Dave Orton氏(Executive VP Visual and Media Businesses, AMD)
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北米時間2006年12月14日に,AMDはニューヨークで投資&金融関係者向けのカンファレンス「2006 AMD Analyst Day」を開催。そこで旧ATI Technologies(以下ATI)の社長兼CEO,現在はAMDのビジュアル&メディアビジネス担当執行副社長を勤めるDave Orton(デイブ・オートン)氏は「Windows Vista世代のGPU(グラフィックスチップ)
『R600』は,第2世代の統合型シェーダアーキテクチャを採用するものになる」と明言した。
R600という開発コードネーム,そして第2世代の統合型シェーダというキーワードは,おおむね業界内の予想どおりだが,公の場でAMD(=旧ATI Techhnologies)のエグゼクティブが公言したのは今回が初めてのことである。
なお,R600は2006年現在の最上位となる,ATI Radeon X1900 XTX(R580+)の後継となる製品で,DirectX 10(Direct3D 10),プログラマブルシェーダ4.0(Shader Model 4.0)に対応するのが最大の特徴。NVIDIAの
「GeForce 8800」対抗として,近い将来に発表される見込みだ。
Analyst Dayのスライドより。「DX10 and Unified Shader Architecture」の文字が躍る(左)。右はロードマップだが,最右端にあるR600が2006年と2007年をまたぐようになっている点に注目
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Dynamic Game ComputingはGPUをグラフィックスだけでなく,汎用コンピューティングでも利用可能にする新技術。右端にはチップのイメージが! ……でも潰れていて型番は読み取れない
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オートン氏がわざわざ第2世代と呼んでいるのは,第1世代の統合型シェーダアーキテクチャとして,ATI時代に 「Xbox 360-GPU」(Xenos)をリリース済みであるため。氏は発表のなかで「今までにないほど効率のよいパフォーマンスになる」と強調していたが,これが積極的なプロセスルールの微細化(=65nm採用)を示すかどうかは,明言されなかった。業界内では,中間世代となる80nmプロセスを採用するとの見方もある。
またオートン氏は,R600世代で
「Dynamic Game Computing」という新技術を提供するとした。これはGPUをグラフィックスと汎用コンピューティングの両方で活用できるようにするものと見られ,ちょうどGeForce 8800に絡んでNVIDIAが発表した「CUDA」の対抗になるものと思われる。
FusionでGPUの在り方を変えると豪語するスライド
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このほかプレゼンテーションでは,CPUとGPUをマルチコア的に1チップ化したソリューション
「Fusion」についての予告も行われた。登場時期については明かされなかったものの,ロードマップで見る限り,2010年よりはずっと前となるような気配だ。
CPUとGPUを統合することで,(DirectXのような)外部APIセットを叩いてGPUを駆動するのではなく,業界共通のAPIセット,あるいはCPUの拡張命令の形で,GPUが直接プログラムから駆動される仕組みを提供するという。
NVIDIAとはかなりアプローチが異なるものの,GPUを汎用ベクトルコンピューティング用途に転用していこうという方向性は似てきている。今後のGPU進化はとても楽しみだ。(トライゼット 西川善司)
左:従来のGPUは,CPUから伸びる汎用バスにぶら下がる仕組み
右:CPUとGPUを統合することで,コストを下げるだけでなく,新しいコンピューティングパラダイムを生み出せると,AMDは主張する
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