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Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
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印刷2015/02/03 12:00

インタビュー

Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く

 ロジクール(日本以外ではLogitech)が展開するゲーマー向け周辺機器ブランド,Logicool G(日本以外ではLogitech G)では,同ブランドを立ち上げたEhtisham Rabbani(エティシャム・ラバーニ)氏が,2014年秋,SteelSeriesへ移籍するという“事件”があった。
 その経緯は氏のインタビュー記事でお伝えしているが(関連記事),では,Logitech G/Logicool Gの新たなリーダーは誰になるのか。業界が注目するなか,GM(ジェネラルマネージャー)に就任したのは,元NVIDIAのUjesh Desai(ユージャッシュ・デサイ)氏だった。

Ujesh Desai氏(VP/GM Gaming, Logitech)
画像集 No.002のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く

 NVIDIAのデスクトップGPUビジネス,平たくいえばGeForceのマーケティング部門で長らく活躍してきた氏のLogitech入りで,Logitech G/Logicool Gはどう変わるのか。そしてDesai氏は,押しも押されもせぬ業界1位のゲーマー向け製品ブランドを,どのように舵取りしていくつもりなのだろうか。

 4Gamerでは,氏と,Logitech G/Logicool G部門のディレクターを務めるVincent Tucker(ヴィンセント・タッカー)氏,そしてエンジニア部門のPeter Mah(ピーター・マー)氏の3名が来日したタイミングで,彼らに話を聞くことができた。今回はその内容をインタビュー形式でお伝えしたい。


NVIDIAに13年半勤めLogitech G/Logicool Gへ

Desai氏は新しい場所で何をするのか


4Gamer:
 直接お会いするのは本当に久しぶりです。2014年の夏頃には,もうNVIDIAを辞められていたと思うのですが,まずはNVIDIA退社の経緯から,Logitech G/Logicool Gに合流するまでの経緯を聞かせてください。

Ujesh Desai氏:
 何年か前にサンノゼ……だったかな。そこで会ったのが,直接だと最後でしょうか。
 NVIDIAを辞めたのは5月ですね。夏の間は子供達とゆっくり過ごして,Logitechには10月に入社しました。

4Gamer:
 NVIDIAでのキャリアは非常に長かったですね。

MX518 Performance Optical Mouse
画像集 No.004のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
Ujesh Desai氏:
 13年半在籍しました。今でもCEOのJen-Hsun※1とはいい友人関係を築いていますよ。
 回答を続けると,Logitech G/Logicool Gへ合流したきっかけは,哲学であったり,ゲーマーに向けてのメッセージングや考え方がNVIDIAと似ている(ため,やりやすいと思ったという)のがありますね。もちろん,入社前にはCEOのBracken※2やゲーム事業のディレクターをしているVincentと話をして,ゲームに対する情熱にも共感できました。
 あと大きいのは,もともと私がLogitech製品のファンだということですね。実際,「MX518」※3は長く使っています。

※1 Jen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン氏)。NVIDIA共同創業者にして社長兼CEOである。
※2 Bracken P. Darrell(ブラッケン・ダレル氏)。スイス企業であるLogitechの会長兼CEOだ。
※3 「MX518 Performance Optical Mouse」。ベースモデルとなった「MX510 Performance Optical Mouse」ともども,現行のLogitech/ロジクール製ゲーマー向けマウスの祖として知られる。

4Gamer:
 ゲームに対する姿勢が似ているというのは分かる話なのですが,一方で企業風土はかなり違うようにも外からは見えます。NVIDIAはJen-Hsunさんのトップダウンなのに対して,Logitechって,CEOが強烈なリーダーシップを発揮するようなタイプではないと思うのですが,その点はいかがでしょう。

Ujesh Desai氏:
 確かにJen-Hsunは,マネジメント面で大きな力を持っているというのがありますが,実際,彼がGeForceのチームを率いているとき,「どういう製品設計で」という部分は,割と自由な裁量権を与えられていたんですよ。
 対してLogitechだと,Bracken自体はゲーマーではないこともあり,入社にあたっては「全権を任せる」と言ってもらいました。

 Brackenの場合,彼は,自分の作ったチームをすごく信用して任せています。実際,マーケティングチームを率いているVincentも,エンジニアチームのPeterも,皆がゲームに対する情熱を持っています。うまく,信頼関係が機能しているんです。そういう意味ではNVIDIAもLogitechも違いはないですね。

