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AMD,「Radeon Software Adrenalin 2020 Edition 20.2.2」で多数の不具合を修正
2020年2月2回めのリリースとなる本バージョンは,WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)未通過の「Optional」(随意選択)版であるが,ゲームタイトルへの最適化は行われていない。今回のアップデートは,これまでのRadeon Software Adrenalin 2020 Editionで確認された不具合の修正を行ったものだ。
リリースノート中には,Adrenalin 2020 20.2.2で多くの不具合を修正したものの,いまだ不具合が残っていることをAMDは認識しており,修正に取り組んでいるという文章がある。安定動作までは,まだ道半ばといったところなのだろう。
なお,Microsoftのサポートが終了したWindows 7だが,AMDは今回も,64bit版Windows 7向けのドライバパッケージをリリースしている。不具合の修正がメインであるから,ある意味当然かもしれない。
AMDは,ゲーマーに対してOptional版ドライバの導入を推奨しているため,対象のGPUやAPUを使っているのであればAdrenalin 2020 20.2.1を導入してみるといい。ただ,毎度のことながら,ドライバソフトの導入は自己責任となるので,その点はご注意を。
→AMDのドライバダウンロードページ
https://www.amd.com/ja/support
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
いつもどおり,英文のリリースノートから,新機能を含めたポイントをまとめておこう。
●Adrenalin 2020 20.2.2の対応GPU
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon VII
- Radeon RX Vegaシリーズ
- Radeon RX 600・500・400シリーズ
- Radeon Pro Duo
- Radeon R9 Furyシリーズ
- Radeon R9 300・200シリーズ
- Radeon R7 300・200シリーズ
- Radeon R5 300・200シリーズ
- Radeon HD 8500以上のRadeon HD 8000シリーズ
- Radeon HD 7700以上のRadeon HD 7000シリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
- Radeon R9 M300・M200シリーズ
- Radeon R7 M400・M300・M200シリーズ
- Radeon R5 M300・M200シリーズ
- Radeon HD 8500M以上のRadeon HD 8000Mシリーズ
- Radeon HD 7700M以上のRadeon HD 7000Mシリーズ
●Adrenalin 2020 20.2.2の対応APU
- Ryzen 3000Gシリーズ
- Ryzen 2000Gシリーズ,Athlon 200GEシリーズ
- Ryzen PRO 2000Gシリーズ,Athlon PRO 200GEシリーズ
- A-Series APUs with Radeon Graphics
- Pro A-Series APUs with Radeon Graphics
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon Mobile Pro ces sors with Radeon Vega Graphics - Ryzen PRO Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon PRO Mobile Proces sors with Radeon Vega Graphics - ノートPC向けFX-Series APUs with Radeon Graphics,
A-Series APUs with Radeon Graphics - ノートPC向けA-Series PRO APUs with Radeon Graphics
- Sempron Series APUs with Radeon R3 Graphics
- E2-3000シリーズ以降のE-Series APUs with Radeon R2 Graphics
- A4-5000番台のAMD A4-Series APU for Desktop
- A4-5000番台のAMD A4-Series APU for Laptop
- E2-3000シリーズ以降のE-Series APUs with Radeon R2 Graphics
●Adrenalin 2020 20.2.2が統合するコンポーネント(※比較対象はAdrenalin 2020 20.2.1)
- Display Driver Package:19.50.19.15-200226a-352262E
-Rad eon Soft ware Adre nalin 2020 (←19 .50 .19 .01 -200 130a -351 505E -Rad eon Soft ware Adre nalin 2020) - Radeon Settings:2020.0226.1817.32932(←2020.0130.1130.20714)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D:9.14.10.01432
- OpenGL:26.20.11000.13587
- OpenCL:記載なし
- Mantle:記載なし
- Mantle API:記載なし
- Audio Driver:10.0.1.12
- Vulkan Driver:2.0.127
- Vulkan API:1.2.131
●Adrenalin 2020 20.2.2における最適化
- 記載なし
●Adrenalin 2020 20.2.2における新要素
- 記載なし
●Adrenalin 2020 20.2.2で解決した問題
- Radeon Softwareの機能(※具体的な内容は不明)を有効化していたり,GPUのハードウェアアクセラレーションを利用するサードパーティのアプリをバックグラウンドで実行した状態でタスクスイッチを行うと,システムがハングアップしたり画面が黒くなることのあった問題
- Radeon RX 5700シリーズで空冷ファンを強めたり弱めたりするときのレスポンスに生じていた問題
