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「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
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印刷2009/04/11 10:30

レビュー

センサーユニットの交換で,G-Series最上位モデルはどうなったか

G9x Laser Mouse

Text by fumio

»  競合となるMicrosoftやRazerがゲーマー向けワイヤレスマウスを相次いでリリースするなか,Logitechは,「従来製品のセンサーユニットをハイスペックのものに入れ替える」ことで新製品としてきた。一見,地味なこのアップデートで,G-Series最上位モデルはどうブラッシュアップしたのだろうか。fumio氏によるレビューをお届けしたい。


G9x Laser Mouse
メーカー:Logitech
問い合わせ先:ロジクール カスタマーリレーションセンター 電話:03-5350-6490
直販サイト「ロジクールストア」価格:1万1800円(税込)
画像集#003のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
 Logitechの日本法人であるロジクールは,2009年3月27日に,ゲーマー向けマウスの最新モデル,「G9x Laser Mouse」(以下,G9x)を発売した。
 既報のとおり,G9xは,従来製品「G9 Laser Mouse」(以下,G9)を置き換える,マイナーチェンジモデルである。搭載するレーザーセンサーユニットの交換により,トラッキング解像度や速度などが向上しているが,果たしてそれは,ゲームプレイにおいて,どういった変化を生んでいるだろうか。今回は,主にG9と比較しながら,G9xというマウスの意義を探ってみたいと思う。


交換可能な2種類のグリップは片方が仕様変更

従来同様,ケーブルは硬すぎて環境を選ぶ


 さて,まずは形状から。
 G9は,コンパクトな「ドライグリップ」と,やや大きめの「幅広グリップ」という,交換可能な2種類のグリップを持つことが注目を集めたが,G9xでもこの仕様は踏襲しており,今回は「ドライグリップ」と「XLグリップ」の2種類が付属している。

XLグリップを装着したG9x(左)と,幅広グリップを装着したG9(右)。形状自体は同じだが,素材の変更によって,グリップしやすさは多少低下した
画像集#004のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
 ざらざらした肌触りのドライグリップはG9xとG9で完全に同じだが,一方のXLグリップは,まず色が黒から銀に変わり,さらに表面加工も,ラバーから一般的な樹脂的なものへと変更されている。そのため,XLグリップで「かぶせ持ち」を行うと,指先や手のひらなど,本体をホールドする部分が多少滑りやすくなってしまった。G9のグリップは,G9xでも利用できるので,G9を幅広グリップで使っていた人がG9xへ買い換えるときには,XLグリップでなく,幅広グリップを使い回したほうが快適だろう。

上段はドライグリップ,下段はXL/幅広グリップ装着時でG9xとG9を比較したもの。いずれも左がG9xだが,本体やグリップの形状そのものに変化はない
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 G9xのドライグリップとXLグリップを比較すると,ドライグリップはサイドの広がりが小さく,窪みに指先を収めやすいため,「つまみ持ち」(や「つかみ持ち」)がしやすい。対するXLグリップは,サイドがいったん窪んでから,底面に向かって広がる形状になっており,「かぶせ持ち」時のフィット感が強い印象を受ける。

ドライグリップ(左)とXLグリップ(右)装着時を比べたところ。「つまみ持ち」前提の立場に立つと,XLグリップは,その窪みがやや鋭角的なため,ドライグリップと比べると,指先の収まりがわずかに悪い
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 よって,基本的にはドライグリップが「つまみ持ち」向け,XLグリップが「かぶせ持ち」向け,と考えて問題はないのだが,ならその逆がまったくダメかというとそんなことはなく,むしろ筆者の印象では,「つまみ」「かぶせ」のどちらでも,XLグリップの形状のほうが手に合っていた。形状の好みは個人差があるので,断言はできないが,せっかく2個付属するのだから,一度は両方試してみたほうがいいとはいえそうだ。

グリップを取り外した状態のG9x
画像集#013のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
 ちなみにG9x(やG9)は,グリップを外した状態でも利用できる。この場合,サイドボタンが非常に小さくなってしまい,事実上押せなくなってしまうが,本体サイズは実測57(W)×107(D)×33(H)mmと,横幅が極めて短くなる。さらに,ケーブル込みの重量は実測約129gで,ケーブルを秤(はかり)からどかした参考値では同82gと,かなりの軽量化も実現できるので,小さなマウスを好むなら,グリップの取り外しは試す価値がある。個人的には,「つまみ持ち」前提なら,グリップを装着しない状態が最も使いやすいように思う。
 なおドライグリップとXLグリップ装着時の重量は順に実測約154g,157g。ケーブルを秤からどかした参考値は106g,109gとなる。グリップを装着した状態だと,ゲーマー向けマウスとして重くも軽くもないレベルになり,外せば軽い部類に入るといったところだ。

