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「コンテンツは無料じゃないんです」――いつもの切れ味で語る遠藤雅伸氏に,MMORPG「ドルアーガの塔」の2010年について聞いてみた
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印刷2010/04/17 12:03

インタビュー

「コンテンツは無料じゃないんです」――いつもの切れ味で語る遠藤雅伸氏に,MMORPG「ドルアーガの塔」の2010年について聞いてみた

協力プレイの難度を下げることで,ゲームが持つ面白さのベクトルと質を変えていく


画像集#008のサムネイル/「コンテンツは無料じゃないんです」――いつもの切れ味で語る遠藤雅伸氏に,MMORPG「ドルアーガの塔」の2010年について聞いてみた
4Gamer:
 そのほか,ドルアーガに対して求めていることはありますか? そういえば遠藤さんは以前から,ワープシステムというか,ドラクエでいうところの「ルーラ」の呪文がほしいと発言していますね。

遠藤氏:
 ええ,僕はドルアーガをプレイし始めたばかりの頃はずっと,「ルーラがない」ってシャウトしていました。

大槻氏:
 キャラの移動に時間がかかるように設定したのは,ほかのMMORPGと同様,速度向上アイテムやワープアイテムを有料で提供するという事情もあったからですが,そういう部分についても見直しを検討しています。
 例えば,ゲーム内通貨を消費することでワープさせてくれるNPCをもっと増やしたとしても,もしゲーム内通貨を使いたくなければ,有料アイテムを購入する方法も採れるわけです。

遠藤氏:
 僕がリクエストしているのは,大人数で強敵を倒すコンテンツです。ドルアーガは,システム上,PvPや大規模戦はマッチしません。では,皆で力を合わせて同じ敵に挑むという,今風の仕組みを用意するにはどうすればいいんだろうというところから考え始めて。パーティを組まずに,一人で参加しても褒章がもらえる仕組みなら,これを実現できるだろうかと。
 以前行った「ラジャフマラソン」の中で,「サトフルの魂」という,攻撃してこない代わりに,やたら体力が高い敵を倒すイベントをやったんですよ。みんなで寄ってたかってバシバシ叩くしかないんですが,倒すまでがあまりにも長く,途中で寝てしまう人が出てくるほどです。「アイツ,返事がなくなったな。きっと寝てるぞ」って(笑)。

4Gamer:
 それこそ単調な作業の繰り返しですからね。

遠藤氏:
 でもその反面,前で敵を叩いている人達にバフをかけてあげる人も現れて,これはいいなあと思ったんです。直接叩いていないとはいえ,バフをかけている人達も戦闘に参加しているわけですよね。そういった人達にも何らかの形で褒賞を出してあげればいいんじゃないかと考えているんです。

大槻氏:
 そのイベントでは,運営としても予想以上にいい感触をつかみました。単調な分,チャットでのコミュニケーションがとりやすく,会話が活発に飛び交っていたんです。そのとき,ドルアーガのプレイヤーは,人と戦うより,一つの目的に向かって皆で力を合わせることを好む傾向が強いということを実感しました。
 そこで2010年後半の実装を目指し,1体の敵を皆で倒すコンテンツを企画/開発しているところです。遠藤さん監修のもと,ストーリーの面から原作ファンの期待にも応えられるものを目指しています。

遠藤氏:
 この敵を単なるボスモンスターにしないのは,現状,デスペナルティが存在するからです。死体の山を築きながらボスモンスターを討伐するのが好きな人もいますが,逆に,デスペナルティに対するリスクを嫌って挑戦しない人もいます。何のリスクもなくていいのかという意見もあるでしょうが,例えば,倒されたらどこかに引き戻されるというだけでも立派なペナルティであるわけで,そういうものでいいんじゃないかと思うんです。

