連載
ハロー!Steam広場 第31回:奈落の底でプリズンブレイク
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんないい加減覚えろー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,「迷ったら積め!」が口癖の上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第31回は,格ゲーライクな戦闘システムが特徴の横スクロールアクション「Abyss Odyssey」をメインに紹介しよう。このほか,カジュアルな見た目とは裏腹に,かなり濃厚な刑務所経営シミュレーションゲーム「Prison Architect」や,NASAに隠された秘密を暴き出すホラーゲーム「Quadrant Horror Game」もあるので,お見逃しなく。
格ゲーライクな戦闘システムが特徴の横スクロールアクション「Abyss Odyssey」
今回は,「Zeno Clash」を手掛けたチリの独立系開発会社“ACE Team”による最新作「Abyss Odyssey」を紹介しよう。本作は,退廃的なビジュアルが特徴の横スクロールアクションゲームだ。プレイヤーは,自動生成されるダンジョンを探索しつつ,ボスが待ち受ける最下層を目指すことになる。
最下層へ辿り着くためには,10以上の階層を踏破する必要があるのだが,階層ごとの難度はバラバラだ。加えて本作にはRPG的な成長要素もあり,ある程度キャラクターを育てないと,使えるアクションが増えないので,いきなりクリアを目指すのは難しい。
ただし,本作はあくまでも“アクションゲーム”なので,キャラクターが成長したからといって,ゴリ押しでクリアできるものでもない。ダンジョンの最下層を目指すにあたって,最大の壁となるのが,モンスターとの戦闘なので,ここをどう切り抜けるかがポイントとなる。
戦闘は,牽制や飛び込み,投げ技や下段攻撃などを使い分けながら,モンスターのガードを崩して攻めるといった感じで,“差し合い”に重点を置いた格闘ゲームに近い印象だ。
ダメージを与え続けることで相手のガードを破る“ガードブレイク”や,技の隙を消して次の技を繰り出す“キャンセル技”といった要素もあり,モンスターも同等のアクションを使ってくるので,戦闘システムはなかなか濃いものになっている。
また,プレイヤーには青いオーブを拾うことで蓄積していく“マナゲージ”が存在する。これが満タンの状態で,通常攻撃と特殊攻撃を同時に行うと,モンスターの魂を捕縛する魔法が発動する。魂を手に入れると,そのモンスターに変身でき,アクションも固有のものになる。ちなみに,プレイヤーキャラクターとモンスターの体力は共有されないので,単純に残機が増えるものと考えていいだろう。
プレイヤーキャラクターが死亡すると,何処からともなく現れた衛兵に操作キャラクターが切り替わる。この状態でダンジョン内にある祭壇に辿り着けば,元のキャラクターで復活できるのだが,衛兵の状態で死亡してしまうと,装備品をすべてロストしたうえで,拠点から再スタートとなる。ただし,レベルと所持金は引き継がれるので,繰り返しダンジョンに挑むことで,少しずつ踏破できる階層も増えていくはずだ。
本作「Abyss Odyssey」は,横スクロールアクションが好きな人はもちろん,格闘ゲームが好きな人にもオススメできるタイトルだ。オンラインでの協力プレイや,対戦も用意されているので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。
「Abyss Odyssey」Steamページ(14.99ドル)
カジュアルな見た目とは裏腹に,かなり濃厚な刑務所経営シミュレーションゲーム「Prison Architect」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はIntroversion Softwareが開発中の刑務所経営シミュレーションゲーム「Prison Architect」を紹介しよう。
本作では,プレイヤーが経営する刑務所に囚人を入れると,政府から助成金という形でお金がもらえる。要するに,囚人の収容数が増えれば増えるほど,稼げるというわけだ。したがって,プレイヤーの最終的な目標は,大規模な刑務所を作り上げることにあるのだが,それ自体はシステム的に決められたものではないので,どんな刑務所を作るかはプレイヤーの自由だ。
ゲームをスタートしたら,まず刑務所として機能する最低限の施設を用意しよう。画面右下にある「Report」から「Grants」を選択すると,助成金がもらえるミッションがいくつか表示されており,一番上にある「Basic Detention Centre」を受注すると,必要な施設が画面右上の「Todo list」に書き込まれる。このリストに書かれている施設をすべて建てれば,とりあえず刑務所としての役割は果たせるわけだ。
囚人は24時間ごとに8人ずつ送られてくるので,まずは囚人を収容する施設を作ろう。施設を建てるには,「Foundations」から「レンガ」または「コンクリート」を選んで骨組みを作る必要がある。どちらか好きな方を選択したら,建てる場所を範囲指定して建築を開始しよう。