4Gamerの比較用リファレンスとなる「Logicool MX510 Performance Optical Mouse」と並べてみた。G9xのサイズはドライグリップ装着時に73(W)×108(D)×35(H)mm,XLグリップ装着時に82(W)×108(D)×37(H)mmで,いずれにせよ奥行きは短め
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G9xの布巻きケーブル。G9のユーザーには説明不要かもしれないが,びっくりするほど硬い。場合によっては反力でマウスが引っ張られるほど
画像集#018のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
 さてここで,形状ついでにケーブルの話もしておきたい。というのも,G9xのケーブルはいわゆる布巻き仕様で,一見柔らかそうなイメージなのだが,実際のところ,ゲーマー向けマウスのケーブルとしては,群を抜いて硬いからだ。筆者がこれまで触ってきたマウスの場合,多少硬いケーブルであっても,何度か曲げて“クセ”をつけてやれば,プレイに影響することはまずなかったが,G9xのケーブルに同じ処理をしても依然硬いまま。そのため,取り回しに相当気を遣わないと,プレイ中,ケーブルに引っ張られるような違和感を覚えることになる。

 筆者は今回,ケーブルアンカー(※ケーブルホルダー,ケーブルスタビライザーともいう)からG9xまでの距離を30cm程度と長めに確保し,加えて,ケーブルアンカーからケーブルがまっすぐ伸びるようにマウスを置くという対処を試してみたが,これなら違和感の払拭は可能だった。
 ただ,これは相当大がかりで,ご想像のとおり,机上のスペースを広く占有してしまう。総じて,G9xが持つ取り回しの自由度は低く,この点は残念である。


チルトホイール採用で多ボタンを実現

解像度設定ボタンにも割り当て可能


G9xのボタン配置。左メインボタンは本体から独立しており,そのすぐ手前側にシーソースイッチの[+][−]ボタンが用意されている
画像集#019のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
 G9xのボタン構成はG9と同じだが,あらためて確認しておくと,メイン×2,左サイド×2,トラッキング解像度設定用の[+][−]に,スクロールホイール部の計7個(※左右チルトを入れると9個)。付属のドライバソフトウェア,「SetPoint」を用いれば,左メインとスクロールホイールの回転以外,すべてにマクロなどの機能を割り当て可能だ。

 G9から引き続き,メインボタンは左がマウス本体から独立し,右は一体成形という仕様だが,どちらも重過ぎたり軽すぎたりはせず,ちょうどいい具合。ただ,どちらかといえば左メインのほうが軽く,指を離したあとの戻りも速いため,連打しやすい。左右メインボタンの構造を違ったものにした意図はよく分からないが,両方とも独立型でよかったのではないかという気はする。

浅くホールドした状態だと,人指し指の第一関節を反らせるようにすることで,DPIボタンを押し分けられる。慣れは必要だが,慣れるとけっこう使いやすい
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画像集#021のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
 サイドボタンと,トラッキング解像度変更用の[+][−]ボタン(以下,便宜的に「DPIボタン」と呼ぶ)は,カチカチというよりポチポチといったクリック感。サイドボタンは,ホールドしたとき親指の上に二つとも横に並ぶという一般的な配置で,押すためには指をずらす必要があるなど,特別押しやすいことはない。
 面白かったのは,むしろシーソー式スイッチを採用するDPIボタンのほうで,このボタン,使ってみると,本体両サイドのホールド感を維持したまま,人指し指の関節で押せるのである。「かぶせ持ち」して,深く握ってしまうとさすがに押しづらいが,「つまみ持ち」で浅めにホールドした状態だと,そこそこアクセスしやすい配置になっており,試しに武器の切り替えなどを割り当ててみると,案外使いやすい。

深く握ったときは,中指の先をチルトホイールの奥に置いておくと便利だ
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 続いてチルトホイールだが,全体的に手前寄りの配置になっているため,浅めの持ち方だとスクロールもチルトも問題なく利用できるのだが,深めに持つと,やや倒しづらくなる。
 ただ,右メインボタンがスクロールホイールを右から包み込むようなデザインになっているため,深めに持つときは,中指をホイールの奥にある“出っ張った部分”に置いておくことで,スクロールと右クリックを即座に切り替えられるというメリットはあった。

 ちなみにG9xのスクロールホイールには,Logitech独自の「MicroGear」が採用されている。これは,従来のホイールと似たノッチのある「クリック・トゥ・クリック」と,ノッチレスで,軽く回しただけでも惰性でしばらく回転し続ける「ハイパーファーストスクローリング」という,二つの動作モードを持つホイールだ。G9x(やG9)の場合,本体底面の[MICROGEAR]ボタンを押すたびに両モードを切り替えられるというのがウリである。
 もっとも,端的に述べると,前者は至って普通のスクロールホイールとして動作するモード。後者はオフィススイートやWebブラウジングなどといった,ゲームとはあまり関係のない用途に向けたモードなので,いずれにせよ,4Gamer的に触れる余地はあまりない。