4Gamer:
 なるほど。

画像集#009のサムネイル/「コンテンツは無料じゃないんです」――いつもの切れ味で語る遠藤雅伸氏に,MMORPG「ドルアーガの塔」の2010年について聞いてみた
遠藤氏:
 それから,塔の敵が強すぎるので,2段階ぐらいずつ弱くしましょうと伝えています。塔の攻略は,手順の分かっているパズルを皆でガンガン解き進めていく感覚でいいと思うんですよ。数独などのように,簡単な問題でもどんどん解いていくことが楽しいんです。今,塔はそんな楽しみが味わえるコンテンツになりつつあるので,それを推し進めるために,敵をもっと弱くしたいと思います。
 緑スライムなら,5人パーティの各メンバーが1回ずつ叩いたら倒せるくらいで,ちょうどいいんじゃないでしょうか。横から邪魔が入ったり,何十分も戦わないと倒せなかったりすると,解き進めていく楽しさがなくなってしまうんですよ。

4Gamer:
 それを聞いて思い出したんですが,近年日本でヒットした,協力プレイのできるコンシューマゲームを見ると,非常に難度の高いミッションに皆で挑戦する要素だけが,必ずしもウケているわけじゃない気がします。

遠藤氏:
 ゲームには,弱い敵を蹂躙するのが楽しいという側面がありますからね。

大槻氏:
 確かに,現状の塔では,5人パーティでプレイすることが前提となっており,難度がやや高めに設定されています。

4Gamer:
 今話題に出した,協力プレイに主眼を置いたゲームでは,逆に難度の高さを追及して,一人でストイックに挑戦するという人もいますね。

遠藤氏:
 実際,ドルアーガのプレイヤーにもいますよ。通常は,5人パーティで3分以内に仕留めるでっかいスライムを,一人で1分以内に倒すっていう人が。これは想定されていない遊び方なので,かなり困難なはずなんですが,彼らはそのための努力を惜しまないんですね。
 もちろん,そうした一見無理なことを達成するためには,攻略手順の構築だけでなく,特定のテクニックの習得が必要です。これは,システムやアルゴリズムの穴を見つけ出すという意味も含みます。

4Gamer:
 いわゆる“裏技”ですか。

遠藤氏:
 そういうことです。ただ開発/運営に対しては,そういう穴を潰すより,そもそもの難度を下げましょうといっています。そうするだけで,面白さの質が大きく変わってくると。

画像集#010のサムネイル/「コンテンツは無料じゃないんです」――いつもの切れ味で語る遠藤雅伸氏に,MMORPG「ドルアーガの塔」の2010年について聞いてみた


ゲーム内に留まらないコミュニティの醸成に期待。公式オフラインイベントが実現か?


画像集#011のサムネイル/「コンテンツは無料じゃないんです」――いつもの切れ味で語る遠藤雅伸氏に,MMORPG「ドルアーガの塔」の2010年について聞いてみた
4Gamer:
 遠藤さんは,コミュニティとしてのドルアーガについてどう考えていますか?

遠藤氏:
 プレイヤーの年齢層が高いこともあり,ほかのオンラインゲームと比較して落ち着いている印象です。罵り合ったりすることが少ない点は,とてもいいと思います。逆にルールにうるさい人もいて,そこはもうちょっと混沌としていてもいいかなと感じますが。
 あとは,何らかの形で,ゲームの中だけに収束しないコミュニティができればいいかなと思います。公式オフラインイベントでもやればいいのにといっているんですが(※編注:インタビューの実施後,遠藤氏がMCを務めるラジオ番組の公開収録イベントの実施がアナウンスされている)。

4Gamer:
 遠藤さん自身,個人的にオフ会を開いたりすることがあると聞きました。

遠藤氏:
 熱心にプレイしている人とは,しばしば会っているんですよ。中には,都合を合わせて,地方から来てくれる人もいます。あらためて考えると,もともとネットワークは地方分散型だったはずなのに,今ではなぜか都市集中型になっていることに,不思議な感覚を覚えますね。

4Gamer:
 なるほど。

遠藤氏:
 ともあれ,そうやって話をすると,彼らが一生懸命,真面目にプレイしてくれていることや,いろんなことを考えながら遊んでくれていることが分かるんですよ。そのほか,ずっとゲーム内にいる人や,ガチャの内容が変わるたびに1万円以上使うという人もいます。今は毎週,ガチャの内容を変えているんですよね。

