連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第355回「世間に届けることの意味」
そもそもこの番組は,世の中の変なものを紹介するっていうコンセプトなんだけどね。私はそこで,ポイソフトの「モノカゲクエスト」を紹介するという流れなわけです。
これは私がゲイムに詳しい人だと思われているということから実現したもので,それこそこの連載があったからこそ。番組が調べてくれて気付いたんだけど,どうやらこの連載,もう8年以上続いているらしいわ。ちなみに,8年前(2007年)の流行語大賞は「どげんかせんといかん」「ハニカミ王子」「そんなの関係ねぇ」「どんだけぇ〜」「猛暑日」「ネットカフェ難民」のようね。
ハニカミ王子ってことは石川 遼選手がアマチュアでトーナメントに優勝した年ってことだから,言うなれば私のこの連載は石川 遼選手と歩んだ8年間の記録だったといっても過言ではないわね。収入はアホほど違うけど。そのうえ24歳にしてもう結婚も……あれ? そういえば婚約発表してたけど,実際結婚したのかしらね? まあいいや。要は“ゲイムヒヒョー ゼロ=石川 遼選手”であると覚えていただいて差し支えないかと。
あとは,やっぱりタレントさんのギャグ的なものが流行語としては採用されやすいのね。今年はどうなるのかしら。少なくとも来月に迫った忘年会シーズンには「安心してください。履いてますよ」の隠しゲイをする人が大量生産されることでしょうね。
私,アレ嫌いじゃないのよ。でも,やっぱり今はまだ使いづらい。やや私とゲイ風が似ているだけに,とくにね。この間なんか,地方のイベントプロレスでいつものように試合中にTバックになったら,子供達から「安村だ!」って言われてしまったという,つらい思い出があるからね。無邪気で無慈悲な安村コールからの「あれ? 全裸なの?」というフリという名のヤジ。今のところ2015年下半期でダントツの生き地獄だったわよね。
そんなパンパンに膨れ上がった期待に反して,意地でも「安心してください」とは言わなかったあの日の私は正しかったのか,それとも単に子供達の期待を裏切ってしまっただけなのか。私はただ,見た人に笑顔になってほしいという思いでプロレスをヤってるんだけど,こういう時どうすればいいのか。プロって,一体何なんでしょうね。答えのない道はまだ続く……。
ともあれ,「安心してください」っていうフレーズが使いにくい世の中にはなっている2015年の冬。もう少しすれば「いつやるの? 今でしょ」を使ってもいいタイミングに突入するんだけどね。
あ,久々にここまで豪快に話がそれたわね。要は,アフロの変に出て,モノカゲクエストを紹介するんで,見ることができる人は見てくださいね。タダだしって話でした。
で,本当は今週,「プロ野球 ファミスタ リターンズ」を紹介しようと思ったんだけど,思いのほかTVの話で冒頭チン述が膨れてしまったので,いっそ開き直ってそっちで話を展開しようと思うわ。ファミスタの話は来週にでも。あ,先に言っておくと面白いよファミスタ。面白いし,興味深い。どう興味深いかは来週。
で,TVの話なんだけどね。これ,知名度の話なのよ要するに。よく「世間に届く」って言うじゃない。あれって,どういうこと? って話。
私はプロレスをヤっていて,ゲイムが好きで,だからその両者の情報を人生の一部として取り入れてるわ。だけど,世間はそうではない。自分が思っているより,世間って知らないことのほうが多いのよね。
ゲイムだって,ヒットしたとしても100万本クラスだったりするわけじゃない。日本の人口が1億3000万人だとして,130分の1。まあ,この人口の中には赤ん坊なんかも含まれているから,完全にアクティブな数字ではないにせよ,ざっくり100人に1人程度しか買っていないわけ。よく売れたほうでもね。それがゲイムの世界なのよ。
いわんやプロレスなんて全然まだまだ。私で言うと,15年近くヤってきて,ようやくプロレス界でそこそこ名前が通るようになっただけで,その世界から一歩出るともう全然知られてなんかいないのよね。