マウス底面の[MICROGEAR]ボタンを押すことで,ハイパーファーストスクローリングモードを利用可能。「回転中,入力が続く=連射入力が可能」ということを受け,「Counter-Strike: Source」で,ゲームオプションから回転にピストルを割り当ててみたのだが,この場合,高速回転時には無反応で,回転が遅くなって,ようやく連射が機能することになった。どうやら,ゲーム側に「高速すぎる連打に対する制限」が入っているようだ。また,「Team Fortress」で,バニーホップを割り当ててみても,やはりジャンプの連打は入力されず。……連打が必要なときは,ちゃんと自分で連打しましょう,ということで
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プロファイルは内蔵フラッシュに保存&切り替え自在

直線補正のオン/オフも設定可能


 先ほど,ドライバソフトウェアはSetPointだと述べたが,G9xの製品ボックスには,G9シリーズ専用の最新版となるSetPoint 5.1(Version 5.10.203)が同梱されていた。
 SetPoint 5.10には,ボタンへの機能割り当て,トラッキング解像度やレポートレート(※ポーリングレートともいう)設定といった,高級ゲーマー向けマウスで定番の機能が,一通り揃っている。

前述したとおりだが,左メインボタンとスクロールホイールを除くすべてのボタンに機能を割り当てられる。「キーストロークの割当」を選択すれば,任意のキー(と,必要に応じて[Shift][Alt][Ctrl]キーとの組み合わせ)を登録可能だ(※サムネイルをクリックすると,別ウインドウで全体を表示します。以下,SetPoint 5.1のサムネイルは同)
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SetPoint 5.1に用意されたマクロ機能。使うかどうかはさておき,完全に日本語化されており,設定は行いやすい
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トラッキング解像度などを設定できる「ポインタ」メニューに,G9x+SetPoint 5.1では「アングルスナップを有効にする」チェックボックスが追加された。標準では無効(直線補正オフ)。センシティビティや加速設定から独立して機能する
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 そんななかで目を引いたのは,「アングルスナップを有効にする」というチェックボックスである。
 左メニューの「ポインタ」以下,「ポインタ移動の設定」に用意されている本機能を有効にすると,センサーの動きに対して補正がかかるようになり,ポインタの移動が直線的になるよう調整される。
 直線補正が行われるマウス自体は数多く存在するが,その無効/有効を切り替えられる製品はまだ非常に少ないので,貴重な機能といえるだろう。ちなみにこの機能は,SetPoint 5.1で加わったものだが,G9がつながっているシステムではSetPoint 5.1をインストールしてもチェックボックスが表示されなかったので,G9xの新機能と紹介してよさそうだ。

「ペイント」を起動し,直線補正なし(上)とあり(下)で,それぞれマウスを横に動かして線を引いたところ。直線補正なしのほうがブレるが,ユーザーの操作に忠実,ともいえる
画像集#036のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか

 なお,SetPointで設定した内容をプロファイル単位で最大30個管理でき,そのうち5個を,マウス側のフラッシュメモリに保存できるあたりは,G9から変わっていない。

SetPointで設定した内容はゲームタイトルなど,プロファイル単位で管理でき,ゲームの実行ファイルと紐付けて自動的に切り替わるようにするか,マウス本体内蔵のフラッシュメモリに登録して,手動で切り替えるかを選択できる。スポーツ系とリアル系のFPSのようにタイプの異なるゲームを頻繁にプレイしていて,複数の設定を使い分ける場合には便利かもしれない
画像集#029のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか 画像集#030のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか


若干加速が残るものの,ポインタ飛びは皆無

マウスパッドとの相性問題も確認されず


 恒例のセンサー性能評価に入りたいと思う。テスト環境は表1,テストの設定と方法はその下に箇条書きでまとめたとおりだ。

画像集#031のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか

●G9x Laser Mouseの設定
  • ドライババージョン:Setpoint 5.10
  • トラッキング解像度:5000dpi(※ハードウェア設定の最大値)
  • ポーリングレート:1000Hz
  • Windows側設定「マウスのプロパティ」内「速度」スライダー:中央
  • Windows側設定「ポインタの精度を高める」:オフ
  • SetPoint側設定「ポインタの速度と加速にOSのドライバを使用します」:オン/オフ両方
  • アングルスナップ:オフ
  • ポインタ速度:5(中央)
  • 加速:0

