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[COMPUTEX 2007#18]GeForce 8800&Radeon HD 2900両対応のハイエンドGPU向けクーラー3モデルがまもなく発売
●Arctic Cooling「Accelero Xtreme」
同社のマーケティングマネージャーであるPatrick Chung氏によると,今回展示しているのはプロトタイプであり,2007年8月の発売に向けて鋭意開発中。そのため,まだ詳細な仕様や価格,他製品との比較データなどは出せないとのことだったが,「3基のファンを利用するから,1基のときよりもファン回転数が下げられるうえ,冷却能力も高められる。だいたい,どう見ても冷えそうだろう?」(Chung氏)と自信満々だったので,期待していいかもしれない。
●Zalman Tech「VF1000LED」+「ZM-RHS88」
VF1000LEDは4本のヒートパイプでGPUの熱をヒートスプレッダへ送り,それを最低回転数1400rpm,騒音レベルだと18〜28dBに留まるファンで冷却する仕様だ。Zalman Tech製品らしく,VF1000LEDは「ATI Radeon 9600」以上のGPUすべてをサポートするとされており,メモリチップ用のヒートシンク8個がセットになった状態で,早ければ今月中にも市場投入されるとのことだった。想定売価は55ドルと,少々高めである。
“ヒートシンクのプラモデル,作成前”といった外観のZM-RHS88だが,これはGeForce 8800 GTX/Ultra専用にデザインされたアルミ製のヒートシンク。VF1000LEDを取り付ける前にカードへ装着することにより,VF1000LEDのエアフローを利用したパッシブクーラーとして利用でき,動作安定性が格段に向上するという。
合計すると85ドルで,日本円ではまず間違いなく1万円を超えそうな気配だが,国内での実績豊富なZalman Tech製品だけに,登場となれば注目は集めそうだ。
●Aerocool Advanced Technologies「Double Power」
対応してくれたブース担当者が,それほど製品に詳しくなかったため,対応GPUについて最初は「AMDとNVIDIAのほとんど」という回答しかしてくれなかったのだが,少なくとも両社のハイエンドモデルはサポートしているそうなので,GeForce 8800 GTXやATI Radeon HD 2900 XTはサポートされていると見ていいだろう。ブース担当者いわく「製品名を忘れてしまったが,内部テストではZalman Techの何とかというクーラーよりも冷えた」そうで,なんとも頼りないが,少なくとも製品のデキに開発者レベルでは自信がある様子だった。
ちなみに製品は,GPUから,PCI Express用外部電源コネクタなどが設けられたカードの後ろ側に向かって伸びる仕様。PCケースの作りによっては,3.5インチシャドウベイなどと干渉するような気もするが,状況が状況なので,詳細は分からなかった。2007年7月には日本で発売予定とされているので,詳しい仕様は国内代理店から明らかにされると思われる。価格は未定。
3社とも,NVIDIAやAMDの“次の一手”に関する情報はまだ持っていないようで,夏以降に登場するGPUに対応するかどうかまでは聞き出せなかった。とはいえ,GeForce 8800 GTXやATI Radeon HD 2900 XT用クーラーの選択肢が増えることだけは確かなので,ハイエンドグラフィックスカードを利用している人にとっては,嬉しくも悩ましい夏がやってくることになりそうだ。(佐々山薫郁)
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