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[COMPUTEX]R.O.G.がモジュール型ゲームPCやGTX 1080 SLI搭載の小型PCを披露。ASUSの偉い人にその特徴とコンセプトを聞いてきた
一部は速報でお伝えしているが,
今度こそ成功なるか? ゲーマー向けモジュールPCのプロトタイプ「Project Avalon」
会場で展示されたのは,その新しいフォームファクタのプロトタイプという位置づけで,このまま製品になるものではない。
実際,展示されている内部部品を見ると,モジュール化を実現するためにマザーボードの形状は既存のATX系とは似ても似つかない3次元的なものになっており,一面から見た限りではPCI Expressインタフェースがなく,I/Oインタフェースもない。これらはライザーカードの先でモジュール的に接続されるわけだ。
既存のマザーボードの入出力部位を別基板として分割させるアイデアがベースになっているイメージでいいだろう。
会場では空冷モデルと液冷モデルがあったが,どちらも,ケーブルがない分,
「他のメーカーやベンダーがこのプロジェクトに参入してくるかは分からないが,現在,2社ほど興味を示してくれているところがある。今後の展開にぜひ注目していて欲しい」とHsu氏。
これまでも,モジュール型デスクトップPCのアイデアは,何度か出ては消えていった過去がある。その点,R.O.G. 10周年プロジェクトの一環として進んでいるというProject Avalonには,なんとか日の目を見てほしいところである。
R.O.G. 10周年記念製品はマザーボードと「GTX 1080 SLIをチカラワザで搭載したデスクトップPC」
いま10周年という話をしたが,10周年を記念して,最終製品として登場するのが確定しているのは2つ。1つは「RAMPAGE V EDITION 10」マザーボードだ。
RAMPAGE V EDITION 10は,チップセットに「Intel X99」を搭載し,Broadwell-EおよびHaswell-E世代のCPUをサポートする製品で,CPUソケットはもちろん「OC Socket」仕様。「最低でも30%のオーバークロックが可能だ」(Hsu氏)。
もう1つは,「世界最強のゲーマー向けデスクトップPC」として発表された「ROG G31 EDITION 10」だ。
Hsu氏が「20リッターという本体の体積は,性能を考えればコンパクトサイズ」と強調するこのROG G31 EDITION 10だが,展示会場にあった実機の絶対的なサイズはそれほど小さくない。ブックサイズ風だが,「小型の」とは紹介したくないといったサイズ感だ。ただ,そんな本機が「GeForce GTX 1080搭載グラフィックスカードを2枚搭載した,SLI仕様のデスクトップPCである」(Hsu氏)と聞くと,「え!?」と驚く大きさではある。
どのようにして,このサイズでグラフィックスカードの2枚差しを実現したのだろうか。もしかして未発表のGeForce GTX 1080搭載MXMか……とも思ったが,Yu氏はそれを否定し,「SLI仕様のデスクトップPCでありながら,ここまで筐体を小さくできたことには,グラフィックスカードの物理的な設計,そしてそのレイアウト,特殊な冷却システムが貢献している」と述べている。
氏によると,ROG G31 EDITION 10が搭載するグラフィックスカードの基板自体は,「普通の」ものだそうだ。ただし,ROG G31 EDITION 10では底面吸気,天面排気仕様を採用することから,冷却機構をそれに合わせて最適化しつつ,マザーボードと「川」の字になるよう2枚並べているという。
グラフィックスカード2枚を筐体最下部にレイアウトしているのは,筐体最下部から吸入したフレッシュな外気を,まずはGPUの冷却に使うためとのこと。GPU用の冷却機構を通り抜けたエアは,そのままほかの部材を冷やしつつ,筐体の最上部から抜けていく。
非常によくできたデザインだが,実機を見て強烈だったのは,筐体の小型化と冷却能力強化の目的で,DC電源供給ボックスが外付けになっていることだ。展示会場では本体の横に並んでいたが,専用接続ケーブルには相応の長さがあったので,実際の運用にあたっては机の下に置くことを想定しているのだろう。
R.O.G.とSTRIXのダブルブランド? 新しくなったブランド戦略を聞く
R.O.G.とは別のブランドとして展開されてきた「STRIX」が,今回,「ROG STRIX」として,正式にサブブランド化したのも,COMPUTEX TAIPEI 2016における大きなトピックの1つだ。
第1弾製品となるのは「ROG STRIX GEFORCE GTX 1080」で,製品名からも容易に想像できるとおり,これはGeForce GTX 1080を搭載する製品で,3連ファンによる空冷ながら,カード側に用意された「OC mode」を選択すると,保証の範囲内で1936MHz動作を実現するというのが最大の特徴だ。
なお,クーラーは冷却性能が従来比で30%向上しており,動作音は従来よりも3倍静かだという。
なお,Hsu氏には,これからのR.O.G.とSTRIXの棲み分けについて聞いてみたが,氏は「R.O.G.は,やや上級者,ハイエンド指向の強いエンスー向けのブランドに育ってきた。これは喜ばしいことなのだが,このR.O.G.ブランドより若い世代や初心者に近い層のユーザーにも興味を持ってもらいたいと思い,新しくROG STRIXブランドとしてSTRIXを設定し直した。ROG STRIXブランドは簡単な使い勝手で素晴らしく高い性能が得られる製品だ。従来のR.O.G.ファンには,これからもR.O.G.に期待してほしいし,もちろん,それに応える製品も投入していく」と述べていた。
R.O.G.とSTRIXの位置づけに大きな変化はないということで,R.O.G.そしてSTRIXのファンは一安心といったところか。
このほかに発表会では,世界初の液冷対応ゲーマー向けノートPCとして登場した「ROG GX700VO」の後継となる「ROG GX800」や,G-SYNC対応で垂直リフレッシュレート180Hz対応の24インチワイド液晶ディスプレイ「ROG SWIFT PG248Q」,バーチャル7.1chサラウンドサウンド入力に対応したUSB接続型オーバーヘッドヘッドセット「ROG CENTURION」も登場している。これらについては,詳細が判明したら,会期中に続報をお伝えしたいと考えている。
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