連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第524回「鬼がいた」
こればっかりはしょうがない。
もちろん,その差をもとにした理不尽な差別なんてものは,あってはならない。それと同時に,もしも差が原因で困っている人がいれば,助けてあげればいいんだとも思っている。結局のところ私は,そんなに簡単なことではないが,誰にだって必ずある“差”を,周りのみんながお互いに許容できる世の中になればいいな,と願っているのだ。
ただ,そうすると例えば毎日夜中になると騒ぐ人も許容しなきゃいけないのか……という話になってくる。そして,許容できる人とできない人の差はどうするんだ? という話にもなってくる。難しい。
そういうなかなか答えが出ないものが巡り巡って,たぶん多くの人がどこか生きづらい気持ちを持ちながらも,なんとなくみんなで目をそらしてきた結果が,今の世の中なんだろう。それでも一昔前と比べれば,いろんな部分で前には進んできた感はある。そのうえで,自分と他人との差をどうとらえるべかは,考え続けていかなければならないのだろう。
そして先週,私はこの連載で宣言した。「サービス開始して以来5年間遊び続けているDDTプロレス社長の高木三四郎に,始めて10日の私が一矢を報いたい」と。そうすることで,今からこのゲイムを始める人に勇気を与えたいんだ,と。
果たして,イベント中に高木三四郎と対戦する機会は回ってきた。そして,私は知った。この世には,鬼がいる,と。人の想像を超えたモノ。普通の人はそこまでやらないってことを積み重ね続けてきたモノ。まさに人外。鬼とは,そういう存在である。人の形をしていて,人ではない。鬼。私は鬼と対峙したのである。
高木三四郎は,DDTプロレスの代表取締役社長は,DQMSLにおいてまさしく鬼だった。私はこの10日間,DQMSLに多くのモノを注いできた。時間も,労力も,何ならお金も。しかし,所詮それらは人間界のできごとだった。それを“努力”などと呼べるような次元のモノではなかった。頑張ったことは確かだが,あくまで“私なりに”の範囲だった。
具体的に言うと,1ターンで全滅した。もっと言うと,こちらのターンが回ってこなかった。鬼は,微動だにしなかった。どれだけこのゲイムにいろんなモノを費やしてきたのかは知る由もない。その証拠に,「これまで一体,どれくらいの金額を費やしてきたんですか?」という質問に,鬼は最後まで答えなかった。
かわりに,「いや,ストレスがさあ……良い地図を手に入れたときだけが解放される瞬間なんだよ」という言葉で,その投じたモノの膨大さをにおわせていた。まるで「情熱大陸」に出ているかのような精悍な顔で。
これはあくまで私の想像だが,鬼が投じた努力という名の金額は,今回のイベントのコラボでDDTが仕事の対価としていただいた金額よりも,はるかに多いはずだ。イベント会場にはゴーレムの置物とスライムタワーの置物があったが,その二つ+わたぼうの着ぐるみを作れる以上の金額を,鬼はDQMSLにつぎ込んできたはずである。
つまり,結果的にではあるが,鬼は自分がDQMSLに投資をしてきたことで,イベントに自分の会社を招致してもらえるようになったわけである。壮大な自作自演。しかし,鬼の前ではその事実でさえも小さなことだった。
私は,夢を語る割にはその夢に対し何も重ねない,ただの人間だった。人を叩くのは決まって人である。鬼は人を叩かない。弱らせる必要がないからだ。そして,鬼は重ね続ける。人が,人やあるいは鬼を口先だけで叩いている間に。私はこのイベントで心から思った。重ねることの強さを。常識を盾に重ねることをためらう人との差を。そして,トップである社長の時間とお金の使い方がこれで,DDTプロレスは大丈夫なのか? と。
ハッキリと対戦で心を折られた音が聞こえたDQMSLだけど,これだけは言っておかなきゃいけないわね。ゲイムとしてDQMSLはガッツリ面白いわよ。思ってた以上にドラクエだったわ。
何より,こういうリアルイベントにものすごく多くの人が足を運び,その誰もが笑顔だったというのがすべてだと思う。もちろん鬼もたくさんいるけど,人間も多くいた。そして楽しんでいた。そりゃそうだ。ドラクエってもともと老若男女が楽しめるゲイムなんだから。
実際は,お金を使わなくたって十分遊べるゲイムよ。ドラクエ好きならばぜひ一度触れてほしいタイトルね。私は今回,コラボイベントがあったことで初めて触れたわけだけど,正直スルーしてきてごめんって素直に思えたわ。
この連載では鬼との対戦を軸に取り上げたけど,対戦だけがこのゲイムの楽しさじゃなくて,好きなモンスターを育てるっていうのがメインの面白みだから。マイペースで遊べます。ぜひプレイしてみてくださいな。
そんな感じで,明日から一矢報いるためにプレイするのではなく,純粋にゲイムを楽しむ日常に戻ります。そんな感じでまた来週。アデュー!
「DQMSL」公式オフライン大会を制したのは“伝説の勇者”だった。クロちゃんも大興奮した激戦の模様をレポート
スクウェア・エニックスは2019年3月24日,スマホアプリ「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」の公式オフライン大会“レジェンドマスター決定戦”を都内で開催した。熱いバトルが繰り広げられた決勝トーナメントの模様と,大会終了後に行われた公式生放送“らいなま”で発表された内容をお届けしよう。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」
Nintendo Switch:「TETRIS 99」
iOS:「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」
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ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト
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(C) 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. Developed by Cygames, Inc.
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