企画記事
KeNNy,uNleashed & fumio×Microsoft。「SideWinder X8はゲームで使えるのか」座談会レポート
また最後には,fumio氏に座談会の総括もしてもらったので,氏によるレビュー記事と併せ,チェックしてほしいと思う。
→SideWinder X8レビュー記事
以下,4氏の発言中にある( )内は,編集担当による補足。
3名ともセンサーには高い評価
形状への評価は分かれる
島田真有美氏(以下,島田氏):
さて,X8は昨年9月に米国本社で発表されましたが,その時点ですべてのスペック情報はリリースされていました。(国内の)ニュースリリースが出たあとも,さまざまなメディアやBloggerの方に紹介していただいて,かなり話題になっています。
そんななか,ゲーマーの方々が最も知りたいのは,「ゲーマーが実際に使ってみてどうなのか」ということではないかと思い,こういう企画になった次第です。
今回は,理想的なメンバーにお集まりいただいて本当に嬉しく思っています。使っていただいた感想を,率直にユーザー目線でお話しいただきたいと思いますので,よろしくお願いします。
――というわけでさっそくですが,皆さん,10日程度お使いいただいたということで,現時点でのインプレッションを順番にお願いします。
fumio氏:
X8を触って最初に感じたのは,形状面で細かな違和感があるということ。例えば,初代SideWinderだと,左側手前の部分が角ばっていたわけですが,これがX8では丸みを帯びて,親指の付け根を当てた状態でのホールドがしづらくなっています。これが一つ。もう一つは,右サイド奥のくびれの返しが弱くなって,持ち上げるときに指が抜けやすくなったことです。自分のように,親指と小指だけで挟む持ち方だと,とくに抜けやすいですね。
まあ,薬指と小指で右サイドを支える一般的な持ち方だと,右サイドが緩やかになった分,薬指の収まりがよくなって持ちやすくなっている印象なので,「多くの人にとっていい改良なのでは」とも思いますが。
KeNNy氏:
重さはやっぱり今までのマウスに比べてちょっと重いなあと感じましたが,形はサイドの薬指があたる部分と親指が当たるへこみにちょうどフィットして,僕のような「つかみ持ち」派にとって,持ちやすいマウスだと思いました。
uNleashed氏:
それと,以前のSideWinderシリーズは,相当角張っていて,非常に持ちづらそうな印象だったんですが,その印象はずいぶんと弱くなっています。
――それは,どう持ったときの印象ですか?
uNleashed氏:
僕は「つまみ持ち」といわれる持ち方だったり,それを変則的にしたような持ち方だったりを使い分けるんですが,X8でそれをやろうとすると,「親指と小指で押さえて操作する」のが非常にやりにくいんです。これは残念なポイントですけども,「かぶせ持ち」で,手のひら全体を(マウスの“背”に)付けてしまう場合にはきっちりと手にフィットするので,「かぶせ持ち」にはとても向いているんじゃないかと思います。
普段使っている低感度ではなく,マウスのスペックに合わせた高い感度でプレイしてみたところ,違和感なくプレイできたので,(全体としては)かなりいいマウスだなという感じですね。
島田氏:
少し生意気かもしれませんが,(3人のインプレッションに)想定されていた部分はあります。持ち方に関しては「つまみ持ち」「かぶせ持ち」など,ご自身の好みによるところがありますし,トップゲーマーの方は,それにすごく“うるさい”んじゃないかとは思っていましたので……。
ただ,一般的には好まれると思うというご意見は大変うれしかったです。
――お三方から,レイテンシと形状,重さの話が出てきたので,まずはこのあたりを掘り下げてみたいと思います。レイテンシは,「ない」ということであればそれで終わってしまう気もしますが,本当にゼロなのか,「あるけれども無視できるレベル」なのかというと,どちらなんでしょう?
KeNNy氏:
僕は普段IE3.0(※「Microsoft IntelliMouse Explorer 3.0」のこと。以下同)を使っているんですが,IE3.0と比べると――本当に,コンマ何mm秒という世界ですけど――遅延は若干感じます。「何か違う」くらいのレベルで,意識しなければまったく気にはならないけど,反応速度だけに意識をおいてずっと見ていると感じますね。
uNleashed氏:
僕はあんまり感じなくて,逆に粗を探すために機械的な検証をして,やっぱり無線は遅れてるんだってことを出したかったくらいでした。
粗探しのため,あえて「Quake 1」という軽いFPSを使って,「MidAir」というモードを1週間,毎日1時間くらい,友達とやってみたんです。(MidAirは)空中で戦うので,上下に大きく動くんですが,それでも(遅延は)あまり感じなかったですね。
fumio氏:
僕もほとんど感じなかったです。反射神経をテストするFlashアプリケーションを試したときに,数値上の差が若干出るかな? くらい。平均値で,それこそ0.1秒とかの致命的な遅れが生じたりはしませんから,「まあそんなに違和感は感じないかな」っていう。
ただ,操作しているとき,画面がやたらガクガクするような動きをすることは,たまにありました。原因がマウスにあるのか,マウスだとしたら無線転送周りなのかセンサーなのか,というのはちょっと特定できてないですが。
――全体としては,スペックどおり,といったところですかね。「遅延は発生しているが知覚出来ないレベルに留まる」という。
BlueTrackというトラッキング技術というか,搭載するセンサーユニットそのものについての評価はいかがでしょう?
uNleashed氏:
に追従できなくなってしまう,「ネガティブアクセル」という症状が出ていたんですが,X8は,500dpi設定でかなり荒く使っても,きちんとついてきました。
KeNNy氏:
確かに,昔のマウスだとぶんぶん振り回してたらポインタが飛ぶことはよくありましたけど,僕は今,そこまでしないので,気にならなかったですね。dpiを高く設定してしまうとそれだけ感度が高くなってしまって,結局ゲーム内のセンシティビティ設定を落として,“普段の感度”と同じくらいに調節しないといけないので,dpi設定は一番低くしていました。
fumio氏:
僕は二人とは逆に,4000dpiに固定して,ゲーム内の設定を落とすことで感度を合わせてたんですね。で,4000dpiで使った結果ですが,手首だけでマウスを操作するような高感度で使う分において,X8の性能はまったく問題ない。最低でも,今までに登場した光学センサー搭載のゲーマー向けマウスと同じくらいのパフォーマンスは持っていると思います。ゲームをするのに,なんら不都合ないレベルのセンサーだなと。
島田氏:
(大きく何度か頷く)
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