。
infファイルには,
- AMD68FA.1 = "AMD Radeon HD 7350"
- AMD68FA.2 = "AMD Radeon HD 7350"
- AMD68FA.3 = "AMD Radeon HD 7350"
- AMD6742.1 = "AMD Radeon HD 7500/7600 Series"
なお,そのほかCatalyst 11.12とCatalyst 12.1 Previewに共通した対応GPUは下記のとおりで,これは「Catalyst 11.11」から変わっていない。
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000〜2000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 6900M・6800・6300MおよびATI Mobility Radeon HD 5000〜2000シリーズ
- Fusion APU A・E&Cシリーズ
- AMD 7〜9世代のデスクトップPC向けチップセット(※AMD 740Gを除く)
- 「ATI PowerXpress」対応のノートPC用チップセット
というわけで,すぐに入手したい人は,下に示したリンクからどうぞ。
AMDのドライバダウンロードページは少々分かりづらいので,Catalyst 11.12を導入するにあたり,どのファイルを入手すべきか今ひとつ自信がないという場合は,4Gamerの最新ドライバリンクページを開いたうえで,コメントを参照しつつ入手してもらえれば幸いだ。
なお,筆者が確認した限り,Catalyst 12.1 Previewは,日本語版「Catalyst Control Center」(以下,CCC。APUやAMD製GPU+CPUの場合は「VISION Engine Control Center」と名称が変わるので,そちらは以下VECCと呼称する)を含む多言語版だった。
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.12
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.12
→Windows XP用Catalyst 11.12
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.12
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.12
→4Gamer最新ドライバリンクページ
→Catalyst 12.1 Preview(※リンク先にWindows 7&Vista用とWindows XP用のダウンロードリンクが示されています)
アップデート内容については,例によって英文リリースノートの和訳を試み,結果を本稿の最後に示したので,興味のある人は参考にしてもらえればと思うが,まずCatalyst 11.12は,Windows 7&Vista向けに,多数のバグフィックスを行ったものという理解でよさそうだ。OpenGL 4.2への対応を果たしているのも見逃せないところである。
そしてCatalyst 12.1 Previewは,PC版「The Elder Scrolls V: Skyrim」への最適化をさらに進めつつ,AMDのTerry Makedon氏が予告していた「CCCから3DプロファイルやCrossFireX用Application Profileをカスタマイズできる機能」を実装してきているのが見どころとなる。
AMDは基本的に,プレビュー版ドライバを「現状渡しの無保証版」と位置づけているので,安全策を取りたい人はCatalyst 11.12で手堅く行くべきだろう。ただ,同社が珍しく,Catalyst 12.1 Previewを「ゲーマー向けに強く推奨」しているのも気になるところで,普段はHotfix版やプレビュー版ドライバを試さない主義の人も,今回ばかりは挑戦してみるのもアリではなかろうか。
ただ,どちらにせよ,ドライバのアップデート作業は自己責任となるので,その点はお忘れなく。
●Catalyst 11.12の新要素
・OpenGL 4.2サポート
- OpenGL 4.2に公式対応
・Eyefinityの拡張
- DisplayPort接続の3D立体視対応ディスプレイを,ディスプレイを回転させないままの3台横並び設置させた3x1 Eyefinity時に,「AMD HD3D」ベースの3D立体視が利用可能となった
・VISION Engine Control Centerの拡張
- 「Dual Graphics」の有効化や制御を行いやすくなった
●Catalyst 12.1 Previewの新要素
・AMD HD3Dの拡張
- CrossFireX動作時のAMD HD3Dが利用可能になった
- HDMI 1.4a接続時に,1080p@30Hzの3D立体視表示が可能になった
・CCC&VECC Application Profileの拡張
- ユーザーが,アプリケーションごとに個別の3D設定やCrossFireX設定を行えるようになった。対応アプリケーションはDirect3Dベースのものとなる(本機能の利用前に,CCCの「Catalyst Control Center Preferences」にある「Restore Factory Defaults」の実行が必要。これにより,それ以前にインストールされていたドライバとCatalyst 12.1 Previewの間でApplication Profileの互換性問題が発生する問題を回避できるという)
・CCC&VECCビデオ設定UIの拡張
- ビデオカラー設定とビデオ品質設定のUIを単純化した