4Gamer:
 Ujeshさんが,いまLogitech G/Logicool Gでチームに対して振るえるリーダーシップは,NVIDIA時代とそれほど変わらないということですか。

Ujesh Desai氏:
 そうですね。「権限を持ってやらせてもらえる」という面では,違いはありません。LogitechとNVIDIAだけではないと思いますが,優れた企業のリーダーは,チームを信頼しているものですからね。

4Gamer:
 Ujeshさんご自身は,Logitechに移籍したことで,何が変わったことはありましたか。

Ujesh Desai氏:
 通勤時間が長くなった(笑)。
 ……冗談はともかく,仕事の仕方という意味で大きな変化はありません。ただ,NVIDIAのときに長年培ってきた,友達のようであり,プロフェッショナル同士でもあるという,一緒に働くチームとしての関係づくりは,Logitechでもできることを期待していますし,また,していかねばならないとは思います。

4Gamer:
 Logitech G/Logicool Gには,マーケティングのチームを率いるVincentさんがいて,一方,開発チームにはPeterさんのようなマネージャーがいます。Ujeshさんはその両方を率いているわけですが,もう少し具体的に,何をしているのか教えていただけますか。

Ujesh Desai氏:
 両方のチームを統括するGM(ジェネラルマネージャー)としての役割がメインですね。
 プロダクトマーケティングの仕事というのは,「どんな機能やデザインがゲーマーや市場から求められているか」をいち早く吸い上げ,それを開発チームにフィードバックして,開発チームと一緒に製品化し,製品のよさを顧客に伝えていくというものなのですが,それを一貫して見ることになります。

 ただ,率直にお話すると,Logitech G/Logicool Gでは,デザインと機能,性能が優れている自信がある一方で,それを顧客であるゲーマーの方々に伝える部分は,まだ弱いと認識しています。なのでこうして,Logitech G/Logicool Gの持つ情熱を,4Gamerさんのようなメディアを通じてゲーマーにお伝えしていくことも,私の仕事として取り組んでいかねばならないでしょう。


Logitech G/Logicool Gにおける

型番と愛称の整合性


G910の製品ボックス。型番の下に「ORION SPARK」の愛称がプリントされている
画像集 No.005のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
4Gamer:
 Logitech G/Logicool Gの持つメッセージ,という観点では,ブランドが立ち上がったときに,統一のタグライン(tag line,スローガン)としての「Science Wins」(勝利の方程式)が用意されましたよね。あるいは「G910 Orion Spark RGB mechanical gaming keyboard」(以下,G910)の「Orion Spark」(オリオンスパーク)のように,英語圏では愛称も付けられました。

 これらは,Ujeshさんの前任であるEhtisham RabbaniさんがLogitech G/Logicool Gを立ち上げたときに,当時の開発チームとの話し合いで誕生したと思うのですが,Ujeshさんはこれらをどう評価していますか。変更する予定はあったりするのでしょうか。

来日したDesai氏は,インタビューの後,スポンサー代表として「LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015 SEASON1」開幕戦の挨拶に立っている。そのとき,簡単なブランド紹介スライドを示したのだが,そこには新しいタグラインが表示されていた
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Ujesh Desai氏:
 先にScience Winsからお話すると,考え方自体は維持します。ですが,「Science Wins」には,「ゲーム」の要素がなかった。そのため,分かる人は(Winsあたりで)分かるのですが,場合によっては,(Scienceのほうに目が行った結果として)科学系エンジニア向けなのかと思われることもあったのです。

 そこで私達は,これに「ゲーム」を加えた「Game with Passion, Win with Science」というタグラインを新たに用意しました。

4Gamer:
 そうだったんですね。それはいつ頃使い始める予定なのですか?

Ujesh Desai氏:
 海外では付け始めていますね。日本では,3月末以降から順次,いろいろなところで訴求を始めていくつもりです。

4Gamer:
 愛称のほうはいかがでしょう。

Ujesh Desai氏:
 この愛称というのは,とても大切なものであり,今後も継続したいと考えています。
 それこそ「GeForce」という名前を聞いたときに,ユーザーが何を期待するのかというのはあるじゃないですか。それが「ブランド力」だと思うわけですが,今後市場投入する製品でも,親しみを持っていただける愛称を付けていきたいと考えています。

