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[GC 2007#037]お宝発見? Games Conventionに登場したアクションゲーム「Totems」
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印刷2007/08/24 18:25

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[GC 2007#037]お宝発見? Games Conventionに登場したアクションゲーム「Totems」

 Games Conventionでは,これまで見たことも聞いたこともないようなヨーロッパ産の新作ゲームを発掘するのも楽しみの一つ。今回も例外ではなく,ドイツで急成長を遂げている10Tacle Studiosの個室ブースにおいて初公開されたアクションゲーム「Totems」は,今後の開発状況によっては良作に仕上がりそうな気配のする期待大のお宝だ。開発するのは,同社がベルギーに構える支社で,PCとXbox 360用に2008年中のリリースを予定しているという。
 Totemsでは,シャーマニズムに覚醒し「トーテム」である動物神たちの加護を受けることで特殊な能力を得るという。また,広大な空間を自由に探索するオープンエンドなゲームになると,本作のクリエイティブ・ディレクターを務めるStephan Bura(ステファン・ブラ)氏は語る。主人公は,コーンロウ風に頭髪をまとめたジアという女性だ。

 Totemsの大きな特徴は,最近のヨーロッパの若者の間で静かな話題になっている,いわゆる「フリーランニング」という遊び(スポーツ?)にヒントを得たキャラクターアニメーションだ。このフリーランニングは,街の建物や障害物をものともせずに,体操のノウハウを駆使して,跳躍や疾走を繰り返して踏破するものである。とくに優雅さや効率の良さを競い合うことを,フランスではLe Parkourと呼んで区別しているという。ビルからビルへと飛び渡るような非常に危険な遊びだが,ヨーロッパではビデオに自分の無鉄砲ぶりを収めることで名声を得て,アクションスターとして大成した人もいるようだ。
 このフリーランニングのコンセプトは,「Assassin's Creed」などにも影響を与えているが,Totemsでも実物大で描かれた古代遺跡風の建物群の中を,ほとんど無制限に飛び降りたりよじ登ったりできるようになっている。さすがに絶壁から飛び降りるようなことはできないようだが,立体的に設置された建物の合間を自由に駆け抜けていくのが痛快だった。



 Bura氏はAssassin's Creedそのものと比較するのは避けていたが,10Tacle Belgiumでは,このキャラクターアニメーションをSESS(Semantic Environmental Sensing System)という独自技術で補っているという。
 このSESSは,簡単にいえばプレイヤーキャラクターが周囲のビルやオブジェクトの距離や形状を読み取るというアルゴリズムだ。例えば,ビルから飛び降りた瞬間にはすでに落下地点にある屋根や壁,電線などの存在を認識しており,接地時点でスムースなアニメーションへと移っていく。
 このSESSは,主人公ジアが歩いているときでも常時稼動しており,歩行時に壁に近づくと指でなでるような仕草をしていた。角を曲がるときなど,あまりにも壁に近づきすぎると,今度は指に力をかけ,押し戻して自分の方向を少し変える。雑踏でほかのキャラクターを押しのけるAssassin's Creedにも通じるものがあるが,Totemsでは路地のように両側に壁がある場所では,キックを繰り返しながら登っていくというような,さらに複雑な動きもしていた。

 Assassin's Creedとさらに異なる部分は,Totemsでは敵もプレイヤーと同じようなフリーランニングのスキルを持っているという点だ。敵はタイプによって攻撃法や移動速度が変わるとのことだが,今回の技術デモで唯一存在していたのが,引っ掻き攻撃してくる虎のような外観の二足歩行の敵。チートを使って主人公を遠方に移動させても,目に見える範囲であればどこまでも追いかけてくるのである。

 トーテムとなる動物神は複数用意されており,その加護を受けると両手首からオーラが流れ出てくる。動物神の種類によって色が異なり,パンチ力やスピードといった行動に影響する。戦闘中も周囲のオブジェクトに足をかけたり手でよじ登ったりするため,攻撃は素手が基本になるようだ。

 Totemsには,まだ公式サイトさえ用意されておらず,教えてもらわなければ誰も行き着けないようなURLのティザーサイトだけが存在する。Assassin's CreedのUbisoftのように大きな予算もマンパワーもないが,今回のデモだけでも十分に対抗できる素質は持っているように感じた。
 今回のGames Conventionで見た新作ソフトの中でも,その注目度はトップクラスといえる。「来年のGCでは詳しく紹介できる」とのことなので,発売は少なくとも2008年後半となるだろう。今後さらにゲームシステムやバックストーリーに関する情報が明らかになってくれば,ゲーマーの間で話題が盛り上がるのは間違いないだろう。 (ライター:奥谷海人)

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