- Radeon RX 5700シリーズでゲームをプレイ中に,「Performance Metric Overlay」や「Wattman」の動作クロック表示が,実際より低く表示されることのあった問題
- 「Instant Replay」が有効化されていると,ゲームやアプリ実行中に「Video TDR」エラーが生じたり画面が黒くなることのあった問題
- 「Battlefield V」でHDRをオンにすると,画面が黒くなることのあった問題
- Battlefield Vを長時間プレイしていると,ゲームがハングアップしたりVideo TDRエラーが生じることのあった問題
- 「The Witcher 3: Wild Hunt」の特定のシーンをプレイ中,断続的にゲームがハングアップしたり,画面が黒くなることのあった問題
- Radeon RX 5700シリーズで「Google Chrome」のハードウェアアクセラレーションが有効になっていると(※Windows版Chromeはデフォルトで有効),ビデオコンテンツが黒く表示されたり応答しなくなることのあった問題
- 「Metro Exodus」のDLC「Sam's Story」で特定のダイアログを選択すると,ゲームがハングアップしたりVideo TDRエラーが発生することのあった問題
- 「Grand Theft Auto V」でサードパーティ製のOSD(On Screen Display)を使用するアプリ(※具体例は不明)を実行した状態でRadeon Software Overlayを起動すると,ゲームがクラッシュすることのあった問題
- 「モンスターハンターワールド:アイスボーン」をプレイ中に,アイドル時やキャラクター作成画面で断続的にクラッシュすることのあった問題
- Radeon RX 5700シリーズでWindowsやゲームのHDRモードが有効になっていると,一部のゲームの色が異常になる(※色が褪せて見える)ことのあった問題
- 前のバージョンのRadeon SoftwareでInstant Replayが有効化した状態で,「設定の保持」を選択して工場出荷設定にリセットすると,Instant Replayが機能しなくなることのあった問題
- ゲームプレイ中に「Radeon Software Overlay」を表示すると,ゲームの画面やオーバーレイがちらつくことのあった問題
- Radeon SoftwareのStreamingタブを開いた状態でWindowsをロックしたりスリープや休止状態にすると,クラッシュしたりエラーメッセージが表示されることのあった問題
- Radeon RX 5000シリーズで一部のディスプレイのディスプレイモード(※解像度と思われる)を変更すると,画面が黒くなることのあった問題
- Radeon Software Overlayを無効化した状態でゲームをバックグラウンドで実行していると,Radeon Softwareの起動に失敗することのあった問題
- 「Origin」の一部のタイトルがRadeon Softwareで検出できなかったり,誤検出することのあった問題
- 一部のオフィスアプリなどが,Radeon Softwareのゲームタブに表示されることのあった問題
- ユーザーが「Radeon Chill」のホットキーを削除したり無効化しても,有効のままになることがあった問題
- 「Red Dead Redemption 2」の雪で覆われた地形に,ブロック状のテクスチャが表示されることのあった問題
- Radeon RX 5700シリーズで,PCをスリープする前にGoogle Chromeでビデオコンテンツを表示していると,スリープ復帰後に同アプリがクラッシュすることのあった問題
- FreeSyncをディスプレイ側で有効化または無効化すると,Radeon Software側でFreeSyncのステータスを更新できなくなることのあった問題
- Radeon RX 500シリーズのハイブリッドグラフィックス構成で「Fortnite」がクラッシュすることのあった問題
●Adrenalin 2020 20.2.2における既知の問題
- 一部のゲームやシステム構成で「Enhanced Sync」を有効にすると画面が黒くなることがある。(そのため)ゲームプロファイルのEnhanced Syncを一時的に無効化している。Enhanced Syncを有効化した状態で問題が発生した場合は,無効化することで不具合を一時的に回避できる
- Radeon RX 5700シリーズでは,Performance Metric OverlayやWattmanでアイドル時に実際より低いクロックが表示されることがある。しかし消費電力やパフォーマンスに影響はない(※表示が誤っているだけ)。
- 「DOOM」(※おそらく2016年版)プレイ中,断続的にシステムがハングアップしたりゲームがクラッシュすることがある
- 一部のゲームでRadeon Software Overlayをオン・オフさせると,デスクトップカーソル(※おそらくマウスポインタ)が断続的に表示されたままになることがある。タスクスイッチを実行したりゲームのメニューを表示してデスクトップカーソルの表示を更新することで対処できる
- 「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(Final Fantasy XIV:Shadowbringers Benchmark)を実行すると,システムがクラッシュしたりハングアップすることがある
- Radeon Softwareのゲームタブに,ゲームがあるフォルダーの場所が表示されることがある
- Radeon Softwareを開いたときに,ウインドウサイズに一貫性がなかったり,前回開いたときのウインドウサイズにならないことがある
- 「HDMIスケーリング」のスライダーを変更すると,フレームレートが30fpsで固定されてしまうことがある
- Radeon RX 5000シリーズでは,一部のゲームタイトルで断続的に画面のカクつき(スタッター)が発生することがある
- 一部のゲームタイトルでInstant Replayを利用したり,サードパーティ製の画面キャプチャ/ストリーミングアプリを利用していると,画面のカクつきが生じることがある。Instant Replayを無効化したり原因となっているアプリの利用をやめることで回避できる
- Adrenalin 2020 20.2.2は,画面が黒くなる不具合の多くを解決するが,ゲームを長時間プレイすると画面が黒くなったりハングアップする問題が生じる可能性があることをAMDは認識している。AMDは引き続き,これらの問題の報告を詳細に綿密にモニタして,調査している
- 関連タイトル:
AMD Software
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