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[CES 2017]ASUSのゲーマー向けPC 2017年モデルは,垂直120Hz+G-SYNC対応ノートPCに注目。4K+HDR+144Hz+G-SYNCの「全部入り」液晶も期待だ
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印刷2017/01/07 19:15

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[CES 2017]ASUSのゲーマー向けPC 2017年モデルは,垂直120Hz+G-SYNC対応ノートPCに注目。4K+HDR+144Hz+G-SYNCの「全部入り」液晶も期待だ

 CES 2017に合わせてASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,さまざまな新製品を一斉に発表した。そのうち,新型スマートフォンの「ZenFone AR」と「ZenFone 3 Zoom」については,発表会レポートを掲載済みだ。

ゲーマー向け製品「ROG」ブランドを集めたプライベートブースの様子。ROGのイメージカラーである赤色の照明で照らされている。ちなみに,モバイル機器や一般向けPC,スマートデバイスといったものは別の部屋で展示しており,ASUS 1社で複数のフロアを使うほど,多くの製品を持ち込んでいた
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 発表会だとスマートフォン以外についての言及がなかったものの,実際には,ゲーマー向けブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)のPCやマザーボード,周辺機器なども多数が発表されており,数え上げると切りがないほどだ。そうした新製品の数々をASUSは,ラスベガス市内の高級ホテルに設けたプライベートブースで披露していた。
 そこで本稿では,プライベートブースで確認できたASUSのゲーマー向けPCや周辺機器といった注目の新製品をまとめて紹介してみたい。


ノートPCは垂直120Hz+G-SYNC対応液晶パネルモデルが中心に


 まずは,ROGのノートPCから見ていこう。
 今回,ASUSブースには7製品が並んでいた。すべてがKaby Lake-Hこと,4コア版の第7世代Coreプロセッサを搭載する製品だ。なお,発売日や価格は未発表で,国内発売の可能性も明らかになはっていない。

 さて,新製品におけるポイントの1つは,7製品中4製品が,垂直リフレッシュレート120HzとNVIDIAのディスプレイ同期技術「G-SYNC」に対応するノングレア液晶パネルを採用している点にある。高リフレッシュレート+G-SYNC対応の製品が増えてくれば,ノートPCでのゲームプレイもさらに快適になるので,この動きは大いに歓迎したい。

 というわけで順番に紹介していくが,まずは「ROG GX800VH」だ。2015年に登場した「ROG GX700VO」の後継機で,本体後部に巨大な外付け液冷ユニットを取り付け可能な大型ノートPCと言えば,ピンとくる人もいるだろう。

ROG GX800VH
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本体後部に直結する液冷ユニット。見た目や構造は従来モデルと同じだ
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 液晶パネルには,18インチサイズで4K解像度対応G-SYNC対応モデルを世界で初めて採用しているとのこと。GPUには,ノートPC向け「GeForce GTX 1080」を2-way SLI構成で搭載し,さらに,CPU倍率アンロック版であるK型番のCore i7――普通に考えれば「Core i7-7820HK」――やオーバークロック対応のメインメモリを採用しており,GPUとCPU,メモリのそれぞれをオーバークロック動作させることができるようになっているという。

 続いて「ROG G752」は,17インチサイズで垂直リフレッシュレート120Hz対応の液晶パネル(※解像度未公開)を採用するハイエンドノートPCだ。
 ノートPC向け「GeForce GTX 1070」とやはりK型番のCore i7を搭載しており,ROG GX800VHほどではないものの,GPUとCPUのオーバークロックが可能となっている。

ROG G752
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 「ROG G701」も,垂直リフレッシュレート120Hzの17インチ液晶パネルを採用するノートPCだ。
 GPUにはノートPC向けGeForce GTX 1080,CPUにはK型番のCore i7を搭載。搭載GPUのグレードはROG G752より上だが,冷却機構が簡易になっているため,製品としてはROG G752の下位モデルという位置づけになるらしい。

ROG G701
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 「ROG GL702」は17インチサイズ,「ROG GL502」は15インチサイズの120Hz+G-SYNC対応液晶パネルを採用する製品だ。
 正確な重さは不明ながら,ASUSでは両製品を「Ultra Portable Gaming Notebook」と主張している。とはいえ,見た目でとくに薄いわけでもないので,RazerやMSIの薄型ゲーマー向けノートPCほど薄く軽いわけではなさそうに思えるのだが,実際はどうだろうか。