G302
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4Gamer:
 ただ,個人的にはその「愛称」が,少なくともアジアではうまく伝わっていない気がします。日本に至っては,製品ボックスはともかく,製品名からは取られてしまっていたり……。
 また,G910のOrion Sparkならまだしも,「G302 Daedalus Prime MOBA Gaming Mouse」(以下,G302)の「Deadalus Prime」(ダイダロスプライム)は,非英語圏だと,そもそも読めないという人が多いのではないでしょうか。

Ujesh Desai氏:
 おっしゃるとおり,それがうまくいかないというか,マーケットによっては認知されないことがあります。それで「G910」といった,アルファベットと数字を組み合わせた製品名も並べてあるというのはありますね。
 ただ今後は,Orion Sparkなら「Orion」とか,もう少し覚えやすかったり,口にしやすかったりする名称を検討したいと思います。

4Gamer:
 「Rival」とか「DeathAdder」みたいな?(笑)

Ujesh Desai氏:
 (笑)。

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G402
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G502
4Gamer:
 製品名に関してはもう1つ伺いたいことがあります。現在のLogitech G/Logicool Gにおけるマウスだと,型番,愛称とは別に,「FPS」「MOBA」などなど,「向くジャンル」が入っていますよね。一方で,型番を見ると,どうしてもG302より「G402」(※「G402 Hyperion Fury Ultra-Fast FPS Gaming Mouse」),G402より「G502」(※「G502 Proteus Core Tunable Gaming Mouse」)のほうが上位モデルという印象を受けやすいというか,実際,実現されている機能的にはそういう序列になっているようにも見えます。
 ここに矛盾はないのでしょうか。

Ujesh Desai氏:
 その質問は非常に当を得ていると思います。
 ご指摘のとおり,G402はFPS向きのマウス,G302はMOBA向きのマウスということで,製品名にジャンル名を入れているわけですが,G402について言えば,これは「高いセンサー性能を生かして,ローセンシで,激しくマウスを動かすジャンル」として,たまたまFPSという分かりやすいジャンルがあるのでFPSと付けた,というのが実態です。G302も,クリック感や耐久性の高さ,レスポンスの速さというところにこだわったので,それを何に使うのかといえばMOBAだろう,といった感じですね。
 ただ,型番とジャンル分けのところには,ミスマッチがあるかもしれません。そこは,今後の検討課題と言えるでしょう。


G302はなぜ「G300の後継」に

ならなかったのか


G300
画像集 No.011のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
4Gamer:
 なぜ型番とジャンルの話をしたかというと,G302が,「G300」(※「Gaming Mouse G300」)とあまりにも違う製品だったからです。
 ご存じのとおり,G300は日本で非常に人気がありました。なので,G302には,小さくてボタンの数が多くて,センサー性能が改善したものを期待していたのですが,実際の製品はMOBA向けと謳われていて,製品仕様もがらりと変わってしまった。
 「向くジャンル」が示されたことで,そこに大きなギャップを感じる人が増えたと言ったらいいでしょうか。ジャンルを規定するならするで,型番ごとの立ち位置は統一してほしいというのは,正直,あります。

Ujesh Desai氏:
 おっしゃることはよく分かりますよ。G300からG302で確かにボタンは大幅に減りました。
 私達が製品を開発するにあたっては,膨大な量のレビューや顧客リサーチ結果をチェックすることになるのですが,G300に対してとくに改善の要望が多かったのは左右メインボタンのクリック感だったんです。次いで,左右メインボタン脇のボタンが押しづらいという意見でした。
 結果として,G302では左右メインボタンの押下特性にこだわり,無駄を省きつつ,左サイドの2連ボタンも搭載するに至ったという経緯があります。

4Gamer:
 このインタビューに先立って,G300のヘビーユーザーに話を聞いたりしてみたんですが,左右メインボタン脇のボタンが使いづらいという声はなかったですね。世界市場を見渡したとき,G300は日本で突出して売れたという話もありますが,日本だけ特殊ということなんでしょうか。

Ujesh Desai氏:
 私達は,製品を世界中で販売しているわけですが,G300へのフィードバックという観点で言うと,北米や欧州では,日本市場ほど成功せず,ボタン配置もG302のそれが好まれるという状況ではありますね。その意味で日本は特別というか,ユニークだとは言えるかもしれません。

4Gamer:
 ということは,極論を言うと,「G300へのフィードバックでは,日本よりも欧米市場のものを重視した」ということになると思いますが,基本的には最大公約数的なものを拾っていくイメージでいいですか。

