連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第127回:「私はオタクじゃない」
著者近影
私はゲイムが好き。
これはこの連載を毎週書くにあたっての,大前提。ゲイムが好きだからプレイするわけだし,プレイしたゲイムについて書けるのね。
で,普段私が「ゲイムが好き」なんて言うと,ゲイムをあまりしない人からは「オタク」だという認識をされていると思うの。でも私は,自分のことをいわゆるオタクだとは思っていないわ。別に格好付けて一般人ぶってるわけじゃなく,単に詳しくないから。オタクを気取るには,余りにもゲイム周辺の情報に興味がないのよ。
まあ,何をもってしてオタクだというのか,そもそもオタクとはどういう意味なのか,人は何のために生まれ,そして死んでいくのか,地球という星に生まれた人間は,地球や宇宙に対してどんな使命を持っているのか。そこら辺がクリアになってないから,オタク論自体が不毛なものだとも思うんだけどね。
ただし,そういうことを踏まえても,私はオタクと呼ばれるほど,ゲイムに詳しくはないのよ。申し訳ないんだけど。イヤ,別にオタクと呼ばれる分には,まったく構わないわ。だって私は,オタクという言葉に対して,ネガティブな印象は持ってないから。
だって,何かについて周囲から気色悪がられるほど好きになれるって,凄く素敵なことじゃない。何かを好きになることで人生が豊かになるのなら,それに越したことはないでしょう? そこは誇っていいと思うのよ。
ただ,傾向として自分が好きなもの以外を認めないばかりか,攻撃しようとするのはどうかと思うけどね。一応,私も規模が小さいとはいえファン相手に商売をしている身だから,その立場で言わせてもらうと,自分のファンが自分のためにほかの何かを攻撃している様を見ると,いたたまれない気持ちになるのよ。
イヤ,気持ちはありがたい……けど実はありがたくないというか。これはファンの規模が小さい私だから言えることで,より多くのファンを抱えてる,または抱えなきゃいけない人だったら言えないことだろうけど,ファンを抱える立場の人って,ファンの量よりもむしろ質のほうを気にしていると思うわよ。
もちろん,量も多いほうが良いに決まってるんだけど,それって環境によったり自分の力じゃない部分で決まったりする要素も大きいわけ。
でも,質に関しては自分のあり方である程度は変わるものだから。例えば,自分の好きな人が募金するって言えば,全員が全員ってわけではないけどファンもするでしょ? だから,自分のファンが罪を犯せばもの凄く悲しい気分になるし,いいことをしてくれたら心から誇りに思える。そういうもんなのです。
……いつものようにちょいと話は逸れたけど,他人に迷惑をかけない範囲だったら,オタクと呼ばれるほどまでに何かを好きになれるってこと自体,決して悪いことじゃないって話ね。まあしょせんは言葉,いい印象を持つのか悪い印象を持つのかなんて,使い方次第で変わるんだけどね。
ともかく,私はゲイムに関する知識をオタクと呼ばれていいほど持ち合わせてはいませんよ,と。これだけは声を大にして言いたいの。
なので,「ゲイム業界の裏話をしてくれ」的なことをいわれても,私は一介のゲイム好きなんで何も答えられませんよ……っていうかむしろ,私はそこに興味がない分,興味があるあなた方のほうが,私よりもきっとよく知ってますよ! ってことが言いたいわけです。私信といえば私信ね。ときどき聞かれるもので。
私に聞くな,と。PlayStation 3とXbox 360の性能の違いすらイマイチ分かってないっていうのに。その違いにすら,あんまり興味ないしな。いまだに「めんどくさいからハードは一つに統一してくれないかな」って小学生的なことを思ったりしているくらいよ。
というわけで,壮大な私信を前フリに持ってきたこの私の勇気をたたえてほしいわけだけれども,今週はPlayStation 3版「プロ野球スピリッツ2011」(以下,プロスピ2011)をご紹介いたしましょう。……え? ええ,前フリとは関係ありませんよ,もちろん。関係なければもはや前フリともいわないがな。
さて,プロスピ2011ですよ。前回「プロ野球 ファミスタ2011」について触れたわけだけれども,簡単にまとめると“ファミスタはリアル系野球ゲイムとしてではなく,ファミスタとして進化している”ってことを書いたのね。
