連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第27回:「男は,基本的に馬鹿である。」
著者近影
男は,基本的に馬鹿である。
馬鹿だから,大事なものがどれだけ大事だったのか,失ってみないと分からない。
例えば恋人。
失ったあとも,相手には自分のことを好きでいてほしいと思うのが男。すぐに忘れるのが女。まあ,私は女性のそんなところが嫌いなわけなんだけども。
で,何のことかというと,セーブデータの話ね。
ことあるごとに言ったり書いたりしているから,ご存じの方も多いと思うけど,私,シミュレーションゲイムが好きなのね。
1年周期でシミュレーションゲイム,それも戦略性が高いゲイムをプレイしたくてムラムラする。それほど好きなのよ。早送りなしでアダルトなVを見るくらいの衝動と言えばなんとなく分かっていただけ……ないわよね,ごめん。
まあそんな1年に一度来るムラムラが,先週やってきたのよ。
だからPSPの「機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V」をプレイしようと思ったのね。Vつながりで。
それでいざプレイしようと思ったら,データがパッツンパッツンでやんの。PSPのデータってホラ,メモリースティックDuoに保存するじゃない? だから,整理したわけ。そのとき,何の気なしに消したデータが「ニッポンのあそこで」。
消したあとに気づくよね,消しちゃいけないデータって。で,焦りますわいな。「今のなし!」ってPSPに語りかけますわいな。でも,PSPはお役所仕事だから,取り消してくれませんわな。そら,わしもテンション落ちますわいな。世の中どうでもいい気になりますわいな。集中力落ちますわいな。ところでまだデータ容量足りませんわな。ほかのゲイムのデータ適当に消しますわいな。繰り返すけどテンション落ちてますわな。と同時に集中力も落ちてますわいな。で,気づきますわいな。
消したデータが「モンスターハンターポータブル 2nd G」だったってことに。
「イヤイヤイヤ!」叫びますわいな。愕然としますわいな。で,車掌さんに「お客さん,お静かに」って言われますわいな。そんなこと言われなくてもこれ以上騒ぐ元気なんかないわよ。っていうか,電車でPSPするもんじゃないわね。
名付けてソニーの大厄。
私は2009年4月17日を忘れないし,正面の席でこっち見てニヤニヤしていた女子高生二人の顔も忘れない。トラウマだわ。
という業を背負ってプレイしたのは「信長の野望DS 2」。
……あーん?
ギレン? アクシズの脅威?
何言ってんだ馬鹿野郎何が脅威ってデータ管理が一番の脅威に決まってんだろ,一年戦争なんて何も怖くねえよ! そしてしばらくPSPなんてやんねーようわーん!
そんなこんなで今更という気がしないでもないが,信長の野望DS 2。プレイ大名は大人げなく信長をチョイス。なんせこちとらストレスたまってるからな。
イヤー,やっぱ面白いわシミュレーションゲイム。とくに内政。つまるところただの数字なのに,上げていくのが楽しいったらありゃしないわ。で,内政値をマックスまで上げたら仕方なく戦争。だって土地を奪わなきゃ内政できないもん。
薄々気付いてたんだけど,私,シミュレーションゲイムにおける戦争って嫌いかもしれない。今は一年戦争も嫌いだけどな。だって,人を殺してまで天下を統一しなきゃいけない意味が分かんない。
これまたぶっちゃけて言うと,私はそもそも争いごとが嫌いなの。一応職業にしているプロレスだって,本音を言えば話し合いで決着をつけたいくらい。
何が悲しくて憎んでもいない,悪いことをしてもいない知り合いを,人前で殴らなきゃいけないのか。それよりは本を読んだり映画を見たりして見識を広げたうえで,争いの無益さをリング上で訴えたほうがよっぽど有益ではないのか。
そう。たとえ私からは数字しか見えなくたって,民衆も戦争より平和を望んでいるに違いない。いつの時代の戦争でも,傷つくのは軍人ではなく民間人なのだから。争いをなくすために他人と争うなんて,こんな滑稽な話はないわよ。世界は一つ。一つは世界。さあ,みんなで争いのない世界へ!
……と思っていたら,1576年8月に武田家に滅ぼされてしまった。やっぱ自衛のための力は必要なんだろうなあ。でも信長の野望は,自衛だけじゃゲイムクリアできないっていうのが泣けるわね。攻める姿勢も必要。だけど,それだと民間人を傷つけることになるからなぁ……。
てなわけで,先週はこれ以外にも相変わらず「プロ野球 ファミスタDS 2009」と「ゲームセンターCX 有野の挑戦状2」をローテンションなままに遊び続けたわ。
でも,遊んでも遊んでも私が失ったものは戻ってこない。その大きさを思うと,胸が苦しくなるわね。ま,これでしばらくPSPはプレイしないもん! と心に決めた春のひとときでした。以上。
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信長の野望DS 2
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