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5G対応ゲーマー向けスマホ「ROG Phone 3」が発表。Snapdragon 865 Plusと144Hz表示対応有機ELパネルでスペック一新
価格は,メインメモリ容量16GBの上位モデルが1099ユーロ(約13万6500円),メインメモリ容量12GBの下位モデルが999ユーロ(約12万4000円)となっている。発売時期は明らかになっていない。
※2020年7月23日1:00頃,価格情報を追記しました。
ROG Phone 3は,2018年に登場した「ROG Phone」,2019年に登場した「ROG Phone II」に続く,3世代めのゲーマー向けスマートフォンとなる。
ROG Phone 3の公称本体サイズは,78(W)×171(D)×9.85(H)mmで従来のROG Phone IIとほとんど変わらない。厚みが少し増した程度だ。ASUSによると,周辺機器の互換性を維持するためにあえて同じサイズにしたという。
デュアルSIMに対応 |
サイドマウントポートは,USB Type-Cコネクタが2つ並んだ形状の端子となる |
サイズは変わっていないが,スペックは大きく変わっている。Snapdragon 865 Plusの採用だけでなく,LPDDR5対応のメインメモリや高速ストレージ用インタフェース規格「UFS 3.1」対応のストレージなど主要なコンポーネントは一新したと言っていい。
ディスプレイに約6.59インチ,解像度1080×2340ドットの有機ELパネルを採用する点は,ROG Phone IIと変わらないが,最大リフレッシュレートが120Hzから144Hzへと向上した。入力側にも改良が施されており,タッチパネルのサンプリングレートが240Hzから270Hzへと引き上げられている。これにより,タッチ操作やスライド操作における入力遅延を低減したという。
ROG Phone 3の主なスペックは以下のとおり。赤字で示した項目が前モデルからの変更点となる。
メーカー | ASUS |
---|---|
OS | Android 10 |
ディスプレイパネル | 約6.59インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 865 Plus」 ・CPUコア:Kryo 585(最大3.1GHz) ・GPUコア:Adreno 650 |
メインメモリ容量 | 最大16GB(LPDDR5対応) |
ストレージ | 最大512GB(UFS 3.1対応) |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約6400万画素,F1.8 ・広角:約1300万画素,F2.4 ・マクロ:500万画素,F2.0 |
インカメラ | 約2400万画素,F2.0 |
対応5Gバンド | Band 1/2/3/5/28/41/ |
対応LTEバンド | FDD-LTE:Band 1/2/3/4/5/7/8/12/ TD-LTE:Band 34/38/39/40/41/42/48 |
対応3Gバンド | Band 1/2/3/4/5/6/8/19 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
Bluetooth対応 | 未公開 |
バッテリー容量 | 6000mAh |
待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB Type-C×2 |
公称本体サイズ | 78(W)×171(D)×9.85(H)mm |
公称本体重量 | 約240g |
本体カラー | 未公開 |
筐体サイズを維持しつつ,より高性能なプロセッサを搭載したとなると,発熱が気になるところだ。ROG Phone IIは,3Dベイパーチャンバーと銅製ヒートシンクを組み合わせた冷却機構を採用していたが,ROG Phone 3では,ヒートシンクを6倍もの面積に大型化したほか,3Dベイパーチャンバーも新たに設計し直したという。大型ヒートシンクにより,CPUだけでなく,5G対応モデムを一緒に冷却可能で,システム全体の安定性が向上するとこのことだ。
また,付属の外付けクーラー「AeroActive Cooler 3」は,従来の「AeroActive Cooler II」からファンの回転数が40%高速となった。AeroActive Cooler 3を装着することで,筐体の表面温度が最大4℃下げられるという。
ROG Phoneシリーズは,横持ちしたときにゲームパッドのショルダーボタンのような感覚でゲームを操作できる側面タッチセンサー「AirTrigger」を備えるのが特徴であった。ROG Phone 3では,これが「AirTrigger 3」に強化されている。
AirTrigger 3は,タッチ操作や横方向へのスライド操作に加えて,新たにスワイプ操作や長押しでの連射機能をサポートした。加えて,センサーが反応する領域を2つに分けて,ゲームパッドのL1ボタンとL2ボタン,R1ボタンとR2ボタンのように異なる操作を割り当てられる。