では,リアル系野球ゲイムの第一人者はどれなんだ? と聞かれたら,やはりこのプロスピシリーズの名が挙がってくるでしょうよ。
実際問題,リアルなのよ。私自身,野球経験はないし,プロ野球を見てるだけのスポーツファンだから,プロスピの表現している野球が,選手視点でのリアルかどうかは分かんない。でも,見ている側からすると,こういう駆け引きがあるのかな? と思えてしまうのね。これ大事。
前にも書いたことがあるような気がするけど,私の持論では,リアル系スポーツゲイムって,要するに「あるあるネタ」なのよ。これのキモって,本当にネタのとおりの体験をしているかどうかではなく,「あーそういうことありそう」って思えるかどうかなの。
だから厳密に言えば,「あるあるネタ」ではなく「ありそうありそうネタ」なんだけど。
ともかく,リアル系野球ゲイムに関しては,見ていて「あるあるこんなシーン」とか「ありそう」って思わせれば勝ちなわけであって,必ずしも完全再現できればいいってもんじゃない。あるあるネタって,最大公約数を拾うネタだからね。
プレイ人口よりも,見ているだけの人口のほうが多いスポーツ(ほとんどがそうだけど)を題材にしたゲイムの場合,見ているだけの人口に合わせるのがセオリー。見ていてそれっぽいっていうことが重要なのよ。
そういう意味で,プロスピシリーズもちゃんと自分達のゲイムのストロングポイントが分かったうえで,作られている気がするわ。
注目すべきは,選手の表現。おそらく,あるあるネタにするために選手の個性を表現することに注力しているの。モーションとかグラフィックスといったビジュアル面だけじゃなくて,細かいスキルの設定もね。例えばキャッチャーが持っている「ショートバウンド▽」的な。
これがあることで,ああ,この選手は確かにショートバウンドよくこぼすよね〜というリアリティが生まれるのよ。そう,これは能力だけじゃなくて,個性の表現にもなっている。プロスピは,この部分が年々進化しているわ。
そういう意味では,キャラクターゲイムととらえてもいいかもしれないわね。個性のある選手を上手く使う,いわゆる監督に徹したモードがパワーアップしてるのも,いわば自然の流れかもしれない。
だから,もちろんゲイムとしても面白い+プロ野球ファンならば文句なく買ってもいいでしょうね。ちゃんとあるあるに仕上がってるから。
それに安心していいわよ。ハードが一つにまとまっていなくても,ソフトはPS3,PSP,ニンテンドー3DS向けにそれぞれ発売されているわ。お好きなハードでプレイしちゃって。……あれ……Xbox 360……?
というわけで,ここんところ野球ゲイムばっかりプレイしてる気がするけれども,まあプロ野球も開催したし,これはこれで仕方がないのかも。
今年はとくにプロスポーツを含むエンタメ産業は,いろいろと大変だと思うけど,提供する側とファン両方が楽しまないと本当の意味で復興はできない。復興とは,元に戻すことだから。
普段はCMなんかのきれいごとは嫌いな私だけど,この言葉だけは本当にそうだと思うわ。「一つになろう,日本」。これからも続けて。
PlayStation 3:「プロ野球スピリッツ2011」
ニンテンドー3DS:「プロ野球 ファミスタ2011」
PSP:「三国志IX with パワーアップキット」
Wii:Wii Fit
Xbox 360:……
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(c)2011 Konami Digital Entertainment (社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 プロ野球フランチャイズ球場公認 ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2010年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。「魂」はバンダイの商標です。
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