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[韓国ゲーム事情#457]「巨商2」年末に韓国でβテスト開始
「巨商2」の詳細が判明,年末にはクローズドβテスト開始(2005/12/26)
Text by Kim Dong Wook特派員
G★2005のインタビューなどで,実体がおぼろげに浮かび上がってきた経済オンラインゲーム「巨商2」。本日12月26日,テスター500人での最初のクローズドβテストを12月31日から行うとの発表があり,本作に対する注目が集まっている。
前作の舞台はアジアのみだったが,巨商2では,スペイン,ポルトガル,イギリスなど西洋から,アフリカ,アジア,そしてアメリカ大陸まで含んだ世界で,“商売”を行うことになる。そういった世界規模の「経営システム」「株式システム」などで,より奥深い経済システムを体験できるという。
ここで,本作の最初のクローズドβテストの発表とともに公開された,「傭兵システム」と「株式システム」,そして「ギルドシステム」「クエストシステム」などの特徴を紹介してみよう。
前作と同様,本作でもプレイヤーをサポートしてくれる傭兵が登場する。
本作では,「傭兵カード」と呼ばれる特殊なアイテムを利用して,傭兵を召喚できる。このカードは,平常時には記録簿(カードアルバム?)に保管して管理する。なお前作では10人以上同時に雇えたが,巨商2では同時に召喚できるのは二人までなので,必要に応じて記録簿から出し入れするという感じだろうか。これは,前作のようなストラテジー方式の戦闘システムから脱皮し,より迫力あふれる戦闘システムとするための試みなのかもしれない。
傭兵は,戦闘を通じて一定量の経験値を獲得すればレベルアップする。傭兵カードは,大きく銅,銀,金,クリスタルの4段階に分けられていて,各傭兵カードによって上限レベルが制限されている。また,カードごとに指定された特定アイテムを使えば,上位段階へアップグレードも可能だ。
巨商2の重要な移動手段である「船舶」は,海上での貿易や,戦略的な要衝地の確保,文化遺跡の発掘などに,欠かせない存在だ。海賊などの敵対勢力がしばしば出没することもあり,巨商2での海上戦はなかなか派手で,艦砲攻撃や体当たりなどの戦法が用意されている。
また本作には,戦闘中に行う「戦闘ミッション」があちこちに隠されており,プレイヤーは戦闘中にまったく気を抜くことができないという。
戦闘ミッションとは,段階別にランダムに出現するもので,決まったコンビネーションカウンターの達成や,一定ダメージの達成などの目的が与えられる。ミッションを達成したときは,その戦闘ミッションのレベルによって報酬を得られるわけだ。
■株式システム
巨商2の経済システムを支える要素で一番重要なのが,「株式システム」だ。「株式」というと,なんだか難しそうだが,ゲーム内でとても簡単に学べるように設計されている。複雑な数字の出てくる要素は極力なくしてあり,基本的な取り引き要領さえ学習すれば,誰でも簡単に株式を利用して収益を上げられる(可能性がある)のである。これはゲーム内ゲームとして,多くのプレイヤーに注目されそうだ。
本作での株式は,ギルドを運営するための資本として使われる。というのも,株式を売却して得られた資金は,ギルド運営だけに使われるよう設計されているのだ。ギルドの株式を1株でも保有したプレイヤーは,「株主」の一員としてギルドに対する権利と義務を持つようになる。
株式は,ギルドが5レベルまで成長すれば,2万株まで発行できる。これを購入したプレイヤーは,普通の株主の地位を持ち,ギルド資金で割り当てられる配当金を受けることができる。
株式の価格は,ギルドの規模によって決まる。本作で面白いのは,現実の株価が上場企業の成長や売り上げによって上昇/下落するように,ギルドが占有した都市の数とギルド員達の能力,ギルドのイメージ,ギルド間の利害関係などが株価に影響を与えること。これが,現実世界の株式市場と非常に似た感じを与えているのだ。
■都市システム
巨商2での都市は,村→町→小都市→大都市の4段階で発展する。各都市には,「市役所」「交易所」「居住地」「港」の計4個の主要建築物が基本的に揃っている。また,等級によって1個ずつ,もしくは2個ずつの建物スロットが追加されていき,最大9個の建物を構成できる。
建物の追加は,市長に選出されたプレイヤーの責任の下に行われるが,相当な量の建設材料が必要となる。この建設材料は,都市クエストを通じて,各都市に属した市民とギルド員が揃えていくのだ。
こういった過程を経て,初期段階では人口が数十人未満の「村」が徐々に大きくなって,「町」や「小都市」,そして最終的には「大都市」へ発展する。この都市を基盤として,プレイヤー達は各種税金や利潤を土台に莫大な富を創出できるのだ。しかし逆に,人口や交易所の収支が減れば,都市が「退化」する最悪の事態にもなりかねない。
■ギルドシステム
巨商2では,低レベルのプレイヤーキャラクターでも,ギルドに加入できる。ギルドメンバーは,ギルドが保有している都市でアイテムを購入すると,税金と手数料が免除される(=安価にアイテムを購入できる)という特典がある。
そしてその後ギルド運営スタッフ(20レベル以上)になれば,ボーナス経験値とギルド運営資金をもらえるようになる。
なおゲーム内時間での毎月1日には,都市の税金と建物の利用料などが精算され,ギルドメンバーへの給料や,都市をアップグレードするギルド発展基金に充てられる。
■クエストシステム
巨商2のクエストは,経済クエスト,都市クエスト,戦闘クエストの3種類が用意されている。
経済クエストは,交易を通じて利潤を発生させる,制限時間内に交易品を入手するなど交易にかかわるクエストと,出張商人の呼び出し,遺物発掘,落とし穴設置,爆発物設置などの独特な「経済スキル」を必要とするクエストに分けられる。
都市クエストは,都市に属したプレイヤーだけが遂行できるもので,都市をアップグレードしたり,都市の建物を建てるときに必要な建設材料を集めたりするクエストだ。都市に属しているプレイヤーなら誰でも自動で受けられ,これを達成すれば信用度や経験値を得られる。
なお「信用度」とは,交易で利潤を得るたびに獲得する特殊な経験値である。信用度をアップして信用等級が上昇すれば,経営と関連したさまざまな機能を使用可能になる。
本作は,2003年から60人あまりの開発者を投入して開発されてきたゲームだ。韓国業界で期待作と呼ばれ続けている「グラナド・エスパダ」「SUN」「ZerA」などのようにスポットライトを浴びることは少ないが,経済オンラインゲームとして,ジワジワと国内外で注目を集めており,最近ではMMORPGのダークホースとして評価されるようになってきている。
本作の開発を統括するチームリーダーKim Mu Kwang氏は,ハック&スラッシュスタイルからの脱皮に全力を尽くし,プレイヤーが本当に願う面白いゲームを作ることを目標としていると語っており,「3年の開発期間を経た今,私達はその解答を見つけたようです」と,本作に対する自信をあらわにしている。
なお,同社の関係者に日本サービスに関して問い合わせてみたが,「現在,経営陣が海外サービスに関して積極的に動いています。個人的な見解では,その地域の中に日本も含まれているとは思いますが,まだ何も公表されていませんので,それ以上のことは分かりません」という回答しか得られなかった。しかし,本作の主人公キャラクターの一人である「鈴木順子」の存在は,やはり日本サービスを企画段階から念頭に置いていたということを意味するのではないだろうか。
- 関連タイトル:
巨商2:黄金の支配
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