大槻氏:
 ええ,ほぼ毎週変えるようにしています。

4Gamer:
 月に数万円ですか。一つの趣味としては相当の注ぎ込みようですね。

遠藤氏:
 それにしても,僕があれだけ「買うな」といった,5万円もするネタ装備を本当に買ってしまう人がいたことが……。最初に知ったときのガックリ加減といったらありませんでした(笑)。購入した人には,できる限り直接会うように努めています。「ありがとうございました。申し訳ありません」って,謝らなきゃいけないと思いますので。

大槻氏:
 運営としても,「ボッタクル商店」の超高額アイテムはあくまでネタのつもりで提供しましたので,本当に売れたときにはとても驚きました。

遠藤氏:
 ただ,実際に購入した人に聞くと,ブランド物のバッグと同じで,ある種のステータスになるから手に入れたというんです。その言葉にすごく納得したので,突然“パチ物”が登場したときは私もビックリしましたし,「偽ブランドは許せない!」という意見がたくさん寄せられました。

大槻氏:
 似たようなカラーリングの装備を出してしまったときの話ですね。

遠藤氏:
 「よく見たら,やっぱりパチもんは出来が悪いなー」とか,「素材は似てるけど,工数がかかってないね」という意見も聞かれましたけどね。


「ボッタクル商店」での取扱商品の新ラインナップを検討中。有料アイテムを用いたパフォーマンスが流行?


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4Gamer:
 今後は,ボッタクル商店をどのように展開していく予定ですか?

大槻氏:
 実は今,新ラインナップを遠藤さんに考えてもらっていますので,そのうち発表できると思います。

4Gamer:
 また高額アイテムを購入されてしまうと,遠藤さんとしては大変ですね。

遠藤氏:
 ええ,何かこう,ガックリするものなんですよ(笑)。
 そういえば最近,とあるプレイヤーが“街中で死ぬ”ところを目撃しました。街中で死ぬのは結構難しいんですが,わざわざそのために,ボッタクル商店の「バーンボディ」を買っているんです。

大槻氏:
 これは,自分の体を燃やして周囲を照らし,今まで見えなかったモンスターを見えるようにするアイテムですが,同時に火傷のダメージを負うというネタアイテムです。

遠藤氏:
 街中で決闘して負けたとき,バーンボディを使って本当に死ぬんですよ。「それってデスペナルティは付かないの?」と聞いたら,「付きますよ〜」という答えが返ってきて。ペナルティがあるのが分かっているのに,わざわざお金を払って燃え死ぬって,どれだけ病んでいるのかと(笑)。
 でも,やっている人からは,「そういうパフォーマンスだから」という言葉が出てくるんですよね。

大槻氏:
 お金の件はともかくとして,想定していない遊び方を見つけて楽しんでもらえるのは,運営として嬉しいことではあります。

遠藤氏:
 ネタものアイテムに関しては,あまり高額にせずに提供することも大事だと感じますね。高いと遊びに使えませんから。
 先日,花火大会をやったときも,わざわざボッタクル商店で買った花火を使った人がいたんですよ。

大槻氏:
 無料で配布している花火アイテムでOKと事前に告知していたんですが,その人はあえて有料アイテムの花火を使っていたんです。開くと遠藤さんの顔になる花火なんですが,次から次へ,バンバン打ち上げていました。

4Gamer:
 人に楽しんでもらうのが好きなんでしょうね。

遠藤氏:
 ネタのためにお金を使えるだけの余裕があるんでしょう。このように,自分の価値観に対してお金を使う人は,喜んで払っているわけですから,それを阻害するのは逆に失礼にあたります。そういう人には,楽しさを助長するようなアイテムを提供することで応えてあげたいと思いますね。
 ただ,こちらの想定外の楽しみ方をされるので,なかなか難しいところですが。

4Gamer:
 確かに。

遠藤氏:
 一つのアイデアとしては,“走れば走るほど経験値が溜まる”といったアイテムが挙げられます。「このクエスト,あそこまでマラソンか。じゃあ,これを買っていこう」といった具合に使ってもらえたらいいと思うんです。目的地に着くまでに経験値を溜められれば嬉しいじゃないですか。まあ,おそらく,街の中では使えないといった制限は必要だと思いますが。
 そういえば,街の中でレベルアップした人って,まだいないんじゃないかなあ。

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近年のMMORPG市場が抱える問題は,“基本無料”という言葉に起因している!


