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[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror\'s Edge」がデモ展示
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印刷2008/07/17 15:24

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[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror's Edge」がデモ展示

画像集#019のサムネイル/[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror's Edge」がデモ展示
 Electronic Arts(以下,EA)のプライベートルームでは,2008年7月14日の同社カンファレンスで発表済み「Mirror's Edge」がデモ展示されていた。
 Mirror's Edgeは,ストックホルムのEA DICEが制作を担当するアクションアドベンチャーだ。EA DICEといえば,バトルフィールドシリーズでよく知られているが,同作はまったく毛色の異なる作品。一人称視点固定でシューティングシーンはあるものの,決してそれはメインでなく,「FPS」と片付けるわけにはいかない感じである。


プロモーションムービーの最後に,ロゴといっしょに登場するのがFaithだ。ご覧のように,アジア系の女性である
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 さて,Mirror's Edgeでプレイヤーキャラクターとなる主人公は,「Faith」という名の女性。時代設定は近未来で,彼女の職業は「Runner」(ランナー)と呼ばれる「情報の運び屋」だ。
 本作ではストーリーが重視されるため,現段階で詳細はあまり明らかにされていないのだが,ざっとバックストーリーをまとめておくと,Mirror's Edgeの世界では厳しい情報統制が行われている。多くの住民は相応に納得して暮らしているものの,反発する人々もいて,彼ら彼女らは独自のコミュニティを作り,唯一信頼できるコミュニケーション手段に頼って連絡を取り合っているのだ。その手段がRunnerというわけ。
 ちなみにFaithの母親は政府によって殺され,彼女の双子の妹も政府によって誘拐されてしまうとのこと。さらに,彼女の存在自体が政府の存続に関わる大きな問題になっていくという物語になるらしい。


Faithになりきってプレイする一人称アクション


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 そんな本作が持つ最大の特徴は,4Gamerでこれまでにも何度かお伝えしてきたように,Faithの高度な身体能力を使ったアクロバティックなアクションだ。ビルからビルにジャンプし,パイプの上を駆け抜け,高い金網もひとっ飛び。こればかりは,実際に見てもらわなければ分かりづらいと思うのだが,残念ながらプライベートルーム内は撮影禁止。ブースで我々が見たデモプレイとは違うけど,プロモムービーを上に掲載しておいたので,ぜひ見てみてほしい。

 とまあそんなわけで,ムービーから今の仕上がり具合を想像してもらえると嬉しいのだが,Faithが高いところに立つと「高っ!」と思うし,細い梁(はり)の上を駆け抜けていくと「危なっ!」と思ってしまう。E3 2008のレポート#04で述べたとおり,4GamerのE3取材班は全員,EAのカンファレンスで公開されたムービーを見て3D酔いのようなクラクラ感を覚えたほどだが,単に我々が時差ボケの寝不足でかつ空腹だったからという噂もある。

画像集#010のサムネイル/[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror's Edge」がデモ展示
公開されているスクリーンショットには,Faithの全身が写ったものもあるのだが,あくまでゲームは一人称視点になる
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プライベートルーム内自体は撮影可だったので撮っていたら,うっかり(うっかりですよ!)Mirror's Edgeの画面が写ってしまった。プレイデモの画面中央に,青緑のドットがあるのがお分かりだろうか
 いずれにしろ,彼女を操っているときの単純な気持ちのよさは格別だ。だが,一人称視点では,「自分が今,どういう体制になっているのか」が分かりづらいような気がしたので,担当者に「三人称視点にしてはいかがか?」とミもフタもない質問をしたのだが,ゲーム開発に最大のポイントが「Faithの視点だけで,彼女の動きを感じてもらう」という野心的なものになっているため,一人称でなければその目的を果たせないのだった。

 ミニマップやヘルスゲージといった情報表示がまったくないのも斬新で,オブジェクト以外に情報として存在するのは,ただFaithの視点を示す青緑色のドットだけ(※プロモーションムービーでは取ってあるようだが)。画面内に情報がないコンセプトもまた,Faith本人になりきった雰囲気を出すための手段だ。
 もっとも,この“情報表示なし”というのは最新タイトルの間でちょっとした流行になっているようで,EAのプライベートルームでMirror's Edgeの斜め後ろのボックスにあった「Dead Space」,あるいはUbisoft Entertainmentが制作中の「Prince of Persia: Prodigy」も同じスタイルを採用していた。

