ニュース
[COMPUTEX 2008#25]ASUSの「R.O.G」は,ゲーマー向けとオーバークロッカ−向けの2ラインナップへ分化
P45チップセットを搭載し,DDR2-1200動作に対応したMaximus II Formula |
DDR3-2000動作をサポートするX48マザーボードになるRampage Extreme |
一般の自作派ゲーマーもターゲットになる
高コストパフォーマンス追求モデル,Maximus II Formula
もちろん,コストパフォーマンスを実現するために,妥協した部分がないではない。例えば,PCI Express x16スロット×2を採用するMaximus II Formulaだが,PCI Expressマルチプライヤチップなどは搭載していない。つまり,デュアルグラフィックス構成時にはPCI Express 2.0 x8 ×2になるわけだ。その意味では,ASUS(や他社の)P45マザーボード上位モデルと比べて,R.O.Gらしい“突き抜けた”印象は減り,違いが少なくなっているともいえるだろう。
しかしその基板レイアウトは,一般PCユーザー向けのP45搭載ハイエンドマザーボード「P5Q Premium」とは異なっている。とくに,グラフィックスカードの安定動作や,(ゲームユースにおいて比較的現実的といえる)オーバークロック性能の実現に向け,各コンポーネント用の電源まわりや,マザーボード全体におけるシグナルノイズの低減などには,十分な配慮がなされているという。
オーバークロック設定時の安定した長時間動作を追求するため,MCH(ノースブリッジ)への電源供給用に3フェーズPWM回路を搭載する。DIMM用にも2フェーズ搭載 |
P45搭載の一般ユーザー向けハイエンドモデル「P5Q Premium」。「Maximus II Formula」とは基板レイアウトやコンポーネントが少なからず異なっている |
オーバークロック性能に妥協を許さない
ハイエンドモデルとして登場するRampage Extreme
一方,従来的なR.O.Gの路線を引き継ぎ,「究極のオーバークロック性能を実現すべく,搭載する部品にも気を配りパフォーマンスを追求したモデル」(Yu氏)として訴求されるのが,Rampage Extremeである。
またRampage Extremeでは,各パーツが持つポテンシャルを,オーバークロック動作時にきちんと発揮できるよう,CPUやメモリ,MCH,PCI Express x16スロットへ供給する電源周りを強化している。CPUに16,MCHに3,メモリモジュール用に2というフェーズ数のVRMを採用するのはMaximus II Formulaと同じだが,Rampage Extremeではこれに加えて,CPUとメモリモジュール用のコンデンサに富士通製の機能性高分子ML-3キャパシタを採用することで,安定した電源供給を実現するとのことだ。ASUSはこの機構を「Extreme Engine」と呼んでいる。
共通した仕様も多い
Maximus II Formula&Rampage Extreme
ゲーマーか,オーバークロッカ−かというカテゴリの違いはあれども,同じR.O.Gシリーズということで,共通の仕様は少なくない。以下,主要なポイントをまとめてみよう。
●BIOS Flashback
●CPU Level Upの拡張
オーバークロックで引き上げたいパフォーマンスを指定するだけという簡単操作の自動オーバークロック機能「CPU Level Up」を拡張し,MCH(ノースブリッジ)やDIMM,ICH(サウスブリッジ)も,Normal / High / Crazyという選択肢から簡単にオーバークロック設定を行えるようになった。
●iROG
●カスタマイズ可能なチップセットクーラー
チップセット用クーラーはネジ留めされているため,より冷却能力の高いクーラーを利用したり,あるいは液体窒素冷却時に邪魔になったりしたときは,容易に取り外しが可能だ。また,ノースブリッジ用ヒートスプレッダの一部はネジ2本で固定されており,これを取り外して付属のウォーターブロックと取り替えると,標準チップセットクーラーの液冷化にも対応できる。液冷化時の外観は,CeBIT 2008で公開されたR.O.Gコンセプトモデル「Pinotnoir」に似た印象を受けた。
Maximus II Formulaの背面。チップセットはネジ留めされている |
Rampage Extremeに取り付けられたウォーターブロック |
●「Speeding HDD」
2008年夏に投入が予定されるR.O.Gマザーボードは「ハイコストパフォーマンスのゲーマー向けモデル」と,「徹底したオーバークロックモデル」という形に2極化することになる。ついに,純粋なゲーマー向けモデルが登場するわけだが,一方で「ハイコストパフォーマンス」と聞くと,どうしても下位モデル的な印象を受けるのも確かだ。
この点についてYu氏は,「これはR.O.Gの新製品だ。コストパフォーマンスを追求したMaximus II Formulaではあるが,性能面で競合の後塵を拝するつもりはない」と,そのポテンシャルには自信を覗かせる。
- 関連タイトル:
Republic of Gamers
- 関連タイトル:
Intel 4
- この記事のURL:
キーワード
(C)ASUSTeK Computer Inc.