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4Gamer:
 ところで,私自身,ファミコン以前からゲームに親しんでいますが,ここ十年ほどのあいだに台頭してきたオンラインゲーム/MMORPG特有の仕様や作法に戸惑うことがあります。説明すると長くなるのですが,要するに,それまで慣れ親しんできたゲームの文脈とはどうも違うぞと感じる部分があるんです。この違和感は,ここ数年で顕著になってきました。

遠藤氏:
 今のMMORPGが抱える問題の根本は,“基本無料”という言葉でしょうね。
 ちょっと話がそれてしまうかもしれませんが,僕はこの言葉がすごく嫌いで,自分自身が作ったものに関しては“お試し無期限無料”という言葉に置き替えてくれといっています。なぜかというと,作ったものを無料で遊ばれたくないからです。その代わり,例えば,お金を使わずに遊んでいるプレイヤーには,“お試し”という称号が常に表示されるようにすればいいんじゃないかと提案しています。

4Gamer:
 なるほど。

遠藤氏:
 その称号は“無課金プレイヤー”の証明ですから,お金を払わずに遊ぶことが一番と考える人には最高の栄誉です。そこで有料アイテムとして,“お試し”という称号も販売する。そうすると,最初に称号を買って無課金を装いながら,裏では有料アイテムを買うなんてことも可能となるわけです。

4Gamer:
 いいんですか,それ(笑)。

遠藤氏:
 あくまでも,そういう売り方もある,というアイデアの一つですよ。
 現実を見ても,運営や開発の予想とは異なるアイテムが売れたりするわけじゃないですか。逆に,人気があるアイテムをガチャに入れた途端,ゲームから離れていってしまう人もいます。「人気があるから出やすくしました」なんていわれると,それだけで不愉快ですからね。

4Gamer:
 ああ,そういうケースはよく耳にしますね。

遠藤氏:
 話を戻すと,“基本無料”なんて謳うから,タダでゲームを遊べると思う人が集まるんです。ところが実際には,お金を払うほど快適に遊べる構造になっているわけですから,真に受けて無料で遊ぼうとした人からは当然文句ばかりが噴出します。運営も人間ですから,それに逐一付き合っていたのでは参ってしまうでしょう。だから返答メールをテンプレートで終わらせたりすることになるんです。ゲーム内ではBOTを禁止する一方で,自分達の仕事がBOTのように作業化しているという(笑)。

4Gamer:
 それに対して,また文句をいう人は出てくるわけで,まさに“負のスパイラル”ですね。


「MMORPGは特別なゲーム」と認識されているようではダメ。初めての人も安心して楽しめる作品作りを


画像集#015のサムネイル/「コンテンツは無料じゃないんです」――いつもの切れ味で語る遠藤雅伸氏に,MMORPG「ドルアーガの塔」の2010年について聞いてみた
4Gamer:
 話をドルアーガに戻します。遠藤さんとしては今後,このゲームをどのように展開していきたいと考えているんでしょうか。

遠藤氏:
 長く遊べること,そしていろんなレベルの人が同時に遊べることを一番に考えたいですね。そのためには,より簡単にコミュニケーションをとれるようにする必要があります。
 また,先ほども話しましたが,MMORPGを初めて遊ぶという人にとって分かりやすい,プレイ開始までのチュートリアルのようなものが必要ですよね。例えば,マニュアルに「ウィルス除去ソフトの機能を一時停止します」なんて書いてあったら,その時点で,PCやネットの初心者は皆プレイするのを諦めてしまうでしょう。

4Gamer:
 確かに,初めての人にとって怖い一文ですよね。

遠藤氏:
 まして「個人の責任で行ってください」とか書いてあったら,もう……。そういうところをどのように解決していくか,ということでしょう。
 また,ゲームを始めたあとの操作説明なども,NPCが語るという形式でもいいし,「この人が何かしゃべりたがっているようです」という表示があってもいいし,よくあるチュートリアル形式を応用したものでもいいんですが,いずれにせよ,簡単に分かるものにしたいと思いますね。

