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[COMPUTEX 2007#18]GeForce 8800&Radeon HD 2900両対応のハイエンドGPU向けクーラー3モデルがまもなく発売
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印刷2007/06/08 19:48

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[COMPUTEX 2007#18]GeForce 8800&Radeon HD 2900両対応のハイエンドGPU向けクーラー3モデルがまもなく発売

 GPU(グラフィックスチップ用)クーラーのブランドとして,日本国内でも比較的よく知られているArctic Cooling,Zalman Tech,Aerocool Advanced Technologies(以下Aerocool)の3社が,いずれも近々日本国内で発売予定というハイエンドグラフィックスカード用クーラーを展示していた。筆者が見つけた順に紹介していきたい。

●Arctic Cooling「Accelero Xtreme」

Accelero Xtreme。1台でメモリチップや電源周りなど,カード全体を冷却できると謳う。対応GPUはGeForce 8800 GTX/UltraおよびATI Radeon HD 2900 XTとのこと
 Acceleroシリーズを展開し,Tul(PowerColor)製グラフィックスカードで採用されていることでも有名なArctic Coolingの新製品は「Accelero Xtreme」。GPUと接触する銅製の枕から伸びる5本のヒートパイプが,2ピース構成で107枚のフィンからなるヒートスプレッダへとつながっていて,さらにそれを3連の80mm角ファンで冷却するという,2スロット構成を採っている。
 同社のマーケティングマネージャーであるPatrick Chung氏によると,今回展示しているのはプロトタイプであり,2007年8月の発売に向けて鋭意開発中。そのため,まだ詳細な仕様や価格,他製品との比較データなどは出せないとのことだったが,「3基のファンを利用するから,1基のときよりもファン回転数が下げられるうえ,冷却能力も高められる。だいたい,どう見ても冷えそうだろう?」(Chung氏)と自信満々だったので,期待していいかもしれない。

側面や背面など,別の角度から撮影してみた。2ピース構造になっているのは,ヒートパイプの長さを短くしつつ,ヒートスプレッダの面積を大きく確保するためと,カード上に搭載されているコンポーネントとの物理的な干渉を避けるためという


●Zalman Tech「VF1000LED」+「ZM-RHS88」

VF1000LED。条件付きながら,単体でGeForce 8800 GTX/UltraおよびATI Radeon HD 2900 XTまでをサポートする
 Zalman Techは,CeBIT 2007 Hannoverで初めて公開した「VF1000」を,製品に近いレベルにブラッシュアップ。「VF1000LED」としてCOMPUTEX TAIPEI 2007に出展した。
 VF1000LEDは4本のヒートパイプでGPUの熱をヒートスプレッダへ送り,それを最低回転数1400rpm,騒音レベルだと18〜28dBに留まるファンで冷却する仕様だ。Zalman Tech製品らしく,VF1000LEDは「ATI Radeon 9600」以上のGPUすべてをサポートするとされており,メモリチップ用のヒートシンク8個がセットになった状態で,早ければ今月中にも市場投入されるとのことだった。想定売価は55ドルと,少々高めである。

ZM-RH88
 ただし,Zalman TechのYongCho Yoo氏によれば,VF1000LED単体では,「GeForce 8800 GTX」を冷却するのに,少々心許ないという。GPU自体の冷却は問題ないが,メモリチップや電源周りなど,そのほかのコンポーネントに高負荷がかかったとき,対処しきれない場合があるとのことで,別途「ZM-RHS88」という製品も,想定売価30ドルで用意している。
 “ヒートシンクのプラモデル,作成前”といった外観のZM-RHS88だが,これはGeForce 8800 GTX/Ultra専用にデザインされたアルミ製のヒートシンク。VF1000LEDを取り付ける前にカードへ装着することにより,VF1000LEDのエアフローを利用したパッシブクーラーとして利用でき,動作安定性が格段に向上するという。
 合計すると85ドルで,日本円ではまず間違いなく1万円を超えそうな気配だが,国内での実績豊富なZalman Tech製品だけに,登場となれば注目は集めそうだ。

VF1000LEDとZM-RHS88を別の角度から


●Aerocool Advanced Technologies「Double Power」

Double Power。無段階切り替え式のファンコントローラが付属する
 GPUクーラーから離れたところにあるヒートスプレッダに2本のヒートパイプで熱を送り,ヒートスプレッダ部のファンで冷却するユニークな形状になっていたのが,Aerocoolの「Double Power」である。
 対応してくれたブース担当者が,それほど製品に詳しくなかったため,対応GPUについて最初は「AMDとNVIDIAのほとんど」という回答しかしてくれなかったのだが,少なくとも両社のハイエンドモデルはサポートしているそうなので,GeForce 8800 GTXやATI Radeon HD 2900 XTはサポートされていると見ていいだろう。ブース担当者いわく「製品名を忘れてしまったが,内部テストではZalman Techの何とかというクーラーよりも冷えた」そうで,なんとも頼りないが,少なくとも製品のデキに開発者レベルでは自信がある様子だった。

 ちなみに製品は,GPUから,PCI Express用外部電源コネクタなどが設けられたカードの後ろ側に向かって伸びる仕様。PCケースの作りによっては,3.5インチシャドウベイなどと干渉するような気もするが,状況が状況なので,詳細は分からなかった。2007年7月には日本で発売予定とされているので,詳しい仕様は国内代理店から明らかにされると思われる。価格は未定。

別の角度から。高さおそらく2スロット仕様の範囲内に収まるとは思うが,本体はかなり大型で,背も高い


 3社とも,NVIDIAやAMDの“次の一手”に関する情報はまだ持っていないようで,夏以降に登場するGPUに対応するかどうかまでは聞き出せなかった。とはいえ,GeForce 8800 GTXやATI Radeon HD 2900 XT用クーラーの選択肢が増えることだけは確かなので,ハイエンドグラフィックスカードを利用している人にとっては,嬉しくも悩ましい夏がやってくることになりそうだ。(佐々山薫郁)

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