［E3 2006＃184］人類の戦争の歴史を描く「Alliance」のプレイムービーをUp

　E3 2006の会場であるコンベンションセンター，そのWest Hallに続くエスカレーターの下でエンドレスに流されていたムービーは，何げに人の気をひく一本。「1973年エジプト」の文字に続き，エキゾチックな都市を縦横に駆け抜けつつ，プレイヤーキャラクターが激しい撃ち合いを繰り広げるのだ。コントラストの強い画面と描きこまれた建物は美しく，ディテールも細かい。また，銃撃戦の迫力もなかなかのもので，立ち止まってスクリーンを眺めている来場者の数も多かった。
　実はこれ，「こちら」で紹介した「Alliance: the Silent War」というゲームのプロモムービーだったのである。制作したWindward Mark Interactiveは2003年設立というまだ若い会社であり，本業というか，メインは3Dグラフィックスソフトの開発や，それを使った都市景観シミュレーション，コンサルティングなどを行うことだ。彼らは独自の3Dグラフィックスエンジンを開発し，そのテクニカルデモとして制作したのが本作とのこと。
　要するに異業種参入なわけで，これはFPS「Far Cry」が，ドイツのCryteckの作ったグラフィックスエンジンCryENGINEのテクニカルデモに近い位置づけだったことをちょっと思い出させる。彼らのエンジンは「Alliance Engine」と名付けられ，霧や埃，雲や煙など微粒子を表現する能力に自信があるようだ。ゲームの町並みの美しさはこんなところから来ているのだろう。

　それにしても，発表したばかりの新作を引っさげてのE3参入はなかなか気合が入った話である。ブースがエスカレータ下で，我々が「プレスキットをくれ」と頼んだら，用意していないからと目の前でプロモムービーをDVD-ROMに焼いてくれた，というのも新鮮かな。

　というわけで，もらったムービーのうち，ゲームプレイを撮影した一本を4GamerのサーバーにUpした。収録されているのは，E3で展示されていたものと同じで，作り込まれた建物の感じ，銃のディテール，兵士の動きなどをその目で確認していただきたい。このムービー，彼らの公式サイトにもあるのだが，4GamerにUpしたのは720×432ドットの高解像度版（公式サイトに掲載されているのは320×192ドット）なので，ファイルサイズはいささか大きいが，一見の価値ありだ。
　ダウンロードは「こちら」（6分50秒：194MB，MPEG-1）からどうぞ。ちなみに，元のファイルはDivXなのだが，サイズの都合上，MPEGに変換してUpしている。その点，お含みおきを。