●テスト方法
  1. ゲームを起動し,アイテムや壁の端など,目印となる点に照準を合わせる
  2. マウスパッドの左端にマウスを置く
  3. 右方向へ30cmほど,マウス本体がマウスパッドから浮いたりしない条件で可能な限り全力でマウスを振る
  4. なるべくゆっくり,2.の位置に戻るようマウスを動かす

 テストに用いたゲームタイトルは「Warsow」。筆者が普段Warsowをプレイするときには,ゲーム内の「Sensitivity」設定を,「180度旋回するのに,マウスを約2cm動かす必要のある状態」にしており,G9xの場合,設定値は2.0になる。しかし,テストに当たっては,ひとまず「30cmの移動で180度旋回する」0.2にあえて設定することで,読み取り異常が発生しやすい状況――マウスにとって最も不利な状況――にしている。
 このテストでは,照準が1.の位置に戻れば正常と判断でき,一方,左にズレたらネガティブアクセル,右にズレたら加速がそれぞれ存在すると判定できるが,異常が発生したら,今度は3.における「振る」速度を段階的に落としながらテストを繰り返し,「読み取り異常が発生するレベル」を確認することにして,その結果をまとめたのが表2である。

※「相性の程度」は,上のテスト方法において,問題がなかったか,生じたとすれば,どの程度の速度で動かしたときに生じたかをまとめたもの。問題の程度は低速で発生したときが最も重大で,以下中速,高速,問題なし,といった区分になる。リフトオフディスタンスは,マウスの底に1円玉を重ねていき,センサーが応答しなくなる高さを示したものだ
画像集#032のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか

 試した限り,特定のマウスパッドとの相性問題はなく,非常に優秀な性能を発揮できているといえる。リフトオフディスタンスも,ゲーマー向けハイエンドマウスの平均より短めだ。筆者がこれまで触ってきたレーザーセンサー搭載マウスは,厳しいテストを行うと,ネガティブアクセルを“発症”したり,マウスパッドを極端に選んだりという特性を当たり前のように持っていたので,正直,このテスト結果には驚くほかない。

G9x/G9のセンサーは,中央から親指側にずれた位置にあるが,プレイへの影響は感じられなかった。また,グリップによってソールの数が異なる(※XLグリップではスカート部にソールを用意する)が,これもプレイフィールに特別影響する印象は受けない
画像集#033のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
 ただし,完璧ではないということも,公正さのために記しておく必要があるだろう。
 表2で,相性の程度はいずれも「問題なし」としたが,実際には,加速を切る設定にしても,ごくわずかに加速が残っている。「検証時以外,普通にプレイしている限り,まったく気づかないほどの量」だが,SetPointから加速を無効化したときだけでなく,OS側の加速設定を無効化しても,SetPointをアンインストールした状態であっても,今回テストしたすべてのマウスパッドで,加速は確かに確認された(※5000dpi以外に,1600/800/400dpiでも検証しているが,症状は同じ)。
 原因がセンサーにあるのかどうかまでは断言できないうえ,まず体感できないレベルだが,そういった事実があったことは報告しておきたい。


9ボタンすべてにアクセスしやすく

センサー性能も優秀な優等生


画像集#034のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
製品ボックス
画像集#035のサムネイル/「G9x Laser Mouse」レビュー掲載。最高5000dpiのセンサーを搭載して,G9は何が変わったか
本稿では一切取り上げなかったが,G9から引き続き,G9xにはウェイト調整機能が用意されている。FPS用途で使うことはまずない
 筆者の経験上,6ボタン以上を備える多ボタンマウスは,どう持っても,必ずどれかが押しづらくなって,すべてを活用するのはまず無理だった。しかし,G9xでは,「浅めの持ち方をする限り」という注釈が必要で,かつ,慣れも要するが,すべてのボタンを活用できる。ゲームジャンルによっては,「そんなにボタンを使うのか?」という議論ももちろん存在するが,使おうと思ったとき,用意されたすべてのボタンを使えるというのは,G9xの持つメリットと述べていいだろう。

 また,2009年4月時点で最高水準の分解能と追従性を持つセンサーにより,マウスパッドを選ばず,快適に操作できるようになっており,総じて,G9にあった“隙”が減っている。レーザーセンサーだからといって,排除すべきではないレベルに,G9xは達している印象だ。
 ケーブルの取り回しに相当難儀することや,決して安価とはいえない,1万円弱という実勢価格(※2009年4月11日現在)はマイナス材料になるが,ハイエンドクラスのゲーマー向けマウスとしては高すぎるということもないため,ゲーム用マウスの入手を検討するに当たって,候補に挙げられる製品だと筆者は考える。

 ……1万円弱が「高すぎない」レベルになってしまうほど,ゲーマー向けマウスの値段が上がっているのは悲しいことだが。
  • 関連タイトル:

    Logitech G/Logicool G

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