 オーバークロック用途は重視していないそうで,そのため,CPUはK型番ではないKaby Lake-Hを採用するとのこと。GPUはノートPC向けGeForce GTX 1070,または「GeForce GTX 1060」を搭載するそうだ。

ROG GL702(左)とROG GL502(右)。キーボードは30キーまでのロールオーバーに対応するという
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 17インチモデルの「ROG GL753」と15インチモデルの「ROG GL533」は,垂直リフレッシュレート120HzやG-SYNCに対応しないスタンダードな液晶パネルを採用する,エントリー市場,英語で言うところの「Mainstream」市場をターゲットにしたノートPCだ。
 搭載GPUはノートPC向け「GeForce GTX 1050 Ti」または「GeForce GTX 1050」とのこと。CPUもK型番ではないKaby Lake-Hとなっている。
 下位モデルとはいえ,30キーまでのロールオーバーに対応するとのことで,そこは競合に対する差別化ポイントになりそうである。

ROG GL753(左)。チクレットタイプの各キーはカラーLEDイルミネーション機能を内蔵しており,キーボード全体を4つのエリアに分割して,それぞれの発光色をカスタマイズできる。ROG GL553(右)も,キーのイルミネーション機能は同じだ
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小型と大型,2種類のデスクトップPCを出展


 ゲーマー向けデスクトップPCもASUSは多数発表しているのだが,今回,ASUSブースで見学できたのは,2種類だけだった。

 その1つ,「ROG GR8 II」は,PlayStation 4より小さいという謳い文句で登場した小型デスクトップPC「ROG GR8」の後継製品だ。
 幅の薄い縦置きボディというイメージは似ているが,赤色の中央部分を挟み込む左右部分が,従来の黒からガンメタル風の色に変わったのが,まず目立つポイントと言える。さらに,左右部分の前面には,ASUSのLEDイルミネーション連携機能「AURA Sync」に対応するカラーLEDイルミネーションを搭載し,かなり派手な見た目となった。

縦置き前提の小型デスクトップPCであるROG GR8 II。複雑な線を描くLEDのラインが前面を走っており,どことなく宇宙船っぽくも見える
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 具体的なサイズは不明だが,ROG GR8 IIは,従来のROG GR8よりも幅がだいぶ大きくなったように見える。内部容積は4ℓになったそうだ。

隣の27インチ液晶ディスプレイと比べると,おおよそのサイズがイメージできるだろうが,今回は初期型PlayStation 4よりも大きくなったように見える。右写真は背面側で,メッシュ状の部分は排気孔になっているようだ。GPUは本体下側にある
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 筐体の大型化は,より性能の高いGPUやCPUを採用するためのもののようで,とくにGPUには,「ASUSがカスタマイズした“GeForce 1060”」なるものを採用しているのだという。GeForce 1060というのが,単にGeForce GTX 1060の書き間違いなのか,それとも別のGPUなのかは分からないが,VR対応を謳っているので,ノートPC向けGeForce GTX 1060をベースにしている可能性はあるだろう。
 一方,CPUのほうは,第7世代Coreプロセッサとだけあり,型番その他はまだ分からない。

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 デザインはともかく,スペックが低くてゲーマー向けとしては実用性に欠けた従来製品と比べると,ROG GR8 IIは大幅な性能向上が期待できそうだ。今度こそ,小型のゲーマー向けデスクトップPCとして評価に値する製品となっていることを期待したい。

 小型の次は大型のデスクトップPCを見てみよう。
 「ROG GT51CH」は,以下の写真を見てのとおり,奇抜なデザインをしたタワー型PCだ。

ROG GT51CH
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前面下部。機能的には吸気孔だそうだが,どちらかというとビーム砲か何かの砲口に見えなくもない
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 この筐体は,1年前のCES 2016でASUSが発表した,国内未発売のデスクトップPC「ROG GT51」が採用していたのと,おそらくは同じもの。筐体前面の下側に,波動砲の砲口というか,アイアンマンの胸部にある「アークリアクター」というか,そういったものをイメージさせる吸気孔を設けているのが特徴だ。
 吸気孔内のLEDはAURA Syncに対応しており,ほかのLEDと合わせて発光色を変化させることが可能だという。

