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キーワードは“黒ギル”と“コンテスト”。遠藤雅伸氏が登壇し,最新情報も発表された「ドルアーガファンミーティング2013」レポート
イベントにはプロデューサーの沼田健佑氏と,原作にあたるアーケードゲーム「ドルアーガの塔」を制作し,本作ではスーパーバイザーを務める遠藤雅伸氏が登壇し,今後行われるアップデートの情報や,制作裏話などを語るトークステージを実施した。本稿では,そんなイベントの中で公開された情報を,会場の様子とあわせてレポートしていく。
なおイベント中,遠藤氏と沼田氏への独占インタビューも行うことができた。その内容は本稿の最後に掲載しているので,興味がある人はそちらもチェックしてみてほしい。
「ドルアーガの塔〜the Recovery of BABYLIM〜」公式サイト
新コンテンツのキーワードは「黒ギル」と「コンテスト」
10月10日(超塔の日)に“何か”が起こる
アップデート後のエニグマシステムには,複数のエニグマをクリアすることで解読できる「チェインエニグマ」と,クリア内容の評価に応じた報酬が得られる「アブソリュートエニグマ」,そして両者の特性を併せ持つ「コンプリートエニグマ」という3種類の要素が追加される。
沼田氏によると,アブソリュートエニグマには,下から順に“ベーシック”“マニアック”“アブソリュート”という3段階の解明度(評価)が用意されており,その評価によって手に入るアイテムなどが変化するらしい。また,指定された複数のエニグマで“アブソリュート”の評価を受けることで,関連するコンプリートエニグマが開放される仕掛けになっているという。
沼田氏は,プレイヤーの習熟によって本作の“謎の賞味期限”が短くなりつつあることに触れ,「謎を1回解いただけでは終わらない,ひとつの答えに複数の解法がある,いわゆる数学の問題のようなコンテンツとして,これらのエニグマシステムを制作しました」と語った。
また,ニアバーナ実装後には,すでにゲーム内で確認できるものの,実際に戦えなかった女神「ティアマト」とのバトルが解禁されるという。しかし沼田氏は,「一応HPなどは設定していますが,間違いなく瞬殺されます」とも語っていた。ただし,ティアマトに敗北してもデスペナルティはないとのことなので,ティアマトが実装された暁には,思う存分にその強さを確認してみよう。
さらに,アップデート後に判明する「マップ同士の接続」についても,何らかの仕掛けを用意しているらしい。沼田氏いわく「分かる人が見れば“なるほど! そうなっていたのか”と分かる」という内容らしい。筋金入りの「ドルアーガの塔」ファンは,こういった点に注目してみるのも面白いかもしれない。
そして最後には,10月10日(超塔の日)に“何か”が起こる,という,新たな情報が発表された。沼田氏が言うところによると「黒ギル」と「コンテスト」をキーワードとした,大きな新コンテンツを実装予定とのこと。その“何か”に関しては,9月中に情報が公開されるそうなので,情報の公開を楽しみに待っていてほしい。
なお,エニグマシステムのリニューアルと,新マップ「ニアバーナ」の実装に関しては,こちらのインタビューでも紹介している。世界観設定についても触れているので,まだ確認していない人はぜひご一読を。
どんな質問にも正直に応える!
沼田氏と遠藤氏の一問一答Q&A
最初に語られたのは,「ドルアーガの塔〜the Recovery of BABYLIM〜」が開発されるきっかけとなった,アニメ版に関する裏話だ。遠藤氏は当時を思い出しながら「GONZO(アニメ制作会社)の偉い人が僕のところに来て,こう言うんです。僕は学生の頃,ドルアーガの塔に出会って人生が狂いました,だからアニメを作らせてください。って(笑)」と楽しそうに語った。ちなみに遠藤氏は,その提案に対して「すでに完成して一度手を離れた作品なので,誰がどう手を加えてもかまいません」と返答したそうだ。
実際のところ,アニメ版の評判は非常に良く,トークの中で遠藤氏自身も「とにかく面白かった」と絶賛していた。その展開の一環としてオンラインゲーム企画が動いていたことについては,「いつの間にか動いていてびっくり(笑)」と語っていた。
なお,アニメ版と本作のストーリーはかなり深く関わっており,次期アップデートのキーワードとなる「黒ギル」についても,「アニメ版を観た人であれば,大体の察しは付くと思います」とコメントしていた。
Q1:「牛クエスト」など,プレイヤー同士のコミュニケーションが大切になるコンテンツが,もっと必要だと思います。
A:必要性は認識しております。今回のエニグマシステムも,人と人との情報伝達が大切なコンテンツになりますよ。(沼田氏)
Q2:開発の優先順位はどのようになっているのですか?
