連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:特別編「マビノげ! 英雄伝!」
なぜ連載の話からぶっ放したかというとね,私のこの連載のモットーが「ヤりたいゲイムをヤる!」なの。で,連載内でも幾度となく「食わず嫌いは良くない! とりあえず前情報で心に引っかかったゲイムはヤってみましょうよ!」っていうことを偉そうに言ってきてたわけ。
でも……実は私……私は,PCのオンラインアクションRPGをまともにプレイしたことがないの。かつてはPCゲイム中心のゲイム情報サイトだった4Gamerで連載の仕事をいただいておきながら! まあ,今はPCゲイムだけじゃなくて,ゲイムの総合情報サイトに生まれ変わってるからいいっちゃあいいんだろうけど。
ただ! 自分の連載で「ヤれヤれヤっちまえ!」って煽ってる側のこの私が,PCのオンラインアクションRPGをろくに「ヤったことがない」っていうのは,ちょっとアレだなぁと思っちゃってね。だからヤってみたわよ「マビノギ英雄伝」を。
ハッキリ言ってね,こんな状態なもんだから,全然詳しくないわよ私。「マビノギ」って言葉は,CMで聞いたことあるなぁとか,知識としてはその程度。
なので,もうオンラインアクションRPGをプレイしまくっている人にとっては「何を今さら」な記事かもしれないわ。しかしながら,そこは知ったことか! 初心者が初めて経験を済ませてどうだったかっていう素直な気持ちをしたためた記事になるわよ,先に言っておくと。
逆にね,初体験の直後に妙に知ったかぶったことを述べるとそれはそれで気持ち悪いじゃない。あらあら坊やが無理しちゃって的な。うん,そうじゃなくていいの。これから成長していけばいいんだから。と言うことで,ヤってみましたマビノギ英雄伝。
すでにプレイしているマビノギストからすれば,何を今更そんなことをって話なんだろうけど,PCであまりゲイムをプレイしない私からしてみればカルチャーショックだったわね。グラフィックスが綺麗なのは,まあ分かるのよ。でも,アクション部分もまるで遜色ない。これにはビックリしたわ。オンラインのアクションゲイムって,こちらが思うように反応してくれないとか,そういうイメージがあっただけに。
それらをひっくるめて,画面の中のリアリティというか「そこにいる感覚」は,私がプレイしてきたあらゆるゲイムの中でも上位ではないかと思ったわね。もちろんゲイムだから,嘘の世界ではあるわ。でも,「その『嘘の世界』にいるんだ」って思わせてくれる作りは素晴らしいとしか言いようがない。
例えば,ゲイム内の色々なオブジェクトが壊せて,それを使って攻撃できるの。誤解を恐れずに言えば,このあたりの感覚はファイナルファイトっぽいわね。いや,2Dと3Dの差はあるけども。ただ,ファイナルファイトが物を壊したりできることでアクションゲイムの爽快感を演出しているのに対し,マビノギ英雄伝のそれは現実感の演出も加味されていると感じたわ。
もちろん物を壊す快感もあるにはあるんだけど,質感であったり相手が落とした武器であったり,すべては画面の中が完全に一つの世界であるように思わせるための演出なのね。そしてそれはまんまと成功しているわ。
ほかのPCオンラインゲイムがここまでリアルな嘘の世界を作り上げているのかどうか,よく知らなくて申し訳ないんだけど,少なくともマビノギ英雄伝に関しては,初めてプレイした私を引き込む程度には世界がしっかりと成立しているわね。
これを無料でもプレイできるっていうのが信じられないわ。ストーリーも,ちょっとツッコミどころがあって私的にはアリ。というのも,オープニングに出てきたおそらくヒロインがちょっとした傾奇者なのよ。ヒロインだけあってビジュアル的には可愛い系なんで,多くのプレイヤーは許してるんでしょうけどね。私は女性キャラなんざさらさら興味が無いから見逃さないわよ。端的に言うと,街の守り神の白い大蜘蛛が暴れ出して,みんなで止めようとしてるのにヒロインだけが「あの子はそんな子じゃない!」的なことを言い出しおるわけ。「私があの子に話しかける」的な。
で,実際にヒロインが話しかけて止まってくれりゃいいんだけど,結局ヒロインの言うことに従って殺さないでいたら,どんどん蜘蛛が暴れて最終的には殺さないと止められないところまで事態が悪化しちゃうのね。最終的には蜘蛛は死んでしまうんだけど,このヒロインは何にも役に立っていないばかりか,結果的に狂言で皆を困らせたというわけよね。