Ujesh Desai氏:
 いえ,そういうわけではありません。考えていただくと分かると思うんですが,もし本当にそのやり方をするのであれば,Logitech G/Logicool Gのマウスは,こんなにバリエーションを用意しなくていいということになってしまいますよね。

4Gamer:
 確かに。

Ujesh Desai氏:
 G402もそうです。FPSプレイヤーのなかで,ローセンシでプレイする人が大多数かといえば,そんなことはないわけです。ただ,トッププレイヤーが好んでいるとか,主要な地域のプロチームやコミュニティの評価が高いとか,そういうフィードバックには重みを与えています。そこに市場性も加味して,製品化しているというイメージですね。

4Gamer:
 G300からG302ではその重み付けが効いたんでしょうね……。
 いまのお話で気になるのは,「どうやってフィードバックを集めているんだろう?」という点です。プロゲーマーは,契約チームなら電話1本かもしれません。コミュニティというのも,おそらくは海外で発達しているユーザー掲示板のことですよね。

Ujesh Desai氏:
 ええ。

4Gamer:
 では,それ以外はどうしているんですか。プロゲーマーでもなく,コミュニティに積極参加しているわけでもない人達の意見は,どのようにして入手しているのでしょうか。

画像集 No.012のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
Ujesh Desai氏:
 これはマウスに限った話ではないのですが,どの製品を開発するときも,私達は,事前にターゲットとなるユーザー層をまとめて,それを外部の調査会社に渡し,複数のフォーカスグループ(focus group,情報収集のために集められた顧客集団)単位で直接会い,話を聞くというのを,ざっくり2年間くらい実施します。ご質問にある「普通のユーザーの意見」は,ここで集めることになりますね。例外はありません。

4Gamer:
 そういうシステムなんですね。

Ujesh Desai氏:
 ですが,この「複数のフォーカスグループ」のなかでも,トッププロゲーマーは非常に大事です。というのも,彼ら彼女らは,一般的なゲーマーの何倍も何十倍も,機能や性能,耐久性に対するこだわりが強いからです。
 なので,彼らの要求に応えることが,最も広いゲーマー層をカバーできるのではと考え(ており,だからこそここに重み付けを与え)ています。

4Gamer:
 ああ,そう説明いただくと分かりやすい。

Ujesh Desai氏:
 このやり方の効果が出たのが,先ほどから何度も話に出ているG302のときです。
 実は,いまお話ししたような流れで,プロゲーマーやコミュニティ,エンドユーザーのフィードバックを基にしながらG302の開発を進め,「これでいけるんじゃないか」というタイミングで,e-Sports先進国である米国と中国,韓国のゲーマーに最終チェックをお願いしたんですよ。そうしたら,「違う」と。

4Gamer:
 何が違うと指摘されたんですか。

開発途上版G302では,本体側面の,指で指し示されているところが少し深めに掘られており,それが長時間のゲームプレイにおいて問題になるというフィードバックを受けたのだそうだ
画像集 No.013のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
Ujesh Desai氏:
 私達はこれでよいと思ったデザインなんですが,ここ(※写真参照)が少し深いというのです。1秒間に5回以上クリックするMOBAプレイヤーが,1日10時間練習して,それを1年間毎日続けるときに,ここの深さがまったくもって支障を来すと。

4Gamer:
 それって金型レベルの話ですよね。

Ujesh Desai氏:
 そうなんです。でも私達は,「違う」と指摘された金型を捨てて,1から作り直しました。それで発売は2か月遅れましたが(笑)。
 フィードバックって,自分達の都合のいいものだけ拾おうと思ったら簡単なんですよ。でもそれではダメで,「真摯な,ネガティブな意見」はしっかり聞かねばなりません。

4Gamer:
 そこはまったく同感ですね。

G710+
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Ujesh Desai氏:
 ああそうそう,これは余談気味なエピソードですが,G910の開発のときに,新開発のキースイッチを,そうと悟られないまま,e-Sportsプレイヤーにテストしてもらう必要があったときには,「見た目は『G710+』(※「G710+ Mechanical Gaming Keyboard」)だけれども,スイッチは全部『Romer-G』」というキーボードを作ったりもしています。