さらに,本体に内蔵するモーションセンサーを使って,スマートフォンを振るという行為に対して,機能を割り当てられるという。たとえば,FPSをプレイするときに,スマートフォンを振るとリロードするといったような操作も可能とのこと。
アウトカメラは,ROG Phone 2の2眼式から,ROG Phone 3では3眼式となった。標準と広角に加えて,新たにマクロレンズが加わったのが変更点となる。また,標準レンズで使う撮像センサーが,従来の約4800万画素から約6400万画素へと高精細化しているのもポイントと言えよう。
内蔵バッテリーの容量は,ROG Phone 2と同じ6000mAhだ。その一方で,電源管理用ソフト「PowerMaster app」を刷新しており,充電速度を調整することでバッテリーへの負荷を軽減する「Slowcharging technolgy」や,バックグランドで動作するアプリを休止状態とすることでバッテリーの消費を抑える「Hibernate apps」機能を搭載する。
ハードウェア面に続いて,ソフトウェアでの改良点にも触れよう。ゲーム向けの設定を行うユーティリティである「Armoury Crate」にも新機能が加わった。
まず,ゲームプレイ中でも呼び出せる設定パネルの「Game Genie」には,ゲームの画面内にWebブラウザやチャットアプリの画面を表示できる「Floating Window」機能や,数秒から数十秒という短いプレイ動画を録画する「Marked Clips」機能が追加となった。
そのほかにも,設定した複数のマクロを組み合わせられる「Multiple Macros」,画面ロックがかかった状態でもマクロを実行できる「Lock Touch Mode」といった機能も加えられている。
また,ゲーム向けの最適化モードである「X mode」も改良が施された。従来のX modeは,バックグラウンドアプリの使っていたメモリを解放してゲームに割り当てるものだった。ROG Phone 3では,Snapdragon 865 Plusの動作クロックやディスプレイのリフレッシュレート,タッチサンプリングレート,ネットワークの設定をゲーム向けに最適化するように変わった。
ASUSは,ROG Phone 3の冷却機構とX modeによる最適化を組み合わせることで,CPUのサーマルスロットリングやリフレッシュレートの落ち込みを軽減できるとアピールしている。
サウンド面についても触れておきたい。ROG Phone 3には,ASUSと音響技術の専門企業であるDirac researchが開発したサウンド機能となる「GameFX」を搭載した。
GameFXは,内蔵スピーカーの残響特性を元にした最適化や,複数のスピーカーにおけるクロストークを防ぐといった仕組みを備える。また,人間が認識しにくい低周波の音に対して,その倍音を加えることで,低音を感じやすくする仕組みも盛り込む。
GameFXは,ROG Phone 3の内蔵スピーカーだけでなく,ROG Phone 3と接続可能なすべてのROG製ヘッドセットでも利用できるという。ちなみに,ROG Phone 3では,3.5mmミニピンのヘッドセット端子が省略されてしまった。ASUSによると,5G対応の外付けモデムや5G用のアンテナを搭載するために,ヘッドセット端子用のスペースが確保できなかったそうだ。ヘッドセット端子を使いたい場合は,付属のUSB Type-C to 3.5mmミニピンへの変換アダプターやAeroActive Cooler 3を利用してほしいとのこと。
ROG Phoneシリーズは,豊富な周辺機器も特徴であった。ROG Phone 3でも,その特徴は受け継いでおり,ROG Phone 3に合わせて,2画面ゲーム機化する専用ドック「TwinView Dock 3」や本体に取り付けられるゲームパッド「ROG Kunai 3 GamePad」などの新製品が登場予定だ。
基本的な機能は,ROG Phone 2用だった「TwinView Dock II」や「ROG Kunai GamePad」と変わらないが,TwinView Dock 3では,本体のリフレッシュレートに合わせて,ドック型ディスプレイのリフレッシュレートが120Hzから144Hzへと強化された。一方のROG Kunai 3 GamePadは,ボタンのレイアウトが変更となったのに加えて,ボタンの品質が向上したそうだ。なお,既存のROG Phone IIでも,TwinView Dock 3が利用できるが,その場合のリフレッシュレートは,ROG Phone IIと同じ120Hzに制限されるという。
また,注目すべき周辺機器として「ROG Clip」を紹介したい。これは,ROG Phone 3をゲーム機の純正ゲームパッドに取り付けるためのアタッチメントだ。「DUALSHOCK 4」と「Xbox ワイヤレス コントローラー」,Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」の専用ゲームパッドにそれぞれ対応したROG Clipを用意するという。ASUSはこれら3種類のゲームパッドに対応したキーマッピング用のツールを提供する予定だという。スマートフォンで使い慣れたゲームパッドを使えるという点に魅力を感じるゲーマーも多いはずだ。
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