施設の骨組みが完成したら「Rooms」を選択して,施設の役割を決めよう。最初に来る囚人達はとりあえず収容できればいいので,集団収容が可能な「Holding Cell」で十分だ。Holding Cellを選んだら,その施設として機能する場所を範囲指定しよう。
場所を決めただけでは,まだ完成ではない。Holding Cellとして機能させるには,「ドア」「トイレ」「ベンチ」が必要であり,これらの配置が完了すると,ようやく囚人を収容できる。ここで注目したいのが,室内の照明とトイレの水についてだ。建てたばかりの状態では,電気も水も通っていないので,室内が暗いうえ,トイレの水が流れない。したがってプレイヤーは,これらのインフラも整備する必要がある。
まずは室内を明るくするために電気を通そう。電気は「Utilities」にある「Power Station」で作れるので,これを適当な場所に設置した後,「Electrical Cable」を電気が必要な施設まで引こう。ちなみにPower Stationの左に表示されているゲージは,電気の消費量を表している。これが最大値までいくと停電が起きてしまうので,必要に応じて「Capacitor」を設置し,電力の貯蓄を増やそう。
トイレやシャワーに必要となる水は,同じくUtilitiesにある「Water Pump Station」で作れる。水はパイプを伝ってそれぞれの施設に供給されるのだが,電気とは違って,必要とするオブジェクトに必ずつなげなければならない。ちなみに水は無限に供給されるようなので,電気と違って切れる心配はなさそうだ。
収容施設ができて,インフラも配備し,受け入れ体制が整ったと言いたいところだが,ここで忘れてはいけないのが,囚人達が来た時,誰が彼らの監視をするかだ。囚人達は隙あらば暴動を起こし,脱獄しようとするので,それを防ぐためにも,彼らを監視する看守(Guard)を雇おう。看守は,囚人達の引率や,鉄格子の扉の管理,暴動の鎮圧など,刑務所運営には欠かせない存在なので,できるだけ多く雇用しておきたい。
「Report」にある「Regime」には,囚人達の1日のスケージュルが1時間単位で書き込まれている。ここを見ると「食事」や「シャワー」といった予定があるのが分かる。いくら囚人といえど,彼らも人間だ。最低限人間らしい生活をさせてあげなければ,不満が爆発して暴動が起きてしまうので,これらの施設も用意してあげよう。
囚人達に食事を与えるには,「キッチン」を用意したうえでコックを雇い,テーブルとベンチを並べた「食堂」が必要になる。囚人は日に日に増えるうえ,建物を後から拡張するのは非常に面倒なので,先々のことを考えて,こういった公共の場は広めに作っておくことをオススメする。
「Basic Detention Centre」に書かれた施設をすべて建設したら,プレイヤーの分身でもある「Warden」が働くためのオフィスを作ろう。Wardenを所内に入れることで,新たなスタッフをアンロックできる。「Finance」を解除して「Accountant」を雇えば,収益の情報を細かく確認でき,「Mental Health」を解除して「Psychologist」を雇えば,囚人達の不満を知ることができる。といった感じで,アンロック可能なスタッフは,どれも刑務所経営には欠かせない役職ばかりだ。
ここまで,本作における序盤の大まかな流れを説明してきたが,基本的には「Report」にある「Grants」のミッションを上から順番にやっていけば,おのずとそれらしい刑務所ができあがるはずだ。見た目はカジュアルなゲームだが,シミュレーションゲームとしての内容はかなり濃いので,同ジャンルが好きな人はぜひ遊んでみてほしい。
「Prison Architect」Steamページ(29.99ドル)
NASAに隠された秘密を暴き出すホラーゲーム「Quadrant Horror Game」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,1979年のNASAを舞台にしたホラーゲーム「Quadrant Horror Game」を紹介しよう。
本作は,NASAが水面下で行っている生物実験の事実を世界中に公表すべく,研究施設から証拠を盗み出し脱出を試みるというストーリーが展開されるようだ。
HUDが一切表示されないユーザーインタフェースや,防護服のゴーグル越しに覗いた,歪みのある風景を再現するエフェクトなどが,本作の特徴となり,サウンド周りにも力を入れているとのこと。ちなみにエンディングは複数用意され,ゲーム中に迫られるさまざまな選択次第で,その結末が変わるようだ。
リリース時期などはまったく決まっていないようだが,GREENLIGHTのコメント欄には,本作に期待を寄せるコメントが多く書き込まれており,注目度は高めだ。興味のある人は今後の動向に注目しておこう。
「Quadrant Horror Game」GREENLIGHTページ
- 関連タイトル:
Steam
- 関連タイトル:
Abyss Odyssey
- この記事のURL:
(C)2019 Valve Corporation.All rights reserved.
(C) 2013 ACE Team. Developed by ACE Team. Produced by ATLUS. Licensed to and published by Index Digital Media, Inc.