A:以前に実施したアンケートをもとに優先順位を決定し,開発を行っていきたいと考えています。一番多かったのは,職業バランスの調整でした。(沼田氏)
Q3:60階,レベル120以降では何が起こるのですか?
A:アニメでは「ガーディアン」が登場しましたが,ゲームでも,何かを倒さなければいけないかな,と考えています。原作ファンとしては「倒すのは59階だろ!」と感じるかもしれませんが,こちらは違う塔ですので,キリがいい60階をラインにしようかなと。(遠藤氏)
Q4:バランス調整,する気はあるんですか?
A:あるよーん!(遠藤氏)
Q5:ゲーム中における「塔」というコンテンツの位置づけは?
A:塔に登るためにゲームにログインするような,もっと気軽に挑戦できる場所にしたいですね。(遠藤氏)
Q6:レベル80から99までのスキルは実装されないんですか?
A:いろいろ考えているので,必ずやります!(沼田氏)
Q7:アイデアだけ浮上して実現しなかった企画などはありますか?
A:UIのスキン化とか,跳躍の書だとか。開発順位が高くない便利機能や,ゲームバランスを変えすぎてしまうものは,企画に挙がっても実現はしていません。(遠藤氏)
Q8:スマートフォンとの連動などは用意していませんか?
A:面白い構想なので興味はあるのですが,現状では難しいところです。もしかしたら,MO空間である塔のコンテンツとしてなら,連動が実現できるかもしれませんが……。(遠藤氏)
オリジナル称号はすべて遠藤氏が考えたもので「そのうち2種類が,僕が面白いと思ったもの(ネタ)で,うち3種類がドルアーガ的な“The◯◯of◯◯”という,格好いいタイプです」と,落差が激しい内容になっており,当選者にはその場で称号が書かれたカードが手渡されていた。
イベントの全行程が終了すると,遠藤氏と朽木氏は「ゲームのほうも少しずつ良くなっているように思えます。沼田Pも頑張っているので,今後も楽しんでいただければと思います」(遠藤氏),「初めてのことが多く,つまづくこともありましたが,その中で自分の成長も実感できました。今後も引き続き,みなさんの声を聞きながら運営を続けていきたいですね」(沼田氏)とコメント。それをもって,今回のオフラインイベントは終了となった。
最後に,遠藤氏と沼田氏へのミニインタビューを掲載して,本稿の締めくくりとしたい。今後のアップデート内容についても触れているので,本作のプレイヤーはぜひチェックしてほしい。
――オフラインイベントに参加してみての感想をお願いします。
遠藤氏:
昔からずっと(「ドルアーガの塔」を)プレイしてくれている人以外にも,ここ1〜2年でゲームに入ったという方がチラホラと見られたのが嬉しかったですね。世間で言われているほど,上位陣ばかりが固まっているゲームではないんだなと感じました。新しくゲームを始めた人にとっては,かなり遊べるコンテンツが揃っているので,それが要因かもしれません。
――確かに,MMORPGはある程度アップデートを重ねてからのほうが,ゲームとしては遊びやすいかもしれません。
遠藤氏:
とくに塔のコンテンツは,次期アップデートで良くなる兆しが見えていて,実際にテストに参加された方に話を聞いてみても,ポジティブな意見が多かったように感じました。今,沼田Pが必死になって作っているので,辛評も好評も含めて,ちゃんと評価してあげてください(笑)。
沼田氏:
次期アップデートに関しては全部ひとりで企画したので,遠藤さんに良い評価をいただいたのは本当にありがたく思っています。
――遠藤さんはイベント中,来場者達と同じ席について,直接話をされていましたが,主にどんな話をしていたんですか?
