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【PR】SteelSeriesの最新ヘッドセット「Siberia Elite」に驚いた件。そのポテンシャルは価格を大きく超える
そしてこの冬。SteelSeriesの源流から連なるSiberiaに,新たな動きがあった。最新世代の最上位モデルとなる「SteelSeries Siberia Elite」(以下,Siberia Elite)が発表されたのだ。Siberiaシリーズに完全新作が登場するのは,実に4年ぶり。Siberiaシリーズの基調色となる白と,より一般的な黒の2ラインナップで用意されるSiberia Elite(シベリアエリート)のうち,4Gamerでは今回,シリーズ伝統の白モデルを入手できたので,“SteelSeries保守本流”の最新作が持つ実力をチェックしてみよう。
Siberiaらしさを保ちつつ,接続性と機能が
イマドキなものとなったSiberia Elite
その最新作となるSiberia Eliteは,PCやMac,Android端末,iOS端末に正式対応。本体から伸びる平打ち麺のようなケーブルの先が,一部のコンパクトデジタルカメラで採用例の見られるUSBコネクタと同型のコネクタになっていて,この先に何を差すかで,Siberia Eliteは,正式対応とされるものだけでなく,さまざまなサウンド出力デバイスに対応可能なのだ。
たとえば自宅ではPC,外出時はモバイル端末&ポータブルゲーム機で使いたいなら,USBサウンドデバイスもしくは変換ケーブルだけ出力デバイス側に差しておくのもアリだろう。
このうち,USB Soundcard V2との接続時は,USB経由で十分な給電があることから,エンクロージャ(※耳を覆う部分)に埋め込まれたLEDイルミネーションがリング状に光るギミックも楽しめる。色は標準だとオレンジだが,後述するソフトウェア「SteelSeries Engine 3」から自由に選択可能だ。
USB Soundcard V2は,Dolbyのステレオ・トゥ・サラウンド技術「Dolby Pro Logic IIx」を用いることで,2chステレオや(PCゲームなどの)5.1chサラウンドを,7.1ch化。そのうえで,「Dolby Headphone」を使って仮想的な5.1ch音場を持つ2ch化し,Siberia Eliteへ出力するという流れだ。
その形状は,2004年に登場した初代Siberiaこと「Siberia Full-size Headset」から引き継いだオーバーヘッド型だ。2つのエンクロージャを柔軟性のあるアーチがつなぐ点や,アーチから独立した形でヘッドバンドが用意される点,左耳用エンクロージャにはブームマイクをしまえるようになっており,使うときだけ引き出せるという,初代Siberiaにあった特徴は,Siberia Eliteでもそのまま受け継がれている。
一般論として,密閉型エンクロージャは,側圧が高く,イヤーパッドも分厚いほうが,しっかりと密閉してくれるので,リッチな低音を得やすくなる。SteelSeriesも音質の向上を謳っている以上,これは「意図した大型化」であろう。実際のところは後ほど検証したい。
イヤーパッドは内側に向けても厚みがある。これが密閉感の向上に一役買っている印象だ |
頭と触れるクッション部はいい意味で普通。柔軟性もあって,装着時の違和感は皆無である |
ケーブルの途中に用意されるようなインラインリモコンだと,操作の前に「探す」という動作が必要になるのだが,エンクロージャ側にあると,思い立ったとき,すぐに調整できる。これは使ってみると非常に便利だ。
では,具体的に何が進化したのか,それはSteelSeries Engine 3と絡めて説明したいと思う。
統合ソフトウェア「SteelSeries Engine 3」は
マイク関連の機能が充実
前段で,LEDイルミネーションや,Dolbyの技術を用いたバーチャルサラウンドヘッドフォン機能はUSB Soundcard V2接続時に利用できる機能と述べたが,Siberia Eliteにおいては,USB Soundcard V2の機能をカスタマイズするためのソフトウェアツールという理解でいい。言い換えるとSiberia Eliteは,PCとのUSB接続時にのみ,追加でEngine 3に並んだ機能を利用できるのである。
Engine 3を見て気づくのは,メインの設定系として並ぶ6項目のうち,4項目がマイク関連項目であることだ。日本語訳が若干怪しいのはご愛敬だが,具体的には,下記に挙げる機能を設定できるようになっている。
- マイクノイズ低減:ノイズリダクションを思わせる日本語訳が当てられているが,その実態は,USB Soundcard V2に内蔵されたDSP(Digital Signal Processor,ここではサウンドチップ的な意)を用いて実現する,アクティブ型のノイズキャンセリング機能。有効/無効を切り替えて使う
- 自動マイク圧縮:声の音量差を緩やかに補正していくダイナミックレンジコントローラであるAGC(Auto Gain Control)。こちらもDSPによる機能で,やはり有効/無効切り替え式となっている
- マイク・サイドトーン:マイク音量のモニタリング機能。標準はミュートで,上に最大3段階引き上げると,自分の声をヘッドフォン部で聞けるようになる
- マイク音量:文字どおりのマイク入力音量調整機能。ダイヤルを回すような操作で設定できる
DSPを駆使してノイズキャンセリングやAGCを有効化するというのは,最近のPCゲーマー向けヘッドセットにおけるトレンドである。その意味においてSiberia Eliteは,PCゲーマー向けのトレンドをしっかり押さえたうえで,より広いデバイスでも利用できるようにしてきた製品とまとめられるだろう。