私はストーリーに関してはチュートリアル的なこのエピソードまでしかプレイしてないけども,ここまで違う意味で心を掴んでくれたヒロインはいまだかつていないわ。また,最終的に自分が悪いことをしたという自覚が無いのも素晴らしい。まさかゲイム性だけでなくヒロインまで新しいタイプに仕上げるとは。ここからヒロインは汚名を返上することができるのかしら。この先が非常に気がかりね。これは皮肉でもなんでもなく。こうやって,ヒロインがちょっとクレイジーでもなんでも,ストーリーが頭に入ってくるっていうのは,RPGにおいて大切な要素だと思うの。
バトルピラーという,要するに柱を武器にして戦うカロックと,7月に入ったばかりという弓を使うカイの2キャラ。近接攻撃用のカロックと,遠距離攻撃用のカイ,と言えば分かりやすいかしら。戦い方が変わるって,安っぽい紹介の仕方でやや恥ずかしくなるわね。でも,そうなんだから仕方がない。
何がって,もう操作方法からして違うのよ。というのも,カロックはゲームパッドを使ったほうが快適にプレイできるんだけど,カイに関してはキーボード&マウスでプレイした方が使いやすいの。このあたりは,PCならではの差と言っちゃってもいいんじゃないかしら。マウスのほうが直感的に遠距離攻撃がしやすいっていうのは,要するにFPSやTPSを踏襲している感じよね。
何にせよ,近接攻撃は近接攻撃で爽快感があるし,ややまどろっこしい遠距離攻撃も,それはそれで楽しかったりするわ。アクションゲイムって押したボタンに対してキャラクターがどう動くかで爽快感が変わってくるもんだけど,キーボード&マウスでプレイしてもちゃんと爽快感があるというのは,きっちりチューニングされているんだなと思ったわね。
そうそう,4人パーティでダンジョンに入って,グラスギブネンという,見るからに悪そうで強そうなモンスターとも戦ってみたんだけど……。もうね,私が何をやっても無駄なんじゃないか? というぐらいの勢いで,何度も何度もヤられる羽目になったわ。本当は最大8人で挑むような敵らしいんだけど,ほかの3人の奮闘でめでたく倒すことができたのよ。そのときの達成感ったら,なかったわね。
言ってみればこれが,オンラインゲイムの楽しさってやつなのよね。みんなで協力して,足りないところを補い合いながら,強敵に立ち向かうという。私は補われてばかりで,楽しさの前に申し訳なさでいっぱいになってしまったわけだけれども。ただ,次こそは! とばかりに腕を磨いていくっていうのもまた,楽しみの一つなんだなってことは,バッチリ理解できたわ。
それとね。オンラインゲイムって,いくら無料で遊べるといっても,本当の面白さの部分はお金を払わないと触れられないというような,偏見に近いイメージがあったんだけども,それもことマビノギ英雄伝に関しては間違っているってことがわかったわ。最低限のプレイは無料でも十分できちゃうのね。
それこそ,キャラクターのアバターパーツであったり,そういうプレイに直接関係ない部分で課金の仕組みが多く用意されているという点には好感が持てる。イヤ,ホントに繰り返しになるけど「すみませんでした」。
いつの間にか,無料でここまで面白いアクションRPGをプレイできちゃう時代になっていたなんてねぇ。今まで全然オンラインアクションRPGをプレイしてこなかった自分に対して言ってやりたい。そして,これを読んでていまだにオンラインアクションRPGをプレイしていない人に対しても。「マビノギ英雄伝,面白いよ」って。
ほかの作品のことは知らないわ。でも,とりあえずマビノギ英雄伝は面白かったです。じゃあ何時間楽しめるの? なんて聞かれちゃうと……うーん,よく分からないし,「あんたの心持ち次第よ」という,どのゲイムにも当てはまる一般論でお茶を濁すしかないんだけど。
とりあえず私は,PCのオンラインアクションRPGを,ゲイムライフに加えてみることにするわ。8月22日には大型アップデートがあって,24名で入れるダンジョンも追加されるって話なので,このタイミングから遊び始めてみてもいいんじゃないかしら。迷ってるくらいなら,ヤっちゃいな! 自分に合うかどうかなんて,ヤって考えりゃいいの。とっととマビノげばいいじゃない!
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