4Gamer:
 それは見てみたかった(笑)。


G910とG302を題材に掘り下げる

Logitech G/Logicool Gの製品開発方針


4Gamer:
 G910の話が出たので伺いますが,G910が出たとき,日本のゲーマーから出てきたフィードバックを私達で分析したところ,多かった声は「よけいな機能はいらないから安くしてほしい」というものでした。
 日本では円安が進んでいるので,多少なりともその影響があって「価格が高い」という評価になっているとは思いますが,だとしても「よけいな機能があって高い」という評価になっている以上,日本におけるマーケティング活動が十分でない可能性もあると思うんですね。

Peter Mah氏:
 よけいな,とは具体的にどの部分ですか。

画像集 No.015のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
4Gamer:
 人によりますが,ピックアップすると,LEDとARX Controlですね。どちらも「容易に期待できることができない。だったら,そんな機能は削って,安価にしてほしい」といった感じでしょうか。

Peter Mah氏:
 もう少し教えてください。「容易に期待できること」というのは?

4Gamer:
 LEDイルミネーションは,現状,キーごとに色を変えたり,アニメーションさせたりはできますけど,ゲームとの連動はできません。自分で細かく設定できれば,キーごとにクールダウンの時間を設定できたりもしますが,それもできませんね。だったら,カスタマイズ機能なんて付けなければ安くなるのではないのか,といった感じです。

Vincent Tucker氏(Director, Gaming Business Group, Logitech)
画像集 No.003のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
Vincent Tucker氏:
 その点に関してですが,CESで私達は3つのデモを行いました。
 1つは「World of Warcraft」のクールダウンタイム表示。キーを押すと点滅が始まり,クールダウンが終わったらキーボード全体を1回光らせて,プレイヤーに再度コマンドを有効化できるように知らせる,というものです。

4Gamer:
 あ,それは面白いですね。それはWorld of Warcraftに対する最適化済みプロファイル的な感じの実装ですか。それとも手動設定?

Vincent Tucker氏:
 プロファイルですね。
 続けると,「Counter-Strike: Global Offensive」でも同じような実装をしていて,「通常は[W/A/S/D]キーと武器選択のショートカットキーが光るようになっているのが,チームメイトとテキストチャットしようと[Y]キーを押したときには,すべてのキーのイルミネーションが有効になる」ようにしています。
 もう1つはレースゲームの「Assetto Corsa」で,ここではキーボードの10キーをガソリン残量,それ以外をタコメーターとして利用できるようにしてあります。タコメーターのところはリアルタイムに,こう,ぎゅーんと(笑)。

4Gamer:
 大変興味深いのですが,それらはもう実現しているんでしょうか。

Vincent Tucker氏:
 いえ,現時点ではCESでデモを行った,という感じです。

Peter Mah氏:
 先ほどARX Controlのお話が出ましたが,Assetto Corsaではクルマがクラッシュしたりしたときのダメージ状況をスマートデバイス上に表示する,セカンドスクリーン的な機能も実装できています。
 エンジニア側から言わせていただくと,将来的にLEDやARX Controlに機能を実装するための準備はできています。あとはどれだけのタイトルに対応してもらうのかがキーになるのではないかと。

GamePanel LCDは,一部のLogitech/ロジクール製キーボードおよびキーパッドに搭載されていた小型液晶パネルのこと。PCのシステム情報だけでなく,ゲームのステータス情報も表示できると謳われていた
画像集 No.016のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
4Gamer:
 要するに,「G910では,相当に高度なカスタマイズが可能なだけの機能的ポテンシャルを持っている」ということですね。
 それを踏まえて先ほどの「ユーザーの声」に戻るのですが,日本人,というか日本のゲーマーは,「GamePanel LCD」が,日本ではほとんど使い物にならなかったことを忘れていません。GamePanel LCDはそもそも日本語を含む2bytes文字に対応していなかったわけですが,それだけでなく,日本のタイトルにもまったくといっていいほど対応しませんでした。

 あくまでも私の見解だとお断りしてからお話しすると,おそらく日本のゲーマーの「機能はいらないから外して,安くしてほしい」という声には,かなりの部分,「どうせまた日本では対応しないんでしょ」という諦めが入っているのではないかと思うのです。

Ujesh Desai氏:
 そのお気持ちはもう,私達も痛感しています。日本など,国や地域ごとに「求められるゲーム」は異なるわけで,それを見なければいけませんよね。

4Gamer:
 期待しています。
 製品の話になったので,2つ追加で聞かせてください。1つめはセンサーの話で,私達が分解したところ,G402とG302ではセンサーユニットがまったく同じでしたが,一方でセンサーの挙動自体にはやや違いがありました。「同じセンサーで挙動が違う」原因というのは何でしょうか。

