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ゲームポットの新規タイトルもお披露目に。ソネットエンタテインメントが2009年度連結業績・中期経営計画説明会を開催
この説明会では,2009年度の連結業績および第1次中期経営計画(2007〜2009年度)のレビューと,第2次中期経営計画(2010〜2012年度)の発表が行われた。
とくに後者では,同社のメディア・エンタテインメント事業の方針の一つに「オンラインゲーム事業の育成」が掲げられており,子会社であるゲームポットが,新規にサービスを予定している4タイトルも紹介されている。
その主だったポイントとして,接続事業ではブロードバンド会員数が前年度比で約3割増加し170万人となったこと,ポータル事業では子会社のエムスリーおよびゲームポットがそれぞれ増収増益となったものの,広告事業が奮わなかったことが挙げられた。
また2010年度の連結業績は,事業の伸びやISP事業の買収を理由に,売上高の19%増加を見込んでいると説明した。
続いて,過去3か年の第1次中期経営計画に関する報告がなされた。
吉田氏の説明によれば,“ネットワークエンタテインメントの追求”をビジョンに掲げて事業施策を行ってきており,中でもFTTH(Fiber To The Home,光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス)が着実な成果を出したという。
その一方では広告事業が芳しくなく,またトップニッチ戦略もオンラインゲームを除くと想定した成果は出せていない。そのため,すでに女性向け専門サイトやCGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)系サイトの撤退を決定しており,吉田氏は「集中と選択はやりきった」と述べた。
経営指標達成状況の報告では,接続事業のFTTHが安定したキャッシュフローとなったのに対し,成長ドライバーとしてのポータル事業が十分な成果を出せなかったと指摘。その理由として,広告事業が景気の影響を受けたこと,またゲームポットも増収増益となったとはいえ想定した成果を下回ったことを挙げた。
以上を踏まえ,吉田氏はこの3か年を「経済環境が厳しい中,成長基盤の確立を含め,一定の成果を得られた」とまとめた。
ネットワーク事業ではFTTHシェア10%獲得で
「市場ポジションの確立」を目指す
今後3か年の第2次中期経営計画のビジョンは“ネットワーク×エンタテイメントの追求”。ネットワークとエンタテインメントの間に“×”が入ったのは,それぞれを集中してやっていくこと,そして掛け算で成長を加速させたいという思いを表しているという。
この3か年は,第1次中期で確立した成長基盤をベースに,さらなるチャレンジを図るという位置づけとなる。
それに伴い,事業セグメントも再定義された。従来の接続事業はソリューションサービスを加えて「ネットワーク事業」となり,またポータル事業は「メディア・エンタテインメント事業」となる。
ソネットエンタテインメントでは,ブロードバンド回線の加入件数全体の伸び率は鈍化しているもののFTTHの割合は増加しており,成長市場であると現状を認識。
また同社が25%を出資しているアクトビラでは,ユーザーの7割がFTTHを利用しており,対応機器の接続台数/出荷台数とも好調な伸びを見せていることを例に,今後,ネットワーク端末が多様化していくことを説明した。
吉田氏は,アクトビラでの3D映像の配信予定などがあることに言及し,「ネットワークエンタテインメントとして,まだまだやれることはある」と述べた。
接続サービスの事業方針は,一言でまとめると「市場ポジションの確立」で,具体的にはFTTHシェアの10%獲得を目指す。
第2次中期経営計画では,2010年度末で210万件のブロードバンド回線加入を見込んでおり,このうちFTTHは175万件。実はこの数字だと8%のシェアという計算になるのだが,あえて10%を目標に掲げるというチャレンジの姿勢を示している。
そのための方針として,「販売施策とM&A」,拡大していくユーザー層に対する「つながる環境の徹底サポート」,IPv6の導入や基幹システムの再構築などの設備投資を含む「ネットワークマネジメントとバックヤードの強化」などが挙げられた。
オンラインゲームは自社IPの売上比率40%が目標
ゲームポット新タイトルのチラ見せも
吉田氏は,オンラインゲーム市場が市場規模/成長率とも世界的に数字を伸ばしていることに言及。中でもロシアや南米,東南アジアの成長が著しいと説明した。
オンラインゲームの事業方針として掲げられたのは,現在の約60億円という売上に対し,30%以上の売上高成長率を確保し,グローバルプレイヤーを目指すこと。具体的には自社IPタイトルの確立,海外展開,モバイル展開が挙げられた。
自社IPタイトルの売上に関しては,経営の安定および海外展開の核となるため,現在の売上比率9%から,40%(PC用タイトルのみ)を目指す。
2010年度は4タイトルを市場に投入する予定だが,そのうち自社IPタイトルが「PostPet type-M」と「Wizardry Online」,ライセンスタイトルが「Project Alice」と「Howling Sword」となる。
そのほか自社IPタイトルとして,2タイトルがムービーで紹介された。いずれも名称は未定とされており,1本は「MMO+FPS」というジャンルとコンセプトアートが披露されたが,もう1本は「大型アクション」と書かれているのみ。無論,サービス予定などもまったく発表されなかったので,いずれも詳細の発表を待ちたいところだ。
海外展開に関しては,米国での現地法人運営と,そのほか海外現地パブリッシャへのライセンス提供の両輪で進めていく。
またモバイルゲームでは,「Wizardry Online Mobile」「ソーサリーサーガ」の2本のMMORPGタイトルと,「モバゲータウン」用に「忍者スピリッツ」を投入。いずれも順調な推移を見せている。
吉田氏は,最後に「ネットワークエンタテインメント市場において存在感のある企業として成長していきたい」と述べ,説明会を締め括った。
- 関連タイトル:
Wizardry Online
- 関連タイトル:
PostPet type-M(コードネーム)
- 関連タイトル:
Project Alice
- 関連タイトル:
Wizardry Online Mobile
- 関連タイトル:
ソーサリーサーガ
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