連載
インディーズゲームの小部屋:Room#601「Blasphemous」
最近は極寒の地で伝説的な古龍を探し回っている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第601回は,The Game Kitchenが開発した横スクロールアクション「Blasphemous」を紹介する。久しぶりに狩りに復帰したらすっかり勘が鈍って苦戦しているので,優しいハンターさん助けてください……。
本作の舞台は,「静寂の悲劇」と呼ばれる邪悪な呪いが降り注いだ世界「Cvstodia」。プレイヤーはその生き残りである「悔い改める者」となり,この世界を恐ろしい運命から救い,苦悩の根源を突き止めるために,たった一人で戦うことになる。
自らの罪から誕生したとされる剣「Mea Culpa」を手にした主人公は,その剣を使った攻撃と,ダッシュ(ドッジ)による緊急回避,タイミングよくボタンを押すことで敵の攻撃をはじくパリィ,そして剣を突き刺して壁に張りつくこともできるジャンプを駆使して,悪夢のような世界を探索していく。
基本的なゲームシステムは,横スクロールの「DARK SOULS」といった感じで,グロテスクでダークな世界観と,一瞬の油断が生死を分けるハードな戦闘が大きな特徴だ。本作では,敵を倒すとソウルではなく,「贖罪の涙」が手に入る。これは,この世界の通貨のようなもので,これを使って聖廟(みたいな場所)でキャラクターの能力を強化したり,アイテムを購入したりする仕組みだ。
また,敵を倒すと画面左上の体力ゲージの下にある青いゲージが増加し,これを消費して「祈り」という魔法のようなものを発動できる。そして,敵に倒されるとその場に霊魂(のようなもの)が残され,持っていた“涙”が失われてしまう……かと思いきや,そうではなく,この魔法ゲージの上限が下がってしまう。えっ,そっちなんだ。
霊魂を取り戻せば,魔法ゲージの上限は元どおりになるが,「DARK SOULS」とは違い,霊魂が残されるのは最後に死んだ1か所だけではないのが厄介なところ。あっちこっちで死ぬと,そのたびにその場に霊魂が残されるので,回収するのに苦労させられる。マップのところどころにある祭壇で祈りを捧げると,体力の回復と回復薬の補充,ゲームのセーブができるので,見つけたら忘れずに立ち寄りつつ,慎重に探索を進めよう。
ただし,祭壇で祈ると,それまでに倒した雑魚敵が復活するのは,もはやこの手のゲームのお約束だ。ほかにも,「レリック」や「ロザリオビーズ」といった装備品を身に付けることで,アビリティやステータス効果を得られるという要素もある。アクションの腕前に自信がない人は,敵が強すぎると感じたら先にほかの場所を回って,キャラクターを強化してから頑張ってみよう。
本作の見どころは,テンポのいいアクションと,血みどろで暴力的な謎に満ちた世界観。とくに,グロテスクなデザインで苛烈な攻撃を仕掛けてくるボスとのバトルは,本作におけるハイライトで,一見の価値あり。歯ごたえのあるアクションゲームを求めている人に,ぜひお勧めしたいゲームだ。そんな本作はSteamにて2570円で発売中なので,100回死んでも心が折れない人はぜひどうぞ。
■「Blasphemous」公式サイト
http://blasphemousgame.com/- この記事のURL:
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