Peter Mah氏(Program Manager, Consumer Computing Platforms, FE Engineering Group, Logitech Far East)
画像集 No.017のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
Peter Mah氏:
 「1秒間に3m動かす」という,基本的なマウスの使い方において,G402とG302の挙動はまったく同じになるはずです。そういう設計です。
 ただ,それ以上の速度域では,挙動は間違いなく,大きく変わりますね。それはなぜかというと,「Fusion Engine」の有無という,大きな違いがあるからです。

4Gamer:
 それはつまり,レンズユニットや,基本的なファームウェアの仕様自体は,G402とG302で変わらないということですか。

Peter Mah氏:
 そういうことです。G402のセンサーは「G302+Fusion Engine」,という理解でいいでしょう。

4Gamer:
 私達のテストだと挙動がけっこう違っていたのですが,それはFusion Engineが生んでいたもの,というわけですね。
 もう1つはG302のボタンの話です。G302の左右メインボタンは,本当にすばらしい。このボタンを採用した“502s”“G402s”をいますぐ出してほしいと思うくらいです。

Ujesh Desai氏:
 まったく同感ですね(笑)。

4Gamer:
 あれはどういう経緯で採用に至ったのでしょうか。

画像集 No.018のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
Vincent Tucker氏:
 G302の左右メインボタンは,そもそも,G502とG402に対するフィードバックを受けて,改良したものになります。
 そもそもの話をさせていただくと,Logitech G/Logicool Gのメインボタンは,上面のカバーと一体化していましたよね。これは私達だけではなく,他社もごく普通に採用している,“よくある仕様”だったわけですが,これだと,どうしても,先端と,天頂部とで押下感にムラが生じます。

4Gamer:
 ですね。

Vincent Tucker氏:
 あと,この一体型メインボタンには,もう1つ,「中に入っているスイッチとの隙間を十分に空けておかないと,マウスを持ち上げてから,急にサーフェス上へ置いたときに,クリックの入力が入って“誤爆”になる確率が上がる」という弱みがあります。そして,それに対策しようとして隙間を多くとると,クリック時に遅延を生む最大の要因になるということも,独自調査によって突き止めました。

Peter Mah氏:
 一体型メインボタンでミスなく正しいクリックができるようにすると,その機構上,跳ね返りの所要時間が長くなり,遅延が大きくなるわけです。

Vincent Tucker氏:
 そこで(Gxx2世代では)左右のボタンを独立させ,さらに,スイッチを押し込む機構を,スイッチの真上にくるよう設計しました。これで,押下感のムラをなくし,かつ,ボタンとスイッチの間にある隙間を小さくしたのです。

4Gamer:
 ただ,それでも完璧ではなかったということですか。

Vincent Tucker氏:
 そういうことです。そこで,跳ね返りの速度そのものを上げるために,金属テンションを導入しました。それがG302のメインボタン周りということになります。

4Gamer:
 実際,分解して中を見ましたが,非常にシンプルですよね。

画像集 No.019のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
Ujesh Desai氏:
 iPhoneもそうですけど,美しいものはシンプルなんですよ(笑)。
 ……正直に言えば,コストをかければ,いくらでもいいものを詰め込めますが,その分,当然のことながら店頭売価は高くなります。G302の場合は,決められた店頭売価のラインがあって,そこに収まるコストでありながら,1秒間に5回のクリックを1日10時間,2年間続けてもクリック感に問題が生じないものを目標にしていたのです。

Peter Mah氏:
 そこだけで1年もかかっちゃいましたが(笑)。

Ujesh Desai氏:
 ぱっと見て拍子抜けするくらいシンプルな,しかしそれでいて効果のあるような機構ほど,作るのは難しいんですよ。

4Gamer:
 念のため確認ですが,金属テンションそれ自体は,スイッチとボタン間の距離を縮め,それでいて持ち上げたり,「どん」とサーフェス上に置いたりしたときに“誤爆”せず,かつ跳ね返りの速度を上げるためのもの,という理解でいいでしょうか。
 要するに,G502やG402と比べたときに,押下感のムラを向上させる効果自体はないという理解でいいですか,ということなんですが。