遠藤氏:
やっぱり「ニアバーナ」の話をすると,食いつきが良かったですね。さすがに濃いファンが多くて「ギルのオヤジは出るんですか?」とか「ニアバーナに黒いドラゴンがいるのはおかしい!」とか,面白い声をたくさんもらいました。ちなみに「黒いドラゴン」は,今回発表した「黒ギル」関わる重要な要素です。しっかり理由付けがありますので,今後にご期待ください。
――今回のイベントは,どういった経緯で開催されたのですか?
沼田氏:
「ドルアーガの塔」というタイトルは,お客さん自身が“遊び方を作ってきた”という性格の強い作品です。今回のアップデートも,そういった遊び方を大切にしているので,実際にプレイヤー達と顔を合わせて,お話する機会を設けたい。そういった意図のもと,イベントを開催しました。
――ビュッフェ形式の食事があったりと,かなり豪華な内容でしたが,イベント参加者を少人数に絞ったことには,何か意図があるのでしょうか?
遠藤氏:
まずは,プレイヤーが一堂に会するプレミアム感を出すことですね。また,今ってSNSがあるおかげで情報の拡散が速いじゃないですか。なので,参加者が少なくても,会場で起こったことは多くのプレイヤーに伝わる思います。
――ついにアップデートの詳細が発表されましたが,そのコンセプトについて教えてください。
沼田氏:
イベントでも話しましたが,「謎の賞味期限」という言葉を課題としています。一回謎が解かれたら,その解法が拡散して終わり……という状況を打開しようと考えて作ったのが,新たなエニグマシステムです。イメージしたのは「ルービックキューブ」で,解き方が分かっても,その過程が毎回変化して,一度解いたあとも挑戦したくなるような内容を目指しました。
遠藤氏:
アーケードの「ドルアーガの塔」と比べて,謎が消費されるスピードが圧倒的に速いんですね。最近はよく,いかに“新鮮な謎”をお届けするかというテーマで,沼田Pと話し合っていますよ。
――アップデートの内容には,今後のストーリー展開を感じさせるような言葉も含まれていましたね。ドルアーガの塔と言えば,やはり60階に何があるのかが気になるところですが……。
沼田氏:
3月に僕のブログでも掲載しましたが,その後の展開についてもしっかりと構想を練っています。発表できるのは少し先になりますが,ぜひ期待していてください。
――やはり,ストーリー面ではアニメ版に関係する出来事が起こるのでしょうか。
沼田氏:
本作はアニメのスピンオフ作品ですが,アニメ版を視聴済みの方であれば,「塔を攻略して終わりという話ではない」ということは理解していただけていると思います。興味がある人は,ぜひアニメをチェックしてみてください。
遠藤氏:
アニメ版第2期のオマージュ的な展開は,もしかしたらあるかもしれませんね。次期大型アップデートでは,大規模な変化を用意しています。キーワードは,イベントでも話しましたが「黒ギル」です。……まぁ,分かる人なら,その言葉だけで分かるかもしれませんが(笑)。
――最後に,本作のプレイヤーの皆さんへメッセージをお願いします。
遠藤氏:
最初の頃は,僕が知らなかったMMORPGの常識と戦いながら,勉強の毎日でした。近頃は,MMORPGにもユーザーフレンドリーな要素が増えてきていて,それがジャンルの厳しい部分を払拭してくれるように感じています。プレイヤーの皆さんも,色々なことを考えながら遊んでくれていると思います。これからも,いろいろな意見をいただければ嬉しいですね。
沼田氏:
2012年8月に,本作のプロデューサーに就任して以来,分からないことだらけの中で進んできましたが,ようやくある程度“やり方”が見えてきました。お客さんをより大切にして,今後も「ドルアーガの塔」をどんどん良くしていきたいと考えています。
――ありがとうございました。
- 関連タイトル:
ドルアーガの塔〜the Phantom of GILGAMESH〜
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