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「KING OF WANDS」,2月28日に実装される大型アップデート「疾風バージョンアップ」の狙いと今後の展開について聞いてきた
疾風バージョンアップの内容については,「こちら」と「こちら」の記事で紹介しているが,簡単にまとめると以下の通りとなる。
■ロビー機能を追加
これまでKOWでは,「公式戦」または「練習戦」のボタンを押すことで自動的にマッチングが行われていたが,ロビーの実装により,対戦を始める前に,各ロビーの参加者数や対戦中のプレイヤー名などを確認可能に。
■消費系カードを追加
これまで,レベルアップ時のプレゼントとして提供されていた「永久カード(AQカード)」と同じ能力を持つ「消費系カード」が登場。「購買部」(ショップ)の「上級カードくじ」「激ランくじ」「お試しくじ」で入手できる。
■カードを色分け/カードにマークを付加
例えば,「Xカード」のイラストをゴールド基調にしたり,「ジョブ専用カード」にそのカードを利用できる職業のマークを追加したりすることで,カードの種類を判別しやすくする。また,同じモンスターで能力の異なるものを判別しやすくするため,カラーバリエーションを用意。
アップデートの内容については公式サイトの告知ページに詳しいので,そちらにも目を通しておこう。
さて4Gamerでは,デックスエンタテインメント(以下,デックス)で本作のプロデューサーを務める北岡将長氏に,今回のアップデートの狙いや,KOWの今後の展開について話を聞いた。
まだまだおぼろげではあるが,同社が目指すKOWの姿が垣間見られる内容なので,KOWを始めたばかりの人も,「なつゲー」時代から遊んでいるコアなファンも,ぜひご一読を。
まずは新規プレイヤーの定着を
つまりKOWは,運などに左右されない“理詰めのゲーム”であり,経験を積んでセオリーを身に付けている上級者は,初心者に対して圧倒的に有利となる。競技性の高いゲームとも言い換えられるだろう。
そのため,サービスインを機にプレイし始めた初心者が,ゲームを始めたとたんに上級者にコテンパンに打ちのめされるケースが多く見受けられたという。現在のKOWは,いったん形勢が不利になると立て直して逆転につなげることが難しく,実力差のあるプレイヤー同士が対戦すると,ものの数分で決着がついてしまうことがあるのだ。
このように,初心者と上級者の実力差が勝敗につながりやすいことは運営チームもある程度予想していたものの,ここまで顕著になるとは考えていなかったという。
せっかくゲームを始めたのに勝つ楽しさを味わう前に打ちのめされるという,ある意味でFPSなどと共通する事態が起こっている。運営チームでは,そのことが,新規プレイヤーがなかなかゲームを続けていけない理由になっていると考えているそうだ。
とはいえデックスは,ご存じのようにオンラインカードゲームの人気作「アルテイル 〜神々の世界『ラヴァート』年代記」のサービスを2004年にスタートし,これまで幅広い層のファンに楽しんでもらうためのノウハウを蓄積してきた。北岡氏は今後,そのノウハウをKOWに存分に生かしていきたいと述べていた。
あらゆる層のプレイヤーが楽しめる作品への土台作り
その目玉となるのが,ロビー機能の追加。対戦を始める前に,ロビー内にいるプレイヤーの数やレベルを確認できるので,初心者がいきなり強いプレイヤーとあたり,あっという間に倒されるという状況を回避しやすくなるわけだ。
KOWでは,一定のレベルに上がると,永久カードがプレゼントされる。このタイプのカードには比較的使い勝手の良いものが多く,消費系カードと異なり使用回数に制限がない。
今回のアップデートで,この永久カードと同じ能力を備えるカードが,回数制限のある消費系カードとして登場するので,ビギナーでもデッキを強化しやすくなるのである。
そのほか疾風バージョンアップでは,上で述べたように,カードの種類を判別しやすくするためのデザイン変更が行われる予定だ。
またすでに発表されているように,次期アップデートでは観戦機能の実装が予定されている。ほかのプレイヤーの熱戦を見られること自体楽しそうだが,初心者にとっては,上級者の攻め方を勉強できるよい機会にもなることだろう。
北岡氏によると,疾風バージョンアップを皮切りに,あらゆる層のプレイヤーが楽しめるゲームとしての土台を固めていきたいと考えているそうだ。そのためには,「ランダム要素を盛り込むこと」「ゲームの演出面を強化すること」「試合時間を今よりも長くすること」の三つが,重要なポイントになると指摘していた。
初中級者向けと上級者向けの2種類を
用意することも構想中
なぜなら,理詰めのゲームとしてのKOWにランダム要素が盛り込まれることで,セオリーが通じないケースが出てくるからである。戦術性を重視するプレイヤーにとって,先が読みづらいことや,一発で形勢を逆転できることは許しがたいことなのかもしれない。
すでに一部のファンからは,「元のKOWに戻してほしい」という意見すら寄せられているとのことで,普通ならジレンマに陥ってしまいそうなもの。
しかし運営チームでは,より広い層のプレイヤーが楽しめるゲームに育てるためのアイデアがたくさん温められているという。あくまでも構想段階とのことだが,北岡氏は,初中級者向けの“新生KOW”と,上級者向けの“クラシックKOW”といった具合に,2種類のサービスを用意することも考えているそうだ。
ともあれ今は,KOWの門戸を広げ,多くの人に遊んでもらうことが,運営チームの最大の目標に掲げられている。その目標が達成されたら,すべての層のプレイヤーに満足してもらうためのさまざまな策を講じる計画とのことだ。
なつゲー時代からのファンはもちろんのこと,本作に関心を持っている人や,正式サービス開始後に遊んだが,挫折してしまったという人は,これからのKING OF WANDSのさらなる進化に期待しよう。
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