Vincent Tucker氏:
 そのとおりです。スプリングが,“誤爆”のない,かつ跳ね返りの早い挙動をバランス良く実現しているわけです。

G502のサーフェスキャリブレーション用ウィザード。非常に分かりやすい
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4Gamer:
 製品に関してはもう1つ,以前から聞こうと思っていたことを聞かせてください。
 G502で実装されたサーフェスキャリブレーション機能は,機能自体も優れたものでしたが,その設定ウィザードは非常に分かりやすいものでした。

Ujesh Desai氏:
 でしょう?(笑)

LGSのメインメニュー。使い始めるにあたっては,「オンボードメモリ」か「自動ゲーム検出」を選ぶ必要がある
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4Gamer:
 質問はここからで,なぜアレを「LGS」(※Logitech Gaming Software/ロジクールゲームソフトウェア)の標準メニューに実装できないのでしょうか。
 最初に2つの動作モードから1つを選ばされるのは“伝統”の仕様になっていますが,あそこに説明がほとんどありません。おそらく,Logitech G/Logicool Gのマウスを購入して,いきなりアレが何のことだか分かる人は,ほとんどいないと思うのですが。

Ujesh Desai氏:
 その点はまったくもってご指摘のとおりで,いまお話いただいたLGSの弱点は,ここにいるメンバー全員が,解決すべき課題として理解しています。
 今日のテーマも,大半は製品,もっといえばハードウェアに関するエンジニアリングや情熱についてですけれども,実際問題として,「ソフトウェアの見られ方」というか,優先順位は,どうしてもハードウェアと比べて低かったんですね。
 しかし,いまお話したとおり,私達は現在,ハードウェアと同じくらいのレベルで,ソフトウェアにも注力せねばならないと考えています。

4Gamer:
 ではいずれ,どういう風に直るかはともかく,あの分かりにくさは解決されると期待していいということですね?

Ujesh Desai氏:
 この件は,ソフトウェアエンジニアと確実に話します。期待していてください。


これからは「ゲーム」全般を目指す

Logitech G/Logicool G


PowerShell Controller+Battery
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4Gamer:
 ここからはいくつか,Logitech G/Logicool Gというブランドのこれまでとこれからについて聞かせてください。
 そもそもLogitech G/Logitech Gが立ち上がったときには,PCゲームへのフォーカスが明言されていました(関連記事)。
 その後,iOS向けのゲームパッドである「PowerShell Controller+Battery」(国内製品名:G550 PowerShell Controller+Battery,以下 G550)が登場して,ブランドのラインナップに若干の揺らぎが出てきたわけですが,UjeshさんのGM就任とタグライン変更で,全体の方針に変化は生じるのでしょうか。

Ujesh Desai氏:
 ご指摘のとおり,Logitech G/Logicool Gが立ち上がったときはPCゲームへのフォーカスを行っていましたが,いまでは「ゲーム」という,広い範囲をターゲットにしています。もちろん,モバイルもそうですし,これからは仮想現実(Virtual Reality,以下 VR)的なものも視野に入ってくるかもしれません。
 優先順位が高いのは,市場規模の高いPCゲームですが,今後は,これまで以上に,「ゲーム」という広いジャンルで捉えていきたいと思います。

4Gamer:
 iOSデバイス用ゲームパッド以外のジャンルにも進出する可能性があるということですか。

Ujesh Desai氏:
 ご想像どおりですが,今日の時点で現在具体的なお話はできません。ただ,「モバイル環境でのゲーム」に対し,とても高い関心を持ってはいますね。

4Gamer:
 モバイル環境におけるゲームという観点でお話をすると,競合他社のいくつかが,「Androidベースの据え置き型ゲーム機」的な製品を投入していますよね。

Ujesh Desai氏:
 ええとそれは,RazerがCES(※2015 International CESのこと)でリリースした……。

Razer Forge TV
画像集 No.024のサムネイル画像 / Logicool Gの新リーダー・デサイ氏は,GeForceのマーケティング部門元トップ。氏にブランドの来し方行く末を聞く
4Gamer:
 「Razer Forge TV」ですね。それもそうですし,Mad Catzも「M.O.J.O.」を出していたりします。ああいったデバイスの可能性を,Logitech G/Logicool Gとしてはどう捉えていますか。日本にいると,あの手のデバイスが花開く未来というのを,今ひとつ想像できなかったりするのですが。

Ujesh Desai氏:
 そのご質問に対して確実にお答えできるのは,「Androidベースの据え置き型デバイスを,Logitech/ロジクールとして製品化することはない」点だけです。
 ただし,それそのもの用かどうかはともかく,Androidベースのデバイスに向けた周辺機器というのは――これも具体的にはお話できませんけれども――可能性は見出しています。