 スペックはかなり高めで,GPUは「GeForce GTX 1080」の2-way SLI構成を標準装備。CPUにはK型番のKaby Lake-S最上位モデルである「Core i7-7700K」を採用し,標準で4.8GHz動作までオーバークロックし,メーカー保証付きにて出荷するとのことだ。
 メインメモリ容量は64GB。ストレージは,NVMe接続のM.2 SSDを4枚(※容量は未公開)使ったRAID 0構成をサポートする。

 スペックがスペックだけに,相応に高価な製品になるのは間違いなく,今回も国内で販売されるかどうかは微妙そうだが,さてどうなるだろうか。


カセットテープを思わせる液冷ブロック標準装備のハイエンドマザーボード


 次は,ROGのマザーボードを1つ紹介しよう。
 Kaby Lake-Sに対応するIntel 200シリーズチップセット搭載のASUS製マザーボードは,去る1月4日に発表済みなのだが,このタイミングでは発表が間に合わなかった製品の「ROG MAXIMUS IX EXTREME」が,ASUSブースに参考出展されていたのだ。

 ROG MAXIMUS IX EXTREMEは,ゲーム用途よりもオーバークロック用途を重視したMAXIMUS IXシリーズの最上位モデルで,CPUソケットや電源部の上に,「ROG monoblock」と称する液冷用ヒートシンクブロックを備えているのが,最大の特徴となる。
 中央に液冷用パイプを填め込む孔が2つあるため,ROG monoblockの見た目は,巨大なカセットテープに似ている……と言えば,30代以上の読者には分かってもらえるだろうか。

ROG MAXIMUS IX EXTREME。CPUや電源部を巨大なブロックが覆っている
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 このブロック,CPUと電源部を覆うことで冷却効果を高めているだけでなく,温度センサーや冷却液の流量センサーも内蔵しているため,冷却状況を細かく把握できるのだという。さらに,冷却液が漏れても,基板上にこぼさない保護機構としても機能するそうだ。
 AURA Sync対応のカラーLEDも内蔵しているので,かなり派手に光らせることもできる。

ROG monoblockは,どことなくカセットテープを思わせる。カラーLEDまで内蔵しているので,見た目を派手に彩るのにも効果的
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 液冷前提という,かなり対象ユーザーを絞った製品ではあるが,極限を狙うオーバークロックカーには面白い製品かもしれない。


4K+HDR+144Hz+G-SYNCの全部入り液晶ディスプレイが2017年第3四半期に登場


 最後は,際だった特徴のあるゲーマー向け周辺機器を2つ。1つめは,液晶ディスプレイの「ROG SWIFT PG27UQ」だ。
 この製品,27インチサイズで4K解像度,HDRに対応しつつ,垂直リフレッシュレートは最大144Hz,さらにG-SYNCにも対応するという,2017年のゲーマー向け液晶ディスプレイに求められる要素を全部詰め込んだようなディスプレイなのである。

ROG SWIFT PG27UQ。プレスリリースによると,最大輝度は1000cd/m2に達するという。筐体やスタンドのデザインは,既存のROGディスプレイを踏襲しているようだ
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 発売時期は,2017年第3四半期の予定で,価格はおそらく2000ドル(約23万4028円)以下になるだろうとのことだった。

 もう1つの製品は,ROGブランドでは初となる,IEEE 802.11ac対応無線LANルーター「ROG Rapture GT-AC5300」(以下,GT-AC5300)だ。
 家庭向けルーターとしてはかなり大きな本体の周囲を,8本のアンテナが取り囲むという見た目のインパクトがすごい。これを置く場所には,相当悩むのではないだろうか。

8本の可動式アンテナが林立する無線LANルーターのGT-AC5300(左)。1000BASE-T対応の有線LANポートは8ポートを備える(右)
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 GT-AC5300は「ROG Game Boost」という機能により,ゲームの通信パケットを優先して伝送できるほか,セキュリティ企業であるTrend Microの技術を利用した「Game Intrusion Prevention System」(Game IPS)も利用できるという。
 Game IPSの説明には,「ゲームプレイ中にPCのセキュリティソフトを一時的に無効にして,PCの処理能力をゲームにつぎ込み,ゲームのパケットをブロックさせないようにできる」とある。おそらくは,PC側のセキュリティソフトやファイアウォールが持つのと同じような機能を。GT-AC5300側で実行するのではないだろうか。

ASUSTeK ComputerのCES 2017特設Webページ(英語)

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