連載
インディーズゲームの小部屋:Room#379「Crypt of the NecroDancer」
連休中はどこへも行かず,闇の太陽神のごとくひたすら聖域を守護していた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第379回は,Brace Yourself Gamesが開発した「Crypt of the NecroDancer」を紹介する。本作は,ビートに合わせてダンジョンを攻略していくローグライク・リズムゲームだ。次の連休はまだですか……(五月病)。
父親であるドリアンの行方を追い,“ネクロダンサーの地下室”にやって来た主人公の女の子,ケイデンス。彼女の父親は,2年前に黄金のリュートを探し求めて地下室へと向かい,行方不明になってしまったのだ。
しかし,目的の場所に到着したケイデンスが入り口を探して地面を掘り始めると,突然足元に亀裂が走り,穴に転落した彼女はそのまま意識を失ってしまう。そして,そこにネクロダンサーが現れ,ケイデンスの心臓に呪いをかけてしまったのだ。その呪いは,ビートに合わせてしか動けなくなるというもの。目を覚ましたケイデンスは,父親を救い,自分にかけられた呪いを解くため,地下室の奥へと向かう……。
というわけで,プレイヤーはケイデンスを操作して,モンスターだらけのダンジョンを進んでいくことに。ダンジョンに挑戦するたびに,その構造が毎回ランダムに変化するというのはローグライクのお約束だが,本作最大の特徴は敵も味方も“ビートに合わせてしか行動できない”という点。ビートは画面下の左右から流れてくるバーで表されており,これが中心の心臓に重なるタイミングでキーを操作しなければならないのだ。
操作は方向キーのみで行い,ビートに合わせて動き続けると,コインを拾ったときの獲得量に倍率補正がかかるなどの効果が得られるが,ビートを外すとそのターン(=ビート)は行動不能になる。一般的なローグライクでは,自分が1回動くごとに敵も1回行動するというのが基本だが,本作ではたとえ自分が動かなくても,敵はビートに合わせて動いてくるので,うまくビートに乗れないとかなり不利になる。
また敵の行動パターンも,毎ビート攻撃してくるものや,2ビートに1回攻撃するものなどさまざまで,これを見極めることも重要だ。普通のローグライクのように,立ち止まってじっくり考えている余裕はないので,ビートに乗って常に動き回りながら,華麗に敵を撃退していこう。ゲームに慣れないうちは,次にどうすればいいのか分かりにくいが,コツをつかんでくるとビートに合わせてキーを叩くのがクセになるほどの楽しさがある。この中毒性は結構やばいかも。
ゲーム開始時の操作キャラは,主人公のケイデンスと,ビートに縛られずに行動できるバード(吟遊詩人)の2人だが,ゲームを進めるとより多くのキャラクターを選べるようになる。さらに,ダンジョン内でNPCを助け出すと,ロビーと呼ばれる出発地点にショップが開店し,ダンジョンで手に入れたダイヤモンドを使ってさまざまなアイテムをアンロック可能。アイテムはその場ですぐに入手できるわけではなく,アンロックしたものがダンジョン内に出現するようになるという仕組みだ。
ローグライクとリズムゲームを合体させるという発想自体もすごいが,これがまた予想以上にうまくハマっており,非常に中毒性の高いゲームに仕上がっている本作。使われている音楽もノリノリで,本作を遊んでいると自然に体が動いてしまいそうになる。とにもかくにも,この楽しさは遊んでみなければ分からないので,興味を持った人はぜひお試しを。そんな本作は,Steamにて1480円で発売中だ。
■「Crypt of the NecroDancer」公式サイト
http://necrodancer.com/- 関連タイトル:
Crypt of the NecroDancer
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