4Gamer:
 なるほど。

遠藤氏:
 ともあれMMORPGが,別世界の特別なゲームであるかのように認識されてしまうようでは全然ダメなんですよ。今後のゲームは,やはり,ネットワークに接続して皆で遊ぶものになっていくわけです。そのとき,従来のゲームとのブリッジ役を果たすものが必要になります。例えば,「モンスターハンター」シリーズはMMO的な部分を持つMOですが,ドルアーガは,塔というMOの部分を持つMMOです。それなら,フィールド全体をロビー化するような手もあるんじゃないかと思うんですよね。

4Gamer:
 実をいうと私は,ドルアーガのβテストに参加したとき,フィールドはいいから塔の攻略だけやらせてくれという感想を抱きました。

遠藤氏:
 その当時と比べると,今はレベルの上がり方がかなり早くなっていますよ。コンシューマRPGだと,それほど長い時間をかけなくても,強くなっていく体験ができますよね。それとほぼ同じ感覚でレベルアップしていけます。

4Gamer:
 それなら,あまり時間が取れない人も取り組みやすそうです。
 もっと話を聞きたいところですが,ちょっと時間もおしてますね。これからのドルアーガに期待している人や,4Gamer読者に向けてメッセージをお願いします。

遠藤氏:
 ゲームを遊んでいる人に言っておきたいのは,「コンテンツは無料じゃない」ということです。“無料”と掲げてあっても,実際は必ず開発費がかかっていて,誰かがそれを負担しています。無料でも遊べるように作るのは作り手の良心ではあるんですが,もしコンテンツを楽しんでいるのであれば,それに対して適正な料金を払っていただきたいというのが本音です。
 じゃあ適正金額はいくらかといえば,僕個人は月に1000〜2000円だと考えています。これは逆に,作る側もそれくらいを想定して取り組まなければいけないということでもあります。

4Gamer:
 開発/運営と,プレイヤーの双方が幸せになれるのが,理想的な形ですね。

遠藤氏:
 ドルアーガをプレイしている人に伝えたいのは,まったりやりましょうということです。人より頭一つ出たからといって,楽しくなるようなゲームじゃありませんから。その代わり,皆と一緒に遊ぶことでよりいっそう面白さが味わえますので,ぜひほかの人に話しかけてみてください。何でもそうですが,コミュニケーションがないと殺伐としてしまいますよね。

大槻氏:
 今,ドルアーガを楽しんでいるという方には,コミュニケーションをとってナンボのゲームだと感じてもらえているのではないでしょうか。今後は,その部分を強化するとともに,遠藤さんに協力してもらいながら世界観やストーリーを充実させ,より長く楽しんでもらえる作品を目指していきたいと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 実はこのインタビューの中で,遠藤氏は大槻氏に対し,ドルアーガに関するいくつかの問題点を指摘していた。その一つは,コミュニティ強化の施策として実装した,ゲーム内掲示板に関してだ。

 大槻氏は,この掲示板が,もっとTwitter的に気軽に使われることを期待していたそうだが,実際にはそれほど利用されていないという。それを聞いた遠藤氏はすぐさま,Twitterのようにしたいのであれば,投稿時間を表示させることが必須だと述べ,さらに,「つぶやき」というタグで分類できるようにすれば書き込みやすくなると説明していた。非常に的確で,なおかつ実現の容易なアイデアだと,こういう部分でも感心することしきりだ。

 また,「適正な料金を払っていただきたい」との発言には,無料の範囲で遊んでいるプレイヤーがある種の不快感を覚えるかもしれない。しかし,このあたりが実に遠藤氏らしいメッセージであり,その発言の直前を含めれば「楽しくもないコンテンツなら料金など払う必要はない」という意味だったりもする。プレイヤーがゲームを続けるのは,楽しいコンテンツが提供されているからであり,楽しめるコンテンツの提供が継続できるのは,プレイヤーがお金を払ってくれているから,という理にかなった前提に立っての発言なのだ。
 新コンテンツの企画/監修を手がけることになった遠藤氏の,ドルアーガにかける意気込みが,言葉の端々から感じられたインタビューだった。



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  • 関連タイトル:

    ドルアーガの塔〜the Phantom of GILGAMESH〜

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