インタビュー
萌えキャラ押しから一転,戦争主体のゲームへ路線変更。HUEの考える「エイカ オンライン エクソダス」リニューアルの意義とは?
すでに夏に行われた「HanbitStation 2010」会場でも戦争重視の概要は語られていたわけだが,どうしてそういうことになったのだろうか? 今回,4Gamerでは,その仕掛け人であるHUEの事業部長として総合プロデューサーを務める“偉い人”こと片野 健氏と,ディレクターの“ジャスティン氏”こと上原 弘靖氏に,路線変更に関わる話と2010年末から2011年にかけてのリニューアルおよびアップデートの方針などを聞いてみた。
戦争を軸に,イメージイラストや「プラン」の位置付けを変更。有料アイテムの大幅値下げも
「確かにプランを育成するシステムもありましたが,ゲーム内での位置付けは女の子を育てるというよりも,バフスキルを強化していくイメージでした。結局,バフを強化して,戦争に参加するわけですよね。そこで,今までエイカを続けてきた人はもちろん,これから始める人にも,すんなりと戦争に参加していただけるような流れを作っていきます」(偉い人)
その第一歩として行われたのが,イメージキャラクターの変更だ。なんと46歳のウォリアーを筆頭に,3体の男臭いキャラクターがずらっと並ぶ。今や,海外の開発者にまで「“可愛い”を打ち出さないと見向きもされない」といわれる日本のオンラインRPGにおいて,まさに逆を行くイメージ作りである。
「まずは戦争の中で培われる仲間意識,団結をアピールしようと考えました。プレイヤーが参戦可能になるまで,プランはいったん置いておこう,と」(偉い人)
とはいえ,せっかくここまで開発したシステムを使わない手はないと偉い人は続ける。そこで企画・開発されたのが,プランのコスチュームに,プレイヤーの能力をアップするオプションを追加する「プランエンチャント」だ。これは「プランがエルタ(プレイヤー)を徹底的にサポートする」という設定を活用したコンテンツで,ゲームの中心である戦争にプランを絡めるために考案された。
「プランを育成すると,エルタも強くなるという相互関係を作ろうと考えたんです。今まで癒しの存在だったプランを,戦争に巻き込んでしまうわけですね。すなわちプランは戦争を通じて,より重要な存在となります。まだ構想段階ですが,プランを馬に乗せられないかなど,いろいろ開発と話し合っています」(偉い人)
その一方では,従来の癒し路線に近い「タッチプラン」も実装される。これはプレイヤーの接し方に応じてプランがさまざまな反応を見せるという内容で,インタビュー時点ではまだ具体的になにができるのか教えてもらえなかったが,偉い人曰く「開発チーム長の一押しで,妙に力の入ったコンテンツ」とのこと。これまでプランのために本タイトルをプレイしてきたという人も,引き続き楽しめそうだ。
「低レベル向けマウント実装に先駆け,ネットカフェ特典として提供していたマウントをゲーム内マネーの消費で使えるよう開放したところ,大変好評でした」(ジャスティン氏)
「ビックリするほど高い利用率です。これに伴って,ネットカフェ特典の追加を予定しています」(偉い人)
またキャラクターボイスのカスタマイズを可能にする「音声切り替えシステム」が実装され,11月25日から有料アイテムとして追加音声が提供される。
「オンラインRPGには,プレイヤーキャラに自分の思い描く理想を投影する遊び方があります。そのとき最も印象に残るのが声ですから,今後も選択肢を増やしていく予定です」(偉い人)
「今回,オンラインゲームとしては久々に丹下 桜さんをプランとして起用して,プランをやってもらいましたので,注目が集まるのではないでしょうか。またエイカでは,ほかのオンラインゲームタイトルであまり起用されていない声優さんを選定するよう心がけました」(ジャスティン氏)
そして最も大きな改善は,有料アイテムの価格改定だろう。最大93%の価格引き下げをはじめ,ほぼすべての有料アイテムが値下げの対象となった。偉い人は「これまでがおかしかった」として,一から設定を見直したという。
「エイカは,低スペックPCでも綺麗なグラフィックスを楽しめるというコンセプトでサービスを提供しています。それなのに,有料アイテムが高いというのは明らかにおかしいということで,正常化を図るため,今回の価格改定に踏み切りました。
もちろん,今まで購入してくださった方のことも考えなければなりませんが,例えば1年かけて段階的に価格を引き下げるとなると,逆に難しいんです。そこで私が関わったことをきっかけに,一気にやってしまいましょう,と。売れているものも含めて値下げしていますので,大きな挑戦ですね」(偉い人)
2011年のアップデートを通じて「全レベルのプレイヤーが参加できる戦争ゲーム」に
2011年の展開としては,まず日本オリジナルデザインのマウントを現在開発中とのこと。プレイヤーからデザインを募集し,コンテストを行うことも企画しているという。
「これまで日本ではプランのコスチュームデザインに力を入れてきたのですが,そちらは世界観の構築込みで開発に任せることになります。戦争を軸にしたエイカの新しいコンセプトに沿って日本らしさを表現しようと考えた場合に,マウントに力を入れようと考えました」(偉い人)
また戦争をゲームの中心に据えるにあたり,解決しなければいけない課題もいくつか存在する。その一つが,戦争を楽しめるのはレベルキャップに近いプレイヤーだけという点である。
「そこで2011年は,全レベルのプレイヤーが戦争に参加できるようなゲームを目指します。具体的には,物資の補給やトラップの設置といった形で,レベルが低くとも戦争に参加できるようなものです。これらの要素はクエスト形式のもので,達成すると報酬が得られるような形で実装する予定です。最初は戦争の補助をしながらレベルを上げ,だんだん自ら戦うようになるといったものを目指します」(ジャスティン氏)
「エイカの場合はゲームの性質上,サーバーが5か国に分かれているので,コミュニケーションが活性化されにくい面があります。そこでEnterキーを押さずとも,即座にチャットできたり,エモーションコマンドを使って全体チャットに簡単な指示を出せるようにしたりといったことを考えています。
またエイカでは,4つのパーティでスクワッドを組めますので,最大24人で狩りをすることができます。そこでパーティマッチング機能を強化し,今まで以上にワイワイ狩りを楽しめるような環境作りを目指します」(ジャスティン氏)
そのほか2011年は,レベルキャップの開放に伴う経験値テーブルの見直しやボイスチャットの導入を予定しているとのこと。
偉い人とジャスティン氏は,今後のエイカ オンラインが,戦争を中心としたゲームとしてアップデートとバランス調整を行っていくこと,そしてプランはプレイヤーのサポート役として引き続き活躍すると,まとめた。
なお,11月16日に実装される「Uncharted sky island」の詳細に関しては,別途プレイレポートで紹介していく予定なので,そちらもお楽しみに。
「エイカ オンライン」公式サイト
- 関連タイトル:
戦場のエルタ ロード オブ マーシャル
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