●Catalyst 12.1 Previewにおける性能向上
(※比較対象はCatalyst 11.11c)
- Radeon HD 6900シリーズのシングルカードおよびCrossFireX構成時に,MSAAを有効化したとき,「The Elder Scrolls V: Skyrim」で10〜15%
●Catalyst 11.12で解決した問題(Windows 7)
- VECCの高解像度テレビ用設定メニューに,必要とされるPALフォーマットが正しくリストアップされない問題
- 「DiRT 2」や「DiRT 3」,「Portal 2」をDirectX 9モードで実行すると,システムがハングすることのある問題
- 「Portal 2」をDirectX 9モードで実行すると,画面にティアリングが発生することのある問題
- 2x1あるいは3x1 Eyefinity設定で「Total War: Shogun 2」を実行し,ゲーム側のグラフィックス設定を「low」にしてゲームをプレイすると,画面表示がおかしくなることのある問題
- Eyefinityを有効化したCrossFireX環境で「ロスト プラネット2」を実行すると,(アプリケーションが)クラッシュすることのある問題(※ということだと思われるが詳細は不明。原文は「Playing Lost Planet 2 in Eyefinity mode and Crossfire enable no longer randomly crashes.」)
- 「Portal 2」でGPUが低消費電力モードへ移行したとき,「Portal 2」がクラッシュすることある問題(※どういう状況で低消費電力モードへ移行するかの説明はない。原文は「Portal 2 will no longer randomly crash when the GPU is switched to Low Power mode.」)
- 3-way CrossFireX構成時に「S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky」をDirectX 10モードで実行すると,ゲーム側のグラフィックス設定を「high」に指定すると,ゲームがハングすることのある問題
- 「Tom Clancy's End War」が,画面に縞模様を表示してハングすることがある問題
- 「Enemy Territory: Quake Wars」がハングすることのある問題
- Windows Media Centerからビデオを再生するっと画面表示がおかしくなることのある問題
- アンチエイリアシングを有効化すると「DOOM 3」の画面表示がおかしくなることのある問題
- 「Crysis 2」をDirectX 9モードで実行すると画面がちらつくことのある問題-「Far Cry 2」「Dragon Age II」「Homefront」「Metro 2033」「BioShock 2」および“S.T.A.L.K.E.R.”で,テクスチャがまたたくことのある問題(※“S.T.A.L.K.E.R.”がどれを指しているのは分からない。原文は「Far Cry2, Dragon 2, Homefront, Stalker: Metro 2033 and Bioshock 2 no longer display random flashing textures.」)
- 「Left 4 Dead 2」がハングすることのある問題
- 「Tom Clancy's H.A.W.X. 2」でゲームメニューの操作中にハングすることがある問題
- 「Dragon Age II」と「ロストプラネット 2」をDirectX 9モードで実行すると画面がちらつくことのある問題
●Catalyst 11.12で解決した問題(Windows Vista)
- CrossFireX構成時に「Dragon Age II」をプレイすると,画面にゴーストが表示されることのある問題
- CrossFireX構成時に「Dragon Age II」をプレイすると,ゲーム内のキャラクターがまたたいて表示される問題
- 「S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky」の初回起動時に黒い横線が表示される問題
- 「Tom Clancy's H.A.W.X. 2」をEyefinity環境でプレイしていると,突然システムが再起動することのある問題
- Adobe Flashの再生中,激しくまたたくことがある問題
- 「Sid Meier's Civilization V」をDirectX 11モードで実行し,ゲーム内のグラフィックス設定を「medium」もしくは「high」に設定すると,ゲームがクラッシュすることのある問題
- 「F1 2011」が,起動中,断続的にハングする問題
- 「Bulletstorm」のプレイ中,テクスチャがまたたいて表示されることのある問題
- 「DEAD SPACE 2」がハングすることのある問題
●Catalyst 11.12で解決した問題(Windows XP)
- リリースノートに記載なし
●ノートPC向けCatalyst 11.12の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Switchable Graphicsが有効なノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
- 関連タイトル:
The Elder Scrolls V: Skyrim
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