強烈なポテンシャルを感じるSiberia Elite
オススメは断然アナログ接続
では,実際の音を聞いてみたい。今回は,4Gamerにおけるサウンド系のメインライターである榎本 涼氏のアドバイスを得つつ,一部のテストでは実際に氏の自宅スタジオへSiberia Eliteを持ち込むなどして,音楽およびゲームの試聴テストと,マイク入力テストを行うことにした。
なお,PCでのバーチャルサラウンドヘッドフォン出力にあたっては,USB Soundcard V2経由のDolby Pro Logic IIx+Dolby Headphoneだけでなく,4Gamerで推奨しているRazer製ソフトウェア「Razer Surround」を使用したテストも別途行った。
SteelSeriesの競合であるメーカーのソフトウェアを使うことに抵抗はあったが,Dolbyのサラウンド技術は,USB Soundcard V2接続時にしか利用できない。読者のなかには,PCとアナログ接続したうえでRazer Surroundを使いたいと考えている人も少なくないという判断から,あえて用いる次第だ。
というわけで,まずは音楽の試聴から。
PCにUSB Soundcard V2接続した状態で,Dolbyのバーチャルヘッドフォン技術も無効化して聞いてみると,非常にバランスのよい音が得られることが分かる。大きなエンクロージャと,しっかり密閉するイヤーパッドのおかげで,重低音はたっぷりと存在しているが,“作った感じ”はなく,品がいい。落ち着いている,と表現することもできるだろう。
最近のゲーマー向けヘッドセットは,よくも悪くも中高域の自己主張が強いのだが,Siberia Eliteにはそれもなく,中域から高域まで破綻なく再生されている。
もっとも,この「USB Soundcard V2を使うと音量が小さい」点は,現時点でも,変換ケーブル経由で,それこそSound Blaster ZxRやスマートフォン,タブレット端末,ポータブルゲーム機といった,ヘッドフォンアンプを持つサウンドデバイスとアナログ接続すれば解決可能だ。そして,Sound Blaster ZxRのような,高品位のヘッドフォンアンプが搭載された製品と組み合わせた場合,Siberia Eliteの低域と高域は,価格からすると「抜群」と断言できるレベルにまで高まる。
半ば余談気味に続けておくと,榎本氏の自宅スタジオに設置されている音楽制作用のモニターヘッドフォンアンプと接続したときも,Siberia Eliteはよくある「高品位ヘッドフォンアンプに接続したら音が破綻した」とか「音が歪んだ」ということもなく,実に心地よい音で駆動できていた。これは入力レベルに十分な余裕がある証左と考えられる。Siberia Elite自体は,再生能力的に相当なポテンシャルを持っていると評していいのではなかろうか。
さらに,Sound Blaster ZxRにアナログ接続のうえ,Razer Surroundを有効化すると,従来型のバーチャルサラウンド技術によくある変調感がなくなり,高域と低域のクリアさも増す。それでいて,音楽を聴いたときに感じた「バランスのよさ」は崩れない。これは本当にすばらしい。
モバイル端末やポータブルゲーム機での印象も,アナログ接続ということもあって,Sound Blaster ZxRとの接続時と同様。「人目を引くこと間違いなしの大型ヘッドセットを装着したまま外出する」ことに抵抗がないなら,外出先で会っても,今までとは一線を画した音でゲームを楽しめるだろう。3万円以下の価格が設定されたヘッドセットで,この出力音質を確保できている製品はなかなかない。
公表されている周波数特性は75Hz〜16kHzなのだが,聴感上は,「低域をカットするハイパス(=ローカット)フィルターが適用されているより高い周波数に設定されたような印象で,同時にサンプリングレートを16kHzとしたような音質傾向」といったところ。余計なものを一切合切カットして,スピーチの内容をとにかく確実にチャット相手へ届ける方向で最適化されている,と述べたほうが伝わりやすいだろうか。ヘッドフォンはオールマイティなのに,マイクは“戦場仕様”なのは,なかなか面白い。
ちなみにマイク入力レベル(≒音量)は低めなので,PCゲームでボイスチャットを使うときは,Engine 3からマイク入力レベルを最大にして,AGCを有効化して,さらにノイズキャンセリング機能も有効化するのがお勧めだ。とくに,ノイズキャンセリング機能は十分な効果が見込める。
どんな使い方でも期待に応えてくれる
Siberia Elite。これは買いだ
もちろん,2万2800円(税込)と,相応なお値段ではあるわけで,当たり前ではないかと思うかもしれない。しかし,PCともモバイル端末ともポータブルゲーム機とも何の問題もなく接続できて,かつ,どういった接続形態でもしっかり鳴らせるヘッドセット/ヘッドフォンというのは,実のところ,それだけで相当に貴重だったりもする。「せっかく音質のよいヘッドセットを購入したのに,PCでしか使えない」といった不満をヘッドセットに感じているなら,用途ごとにそれぞれヘッドセットやヘッドフォンを揃えるより,Siberia Elite 1台にまとめて投資するのも一案だと思う。
音楽専用でもなくゲーム専用でもないのに中途半端さは欠片もなく,そして出力品質は明らかに価格を超えている。真の意味でオールマイティなヘッドセットを探しているなら,Siberia Eliteは間違いなく有力な選択肢となるだろう。
SteelSeriesのSiberia Elite製品情報ページ
人物写真 モデル:てくまくまぁや,カメラ:林 佑樹
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