 グラフィックスはビルの白さと空の青さを基調とした端正なもので,彼女に行き先を教える赤い部分がよく映える。EA DICEといえば,“自家製”ゲームエンジン「Frostbite」の名を知る読者も多いと思うが,「3年ほど前にMirror's Edgeの開発をスタートさせたとき,まだFrostbiteが完成していなかった」というシンプルな理由により,ゲームエンジンは「Unreal Engine 3.0」ベースになっている。

画像集#012のサムネイル/[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror's Edge」がデモ展示 画像集#013のサムネイル/[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror's Edge」がデモ展示

画像集#014のサムネイル/[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror's Edge」がデモ展示
 彼女がピョンピョン跳びはねながら移動していると,ときおり敵が姿を現す。詳しくは教えてもらえなかったが,本来「しがないRunner」として当局のお目こぼしを受けていたはずの彼女は,なんらかの理由で官憲に追われているらしい。あるいは単純に,ビルのガードマンが不審者を追っているのかもしれないが,よく分からない。
 襲ってくる相手は排除しなくてはならないが,Faithでそれを銃でなく腕と足で行う。要するに殴り,蹴り倒すわけだ。敵と相対するときはゲーム世界の時間進行を遅らせることができるので,それを使ってタイミングを計ったりできるが,EA DICEの担当者によるデモプレイでは攻撃に失敗して返り討ちにあったりもしていたので,それなりに難しいのかもしれない。

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画像集#016のサムネイル/[E3 2008#19]鳥だ! 飛行機だ! 高いビルもひとっ飛びの「Mirror's Edge」がデモ展示
 冒頭で示したプロモーションムービー,あるいはスクリーンショットからも分かるように,Faithの手足が大胆に画面に映るので,彼女の肘が相手の顎に食い込んだり,敵の膝をキックで折ったりなど技が決まると,これもまた気持ちがいい。しかも,彼女が跳んだりはねたりするたびに彼女は「はっ」とか「ふっ」とか声を出すので,見ているこちらもだんだん自分が駆け回っているような気がしてくるってのは単純すぎますか?
 敵の狙撃手を倒してライフルを奪い,それを使ってあちこちに配置された残りの狙撃手を撃ち倒すという場面――これは上のプロモーションムービーでも確認できる――も登場したが,敵を倒した彼女はすぐにライフルを捨ててしまう。なぜかといえば,重い武器を持っていると移動速度やジャンプ力ががっくり落ちてしまううえ,接近戦もできなくなるからだ。また弾薬も非常に手に入りにくい。プレイヤーの腕次第では,まったく銃を撃つこともなくクリアできるそうで,武器はなるべく使わないようなゲームデザインになっているようである。

 デモプレイは,ビルの屋上から地下へ,そして建物の中へと進んだが,本作ではパズル要素も重要となる。一見,行けないような場所に複雑なジャンプを繰り返して移動したり,画面内のオブジェクトを掴んで高い位置に飛びついたりといった,Faithの身体能力を使ったアクションパズルが主体となるが,どこかでアイテムを手に入れて施錠されたドアを開くといったタイプのものも一部で用意されるらしい。

Mirror's Edgeのアートワーク
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 とはいえ,戦闘があまりなく,アクションパズルだけでゲームを引っぱっていこうとするのはなかなか大変かもしれない。それなりに頭を使い,やり応えがあるものを十分な数だけ用意できないと途中でプレイヤーに飽きられてしまう可能性がある。また,本作のようなハイレベルなグラフィックスを持ったゲームでは,必要なPCのスペックも高くなりそうだが,「アクションパズルを好むプレイヤーにそこまで要求できるか」という懸念も残る。ハイエンドな3D環境を揃えたコアなゲーマーは,FPSとかRTSとかいった戦闘系のタイトルを好んでプレイするような気がするからだ。EA DICEの挑戦的な試みであるMirror's Edgeが最終的にどのような姿になるのかについては,まだ分からない部分が多いが,少なくとも,アドベンチャーファンにアピールするためには,ありきたりでない,Mirror's Edgeならではのストーリーが必要になるだろう。
 ただまあ,今ではすっかり「バトルフィールドフランチャイズ」で有名なデベロッパだが,Digital Illusion時代にはピンボールからレースまでと,さまざまなジャンルを手がけてきた20年の歴史を持つだけに,このあたりはいらぬ心配かもしれない。

 対応プラットフォームはPCのほかXbox 360とPLAYSTATION 3が予定されている。日本語版がリリースされる可能性も高いと筆者は思う。
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    ミラーズエッジ

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