4Gamer:
 一方,先ほどお話が出たVRのほうはいかがでしょう。Ujeshさん個人の見解でも構わないのですが,いま,複数のメーカーからVR対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)が発表され,今後,その入力デバイスがどうなるのかというのがホットなトピックとなりつつありますが,そこに市場性はあると思いますか。

Ujesh Desai氏:
 私個人の意見としては,「YES」です。
 私達がVR対応HMDを作ることはありませんが,そこに向けた周辺機器というのは考えたいと思いますし,高い関心も持っています。

4Gamer:
 これも,公式の回答はいただけないと思うんですが,あえて聞かせてください。
 日本において,競技性の高いゲームジャンルというと,格闘ゲームがおそらく一番に上がります。FPSやMOBAの人気がないわけではなく,若いプレイヤーも増えてきていますが,いま,配信やら大会やらで一番の観客を集めているのは間違いなく格ゲーなんですね。
 そういう状況にあって,Logitech/ロジクールは,過去一貫して,アーケードスティックを出してきていません。格闘ゲーム,そしてアーケードスティックの市場性について,見解を聞かせていただけませんか。

Ujesh Desai氏:
 今日現在,そういった製品を作る計画はありません。ただ,私達としては,日本だけでなく,全世界市場を見渡したときに十分な可能性があるなら,しっかりしたものを作りたいという考えはあります。
 もちろん,具体的な製品開発計画はお話できませんが。

Capcom Cupの観客席
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4Gamer:
 ちなみにLogitech G/Logicool Gとしては,現在のところ,格闘ゲームの市場をどう見ているのでしょうか。ぱっと見ると,それこそEVOであったり,Capcom Cupであったり,かなりのプレイヤーと観客が集まって,世界規模で盛り上がっているようにも感じるのですが。

Ujesh Desai氏:
 いまの時点で,データを細かく分析できているわけではないのですが,数年前といまを比較すると,格闘というジャンルは高いレベルで商業化されている印象を受けます。一般ゲーマーの感心は高く,メディアへの露出は多く,競技人口も多いというのは,肌で感じているところですね。
 なかでも,いま名前の挙がったカプコンだけでなく,任天堂も興味を持って動いているというのは,私達もチェックしています。関心を持って動向を見守ってはいますよ。

4Gamer:
 そろそろ時間ということで,“大枠”の話を伺いたいのですが,UjeshさんがLogitech G/Logicool Gを率いる立場から,日本のゲーマー向け周辺機器市場が持つ可能性はどのように捉えていますか。

Ujesh Desai氏:
 日本が,Logitech/ロジクールにとって重要な国であるというのはもちろんなんですが,それとは別に,正直にお話すると,「どこの国でどういうトレンドになっているのか」を生で見てみたいと思っていて,だから今回,こうして日本に来たんですね。4Gamerさんのようなメディアの方と会ったり,お客さまとなるゲーマーの方々や店舗を実際に見たり,といったことを,いま,各地でやっています。
 今日はこれからLEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUEを見ますが,そのあとはすぐに上海へ飛ぶ予定だったりもします。

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4Gamer:
 いやもう,本当に,お忙しいところ時間を取っていただいてありがとうございます。
 最後,Ujeshさんが率いるLogitech G/Logicool Gに,エンドユーザーたるゲーマーは何を期待できるかを教えてください。

Ujesh Desai氏:
 私のミッションとしては,第一に,製品のよさを伝えていかなければなりません。デザインだけでなく,今日お話したエンジニアリング関連についても,ですね。
 それと同時に,ユーザーに喜んでいただける製品を,これからも世の中に送り出し続ける必要があります。

 前職のキャリアが長かったので喩えに使ってしまいますが,「GeForce」とい聞いたときにエンドユーザーが感じる「品質・性能の高さ」というイメージはありますよね。それと同じというか,ユーザーに興奮してもらえるようなブランディングを,Logitech G/Logicool Gでもに強化していきたいと考えています。
 今日,私達は皆,インタビューを受けるにあたって,Logitech G/Logicool GのTシャツやパーカーを着ているわけですが,ゲーマーの人達に,こういう服装をして喜んでもらえたり,友人同士がLogitech G/Logicool Gの製品について自然と話しあえたりするような,それだけのブランドに育て上げたいという目標があります。なので,それに期待していてください。

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