ボリューム満点の本格派オンラインサッカーゲーム。「EA SPORTS FIFA Online 2」のクローズドβテストレポート

　ゲームオンがサービス予定である「EA SPORTS FIFA Online 2」のクローズドβテストが，2008年9月16日から29日まで行われた。


　本作は，Electronic Artsと韓国Neowiz Gamesが共同開発したタイトルで，FIFA（国際サッカー連盟）の公式ライセンスを取得しており，イタリア/スペイン/イングランド/ドイツの欧州4大リーグを筆頭とした世界各国，30リーグに属する約600チーム/総計1万人以上の選手が実名で登場する。

　本作の料金体系は，基本プレイ無料のアイテム課金制だ。有料アイテムの詳細はまだ発表されていないが，以前行われた発表会では，選手の能力を一時的にアップさせるアバターアイテムなどの販売が予定されていることが明らかになっている。

試合開始前およびゴールが決まった瞬間などは，ムービーが挿入される。FIFAシリーズでも起用された西岡明彦氏の実況と，サッカー日本代表監督である岡田武史氏の解説で，気分が盛り上がる

キーの組み合わせで，さまざまなテクニックを駆使できる。ゲームパッドにも対応予定

キーボード操作に慣れない最初のうちに，スライディングタックルなどを多用すると，イエローカードをもらいやすい

　操作はキーボードまたはゲームパッドで行う。ただし今回，パッドに関する設定メニューが用意されていたが，筆者のPC環境では実際には使えなかった。パッドの使用は発表会でも強い要望が出ていただけに，早急な解決を望みたいところだ。

　キーボードによる基本操作は，カーソルキーで移動し，Eキーでダッシュ，Aキーでロングパス/スライディングタックル，Sキーでパス/選手切り替え，Dキーでシュート/タックルまたはボールクリア。
　これだけ覚えておけばとりあえずゲームはできるが，さらにQキーでトリガーラン/味方によるプレス，Wキーでスルーパス/キーパー飛び出し，Zキーでキャンセル/フェイント，Cキーでドリブルのペース調整/スライドディフェンスができる。
　慣れてくればキーを組み合わせて，ボールをキープする選手を操作しながら，ほかの選手をスペースに走り込ませることなどもできるが，当初は斜め方向への移動ですらおぼつかないかもしれない。基本操作を確実にしてから，複数キーによる応用操作を身につけていくのが上達への近道といえそうだ。

　またプレイヤーが試合を有利に運ぶためには操作上のテクニックだけでなく，サッカーの戦術的な知識や，各選手の特徴を把握することが要求されるだろう。つまり，選手を操作するだけでなく，監督としてチームを指揮/育成する手腕も問われるわけだ。
　世界的に高い人気を誇るFIFAシリーズの流れを汲み，本格派を謳うだけあって，サッカー風のアクションゲーム，あるいは膨大なデータの集合体に終わっていないのはさすがといえる。

ゲームとはいえ，リアルのサッカーと同じような戦術が有効だ。基本は各選手の位置を把握しながら，いかに数的に有利な状況を作るかに尽きるが，各選手の特徴を把握しておけばさらに有利になるだろう

理想のチーム育成がプレイ継続のモチベーションになる

チュートリアルをクリアすれば，チームポイントは最大19になる。きちんとクリアしておこう

　ゲーム開始直後に，チュートリアルとして攻撃/パス/守備のトレーニングを受けられる。チュートリアルとはいえ，チーム選択に必要となる「チームポイント」を獲得できるので，きちんとクリアしておいたほうがいいだろう。なお，チームポイントは試合終了時にも獲得可能だ。地道に溜めれば別のチームに乗り換えられるだろう。

　ゲームモードはシングルプレイの「リーグプレイ」と，オンライン対戦の「マルチプレイ」の二つ。前者では自分のチームが所属するリーグで優勝を目指し，達成したらまた別のリーグで新たにチームを選択する。この際，前のチームから選手を数名連れて行けるので，完全に一からチームを作るわけではない。
　リーグプレイとマルチプレイでチームデータを共有できるため，前者でチームをガッチリ育成し，後者で実力を試すといったこともできる。
　なお，クローズドβテストでのマルチプレイでは，1対1で戦うことしかきなかったが，オープンβテスト以降は，そのほかのモードも実装されるようだ。

オアシスのギャラガー兄弟も熱狂的なファンであるマンチェスター・シティもバッチリ選択できる

　チームに所属する各選手にはレベルがあり，試合を重ねると経験値を獲得。一定の経験値を溜めるとレベルアップし，各ステータスにポイントを割り振って強化できる。
　ステータスは，「共通」「攻撃」「パス/ドリブル」「守備」「ゴール守備」の5項目に分かれており，さらにそれぞれが「スタミナ」「シュート精度」など細分化され，全部で23項目ある。
　選手には，能力値とは別にコンディションと体力が設定されており，状態によっては休息させなければならず，何試合もの連戦はできない。したがって効率よくチームを強化しようと思うなら，特定選手の育成にこだわるのではなく，控え選手も含めた，チーム全体の強化を考えなければならないのだ。

選手のステータスは全23項目。長所を伸ばすか短所を補うか，迷うところだ

試合前，試合中は選手のコンディションを確認し，適宜交代させる。面倒なら「自動選択」してもいい

　またチーム強化の一環として，試合終了時には「ユニフォームカード」を獲得できる。これは本作に登録された全選手の中からランダムで一人，交渉権を獲得できるというもの。もちろん，能力の高い選手のカードはなかなか出ないが，10枚溜めれば，また別のカード1枚とランダムで交換できる。
　さらに「選手移籍市場」を利用すれば，同一リーグ内の選手を引き抜ける。これら選手と契約するには，試合終了時などで獲得できる「LP」を使う。つまり，繰り返して試合をすることと，チームを強化しプレイヤーの理想に近づけていくことがリンクしているのだ。プレイ継続への大きなモチベーションとなるだろう。

　実際にプレイしてみての正直な感想は，「これだけ遊び応えのあるゲームが基本無料で遊べてしまって本当にいいの？」というもの。有料アイテムの内容が発表されていないため，正式サービス開始以降どうなるかは分からないが，今のところ大盤振る舞いといった感じだ。
　発表会では，毎年進化していくFIFAシリーズの新機能などの追加を検討するということだったので，今後の展開にも期待したい。

試合終了後は，3枚のユニフォームカードから1枚を選択。どの選手のカードが出るかは開けてみるまで分からない	チームを強化するには「選手移籍市場」を利用するのもいい。ちなみに，リストアップされる選手はランダムのようだ
ユニフォームカードで交渉権を獲得した選手は，別途契約金を払わないと試合に出場させられない	試合中に負傷した選手は，救急箱で治療できる。メッセージを見る限り，チーム全員を治療するアイテムもあるようだ

ゲーム開始直後の実績情報。膨大な数の実績が用意されているので，目標に困ることはないはず。チームを理想に近づけながら，一つ一つ達成していこう