テストレポート
1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報
さてこの1.1パッチには,修正項目として「マルチGPUのアップデートフィックスを適応」(※リリースノートより原文ママ)というものがある。さらに海外のパッチ配布サイトでは
- Improved SLI / Crossfire support and performance
- Improved overall rendering performance (DX9 and DX10)
などと,パッチの適用によってパフォーマンスの向上する可能性が示唆されていた。また,1月9日の記事でお伝えしたように,NVIDIAはシングルカードおよびNVIDIA SLI(以下,SLI)構成時のパフォーマンスが向上する(※SLI動作時はForceWare 169.28 Betaグラフィックスドライバの利用が推奨される)としており,期待した人も多いのではないだろうか。
描画負荷が高く,“重い”ことで知られるCrysisだけに,不具合が修正されると同時にパフォーマンスが向上するのであれば,それは大いに歓迎できる。実際のところどうなのかを,時間の許す限り調べてみたので,まずは速報としてお届けしたい。
現時点で“パッチによるパフォーマンス向上”は確認できず
また時間の都合で,今回はかなり変則的なテストとなっている。まずシングルカード時は,1024×768/1280×1024/1600×1200/1920×1200ドットの4解像度において,「標準設定」でスコアを取得。一方SLI構成時は,1600×1200/1920×1200ドット時について,「標準設定」と「高負荷設定」を切り替えながらテストを実行した。いずれも場合も,Crysisのバージョン1.1(1.1.1.5879)と同1.0(1.1.1.5767)のスコアを比較する。なおテストに当たっては,Windows Vistaの月例アップデートをすべて適用したうえ,NVIDIAが推奨するHotFixもすべて適用済みだ。
というわけで,テスト結果をまとめたのがグラフ1,2である。シングルカードでは1.1パッチの適用によって平均フレームレートはやや低下。SLI構成時は,若干のスコア向上となった。
実のところ,当初はWindows XP環境でテストを行っていたのだが,同じハードウェア構成において,解像度1920×1200ドット時の標準設定でSLI構成のスコアを取ると,1.1パッチ適用時のほうがスコアが下がってしまった(※1.1:36.94fps,1.0:37.39fps)。そこで,「ひょっとして,Windows Vistaでしかスコアが上がらないのではないか?」と考え,検証し直した結果が,上のグラフだったりする。
さらにいえば,1.1パッチでは新たに「Benchmark_CPU2」というベンチマークテストが追加されており,これについても分析を行う必要があるだろう。グラフィックスカードメーカー筋からは,「NVIDIAは,より新しいバージョンの“Crysis用”ForceWareを用意している」という情報も聞こえてきているので,とにもかくにもより多くのデータを集めたうえで,近いうちにより詳細なレポートをお届けしたい。
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