さっきも述べたけれども,私は見てくれた人に笑顔になってもらうことでお金をもらえる仕組みが気に入って,この仕事をヤっているの。だから私自身が有名になることは直接の目的ではないんだけど,多くの人に見て笑ったり顔をしかめたりしてもらいたい欲はある。ここが難しいところ。より多くの人に見てもらうには,世間に届けるのが一番効果的なわけで。ここで100分の1の数字が問題になるの。100人に1人しか買ってないのは,そもそもほかの99人が知らないからなのよ。
あ! 分かってる! 分かってるよ! 細かいことを言えば,その商品を知っているけど買わない層もいるってことは。でも,私が言いたいのは細かい数字の話じゃなくて,だいたいの構造の話ね。だから,数字の誤差は知らん。根本の考え方が違うって意見なら受け入れます。
ハイ戻ります。知ってもらってて買うか買わないかを決められるならいいんだけど,そもそも知らない状態だと選択肢すらない。世間に届くとか届かないとかって,そういう話だと思うの。だから,TVCMは大切だし,「ポケットモンスター」だとか「妖怪ウォッチ」だとかのメディアミックス戦略も効果としては大きいと思うわ。投資額も半端じゃないだろうけど。
ここまでダラダラ書いてきてアレだけど,要は世間に届いたほうが売れやすい。売れやすいってことはビジネスになりやすい。ビジネスになりやすいってことは,利潤追求以外の付加価値をつけて活動しやすいってことなの。
具体的には私でいうところの「笑顔になってほしい」って部分ね。それだけではビジネスにはならない。でも,逆にいえばビジネスにさえなっていれば,その価値を追求するための余裕が生まれる。で,ビジネスにするには,より多くの人に知ってもらうことが重要。そしてそこが,私にはまだ絶対的に足りていない要素なのね。
では,どうすれば世間に届くのかといえば,現状はやはりメディアをうまく活用するしかないでしょうね。だって,みんなが存在自体を知らないんだもん。やっぱり,なんだかんだでTVの影響は大きい。私は“TVに出ること=エンターテイメントとして優れている”とは思っていないんだけど,こと影響力に関してはまだTVの右に出るものはないとも感じていて。
ネットメディアは確かに台頭してきてはいるけれど,ネットって自分から探さなきゃ情報は出てきづらいじゃない。ネットにだって偶然って要素もあるにはあるけど,そうは言っても何の気なしに見ていて何かを知る機会は,TVのほうが多い。
なので,TVに出るのって“知らせること”を目的とした場合は,効果は大きいわけね。視聴率10%の番組があったとして,そこに出ると少なくとも100人に10人は見るってことになるわよね。いや,実際はそんな単純な計算じゃないんだけど,それにしたってやはり大きいの。言ってしまうと,世間ってけっこう世間知らずなのよ。私も含めてね。だから,そこに向けてどう刺激を与えるかってのも,ジャンルによっては,もしくはコンテンツによっては視野に入れてもいいんじゃないかしら。
……とは言いながら,私が究極的に言いたいことは単純でね,自分の好きなものを多くの人と共有したいじゃない。好きなものの話,普段からしたいじゃない。それだけのことなんですよ。だから私はこういう機会をいただけたならゲイムを紹介したいし,職業人としてはプロレスが面白く,そして変なものであり続けるよう取り組んでいきたいのよね。
メディアってほら,取り上げる価値を見出さないと取り上げないから。その価値を作り上げるのは,ゲイムにせよプロレスにせよ,携わる人にほかならないわ。まだまだ好きなものを世間に届ける道のりは長い。
というわけで,アフロの変,ご覧くださいな。放送は関東ローカルっぽいけど,放送後1週間はフジテレビの無料配信サービス「+7(プラスセブン)」や民放公式TVポータル「TVer」でも見られるらしいんで。ではまた来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション」「ウイニングイレブン 2016」
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「Splatoon(スプラトゥーン)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「プロ野球 ファミスタ リターンズ」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
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